一人称

私

二人称

皆さん（見知らぬ人）、〜さん、呼び捨て（知り合い、または敵対者）

奈落の魔域から脱出し、手続きを済ませた後に飛空船に乗って、私はサンドキアにある独立都市、トリプクンにある冒険者ギルド、「ワン・デイ・ガレージ」で新しく冒険者となったのも束の間、いきなりギルドに蛮族が襲ってきたもののこれを撃退。

しかしその直後に現れたのは、私にとって因縁の敵、シェナキミトだった。

シェナキミトの道楽によって、他のギルドの冒険者を人質に取られ、私達は分かれて救護に向かったけど………

結論から言えば最悪の結果に終わり、敵は倒したものの、守るべき人は命を落とした。

………なんで、私はいつも誰かを助けることができないのかなぁ。ホント、楽しくない。

前回の依頼から数週間、私はギルドにある資料や、カリウス先生の技術をゼクスと一緒に読み解いていた。

誰かを助けることもできない未熟な私が出来ることは、これくらいしかない。今この状況にある全てを投げ出して逃げ出すわけにもいかない。逃げたらそれこそ、本当に負けを認めることになるから。

そんな矢先、突如として巨大な奈落の魔域が出現し、私達はそれに挑むことになった。

男女分かれて探索を行い、さまざまなアイテムを見つけていった。その魔域にあった石板の『花の冠を被り、椅子を見つけ出せ』というものに従い、私は花の冠を被った後、椅子に座って2人の思いを聞いた。

オリバー叔父さんは、育ての親であるルーク神父への感謝と憧れを口に出した。ルーク神父についてはこの件が終わってから、お祖父ちゃんに聞いてみることにして……ゼクスから面映いプロポーズを受け止めた。ホントに恥ずかしかったけど……嬉しかったなぁ。

その後、プロポーズに反応して現れた魔域の主であるラグナカングを叩き潰し、奈落の魔域から脱出した後……あの人が待っていた。

奈落の魔域から帰還した私達を待っていたのは、死んだはずの憧れの先輩……そして私の仲間でもあるアッセンさんのお兄さん、『アルトリオ・ドレンテ』がその場にいた。

その後に、2人のお父さんでもあるアルベルト・ドレンテがやって来たけど、2人が来たのは、どうやらアイツが関わってるらしい……そう思った直後、サンドキアの査問神殿の司祭達が2人を連れ去り、アッセンさんを良くないものとして扱ってた。

その風潮は街のみんなにも届いていたらしく、アッセンさんの抵抗で大騒ぎになっていた。
今思えば、街が混乱して仲間が責められる状況に、私は心の底から愉しいと感じていた。だからこそ、その状況に水を点すオリバー叔父さんには遠くまで行ってもらいたかったのかも。混乱を引き起こしてよりパニックにさせたかったけど、そこはプロだね、残念……
その後、この騒動を引き起こした神官が私達を助けてくれて、無事先輩とアルベルトさんを救出出来た。

そして先輩の事情を聞くと、やはりというべきか、シェナキミトがこの一件に関わっていた………というより、メガネの神官が司祭達を殺していたことでより確信に近づいた。

案の定正体はシェナキミトで、予言と称した犯行予告を垂れ流していた。不愉快極まりない。

そしてシェナキミトのプレゼントとして【白輝】スカイホエールを差し向けられたが、難なく撃破。

………しかし、シェナキミトは既に目的を果たしていたらしく、『大気を操る程度』の力が込められた『ラトクールの書』を手に入れ、サンドキアを嵐の中に閉じ込めようとしている。

作戦会議を行っていた最中、先輩から貰ったお守りが崩れ、扉の小魔として潜伏していた魔神プリクソスが出現し、私がかつて存在していた国の魔法王、【緋眼の焔王】の末裔であることを明かした。

そして、私は目覚めることになる。

目覚める……といっても、結論から言えば自分の本心に少しだけ素直になっただけ。

幸運のお守りが壊れたかと思えば、プリクソスとかいう奴が扉の小魔に扮していて、そいつの領域に入れさせられたかと思えば質問に答えさせられて……

そうして元に戻ったら、なんか心が少しだけ軽くなった。この状況を楽しめる……わけもなく、シェナキミトの策でトリプクンが嵐に包まれて、幻獣も現れた。

その際に街の人は死んでしまって……なんとか幻獣を倒して少し収まったかと思ったら、なんとオリバー叔父さんが御伽話で出てきた祭器、『シーンの月光剣』を持っていた。

まだまだ波乱が起こりそうだけど、今はあの天才クンとの時間を楽しまないとネ。

……先に書いておくと、現状は最悪を超えた最悪。既に詰んでると言っても過言じゃない状況にあった。

まず、シェナキミトの予言通りにトリプクン全体が奈落の魔域に閉じ込められた。

そして、出てくる偽物のシェナキミトを倒した際に現れたのは、シェナキミトに仕えるシェナキミト四天王、【牙老師】ゴルフェリジャ。

奴は自らを大軍師、そして大いなる魔術師とも言っていたけど、結果から見るに偽りないものだった。大量の死者に加えて、蛮族の潜伏……それに加えてフェイク・メモリーを始めとした多くの魔法の数々を手足のように操って、私達の前に立ちはだかった。

私達は浮遊監獄に着き、そこに備え付けられていた、膨大な魔力を有するオベリスクを駆使し、ゴルフェリジャとの戦いに勝利した……しかし、既に敵の計略は終わっていた。

監獄の地下にマナタイトを埋め込み、一気に浮上させ、4つのオベリスクと奈落の核によって高高度まで浮上した監獄から放たれる魔力の奔流で、トリプクンは木っ端微塵に……万が一全員倒しても、監獄が落ちてトリプクンが下敷きになる……

ほんっとうに絶望的な状況だけど、何とかなるって信じてる。

……そう、信じたいの