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赤い鴉におけるコネクションについて - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

赤い鴉におけるコネクションについて

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概要
効果

 赤い鴉に所属して行うセッションについて、結ぶことのできるコネクションを以下に示します。
 コネクションは、名誉点を消費することにより結ぶことが可能です。ここに掲載されたPCと結ぶ場合は、そのPCを自分のPCとして使うことはできません。
 これらのコネクションによって得られる恩恵は、主に2つのパターンに分かれます。
 1つは、コネクションを獲得した時点で恩恵を得られる場合です。例えば、ズュート・フォーゲルと「友人」のコネクションを結んだ場合、PCは「[常]複数宣言=3回」を習得し、それ以降継続的に恩恵を得られるといったことはありません。
 もう1つは、コネクション獲得により、それ以降継続的に恩恵を得られる場合です。例えば、メリル・クァトと「友人」のコネクションを結んだ場合、セッションの合間1回ごとに〈夢幻の香〉〈忘我の粉〉〈服従の雫〉を1つずつ獲得することができます。このケースでは、キャンペーン開始前のキャラクター作成段階に獲得することにより、3回分の恩恵を得られるものとします。また、このケースにおいて、ダイスを振ったり判定を行ったりする場合、セッション中に有効な効果や使用できる効果はすべて適用されます。種族特徴[運命変転]等も、1回ごとに使用するかどうかを選べます。
 なお、「顔見知り」のコネクションを結んだ後に「友人」のコネクションを結ぶといった場合においては、必要な名誉点はその差分だけとなります。また、名誉点の消費が大きいコネクションを結んだ場合、そのキャラクターに対して、それ以下のコネクションも結んでいるものとして扱います。

[1]赤い鴉の首領

“赤い鴉”ズュート・フォーゲル

(ドレイク/男/684歳)

「ズュート・フォーゲル。『赤い鴉』は私の呼び名であると同時に、私が設立した傭兵組織でもある。まあ、好きに呼びたまえ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:300点/友人:500点/貴重な友人:3000点

▼外見
 年齢に対して非常に若々しい、赤い髪のドレイクです。黒い角と翼を持ち、その力も相まって見る者を威圧させますが、性格によるものかどこか親しげな印象も与えます。

▼一般技能
不明

▼解説
 『力こそ正義』の理念の下、武力による支配を是とする傭兵組織『赤い鴉』を設立した古老のドレイクです。大破局の経験者であり、その力は神域へと至ったと噂される程の、絶対的な暴力装置と言えるでしょう。
 赤い鴉のメンバーは全員がその理念に賛同するか、或いは程度の差こそあれ度受け入れている狂人であり、その一員となるには出自も経歴も種族も信仰も何一つとして問いません。ただ一つ、問われるのは『強いか否か』です。
 彼が直接戦場に赴くことは滅多にありません。というのも、彼は享楽的であり、すぐに戦争の決着がついてしまうことを『つまらない』と感じているためです。だからこそ、彼は傭兵が不要になる時を待ち望んでいます。そうすれば、赤い鴉は不穏分子として潰されるだろうと考えているのです。そして、その時こそ最も楽しい戦争ができると目論み、各地に戦乱の火種を撒き散らしています。
 なお、洋上無人要塞都市『ジェフリー』の迷彩機能を人知れず停止させたのはズュートであり、これも戦争を加速させる目的の下に行っています。

▼コネクションの活用
 彼が好意を持つのは何らかの形で『力』を体現している者であり、そういった人物には積極的に助力を行います。
 命中力・回避力・魔法行使・生命抵抗力・精神抵抗力判定の中からいずれか1つを選びます。ズュートと「顔見知り」以上であれば、彼から戦闘の極意の一端を教えてもらうことができ、選んだ判定に常に+2のボーナス修正を得ます。
 ズュートと「友人」であれば、更に踏み込んだ内容を教えてもらえるようになります。実際の立ち回り方、身体の動かし方を知り、コネクションを結んだキャラクターは「[常]複数宣言=3回」を習得します。
 もし「貴重な友人」となった場合、彼の教えによって、動き方を最適化できるようになります。但し、その動きは未熟な身には負担が大きく、連用はできません。コネクションを結んだキャラクターは1日に1回、補助動作でHPに50点の確定ダメージを受けることにより、その手番中の主動作を追加で1回行えます。

[2]近侍の一人

“無の騎士”隊長

(ナイトメア/男/371歳)

「…………」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:300点/貴重な友人:500点

▼外見
 銀色の金属鎧に身を包んだ、寡黙な男性です。よって外観からは体格くらいしかわからず、それも本当の姿かは怪しいと噂されています。一応、スマートな印象の鎧から、やや細身で高身長なのが見受けられます。

▼一般技能
調教師テイマー13レベル
狩人ハンター13レベル

▼解説
 『赤い鴉』において古くからズュートの近侍を務め、同時に実働部隊の総隊長も兼任している腹心です。その実力は極めて高く、恐らく主から直々に指導を受けているのだろうと周囲からは目されています。
 彼の特徴として、無口かつ常に鎧姿なせいで表情もわからず、とにかく本人の情報を知る術が非常に少ないことが挙げられます。兜から除く金色の髪も、彼自身のものなのか兜に取り付けられたものなのか判断がつきません。常に隊長と呼ばれているせいで本名すらわからない、謎の人物です。
 ですが真面目で面倒見が良いことに加え、もう一人の近侍であるエスピーアと恋仲である(しかもヘタレです)ことから、親しみは持たれていますし、頼りにもされています。

▼コネクションの活用
 ズュートへの忠誠心が高いことから、『赤い鴉』に所属している人物には比較的甘いです。
 彼と「顔見知り」である場合、戦闘の心得を教えてもらうことにより、戦闘準備タイミングで使用できる魔法や能力によって消費するHPとMPを、-1することができます(戦闘特技等による消費低減と同等の効果として扱い、それらと重複します)。
 「友人」であるなら、定期的に差し入れをくれるようになります。セッションの合間1回ごとに、20000G以下の任意のアイテム1つを獲得します。このアイテムを売却することはできません。
 もし「貴重な友人」なら、彼からエスピーアとの関係について相談を受けられます。このコネクションを結んでいるキャラクターがエスピーアとも「友人」以上の関係を結んでいる場合、セッションの合間ごとに1回彼女から受けられる恩恵を、2回に変更します。

[3]近侍の一人

“完全無欠のメイド長”エスピーア・アントリーン

(サキュバス/女/291歳)

「エスピーア。意味は密偵です」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:300点/貴重な友人:500点

▼外見
 茶色の髪を短く纏め、メイド服に身を包んだ女性です。サキュバスとしての特徴も表に出ていますが、柔らかい印象を与え、種族特有の蠱惑的な雰囲気はありません。
 普段は仕事衣装ですが、その時々に応じて服装を変えることから、ファッションにも気を配っています。

▼一般技能
家政婦ハウスキーパー15レベル
執事バトラー12レベル
高級娼婦コーティザン11レベル
その他各種10レベル

▼解説
 『赤い鴉』において古くからズュートの近侍を務め、かつ内政を一手に引き受けている女傑です。更に密偵としてもズュートから一番の信用を寄せられており、いつか過労死するのではないかとも周囲から疑われています。
 基本的には温厚ですが、職務に対しては厳格かつ忠実であり、妥協を許しません。それでいて通常よりも遥かに短時間で仕上げることから、超人と扱われることもしばしばです。加えて密偵として姿を消すことがあっても、ごく短時間で最大の成果を持って帰ってくるため、『赤い鴉』の内政が滞ることもありません。
 プライベートがどうなっているのかは一切の不明ですが(そもそもプライベートなんてものが存在しているのかすら疑われています)、隊長と恋仲であることは間違いありません。

▼コネクションの活用
 ズュートへの忠誠心が高いことから、『赤い鴉』に所属している人物には比較的甘い……と思いきや、普通に厳しいです。ですが努力や向上心は認めるため、身内への助力は惜しみません。
 彼女と「顔見知り」であれば、メイドとしての心得を叩き込まれます。そのため、戦闘外におけるあらゆる行為判定に+2のボーナス修正を得ます。メイド……? なお、戦闘準備タイミングも戦闘中として扱います。
 エスピーアと「友人」である場合、より専門的な職業訓練を施してくれるようになります。セッションの合間1回ごとに、成長ポイントを消費せずに一般技能1つのレベルを1上げられます。
 もし「貴重な友人」なら、彼女から隊長との関係について相談を受けられます。このコネクションを結んでいるキャラクターが隊長とも「友人」以上の関係を結んでいる場合、セッションの合間ごとに1回彼から受けられる恩恵を、2回に変更します。

[4]薬師

“毒婦”メリル・クァト(PL:主催)

(ナイトメア/女/13歳)

「わたし、あなたの隣にいたいわ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:50点/友人:200点/貴重な友人:300点

▼外見
 淡い紫色の髪を伸ばし、両手の指を絡ませたかのような仮面で目元を隠している少女です。自らの、毒性が非常に強い血を周囲に効率良く撒き散らす為にか、やや肌の露出が見られます。

▼一般技能
薬剤師ドラッグメイカー10レベル
医者ドクター10レベル
高級娼婦コーティザン10レベル

▼解説
 『赤い鴉』に所属する薬師で、かつ毒薬の神テメリオを信仰する神官でもあります。一見すると普通の少女ですが、その実態はテメリオにも劣らない狂気を秘めた破綻者です。
 彼女は未だ少女の身でありながら恋愛感情と性的欲求とそれを向ける対象への尊厳破壊欲求が結びついていて、そのことを自覚しています。それ故に、恥じらう乙女のように振る舞いながら毒と薬で好意を抱いた相手を破滅させることに快感を覚える、生まれついての恋多き異常者と言えるでしょう。
 なお、その性質上彼女と親交を深めるのは容易です。無論、親交を深めた結果彼女の尊厳破壊欲求の対象とされることも考えられるため、深く関わらないのが賢明だと周囲の面々は語ります。

▼コネクションの活用
 恋多き異常者の風評の通り、彼女とコネクションを結ぶのは非常に容易です。しかし、その異常な精神性のため、深い関係になればなる程リスクも抱えることとなります。
 彼女と「顔見知り」であれば、薬の効果的な服用の仕方を学ぶことができます。これにより、コネクションを結んだキャラクターは、対象を問わず、自分が使用するポーション類でのHP、MPの回復量に+1します。この時、リスクは何もありません。
 メリルと「友人」となった場合は、薬物による快楽を得ることを勧めてくるようになります。コネクションを結んだキャラクターの為に薬物を調合してくれるようになり、セッションの合間1回ごとに〈夢幻の香〉〈忘我の粉〉〈服従の雫〉を1つずつ獲得します。この時、目標値25の精神抵抗力判定を行い、失敗すれば、彼女の目の前で、獲得した〈夢幻の香〉に火を点けてしまいます。
 もし「貴重な友人」ともなれば、彼女は毒の極意について教えてくれるでしょう。ですがそれは同時に、二人で快楽に耽りたいという少女らしい願望も秘めています。コネクションを結んだキャラクターは、毒属性と病気属性の効果によって与えるダメージに+4します。代わりに、彼女から投薬を図られるようになり、セッションの合間1回ごとに2d6を振ってその出目が「1,1」だった場合、次のセッションの間、生命抵抗力判定に自動失敗するようになります。この効果は達成値999の毒かつ呪い属性の効果として扱います。

[5]裁定者

“地に堕ちた熾天使セラフ”シファ

(魔動天使/女/16歳)

「これより、裁定を下す。オマエ達の夕餉は……ペガ刺しだ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:800点/貴重な友人:1500点

▼外見
 銀色の鎧に身を包み、鋼鉄の翼を持つ白髪の少女です。鎧には華やかな装飾も施されており、魔動天使ながらも年頃の少女らしさが伺えます。

▼一般技能
役人オフィシャル12レベル
復元師リペアラー10レベル

▼解説
 『赤い鴉』において、裁定者としての役割を持つ魔動天使の少女です。魔動機文明時代、『最強の魔動天使を生み出す』ことを目的とした、地域によっては法に触れるような実験の下、かつて名を馳せた強大な英雄の魂を組み込むことで製造されました。大破局の際にズュートに拾われ、魔動天使の解放をきっかけに目覚め、今は彼と契約を結んでいます。
 自らの出自ゆえか、法を尊び、義を願い、公平を重んじ、遍く万人に対して平等です。しかし『赤い鴉』に所属していることからもわかるように、シファが絶対の法とするものは力以外にありません。彼女は自分の魂に裏打ちされた暴力を武器に、組織内部において裁定し、調停を図ります。
 例えば、夕飯の献立を決めるのに諍いが起きれば、シファは残っている食材の種類や量、食べる面々の日常的な摂取カロリー量や栄養素の偏り、陸に赴いて食材を調達する次の機会といった諸々から、公平に判断し、決定します。無論『赤い鴉』は力こそ正義な組織ですので、それに従わず、自らの主張を通そうとする者もいるでしょう(裁定には時間がかかる、という側面もあります)。そうした場合、彼女は柔らかく微笑んだ後に、逆らう愚か者に対して自らの絶対的な暴力によって審判を下すのです。

▼コネクションの活用
 シファは常に真面目で、公平です。それ故に友人と呼べる者は少なく、実際に友人になるのは難しいでしょう。ですが、その気質と本人の実力により、彼女の助けを得られるのであれば、それは非常に頼もしいはずです。
 彼女と「顔見知り」であるなら、日常で困ったことが起きた際、裁定を下してもらえます。コネクションを結んだキャラクターは1日に1回、戦闘中でなければ、任意の行為判定を行う際に、+2のボーナス修正を得ることができます。但し、その次に行う行為判定に、-2のペナルティ修正を受けます。なお、戦闘準備タイミングも戦闘中として扱います。
 シファの「友人」となれば、最高位の魔動天使特有の戦闘方法について学ぶことができます。このコネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《両手利き》《マルチアクション》を習得している場合、秘伝《六翼破軍・夢幻天舞》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《六翼破軍・夢幻天舞》
タイプ《マルチアクション》変化型前提《両手利き》限定条件「用法:1H投」の近接武器+「用法:1H」の〈ガン〉
使用適用1回の近接攻撃リスクなし
概要それぞれの武器で3回の攻撃を行う

 一度に3種の武器攻撃を行う、魔動天使の奥義です。
 主動作で近接攻撃を行う際にこの秘伝を宣言することで、近接攻撃の後に投擲攻撃と射撃攻撃をこの順番で実行します。
 近接攻撃と投擲攻撃では片手に装備している「用法:1H投」の武器1つを、射撃攻撃ではもう片方の手に装備している「用法:1H」の〈ガン〉を使用します。当然のことですが、それぞれの武器のカテゴリにおいて、宣言者が装備できるランクでなければなりません。
 この秘伝を宣言すると、この秘伝の下に行う近接攻撃、投擲攻撃、射撃攻撃の命中力判定に-2のペナルティ修正を受けます。
 また、エンジェルオーダー【疾風怒濤】の効果を受けていて、かつ近接攻撃に〈魔動天使槍〉を使用していれば、近接攻撃を2回行った後に投擲攻撃と射撃攻撃を行うことができます。


 もし「貴重な友人」なら、戦闘面でもシファが援護してくれるようになります。1回のセッション中に1回だけ、戦闘準備タイミングが終了し、1ラウンド目の先手側の手番を行う前に、すべての敵に対して「威力30+17」点の魔法ダメージを与えられるようになります。この効果によるダメージはあらゆる効果によって軽減、無効化されることがなく、C値を⑩として扱います。なお、このコネクションを結んだキャラクターが複数いても、先手側の手番を行う前の1回のタイミングにおいては、1回しか使用できません(複数回戦闘を行うのであれば、その都度コネクションを結んだそれぞれのキャラクターの数だけこの恩恵を得ることはできます)。

[6]医師

“嬌艶の”ギュネー

(サキュバス/女/112歳)

「みぃんな、暴力的で困っちゃうわね」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:200点/貴重な友人:1700点

▼外見
 艶やかな長い黒髪が目を引く、サキュバスの女性らしい蠱惑的な身体の持ち主です。普段は眼鏡をかけ、白衣を身に纏ってさも知的な女性とでも言うかのようですが、実態としては胸元は開いていますし、スカートのスリットはタイツ越しに下着が覗けるくらいに深く、色気を見せないエスピーアとは対照的です。

▼一般技能
外科医サージョン14レベル
医者ドクター13レベル
高級娼婦コーティザン13レベル

▼解説
 人族蛮族問わず、生物の身体について極めて多様な知識を持つ、『赤い鴉』専属の医師です。人型の生物に対しては特に深く理解しており、故にサキュバスとしての能力を誰よりも効率良く振るうことができると自負しているようです。
 ギュネーが常駐している医務室は常に扉が開かれており、体調不良者や重症患者が運ばれてくることも珍しくありません。それらに対し、彼女は魔法を含む的確な治療行為によってごく短時間で回復させ、部屋から追い出します。そして、医務室に入って迂闊に扉を閉めた哀れな子羊には、『とんでもない』ことをしでかすそうです。
 あまりの軽薄さや、こうした行いについては品位を疑うと語られていますが(無論、そう語るのはよりにもよって『赤い鴉』の面々です)、彼女には1つの秘密があるそうです。それについてはサキュバスらしくないことと語っていて、真相は不明ですが、首領であるズュートは面白そうに笑っています。

▼コネクションの活用
 軽薄であり、自身の色気を積極的にアピールするような人物であることから、ギュネーと関係を結ぶことは容易です。しかし、彼女が抱える秘密にまで踏み込むには、その程度では足りないようです。いずれにせよ、浅い付き合いであればある程助力は積極的にしてもらえるでしょう。
 ギュネーと「顔見知り」であれば、彼女の持つ知識とテクニックを、実践形式で教えてもらうことができます。コネクションを結んだキャラクターは、常に性的体術判定と誘惑判定に+2のボーナス修正を得ます。
 「友人」になった場合、より磨かれた技を学ぶことができます。このコネクションを結んだキャラクターは、秘伝《胡蝶夢天》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《胡蝶夢天》
タイプ独自宣言型前提なし限定条件〈パンチ〉
使用グラップラー技能適用10秒(1ラウンド)持続リスクなし
概要自身の手によって敵に快楽を与えられるようにする

 〈パンチ〉もしくは〈パンチ〉を強化する武器で、敵に官能を与えます。
 この秘伝を宣言したキャラクターは、続く10秒間、あらゆる手段でHPにダメージを与えられなくなります。
 代わりに、〈パンチ〉もしくは〈パンチ〉を強化する武器で近接攻撃を命中させることにより、MPに対してダメージを与えられるようになります。加えて、対象が行うあらゆる行為判定に-1のペナルティ修正を与えます。
 この時、MPへのダメージは精神効果属性、行為判定へのペナルティ修正は精神効果属性(弱)として扱います。行為判定へのペナルティ修正は10秒間続き、この秘伝によって累積しますが、MPへのダメージが伴うため、実際に累積することはありません。なお、累積させる為に、近接攻撃の命中はさせてもMPにダメージを与えないことを選んでも構いません。その場合は、次にHPまたはMPにダメージを受けるまで累積させることができます。


 もし「貴重な友人」になることができれば、ギュネーは自分の心情を吐露すると共に、秘匿していた殺しの奥義を授けてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《魔力撃》を習得している場合、秘伝《穿地崩天撃》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《穿地崩天撃》
タイプ主動作型前提《魔力撃》限定条件〈パンチ〉
使用グラップラー技能適用1回の近接攻撃リスク回避力判定-2
概要相反するマナを相克させ、天地を揺るがす一撃を放つ

 左右の手に相反するマナを込め、相克させることで莫大なエネルギーを生み出し、攻撃に用います。
 主動作として〈パンチ〉もしくは〈パンチ〉を強化する武器で1回の近接攻撃を行います。この時、装備している武器の用法に限らず、「用法:2H」として攻撃を行ったものとして処理します。《追加攻撃》や《両手利き》によって追加で攻撃を行うことはできません。また、この攻撃に《魔力撃》《マルチアクション》を宣言することもできません。加えて、この秘伝は《飛び蹴り》を行った手番には使用できず、何らかの効果によって攻撃回数や対象を増やすこともできません(但し、主動作を増やす効果によって、追加で行う主動作をこの秘伝にすることだけは可能です)。
 この攻撃が命中した場合、対象の防護点を無視し、ダメージ決定時に「自身の任意の魔力×2」を追加で加算し、かつ1点以上のダメージを与えた場合、対象が受けている任意の効果すべてを解除します。

[7]修行僧

“燃ゆる魂”コギトエルゴスム

(ガネーシャ/男/189歳)

「Ah……我が魂よ、炎の如く……」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:200点/友人:300点/貴重な友人:700点

▼外見
 赤みがかった濃い灰色の肌を持つ、大柄なガネーシャです。でっぷりとした印象の強いガネーシャですが、彼は魂だけでなく自身の肉体も鍛え上げており、筋肉質なところが見られます。
 服装にもある程度気を配っているようで、様々な衣服を所持しています。そういうところから、彼もまた精神を重視しているのは間違いないでしょう。

▼一般技能
男娼プロスティチュート13レベル
歌手シンガー11レベル
踊り子ダンサー11レベル

▼解説
 老齢に差し掛かりながらも、未だ肉体の衰えをまるで見せないガネーシャです。種族特有の精神性は持ちながらも、他者の心の在り方も尊重する豪傑であり、安易な殺しを好みません。彼は親交を深めた相手であっても、同意を得た上で殺し合うという試練を背負うことで炎へと近づこうとしているのです。
 歌唱や舞踊といった芸を学び、武を磨き、それでも彼は満足していません。そもそも炎とは何なのか、ということを今一度考え直すこともしばしばです。故に「我思う、故に我在りコギト・エルゴ・スム」であるのだと。
 なお、ガネーシャの例に漏れず、三大欲求は非常に強いです。よく喰らい、よく寝て、よく犯します。その性質から、彼の世話をする者達は嬉しい悲鳴をあげています。特に性豪と評判で、密かな人気を得ているという噂があります。

▼コネクションの活用
 ガネーシャという種族ゆえか、最初はとっつきづらさを感じるでしょう。しかし一度関係を持てば、自然に親密になれるようです。とはいえ、深い関係となれば彼は殺すことも考え始めるため、程々にしておくのが良いとも考えられています。
 コギトエルゴスムと「顔見知り」なら、彼から精神統一について学ぶことができます。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに精神統一を図り、成長ポイントを1獲得できるようになります。
 彼の「友人」となった場合、イグニスの印舞について教えてくれます。これにより、コネクションを結んだキャラクターは戦闘中に、未熟ながらもイグニスの印舞を行えるようになります。このイグニスの印舞は主動作を使用して、3分間「[常]精神効果無効」を得るものとして扱います。
 もし「貴重な友人」ともなれば、コギトエルゴスムは自身が更なる高みを目指す為に、殺し合いを申し込むでしょう。このコネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに彼と殺し合うことにより、1500点の経験点を得ます。なお、この殺し合いによって実際にどちらかのキャラクターが死亡することはありません(決着がつかなかったものとして処理されます)。

[8]情報屋

“双猫姫”ノノ/ネネ

(ミアキス/女/8歳)(グレイマルキン/女/不詳)

「そこの下僕。こっちに寄るですにゃ」「にゃあ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/下僕:300点/貴重な下僕:500点

▼外見
 ミアキスのノノは常に黒い毛並みの猫の姿を取っており、グレイマルキンのネネは鮮やかな碧色の毛並みをを持つ猫の姿をしています。ノノは衣服で、ネネは宝石で着飾っています。

▼一般技能
探偵ディテクティヴ12レベル
ギャングスタ10レベル

▼解説
 常に二人で行動する、アルフレイムでは珍しいミアキスとグレイマルキンのペアです。ミアキスのノノは猫以外のすべてを『下僕』と呼んで憚らず、グレイマルキンのネネのことを生き方を教えた育ての親として、『猫師匠』と呼んで敬愛しています。それに比べて、ネネは傲慢さこそあまり見受けられませんが、ノノを咎めるようなこともしません。
 二人は『赤い鴉』が拠点とするギガベースに棲み付いており、下僕達の捧げものを対価にギガベース内部のあれこれについて教えてくれます。『赤い鴉』内部の情勢にも詳しく、その情報は役に立つでしょう。しかし、彼女らは猫ゆえに適当なところがあり、しかも複数人がそうした情報を利用することから、結局役に立たずに終わることもしばしばです。
 なお、二人とも直接戦闘そのものは『赤い鴉』としては不得手ですが、その分魔法の扱いに長けています。ノノは召異魔法、ネネは真語魔法のスペシャリストです。特にネネはテラスティアに伝わる魔法も習得していて、人の姿に化けることも多いようです。

▼コネクションの活用
 猫ゆえの気まぐれさも多いですが、下僕が供物を献上すれば見返りはちゃんと与えてくれます。より親密になれば、そこそこ使える下僕として認めてくれることもあるでしょう。
 二人と「顔見知り」なら、ギガベースで何か良い感じのものが拾えそうな場所を教えてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに「冒険者レベル×100」までの任意のガメルを消費することで、2d6を振ることができます。出目が7以上であれば、「消費したガメル×5」G獲得します。
 彼女らの「下僕」となれば、二人のコレクションを物々交換という形で貰い受けることができます(二人には、純粋な金銭的価値よりも自分達の目利きに反応するかの方が大事なのです)。コネクションを結んだキャラクターは、「冒険者レベル×500」までの任意のガメルを消費することで、「消費したガメル×5」G以下のアイテムを1つ獲得します。このアイテムを売却することはできません。
 もしも彼女らにとって「貴重な下僕」ともなれば、随分と気に入ってもらえたということになります。ノノとネネがこのコネクションを結んだキャラクターの部屋に入り浸り、ベッドで眠ったりするようになります。しかし、二人以外に誰かがいる時にそうしたことを行うのは滅多にありません(無論、それが部屋の主たるコネクションを結んだキャラクターであってもです)。猫とは孤高なものなのです。

[9]外法の付与術師

“狂機”ダンプティ・エンプティ

(ルーンフォーク/男/不詳)

「奈落よ……魔域帝国などではない、真の美を見せておくれ……」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:300点/友人:400点/貴重な友人:500点

▼外見
 所々が紫に変色した、機械的な要素が強く出ているルーンフォークです。虹彩は黄金に染まり、常に焦点が合っていません。加えて、普段は衣服に包まれている胴体には、大きな傷痕があります。

▼一般技能
付与術師エンチャンター13レベル
語り部ストーリーテラー11レベル

▼解説
 魔動機文明時代、奈落の調査の為に使われたことで、精神が汚染されたルーンフォークです。コールドスリープによって保存されていましたが、ズュートの手によって目覚めさせられました。奈落を美しいと評し、更に肉体にもアビスボーンのような特徴が表れています。
 奈落の深層へと降ろされ、その深淵を垣間見たことで、彼は奈落の呪いとでも呼ぶべきものを得ました。ダンプティが持つマナは奈落を滞留するものと同種の性質を持ち、付与した物品を所持する者に力を与えるのです。無論、それには精神汚染という代償が伴います。
 ダンプティは奈落を信奉していますが、魔域帝国については不純物と認識しています。しかも奈落の調査に道具として用いられた経験から、人族のことも好んでいません。それどころか蛮族すらも嫌っています。そのせいで付き合いづらい人物として認識されていますが、実際のところは適当に話を合わせていれば勝手に盛り上がり、友と認識してくれます。

▼コネクションの活用
 性格に難はあるが、すぐに強くなるには彼の手を借りるのが手っ取り早い……などと思われる程度には有用な人物です。付き合い始めは面倒くささが上回るでしょうが、相槌を打つだけでも好ましく思われる程にちょろいです。
 ダンプティと「顔見知り」となることで、彼がマナを流し込んでくるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとにアビス汚染度に+1することができます(当然、アビス汚染度の蓄積による精神汚染が伴います)。なお、これによって得たアビス汚染度は任意のタイミングで、1ごとに自身のMPを30点消費することによって取り除くことができます。消費の代替はできません。
 彼の「友人」となると、所持している武器にマナの付与をしてくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、所持している任意の武器1つに、特別な加工を行えます(当然、加工が行える武器でなければこの特別な加工も施せません)。この加工が施された武器を装備している間、自身が与える物理ダメージ、魔法ダメージに+「自身のアビス汚染度」します。この加工はセッションの合間1回ごとに追加で行うことができますが、この加工が施された武器を複数装備していても、与えるダメージの上昇は重複しません。
 「貴重な友人」ともなれば、自分や所持している武器以外にもマナを流すようになります。コネクションを結んだキャラクターは、自身が所持している任意のゴーレム強化アイテム、または騎獣用武装を1つ指定します。そのゴーレム強化アイテムを使用されたゴーレムの部位、または騎獣用武装を装備している部位が行う行動判定に、+「コネクションを結んだキャラクターのアビス汚染度」のボーナス修正を与えます。セッションの合間1回ごとに、違うアイテムを指定して同様の効果を得ることができますが、指定したアイテムを複数使用したゴーレムに対して、この恩恵によるボーナス修正が累積することはありません。

[10]癒し手

“民草の魔女”ラーサ・アルコルタ

(バジリスク/女/211)

「ふむ。お前達……疲れているかしら」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:300点/貴重な友人:700点

▼外見
 柔らかい金糸のような髪と、ヴェールに覆われた紫色の虹彩を持つ、白い肌のバジリスクです。身長も比較的高く、魔女という言葉をそのまま具現化したかのようです。

▼一般技能
祈祷師ウィッチドクター13レベル
学者スカラー10レベル

▼解説
 民間療法に通じ、医学や魔法とは異なるアプローチによって人を癒やす魔女です。民俗学について多大な知識を持ち、医学的根拠がなくとも本当に効果の出ている手法を試みることが多いですが、そういったものにはどうしても妙な噂や偏見がついて回ることから、まずは対象の精神を安定させることから始めることも珍しくありません。
 ゆったりした話し方に見目麗しい容姿、そして実際に癒やしを与えていることから、周囲からの評判はかなりのものです。しかし本人には厭世的なところがあり、普段はギガベースではなく、森の奥深くにある隠れ村でひっそりと暮らしています。
 なお、ラーサは優秀な魔法使いでもあり、常に〈通話のピアスホルダー〉を身につけていて、赤い鴉において招集がかかれば、魔法によって即座に合流することができます。そうした能力面も含め、高く評価されているのでしょう。

▼コネクションの活用
 普段ギガベースで過ごしていないラーサですが、コネクションを結ぶこと自体は問題なく可能です。彼女の力を借りるとは即ち肉体と精神の安寧を図るということであり、落ち着いたひと時を過ごせるでしょう。
 ラーサと「顔見知り」であれば、彼女に癒やしてもらえるようになります。セッションの合間1回ごとに、「冒険者レベル×500」G消費することにより、施術を受けることができます。施術を受けたキャラクターは次のセッションの間、精神抵抗力判定に+2のボーナス修正を得ます。
 彼女の「友人」となれば、より様々な施術を体験できるようになります。そしてそれを思い出し、リフレッシュすることが可能です。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに「冒険者レベル×500」G消費することにより、更なる施術を受けることができます(「顔見知り」で受けられるものとは別として扱い、2回分のガメルを消費して同時に受けることも可能です)。それにより、次のセッションの間に1回だけ、任意のタイミングで6時間の睡眠を取ったものとしてHPとMPを回復させることができます。但し、この効果による回復は戦闘中には行えません。
 もし「貴重な友人」にでもなれば、気難しいラーサと言えども自身の習得している魔法を教えてくれるでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、コンジャラー技能をレベル11以上かつアビスゲイザー技能をレベル6以上で習得している場合、操霊魔法【アース・ヒールN/A】を習得します。これに経験点の消費等は必要ありません。

【アース・ヒールN/A】
操霊11[補]【アース・ヒールN/A】消費MP6
対象1体射程/形状2(30m)/起点指定時間一瞬抵抗消滅
概要対象を威力30で瞬間的に回復

 対象のHPを「威力30+魔力」点回復させます。同時に、対象が受けている「毒」「病気」「精神効果」「呪い」属性の任意の効果を1つ選び、解除します。この時、達成値の比べ合いは必要ありません。
 「分類:アンデッド」「分類:魔法生物」「分類:魔動機」のキャラクターも、回復の対象となります。
 また、この魔法は奈落魔法としても扱い、【インフィニティ・サークル】の効果を受けることができます。加えて、この魔法の拡張効果には、〈悪魔の血〉や〈アビスシャード〉ではなく、ゴーレムの素材を用います。
 この魔法は、同一の対象には1ラウンドに1回しか行使できません。
拡張効果

消費拡張素材拡張時間効果
〈魔化された粘土〉1回威力を「威力50+魔力」点に変更
〈魔化された真鍮〉1回続く1分間、対象の防護点+4
〈魔化された金紅石〉1回続く1分間、対象の行動判定に+2のボーナス修正

[11]偽神

“世界を拓く者”エデン

(ティエンス/女/24)

「必殺ならば猛るな。殺しとは、相手の心の隙間に滑り込ませるものだ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:300点/友人:800点/貴重な友人:1300点

▼外見
 宝玉だけでなく、様々な魔動機が埋め込まれた白髪のティエンスです。中でも目を引くものとして、右の瞳は義眼で、左手は義手としての機能を持つ魔動機となっています。魔動機が噛まないようにか、シンプルなローブを好むようです。

▼一般技能
占い師フォーチュンテラー11レベル

▼解説
 魔法文明時代末期、神を生み出す実験によって作られた女性です。同時期に誕生したティエンスと比較して圧倒的な力を持っていましたが、まもなく魔法文明時代は終焉を迎え、エデンは遺跡の奥深くで眠りにつきました。
 そして魔動機文明時代、仮死状態の彼女に人族が機械化手術を施し、自分達の道具として使おうとしました。直後に大破局が起こり、争乱の中救い出したのがかつての赤い鴉……ズュート・フォーゲルです。
 以降、エデンは何度かの休眠を繰り返し、長くに渡ってズュートに仕えています。まさしく神の如き、次元を断つ剣技によって、障害となる数多の生命を屠っているようです。

▼コネクションの活用
 エデンは剣の天才であり、剣を極めた達人です。加えて指導者としても優秀であり、剣ではなくとも、刃さえついていれば自らの術理を再解釈し、その人に合った教え方ができます。とはいえ過去の経歴からあまり他人を信用せず、深い仲となるのは相応の苦労が見込まれるでしょう。
 彼女と「顔見知り」になれば、3つの時代を生きた経験から、様々なアドバイスを貰えるでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、運動判定パッケージまたは知識判定パッケージに含まれる行為判定において、常に+2のボーナス修正を得ます。
 「友人」となった場合、彼女の奥義について指南を受けることができます。コネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《魔力撃》を習得し、かつアビスゲイザー技能を11レベル以上で習得している場合、秘伝《次元断》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《次元断》
タイプ《魔力撃》変化型前提アビスゲイザー技能11レベル限定条件刃武器
使用適用1回の近接攻撃リスク回避力判定-2
概要明鏡止水の境地に達した刃で、次元を断つ

 空間を断つことで力を引き出す奈落魔法を応用し、明鏡止水の境地でそれを行うことで、次元を断ちます。
 この秘伝は基礎特技とは異なり、「アビスゲイザー技能の魔力」分だけダメージの上昇が発生します。加えて対象の、防護点を含むダメージを軽減するあらゆる効果を無視してダメージの適用を行い、無効化されることもありません。また、この秘伝と同時に《薙ぎ払い》や《乱撃》を宣言した場合、例外的にこの秘伝を適用できる攻撃の対象も拡大されます。基礎特技が持っていたリスクは変更され、10秒間回避力判定に-2のペナルティ修正を受けることになります。


 もしもエデンの「貴重な友人」になれば、奥義の先にある本当の必殺を教えてもらえます。コネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《斬り返し》を習得し、かつ秘伝《次元断》も習得していれば、秘伝《欺剣・次元断》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《欺剣・次元断》
タイプ《斬り返しⅠ》変化型前提《次元断》限定条件「用法:2H」の刃武器
使用ファイター技能orフェンサー技能orバトルダンサー技能適用《次元断》リスク防護点-10
概要次元を断つ剣技を見せ札として使い捨て、本命の不意討ちを通す

 奥義を躱した対象の油断を突き、必殺を叩き込みます。
 この秘伝は《次元断》と同時に宣言しなければ効果を受けられません。
 基礎特技同様、近接攻撃を命中させられなかった場合にもう一度命中力判定を試みることができます。この時、《次元断》は1回目の命中力判定の時点で宣言し、その効果を受けられるように処理していなければなりません。
 1回目の命中力判定に成功した場合、通常通りにダメージを算出します。この秘伝による効果は発生しません。
 1回目の命中力判定に失敗した場合、もう一度命中力判定を振ることができます。この命中力判定は必中として処理され、対象は回避力判定を行えません。この時、1回目の命中力判定において、判定を放棄して自動失敗とすることはできません。また、複数の対象がいる際の判定の成否は基礎特技同様、対象ごとに決定します。
 2回目の命中力判定に成功することで、対象に本来のダメージではなく、「対象の最大HPの3/4」点の確定ダメージを与えます。これは本来の処理と同様武器を使用した近接攻撃ですが、戦闘特技や受けている有利な効果にかかわらず、ダメージの値は固定となります(ダメージに関与しない効果は有効です)。また、複数の対象に対してこの命中力判定に成功した場合は、《次元断》と同様、すべての対象に対してこの秘伝によるダメージを与えられます。

[12]狂気の科学者

“白兎”ルル・リ・エンファース

(ハイゴブリンメイデン/女/不詳)

「どいつもこいつも、ワシの興味を引くものは尽きないの~。全く、実に好きことじゃ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:200点/貴重な友人:500点

▼外見
 ハイゴブリン特有の病的に蒼白い肌に加えて血を思わせる紅玉の眼を持つ、純白の髪が目を引く少女です。体格も種族相応に小柄ですが、何より異様なのは白衣を身に纏い、様々な魔動機を自身と接続しているところでしょう。
 なお、白衣のサイズが合っていないのか、手が袖から覗くことはありません。

▼一般技能
発明家インベンター14レベル
復元師リペアラー13レベル
外科医サージョン12レベル
医者ドクター12レベル
薬剤師ドラッグメイカー12レベル
機関士エンジニア11レベル
高級娼婦コーティザン11レベル
付与術師エンチャンター10レベル

▼解説
 魔法文明時代から神聖魔法による転生を繰り返しているとされる、狂気のハイゴブリンメイデンです。かつては神童と呼ばれ、そして今もなおその頭脳は衰えることを知らず、それどころか更なる知識を数多く仕入れ、成長し続けています。
 ルルはラクシアでは滅多にいない――それどころか、唯一と呼べるかもしれない科学者にして、マッドサイエンティストです。自身の身体に投薬や機械化といった様々な実験を施し、他者にそれを行うことも厭わない異常者です。最近の研究テーマは『種族の壁を超克すること』、そしてそれによって様々な種族の形質を獲得したり、短命種の寿命を延ばすことを目指しています。
 対魔呪紋の刻まれているハイゴブリンメイデンですが、自己改造の成果かルルは魔法にも長け、更にギガベースのメンテナンスも行うなど、魔動機の扱いにも習熟しています。特に触手の形状をした魔動機を、所謂アームスフィアのように用いることにより、複数の作業を並列で行えます。それにルルの頭脳ありきなのは、言うまでもないことでしょう。

▼コネクションの活用
 マッドサイエンティストとして恐れられているルルですが、その頭脳と実験の成果は非常に有用であり、かつ本人としても陰湿ではあれども明るい性格をしていることから、関係を築くのは比較的容易です。彼女にとって利があることであれば、助力を得るにも苦労はしないでしょう。
 彼女の「顔見知り」になれば、投薬や手術によって改造されることができます。コネクションを結んだキャラクターは、「分類:蛮族」「分類:動物」「分類:植物」「分類:魔法生物」「分類:魔動機」「分類:幻獣」「分類:人族」から任意の分類を1つ選び、自身または自身が使役しているゴーレムか騎獣にそれを追加することができます(ゴーレムの場合、〈永遠の偽魂〉を使用されている必要があります)。このことによって、その分類の魔物が自動習得している特殊能力を得ることはありません。また、分類を追加したキャラクターがそれを参照する効果を適用する場合、そのキャラクターにとって最も有利な分類を1つ選んで適用できます。この恩恵はセッションの合間1回ごとに受けることができ、1体に対してまだ持っていない分類を追加することができます。
 「友人」となった場合、更なる改造を受けることができます。コネクションを結んだキャラクターは、投薬を繰り返すことにより、魔法を効率良く扱えるようになり、魔法を行使する際のMPの消費に常に-1します(戦闘特技等による消費低減と同等の効果として扱い、それらと重複します)。
 ルルの「貴重な友人」ともなれば、それは彼女と知的好奇心を共にできるも同然であり、心を通わせていることに他なりません。コネクションを結んだキャラクターは、新たな術式の被検体となり、任意の種族が持つ種族特徴1つを選んで獲得します。獲得した種族特徴には種族特徴強化も適用することができますが、[剣の加護/◯◯]だけは獲得することができません。ルルはそれを、始まりの剣によって与えられる特権だと考えています。また、[竜化]のような特定のアイテムが必要な種族特徴は獲得しても使用できませんし、[魔女化]を獲得しても[魔女の火]を獲得しているわけではないため、それを使用することはできません。

[13]空の支配者

“天を落とす者”ヴェルトラオム

(ガルーダ/男/513)

「空は良い。世界を下に見るというのは、実に愉快だ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:200点/友人:500点/貴重な友人:1000点

▼外見
 黄金の羽毛を持ち、ガルーダ特有の鳥に似た人型としての姿を持っています。衣服の類はあまり見られませんが、ガルーダとしては特異な性格ゆえか宝石や装飾品が所々に見受けられます。

▼一般技能
宝飾師ジュエラー11レベル

▼解説
 己の肉体によっての狩りを好むガルーダとしては珍しく、真語魔法を修めた魔法の達人です。かつて天より降り注ぐ隕石によって地に叩き落されたことから、魔法を憎み、魔法を修めるようになったと伝えられています。
 ヴェルトラオムがガルーダである以上、彼の身体能力が非常に優れていることは言うまでもありませんが、それ以上に才能があったのか、特に空を支配するような魔法を極めたとすらされています。天より降り注ぐ隕石を我が物とし、空において自身が絶対的な王者だと自負しています。
 ズュートとは友人のようで、親しげに話している姿が見られます。しかし、いずれは自身が『赤い鴉』を掌握しようと目論んでいるなどの噂が立っており、不愉快そうにしていることもしばしばです。なお、ズュート本人としては、それはそれで良い戦争ができると満更でもないようです。

▼コネクションの活用
 魔法の脅威を知って魔法を修めたヴェルトラオムですが、思いのほか他者に魔法を教えることを厭いません。誇り高いガルーダだからこそ、自身に牙を剥くことがあっても正面から潰そうと考えているのでしょう。
 彼の「顔見知り」である場合、空を飛ぶ際のコツを教えてもらえます。コネクションを結んだキャラクターは、自身が飛行している間、与える物理ダメージと魔法ダメージに+2します。
 「友人」となれば、魔法の応用の仕方について学ぶことができます。コネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《魔法拡大/時間》または《魔法拡大すべて》を習得している場合、秘伝《魔法縮小/時間》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《魔法縮小/時間》
タイプ《魔法拡大/時間》変化型前提なし限定条件なし
使用魔法使い系技能適用10秒(1ラウンド)持続リスクなし
概要魔法の効果時間を短縮し、消費を軽減する

 この秘伝は、「時間:1分」より長い効果時間を持つ魔法にのみ適用することが可能です。
 この秘伝の宣言により、魔法の効果時間を半分に短縮し(例えば、「時間:3分」であれば「時間:90秒」となります)、抵抗を「抵抗:任意」に変更します。そして、時間が半分になった魔法のMPの消費も、半分にします。この時、戦闘特技等による消費MPの軽減より前に半分にします。
 この秘伝は、他の《魔法拡大/◯◯》変化型の秘伝同様、《魔法拡大すべて》の下に宣言することが可能です。


 もしもヴェルトラオムの「貴重な友人」にまでなることができれば、彼は空を支配するに足る魔法を伝授してくれるでしょう。そして、それによって自分の力量を試すのです。コネクションを結んだキャラクターは、ソーサラー技能を15レベルで習得している場合、真語魔法【メテオ・シャワー】を習得します。これに経験点の消費等は必要ありません。

【メテオ・シャワー】
真語15【メテオ・シャワー】消費MP150
対象1エリア(半径6m)/空間射程/形状2(50m)/起点指定時間一瞬/1分(6ラウンド)抵抗必中
概要継続的に隕石を降らせ、威力100ダメージ属性衝撃

 空から隕石を継続的に降らせ、対象となったエリアにいるキャラクターにダメージを与えます。
 この魔法は、術者と対象となる範囲の両方が、空が見える場所にいなければ行使できません。
 まず、この魔法を行使した時点で、範囲内にいるキャラクター全員に対して【メテオ・ストライク】を行使したものとしてダメージを算出します。この時に精神抵抗力判定は行わず、「抵抗:必中」として扱います。また、本来【メテオ・ストライク】が持っている対象数の制限は考慮されず、MPを追加で消費する必要もありません。
 その後、術者の手番が終了する度に、範囲内にいるキャラクター全員に対して、「威力100+魔力」点の魔法ダメージを与えます。この時にも精神抵抗力判定は行わず、「抵抗:必中」としてダメージを算出します。また、魔法行使判定は最初の一回のみ行い、それ以降行う必要もありません。
 術者が戦闘特技《魔法制御》を習得していれば、その宣言の有無にかかわらず、範囲内にいる任意のキャラクターにダメージを与えないことを選べます。また、この魔法の魔法行使判定時に戦闘特技《クリティカルキャスト》を宣言した場合、この魔法によるすべてのダメージ発生タイミングでその効果を受けられます。
 この魔法は、行使に1時間を費やすと、大規模かつ長期的な隕石の落下による攻撃となり、「射程:2(1km)」「対象:全エリア(半径500m)/空間」「時間:一瞬/1時間」に変更されます。範囲内にある建造物や構造物にもダメージが発生します。この時、これらに対しては防護点は0、クリティカル値は⑧となります。

[14]食客

“朧月”アンテノール

(不詳/男/不詳)

「……竜刃星、か」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:500点/友人:1000点/貴重な友人:1500点

▼外見
 黒に染まった鎧で全身を覆い隠した、長身の騎士です。外にいる時は常に六眼四翼の竜と共にありますが、流石にギガベースと言えども巨大な体躯を誇る竜を自由に活動させるスペースはないためか、中では私室で一人佇んでいる姿が見られます。

▼一般技能
外科医サージョン10レベル
医者ドクター10レベル
薬剤師ドラッグメイカー10レベル

▼解説
 名前と性別以外、種族も年齢もわからない、謎の騎士です。本人の語るところによると、神々を目にしたことがあるとのことですが、真相は不明です。
 『赤い鴉』には食客として迎えられており、正式なメンバーというわけではありません。依頼に参加することもなく、唯一無二の友である竜と共に質素な生活だけを送っています。とはいえ個人的な付き合い自体はあるようで、知り合いに乞われれば自らが修めている技術を教えたりもしています。
 月神シーンを信仰しているらしく、夜は祈りを捧げている姿が度々見られます。ですが単純な信徒というわけでもないようで、信仰心以外の、何かしら具体的な感情が混ざっている――とは、ルルの談です。そこに秘められた彼の心を知るのは、決して容易ではないでしょう。

▼コネクションの活用
 アンテノールは明確に人を避けているところがあり、接触するだけでも一筋縄ではいきません。しかし一度関わりを持てば、ある程度の付き合いは見せてくれるでしょう。
 彼と「顔見知り」である場合、騎乗中での格闘術について学べるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、ライダー技能を7レベル以上で習得している場合、秘伝《軽やかなる竜舞》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《軽やかなる竜舞》
タイプ独自宣言型前提なし限定条件騎乗
使用-適用10秒(1ラウンド)持続リスクなし
概要騎乗中に〈キック〉を試みることができるようになる

 騎獣の身体を掴んで身を乗り出し、振り子のように〈キック〉を行います。
 この秘伝を宣言したキャラクターは、続く10秒間、騎乗中でも例外的に、〈キック〉を行えるようになります。この時、〈キック〉を行っている最中は騎乗状態でないものとして扱い、命中力判定とダメージの算出が完了した時点で、即座に騎乗状態に戻ります。但し、この秘伝を宣言するには、両手に何も装備・保持していない必要があります。
 なお、この効果によって〈キック〉を行う場合、戦闘特技《飛び蹴り》や《追加攻撃》は使用している技能が適切であれば、効果を発揮します。


 アンテノールの「友人」となった場合、騎獣と共に魔法を行使する技術を教えてもらえます。コネクションを結んだキャラクターは、ライダー技能を10レベル以上で習得している場合、秘伝《玲瓏なる響綴》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

《玲瓏なる響綴》
タイプ独自宣言型前提【魔法指示】限定条件なし
使用魔法使い系技能適用1回の魔法行使リスク生命・精神抵抗力判定-2
概要騎獣と共に魔法を行使する

 騎獣と共に同じ魔法を行使し、効果を底上げします。
 この秘伝を使用するには、自身と騎獣が同じ魔法を行使できなければなりません。
 この秘伝を宣言した場合、行使する魔法の消費MPを半分にし(端数切り上げ)、魔法行使判定の達成値に+2のボーナス修正を得ます。加えて、その魔法が対象にダメージを与えるか、HPを回復させるもの、或いは判定や与えるダメージ、受けるダメージに修正を加えるものであれば、その効果量に+2します。但し、同時に騎獣の、自身と同じ魔法を行使できる部位のMPに、「行使する魔法本来の消費MP」点の確定ダメージを受けます。
 なお、この秘伝によって、【魔法指示】によって騎獣に魔法を行使させられる回数を消費することはありません。


 もし「貴重な友人」となることができれば、彼は自身の秘密を打ち明けてくれるでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、魔竜の瘴気による影響を一切受けなくなります。加えて、騎乗状態である限り、自身と騎獣の行う行動判定に常に+2のボーナス修正を得ます。

[15]姿流離う職人

クリム(PL:凶鳥PL1)

(レプラカーン/女/11歳)

「クリムだよ、ヒューレって神様の神官で剣士で…鍛冶とか魔動機も好き! よろしくね!」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:300点/貴重な友人:700点

▼外見
 こんな場所にいるのがとても似つかわしくないと感じられる、ペールブルーの髪を持つレプラカーンの少女です。放浪種と呼ばれる希少種であり、使い込んだメイド服を着ています。

▼一般技能
鍛冶屋ブラックスミス11
付与術師エンチャンター11

▼解説
 『赤い鴉』には身長の小さい人物は存在していますが、その多くは成長しても容姿が大きく変わらない種族の大人になります。しかし彼女はれっきとした11歳であり、大変珍しい子どもの構成員となっています。にもかかわらず、その実力は他の構成員と遜色なく、後述の性質や多くの希少な武器を操る事を好む事からむしろ危険視する者も少なくありません。
 また、ヒューレの神官らしく、『赤い鴉』の中で弱者へ無体を働くものを敵視し、組織内であろうとも襲撃する事を厭いません。加えて、彼女は一流の鍛冶屋でもあり、自作の武器を作成しては他人に格安で流しています。本人曰く、本当は自分で作った武器を使いたいものの、自分の鍛冶技術が追いついていないとのことです。
 放浪種らしくギガベースの中に居ないことも多々あり、鍛冶場を改造した個室が与えられていますが、顔見知り以外が会う機会はあまりありません。

▼コネクションの活用
 彼女と親交を持つことは、出会うことさえできればとても簡単です。気軽に話しかけて雑談を投げても剣や魔法が飛ぶことはなく、詐欺を働いたり贋金を流すようなこともありません。
 クリムと「顔見知り」であれば、彼女はその人の為に武器や装飾品などを加工してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、個人専用装備の加工に必要な名誉点が無償となります。
 彼女の「友人」であれば、念入りに加工した武器をプレゼントしてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、任意のルールブック、サプリメントに記載された非売品でない武器から1つ、専用化と任意のオーダーメイド、元々魔法の武器でなければ魔法の武器加工もした状態でプレゼントしてくれます。但し、この武器はその人の為に調整されているため、売却した時の価格は最高でも15000ガメルとなります。また、彼女は自分のプレゼントした武器が売られることを気にしないため、この武器を売却しても名誉点の減少は発生しません。売却したことを知った場合でも、あなたが金銭的に得をしたことを喜ぶでしょう。
 もし「貴重な友人」となった場合、彼女は特別な装飾品をプレゼントしてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、〈クリムの改造平準の指輪〉を獲得します。この指輪はその人にだけ教えた秘密の起動コードを呟くことで、破壊時に魔動機術【ダブルアップ】が適用されたものとして効果を算出します。それ以外は通常の〈平準の指輪〉と同じアイテムとして扱います。

[16]到達者ハイマン

“追跡者”エヴィ・アイオニムス(PL:凶鳥PL2)

(ハイマン/男/20歳前後?)

「小神か? それとも分体? いや、贅沢は言わないから不完全でもいい。神が降りたなら、俺に言え」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:300点/貴重な友人:800点

▼外見
 厚いローブと怪しい兜を身に着けたハイマンの男性です。兜の中には端整な顔と胸にまでくるような白髪、吸い込まれるような同心円目が隠されています。

▼一般技能
薬剤師ドラッグメイカー10
狩人ハンター10
地図屋カートグラファー5
料理人コック5

▼解説
 『赤い鴉』に身を置くハイマンの魔神使いにして、双槍――〈アヴェスター〉の使い手です。ハイマン特有の短い一生に急かされたからか、組織に参入してからそれ程の期間が経過していないにも関わらず、確かな地力を獲得しています。
 彼は延命ないし寿命の超克に異常なまでに執着しており、それを成すためであればどれほど不確実なものだろうと厭うことはありません。エヴィにとって悩みとは排除すべきものであり、そんな時間があるなら一秒でも長く行動に充てた方が生存率が上がるだろうと信じて疑いません。
 必然的に彼に宛がわれる仕事は長命な種族や神族に関わるものであったり、“不死狩り”ホルツ・ベリーズのノスフェラトゥ狩りに帯同することがほとんどです。それぞれの仕事で得たあまりを手に、夜な夜な怪しい実験を繰り返していますが、今のところその成果は出ていないようです。
 要塞都市『アルクス』での戦役において、彼らは不完全な顕現ではありましたが神殺しの偉業を達成しました。寿命超克の手段として確率は低めだろうと考えていた『神になる』という手段が彼の中で現実味を帯びた影響か、それ以降は比較的周囲や世界にもある程度の興味を示すようになりました。
 クリムによる殲滅の後とはいえ、己の手で竜帝神の分体にトドメを刺せたことも、そうなった一因かもしれません。

▼コネクションの活用
 以前までのエヴィであれば、任務や依頼で結ばれるビジネスライクな関係性から進展することはありませんでした。しかし現在の彼なら、顔見知りや友人となるのはそれ程難しくもないでしょう。彼自身、後がないからと今まで蔑ろにしていた交流を育むのに積極的です。
 エヴィと「顔見知り」となれば、彼が手慰みに調合していたポーションを渡してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、1d6を振ることができます。その出目の数だけ〈魔光水〉を獲得します。

〈魔光水〉
知名度形状小瓶に入った液体アイテム区分ポーション
概要MPを回復:「威力20+1」制作時期現代

 このポーションを飲むと、「威力20+レンジャーorドクター技能レベル+知力ボーナス+1」点、対象のMPが即座に回復します。


 彼の「友人」になれれば、彼が強敵を打倒する為に編み出した技術について教えてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、ダークハンター技能を6レベル以上で習得している場合、操気【属性付・鳴】または操気【属性付・宴】を習得します。これに経験点の消費等は必要なく、操気習得枠を空けておく必要もありません。追加で名誉点を300点消費することで、取得しなかったもう片方の操気を取得できます。

【属性付・鳴】【属性付・宴】
[補]【属性付・鳴】消費2d(6)HP
前提なし
対象1体射程/形状2(30m)/起点指定
時間30秒(3ラウンド)抵抗任意
概要武器攻撃を断空かつ雷属性かつ純エネルギー属性とする

 対象が武器攻撃を行う時、その属性に断空かつ雷属性かつ純エネルギー属性を付加し、魔法の武器として扱います。この時、その武器による攻撃に元々属性が付与されていた場合、操気【属性付・◯】に準じる形で、元々の属性かつ断空かつ雷属性かつ純エネルギー属性として適用されます。

[補]【属性付・宴】消費2d(6)HP
前提なし
対象1体射程/形状2(30m)/起点指定
時間30秒(3ラウンド)抵抗任意
概要武器攻撃を精神効果かつ呪いかつ毒属性とする

 対象が武器攻撃を行う時、その属性に精神効果かつ呪い属性かつ毒属性を付加し、魔法の武器として扱います。この時、その武器による攻撃に元々属性が付与されていた場合、操気【属性付・◯】に準じる形で、元々の属性かつ精神効果かつ呪いかつ毒属性として適用されます。


 もしも「貴重な友人」となれた場合、彼が竜帝神分体を討滅した後に編み出した、特殊な操気を伝えてくれるでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、ダークハンター技能を11レベル以上で習得している場合、【属性付・にしき】を習得します。これに経験点の消費等は必要なく、操気習得枠を空けておく必要もありません。

【属性付・錦】
[補]【属性付・錦】消費7dHP
前提なし
対象自身射程/形状自身/-
時間10秒(1ラウンド)抵抗任意
概要武器の属性数に応じてダメージを上昇させる

 生命力を爆発的に消費することで武器に宿る属性の真価を引き出します。
 武器攻撃時、付加されている属性の数だけ、追加ダメージを+2します(例えば、炎かつ水・氷属性であれば、+4されます)。

[17]園長

“不死狩り”ホルツ・ベールズ(PL:凶鳥PL3)

(ラルヴァ/男/50歳)

「不死狩り行こうぜ!」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:400点/貴重な友人:800点
(ラルヴァの場合、50点/200点/400点)

▼外見
 顔に大きな傷を持つ白髪赤目のラルヴァです。衣服に掛けるお金がないようで、いつも薄いインナーを着ています。

▼一般技能
発明家インベンター 8
付与術士エンチャンター6
外科医サージョン 6
医者ドクター 5
薬剤師ドラッグメイカ5

▼解説
 『赤い鴉』に所属するラルヴァの操霊術師です。複数のゴーレムに騎獣、魔神すらも使役する姿に“園長”と呼ばれることもあります。自身が掲げる目的の為に、特にゴーレムの強化……自動化に注目しているようです。
 彼は不死、とりわけノスフェラトゥに強い害意を持っており、『赤い鴉』への所属自体彼らを一番狩れそうという理由で決定する程です。任務においてもノスフェラトゥ狩りを望み、任務と任務の合間の休暇ですら有志を募り、狩りに出かける程に執着しています。
 異様と言える程の執着はすべてのラルヴァに待つ末路、死蝋化の否定にあります。彼はノスフェラトゥの生き血を得る為に冒険者になり、そして死んでいく同胞の存在に強く心を痛めました。そして、自身が彼らを狩り尽くすことによって、これ以上の被害の拡大を抑え、同時にその生き血を提供することを命題としています。ゴーレムの自律稼働への注目は、そうした目的達成の手段として、ノスフェラトゥを生かさず殺さずの状態で血を絞り続けることを目標としたことによるもののようです。その為の協力者も、『赤い鴉』内部に何名かいる模様です。

▼コネクションの活用
 ノスフェラトゥを肯定するようなことを言わなければ、彼は“死の神”ザールギアスの神官とは思えない程に温厚です。加えて、彼はすべてのラルヴァに生き血を提供するという命題の為に、人族蛮族領域を問わずに歩き回っています。知り合うことは容易と言えるでしょう。
 ホルツと「顔見知り」である場合、ノスフェラトゥの生き血を提供してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、永続的に最大HPに+1します。
 彼の「友人」となれば、『赤い鴉』に所属している人物との仲を取り持ってくれます。常日頃からノスフェラトゥ狩りを共にする仲間を探しているホルツは、組織の面々と仲良くなる為の勘所を抑えているのです。コネクションを結んだキャラクターは、メリル・クァト及びホルツ・ベールズ以外の、『赤い鴉』に所属している人物とコネクションを結ぶのに必要な名誉点を3/4にします。また、トーマス・ハイパーノートとコネクションを結ぶ際に消費する名誉点については、この効果こそ受けられますが、貸してもらうことのできるガメルはあくまで消費した名誉点100点につき10000Gです。
 もし「貴重な友人」にもなれば、彼は研究中のゴーレム強化アイテムの試作品を貸し出してくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、次のセッションの間、〈囚人の鳥籠〉または〈薔薇の棺〉から1つ選び、それを所持・使用できるようになります。この恩恵は1セッションの合間1回ごとに、どちらを所持・使用するか選択し直すことが可能です。

〈囚人の鳥籠〉〈薔薇の棺〉

〈囚人の鳥籠〉
ゴーレムが複数部位の場合、コア部位にのみ使用することができ、すべての部位に以下の能力を与えます。

[常]搭載=1

この効果によってキャラクターを搭載している間は、「[主]虜囚」を使用することはできません。

[主]虜囚/命中力/回避力/消滅

「射程/形状:接触/-」で、「対象:1体」と対抗判定を行います。この時、複数部位のキャラクターを対象にすることはできません。
判定に勝利した場合、対象は10秒間、移動と補助動作、主動作が行えなくなります。また、この効果が終了した時に、対象に「自身の魔物レベル×3」点の確定ダメージを与えます。
対象は、この効果を受けている間、他のあらゆる効果とダメージを受けません。

〈薔薇の棺〉
ゴーレムが複数部位の場合、コア部位にのみ使用することができ、すべての部位に以下の能力を与えます。

[常]搭載=1

この効果によって搭載されているキャラクターは、以下の能力を使用できます。

[補]急速回復

「冒険レベル×3」点だけ、HPとMPを回復します。この能力は、1日に1回しか使用できません。

[18]趣味人

“蒐集家”エイド・グラスパー(PL:凶鳥PL4)

(クリメノスグラスランナー/女/26歳)

――ああ、いけないな。また欲しくなってしまう」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:500点/貴重な友人:1000点

▼外見
 幼いとも言える容姿と、それとミスマッチな不気味な大鎌と血濡れの鎧、黒い目隠しが特徴的な紫の短髪を持つグラスランナーの女性です。

▼一般技能
外科医サージョン10
娼婦プロスティテュート10
調香師パヒューマー10

▼解説
 『赤い鴉』に比較的後期に加入した人物で、主に調達や鑑定を役割としています。グラスランナーらしく宝への執着は見せますが、彼女の感性は一般的な価格相場とは異なっており、また相応の対価を払うことも惜しまないため組織への還元率は高いことでしょう。
 彼女に割り当てられた自室はほぼ完全に物置倉庫と化しており、当人が寝泊まりすることは稀です。時折様子を見に来ることはありますが、お気に入りの手入れと飽きた物品の破棄を済ませてすぐに立ち去ることが殆どです。ギガベース内部の通気口で、或いは適当な場所でハンモックを使い、睡眠をとっているところが見れるかもしれません。
 彼女の蒐集対象は多岐に渡ります。ともすれば彼女自身にすらその基準は判然とせず、途方もなく価値の高いものに一切の興味を示さないこともあれば、子供の玩具に異様な興味を示すことすらあります。同じ物品を複数求めることも、1つ集めれば満足することもあるため、グラスランナーらしい気まぐれさの発露とも言えるかもしれません。

▼コネクションの活用
 彼女の蒐集欲は人にも及び、気に入られれば装身具、或いは体の一部を要求されます。但し、身体の一部に関しては、相手が死ぬまではそれを強要することはありません。
 エイドと「顔見知り」以上の関係を結んだ場合、彼女の持つコレクションを自慢してもらうことで審美眼が磨かれることでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、常に宝物鑑定判定の達成値に+2のボーナス修正を得ます。また、1回のセッションに1回だけ、振る前に宣言することで、戦利品を獲得する時の2d6の出目に+3することができます。これは戦闘特技《鋭い目》等と重複します。
 彼女の「友人」であれば、身に着けている何かと彼女の所持品を交換してもらえるようになります。コネクションを結んだキャラクターが身に着けていた時間が長ければ長い程、彼女にとっての価値は重くなることでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに1つ、所持している任意のアイテムを選択します。そのアイテムを失うことにより、「本来の売却額+そのアイテムを獲得してから経過したセッション数×10000」Gまでの任意のアイテム1つを獲得できます。
 もし「貴重な友人」となった場合、彼女は死後に身体の一部を要求してくることでしょう。そしてそれを損なわない為に、できる限りのことをします。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、任意の装備部位1つを指定します。次のセッションの間、その部位には装飾品を装備することができなくなります。代わりに、ダメージを受けてHPが0以下になる時、そのダメージの量にかかわらず1回だけ、HPが1の状態で踏みとどまるようになります。

[19]悪徳商人

“世界経済をォォぶっ壊ァァ~す!!”トーマス・ハイパーノート(PL:凶鳥PL5)

(人間/男/50歳)

「いいぞォその強さ! 資産価値億超えだァァア~!!」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
友人:100点~(「顔見知り」及び「貴重な友人」のコネクションは結べません)

▼外見
 額に宝石飾りをつけた50歳の男性商人です。人間であるため通常通りに加齢していますが、年齢に対して非常にエネルギッシュな姿が見られ、若々しい印象を与えています。

▼一般技能
商人マーチャント10

▼解説
 『赤い鴉』で商人をしているメイガル神官です。所属する傭兵から戦利品を買い取り、【ワース・デコレーション】や【チェンジ・フラウド】で利ザヤを稼いだり、シンプルに【フェイク・ガメル】で贋金を市場に流したりして経済を回しています。
 彼は以前、【フェイク・ガメル】によってとある町商人を破滅させましたが、それでも滞りなく経済が回っていたことから、経済の面白さにとりつかれました。今では本物のカネも贋金もあらゆる手段を用いてより多く稼ぎ、経済に流すことによってどう変化するかを楽しんでいます。
 自分の力では何も変えることはできないのか、それとも世界経済を破壊することができるのか? 彼の興味の為だけに、多くの商会が彼によって破産に追い込まれたことでしょう。そうした思想や、貨幣の信用を失墜させる彼の行いは、言うまでもなく『赤い鴉』にとっても火種となります。ですが、だからこそズュートは彼の行ないを面白がり、組織に置いています。

▼コネクションの活用
 彼が好意を持つのはカネを稼ぐ力を持つ者であり、そういった人物には積極的に金銭的支援を行います。そのため、ある意味では付き合いやすい人物と言えるでしょう。
 トーマスと「友人」であれば、金銭を融通してくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、彼とコネクションを結ぶのに使用した名誉点100点につき10000Gを貸してもらえます。名誉点500点で50000Gというように、上限はありません。但し、借りた次のセッションが終了した直後にそれを返すことができなければ、借金は踏み倒せますが、トーマスとのコネクションは失われます。
 しかし、その後に再度名誉点を消費することにより、また彼の「友人」になることができます。これは、トーマスにとって名誉や友情とはカネに換算可能なものであるためです。
 なお、彼はただの「顔見知り」に援助はしませんし、「貴重な友人」になることもできません。彼の貴重な友人はカネだけであり、真の意味でカネ以外の味方になることは決してないからです。

[20]執刀医

“蒼喰らい”ヘレナ・アイテール(PL:凶兆PL1)

(バジリスク/女/不詳)

「私たちの結末に影は落ちません。なぜならそう、私がいますから!」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:700点/貴重な友人:1800点

▼外見
 黒く短いローブを羽織ったバジリスクの女性です。ウルフカットの黄金のインナーカラーが目を引きます。バジリスクにしては珍しく目隠しを身に着けておらず、金に輝ける瞳が惜しげもなく晒されています。

▼一般技能
外科医サージョン14
医者ドクター12

▼解説
 『赤い鴉』に身を置くバジリスクの医者です。“嬌艶の”ギュネーとは対照的に、医務室ではなく作戦地域での治療を主に担当しており、治療する生物の形は問いません。ドラゴンだろうが石だろうが、彼女は確実に癒してみせるでしょう。魔法を使わずに成し遂げて見せるのですから、その実力は推して知るべしです。
 回復魔法を使うには魔力が勿体ない程度の傷病者たちが彼女の元へと担ぎ込まれては、短い絶叫の後に蒼い顔と綺麗な身体で復活していくため、ギュネーとは別の観点で畏れられています。
 『赤い鴉』の一員として彼女が急患にまずやるべきことは1つ。その意識を手刀で刈り取り、脱力した状態にさせることです。それでも止まらない愚鈍な愚患やイグニダイトメスが通らない種族には、その手にロンギヌスを召喚することも躊躇いません。
 多少傷がついたとて、そこから完璧に治せば良いのですから。

▼コネクションの活用
 協力的な患者に対しては、ヘレナも比較的好感を抱きやすいでしょう。『赤い鴉』においてそういった存在は貴重であり、彼女はなるべくそういった人たちに生き残って欲しいと願い、力を貸してくれるはずです。
 ヘレナと「顔見知り」となれば、野外での治療における技術を教えてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、常にレンジャー、医者、外科医技能を9レベル以上で取得している場合、常にそれらによる行為判定に+2のボーナス修正を得ます。これらは技能それぞれごとに判断します。
 彼女と「友人」になった場合、執刀するにあたって使っている技術を伝えてくれるでしょう。このコネクションを結んだキャラクターは、外科医技能を12レベル以上で習得している場合、秘伝《執刀ランセット》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

執刀ランセット
タイプ独自宣言型前提外科医技能12レベル限定条件刃武器
使用-適用1回の武器攻撃リスク精神抵抗力-2
概要生体に対して精密かつ鋭い執刀を行う

 この秘伝を宣言した攻撃では、対象の防護点を無視してダメージを適用します。この効果による防護点の無視は、対象が「分類:蛮族」「分類:動物」「分類:幻獣」「分類:人族」のいずれかのキャラクターでなくてはなりません。
 但し、「全天の邪視」をAランク以上で適用している場合、対象の分類を問わずこの秘伝の効果を適用することができます。


 もしも「貴重な友人」となれた場合、彼女の奥の手として隠している業を伝授してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、外科医技能を14レベル以上で習得している場合、《切除サージェリー》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

切除サージェリー
タイプ独自宣言型前提外科医技能14レベル、《執刀》限定条件刃武器
使用-適用1回の近接攻撃リスク精神抵抗力-4
概要対象に対して精密かつ鋭い執刀を行い、能力を"切除"する

 この秘伝を宣言した近接攻撃が命中した場合、対象が持つ任意の常時型の能力を10秒間“切除”します。
 “切除”された能力はその効果を適用できなくなり、この秘伝を宣言したキャラクターの次の手番開始時に再度適用できるようになります。
 また、この秘伝と同時に《薙ぎ払い》や《乱撃》を宣言した場合、例外的にこの秘伝を適用できる攻撃の対象も拡大されます。但し、複数部位のキャラクターに対しては、この秘伝による影響は「対象:1体全」として処理され、複数の部位それぞれが持つ能力を同時に“切除”することはできません。

[21]隣人

統べる者ドゥクス”アコ・シグニア(PL:凶兆PL3)

(人間/男/20歳)

「僕はギガベースが好きなだけなんだけどなあ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:200点/友人:400点/貴重な友人:800点

▼外見
 少女のような顔立ちに、身長は160にも満たない小柄な体躯です。フード付きのローブを着用しており、正に魔法使い然とした恰好をしています。

▼一般技能
雄弁家オラトール10
調教師テイマー10

▼解説
 『赤い鴉』に所属する人間の操霊術師です。複数のゴーレムに騎獣、妖精すらも使役する姿から、“Mr.ディスカバリーチャンネル”と呼ばれることもあります。
 彼は強さや他に目的があって『赤い鴉』に所属することを決めたわけではなく、拠点としている高性能魔動機の巨大潜水艦『ギガベース』そのものへの興味でその門戸を叩きました。そのような経緯のため、赤い鴉での任務にあまり積極的でなく、自分の気に入らない任務の時には途中で勝手に帰ることすらあります。その態度に腹を立てるメンバーも少なくなく、ギガベースや任務中にメンバー同士で殺し合いをしている姿も見受けられます。そんな環境のため、彼は赤い鴉内では統べる者ドゥクスと名乗り、本名は親しい者にしか伝えていません。
 また、女の子のような顔つきや低い身長にコンプレックスを抱えているようで、それに触れられると怒りを露にします。

▼コネクションの活用
 のんびり屋でもあるアコは、ギガベースの他、人族領域の草原などで日向ぼっこをしてる様子を発見できます。常に複数の騎獣やゴーレムを使役しているため、彼だと気付くのは容易でしょう。
 アコと「顔見知り」以上であれば、騎獣としての魔動機の扱い方をレクチャーしてくれるでしょう。コネクションを結んだキャラクターは、騎芸【限界駆動】及び【超過駆動】を同じ騎獣に対して、10秒間に1回ずつ、20秒かけて2回連続で使用できるようになります。2回使用した後は、20分の時間を掛けて再調整しない限り、これらの騎芸を再度使用することはできません。使用したのが1回だけであれば、従来通り10分の時間をかけて再調整することで再度使用できるようになります。
 彼の「友人」であれば、魔動機の扱い方をより深く学ぶことができます。コネクションを結んだキャラクターが騎芸【限界駆動】を使用する際、対象となる騎獣が行う命中力判定に更に+2のボーナス修正を与え、与える物理ダメージは更に+4されます(合計+4、+8)。騎芸【超過駆動】を使用する際には合計+6、+12となります。
 もし「貴重な友人」となった場合、彼は妖精使役における秘奥を伝授してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、妖精魔法【フェアリーロード】を行使する際に、その消費MPを2倍にすることで、特殊妖精魔法【カオス・ロード】を行使できる状態で妖精を召喚することができます(秘伝《オーバーリミット》を宣言しての行使では4倍となり、その際に戦闘特技《魔法拡大の達人》を習得していれば3倍となります)。この効果を適用する場合の行使では、消費MPを低減するあらゆる効果を受けることができません。

【カオス・ロード】
特殊妖精5【カオス・ロード】消費MP60
対象1体射程/形状2(30m)/起点指定時間一瞬抵抗半減
概要召喚者の『騎士』の数だけ威力80ダメージ属性効果参照

 妖精の王が騎士の力を束ねて放つ、究極の一撃です。
 対象に「威力80+魔力」点の魔法ダメージを「召喚者の『騎士』の数」回与えます。
 この魔法の属性は、行使する妖精が行使できる属性妖精魔法の系統に準じます。この時、光であれば純エネルギー属性、闇であれば呪い属性として決定します。もし複数の属性妖精魔法を行使できる場合は、そのすべての系統に対応する複数の属性を持っているものとして扱います。
 この魔法はあらゆる宣言特技及び秘伝の効果を受けることができません。

[22]僭王

“自称・草原の王”ソト・グラスランド(PL:凶兆PL4)

(レプラカーン/女/不明)

「……生きて帰れたら、また馬乳酒をおごってやるウサ」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:100点/友人:250点/貴重な友人:500点
 希望する場合、「顔見知り」を「臣民」、「友人」を「臣民にして友」、「貴重な友人」を「貴重な臣民」に置き換えても構いません。

▼外見
 黒髪赤目のレプラカーンの少女です。小柄で白い服をよく着ていることから、見る者には不敵に笑うウサギのような印象を与えます。

▼一般技能
ギャングギャングスタ10レベル
語り部ストーリーテラー10レベル

▼解説
 かつてウルシラ地方エユトルゴ騎兵国の周辺に存在していたと彼女自身が主張している、グラスランドという国の王族を名乗るレプラカーンです。本当にそんな国があったのかは不明ですが、王族の末裔としてか、ちょくちょく騎兵国に遊びに行っては王と土地の使用料を賭けた勝負をしています。ただ、ソトは草原の民を同胞と思っているため、積極的に国民を殺すようなことはなく、賭けも相手に勝つ余地を残したものとなっています。あちらとしては迷惑でしょうが、彼女はかの国との勝負を楽しんでいるのです。
 表向きはエユトルゴ騎兵国にちょっかいを出す腕を磨く為に『赤い鴉』に所属したとされていますが、その実態としてはこの組織に対して脅威を感じているというのが大きいです。ソトは『赤い鴉』に関わらないままでは知らぬ間に世界が滅びかねないと考えており、一員として活動しながらも注意深くその動向を窺っています。
 穢れに対して非常に強力な武器である聖斧フランシスカを得物としているのもそうした時への備えであり、もし彼らが騎兵国に滅びをもたらそうとすれば、彼女は力及ばずとも反旗を翻すでしょう。

▼コネクションの活用
 彼女は尊大で自信に満ちている一方、真の強者や死の危険には注意を払います。そして、一度身内だと思った相手にはかなり対応が甘くなる傾向があります。
 ソトと「顔見知り」以上であれば、ウルシラ地方の特産品を奢ってくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、〈霊馬乳酒〉を1つ獲得します。このアイテム自体は売却できますが、それが彼女に露見した場合コネクションは失われます。
 彼女の「友人」であれば、草原に伝わる逃走法を教えてもらえます。コネクションを結んだキャラクターは、自分の陣営のすべてのキャラクターの手番終了後に「逃走」を宣言できます。「逃走」の宣言者は先制判定を行い、勝利することでエリアを跨いで移動します。敵軍後方エリアにいれば前線エリアに、前線エリアにいれば自軍後方エリアに移動します。もし自軍後方エリアで宣言した場合、その戦闘から離脱します。複数のキャラクターが「逃走」を宣言した場合、代表者が先制判定に勝利することによって全員分の処理を行います。「逃走」による移動は移動妨害を受けず、乱戦エリアにいても《影走り》を習得しているものとして移動できますが、基本戦闘でしか試みることができません。また、戦闘からの離脱にはGMの許可が必要とします。
 もしも「貴重な友人」とまでなれば、草原に伝わる対蛮族のゲリラ戦法について学ぶことができます。コネクションを結んだキャラクターは、穢れを持っているキャラクターに与える物理ダメージ、魔法ダメージが+10されます。

[EX-1]白蛇の巫女

シオン・シラランカ

(ラミア/女/11歳)

「シオン。シオン・シラランカ。エルピュセの巫女にして占い師。よろしく」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:300点/友人:500点/貴重な友人:2000点

▼外見
 髪から尻尾の先の鱗に至るまで白く、その中で虹彩が真紅に染まったラミアの少女です。普段から黒いドレスを着用していて、どこか神秘的な印象を与えます。

▼一般技能
調香師パヒューマー8
仕立て屋テイラー6

▼解説
 『赤い鴉』には所属していない、在野の占い師です。
 11歳の子供でありながら、高いレベルで神官、森羅導師、占者としての能力を身につけています。主神であるエルピュセが指し示した方向へと旅をする事から、時折ギガベースを訪れます。
 基本的に人族寄りのスタンスを維持していますが、力を持った存在には敬意を払い、また、エルピュセの教えのように未来へと従う意思をもった者を好ましく思います。よって相反する立場でなければ、彼女の助力を得ることもできるでしょう。
 占者はアルフレイム大陸においては希少で、そのことから彼女の占いを求める者はギガベースにも存在します。しかし、その力を悪用しようという者や、彼女を害そうと考える者の前には不思議と姿を現すことがありません。

▼コネクションの活用
 シオンは基本的に赤い鴉の構成員に対しては警戒していますが、一度誰かを気に入れば、その人の為に占いをするようになります。
 彼女と「顔見知り」以上であれば、吸血を対価に見返りをくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、セッションの合間1回ごとに、シオンから吸血を受けることができます。吸血を受けた場合、次のセッションの間、最大HPを1点だけ減らします。その後、彼女は「ラッキーアイテム」と称して、効果のない装飾品を1つ、プレゼントしてくれます。これは吸血を受けるごとに貰うことができて、どんな装飾品かは自由に決めて構いません(ルールブックやサプリメントに掲載されていないものでも構いません)。次のセッションの間、この「ラッキーアイテム」を装備している場合、任意の行為判定を行った後に、その達成値に+1する事ができます。但し、「ラッキーアイテム」を複数所持していても、この効果を適用できるのは1回のセッションに1回だけです。
 シオンの「友人」となれば、買い物についてのアドバイスを受けることができます。コネクションを結んだキャラクターは、1日に1回だけ、任意のアイテムを購入できるようになります。この時、基本取引価格の1.5倍のガメルを支払う必要がありますが、1回の購入において個数や種類数への制限はありません。この効果を適用した場合、「威力21」点の物理ダメージを受けます。この時、クリティカル値は⑨として扱い、防護点は適用できません。
 もし「貴重な友人」となった場合、特別なアドバイスを授けてくれるようになります。コネクションを結んだキャラクターは、自身が振った威力表の2d6の出目を振り直すことが可能になります。この時、振り直した後の出目には賦術【クリティカルレイ】に準じる形で+3します。この恩恵を適用すると、即座に「威力21点」の物理ダメージを6回受けます。この時、クリティカル値は⑨として扱い、防護点は適用できません。また、この効果でHPが0以下になった場合、如何なる効果を受けていても気絶が発生しますが、生死判定は行わず、死亡することもありません。

[EX-2]知識の盗掘者

フィリア・グノシィ

(ハイマン/女/14歳)

「やーやー、面白い事してるよね君たち。フィリアだよ、よろしくねー」

▼コネクション獲得に必要な名誉点
顔見知り:250点/友人:750点/貴重な友人:1500点

▼外見
 何を考えているのかよくわからない垂れ目が特徴的な、緑色の髪のハイマンの少女です。真顔で黙っていれば深窓の令嬢に見えなくもないですが、その実おしゃべりなためある種明るい印象を与えます。

▼一般技能
学者スカラー14
医者ドクター7

▼解説
 『赤い鴉』には所属していない、在野の魔導師です。しかし、ギガベースをはじめとした『赤い鴉』の所有している拠点を頻繁に訪ねています。
 冒険者ランクとしては始まりの剣ではあるものの、とある悪癖により一部の界隈からの評判が悪く、また、彼女自身それを意に介していません。というのも、「社会の総合的な発展のためなら何をしてもいい」という思想が根底にあるのです。
 この思想のため、権益の独占や知識の秘匿を是とする組織から出入り禁止にされていることすらある彼女は、赤い鴉が探索する遺跡から得られる数々や、そうした組織から略奪した情報を強く求めています。最終的に発展に繋がれば良いという考えから、蛮族側に情報を流すことすらあります。
 フィリアと個人的な親交を結ぶことは、新たな知識の獲得に繋がるでしょう。

▼コネクションの活用
 彼女は赤い鴉の構成員に対して警戒を持って接しますが、一度関係を持てば非常に友好的です。
 フィリアと「顔見知り」以上であれば、彼女は古くから伝わる礼儀作法と、それに伴う鎧の着こなしを伝授してくれます。コネクションを結んだキャラクターは、秘伝《静寂にして清雅なる鎧の戦士》または《軽快にして慧敏なる魔法戦士》のどちらか1つを、その前提を無視して取得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。
 彼女と「友人」であれば、魔法文明時代に存在した特別なマジックアイテムを譲ってくれます。コネクションを結んだキャラクターは、装飾品〈千里眼の眼鏡〉を獲得します。このアイテムを売却することはできません。

〈千里眼の眼鏡〉
知名度形状フレームレスの丸眼鏡アイテム区分装飾品:頭
概要3分間、《ターゲッティング》か《鷹の目》を習得制作時期古代魔法文明

 装備者は補助動作でMPを10点消費することで、3分間、戦闘特技《ターゲッティング》を習得します。既に《ターゲッティング》を習得している場合は、代わりに《鷹の目》を習得します。


 もし「貴重な友人」となった場合、彼女はまだ時期尚早だと広めていない、失われた技術を教えてくれます。コネクションを結んだキャラクターは、戦闘特技《マルチアクション》を習得している場合、秘伝《騒海・物器自在》を習得します。これに追加の名誉点消費は必要ありません。

製作者:uk