容姿・経歴・その他メモ

　銀に近いプラチナブロンドの髪を持つ女性。身長166cm。体重53kg。神経質そうな目は普段から半目であり、目の下に濃いくまがあるが、普段は眼鏡をしているのでそこまで目立つことはない。笑うときに右口角をつり上げる癖があり、ニヒルな印象を与える。実際性格もニヒリストであり、昔は自分たちの生来の価値は本質的には存在せず、どのような種族であれ今を善く生きる権利があり、差別されるべきでないと考えていた。しかし、穢れを言い訳にして異種族を殺戮をし、過去の大戦の歴史を以て学ばない人族に辟易しており、また今を善く生きようと考えず死に急ぐ蛮族もまた頭のおかしい連中と侮蔑しており、穢れは人族にエクスキューズを与えるための、始まりの剣を作った世界の外の人が作成した舞台装置だと考えるようになった。
　昔は旅人としてそれなりに好奇と期待に満ち、強いニヒリズムを唱えられる程度に現実と向き合えていたが、現在はこの世に疲れ切ってしまい、リスクヘッジを常に考えて行動し、そもそもリスクに近づこうとしない。性格も相当ひねくれてしまい、口が悪く、嫌みったらしい。おまけに行動に必ず対価を要求し、相手が貧乏人だろうと子供だろうと、情にほだされて依頼料を変えるようなことは決してしない、昔の自分が大嫌いなタイプの大人になってしまった(実際、依頼料を変えないのは自分の職へのプライドと、それをその値段で買ってくれた人への敬意なので、一概に性格がひねくれてしまったからというわけではなく、むしろ昔の彼女が青かっただけだが)。
　
　彼女の出身はサッラエッロで、17～19までは冒険者をしていた。当時の彼女は大した特技もなく、彼女自身冒険者に向いている訳ではなかったが、彼女の幼なじみである少女「アンネリーゼ」に引っ張られる形で冒険に出た。旅先ではアルケミストの専業であり、仲間のためによく学んだ。当時の彼女は才覚がないなりにも6レベル程度のアルケミストだった。冒険の日々は斬新で、楽しかった。いつか別の空域にまで行き、仲間と共にずっと空を飛んで、やがて老いを感じるころに満足して船を下りるのだろうと信じていた。だが、あるとき立ち寄った島で出会った魔神との戦いが転機となった。『厄災纏い』とその周辺の島で呼ばれ、恐れられていた魔神はおよそ彼女たちの手に負えるものではなかった。その戦闘の結果は、3人が死亡、2人が重傷、1人が行方不明という惨憺たる結果だった。それ以来彼女は冒険者を辞めた。冒険者を辞めた直後に初めて彼女は神の声を聞き、それを憎悪し、やがて諦め、それを受け入れて、しかし行方不明となったアンネリーゼが帰って来たときのために教会には入らず実家の万屋を継いだ。しばしば商いのために彼女はサッラエッロを離れてあちこちの島に行っている。

　およそ冒険の日々の後は毎日を無為に過ごしていたが、読書と木彫り細工を好んでおり、特に木彫り細工は時を忘れるほどのめり込んでいる。大して器用ではない彼女だが、だからこそ入念に構図を練り、どこを削るかを計画して掘り始める。その木彫り細工はそれなりに人気で、商い物として取引しているほかに、サッラエッロから旅に出る者にお守りとして無償で渡している。
　また、商い人のため、頻繁に出かけている。一所に5日以上留まっていない、などという噂が流れるほどだが、さすがにそんなことはないと彼女は否定している。
　過去国王に謁見したことがあるらしいが、国王？誰それ？顔も思い出せん。

　オ・ウーシオを着込むようになってから出で立ちをかなり変え、金属鎧の上から灰色のマントを纏っている。このマントは左右の肘から先の色が異なっており、左が銀の刺繍が入っている黒色、右側が金の刺繍が入っている白色になっている。袖口の構造も違っており、左側の袖が長く広く作られており、左手をすっぽりと覆ってしまう構造になっている。対して右側は袖口こそ広いが8部袖になっており、得物を取り回しやすいように出来ている。この袖の長さが違うマントはフォルティの聖職者が好む構造の一つであり、左手を隠し右手を露わにすることで表裏を表しているらしい。

　アニマラーダで得た収入で念願の高級キセルと一服5ガメルの高級刻み煙草をセットで手に入れた。これを買ったときは珍しくめちゃくちゃ嬉しそうだったとか。姫に「そんなもの買うお金があるならば私にマナチャ買ってよ」と言われたが当たり前のように無視した。聖王の冠も買ったが、おおっぴらに着飾るのが好きではないので買うかどうかかなり悩んだ末、左右の髪に留め、額の上につり下がるタイプの宝冠を購入した。それでも威厳に満ちていて目立つのが困りもの。やっぱ魔法のアイテムって扱いにくいよね。

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