死亡したリカントの旅人の腹から息を吹き返した。生まれつき体は丈夫で三日三晩泣き続けていた所を頑強さに目をつけたリカントの傭兵に拾われる。

剣が握れる年になると剣を持たされ戦場に叩き落とされる。戦わなければ勝てずに命を落とす環境は俺の心身を強くした。

ある日、立ち寄った街で男の子に出会った時に心がモヤモヤした。平静を乱されるなにかに怯え、それ以来男性に苦手意識を抱く。

効率よくかつ、迅速に。
敵を滅する動き方を戦場を駆ける親の背中から学んだ。その学びはシリウスの中で根強く残っている。

ある日親からこの様に伝えられる。
「お前は選ばれた。異世界からやってくる異邦人と共に、世界を変えうる大戦に望むことになる。俺はそれまでに最低限の力をお前に付けさせる。もう後悔しないようにな。」

その言葉の真意は未だに分からない。

成人も間際に親である【彼】から秘術を授かる。
敵を引き付け、仲間を守り、敵を威圧する技を。
しかし完全な習得には至らず現在も習得する為の努力を続けている。

成人を迎えた後、親の助言の後異邦人を探す旅に出る。
邂逅が何時になるかは分からない。
神ですら知らない、でも歩き続ける。
己が使命を果たす為に。