容姿・経歴・その他メモ

オクトは『孤独』に選ばれた。生まれた時、彼を祝福するものはおらず、彼の目に映るのは汚れを見るような人々の目だった。オクトの家族は彼を産んだことにより多くを失った。地位も資産もさらには名さえも失った。彼らは村のはずれに隔離された。村の集落に行こうものなら石を投げられる。行かなくても嫌がらせに人がやってくる。

そんなオクトだがとても幸せだった。彼の父は名のある冒険者だった。普段家には帰ってこず、体の弱くなった母と二人きりの生活だったが、喧嘩はなくとても充実したものだった。父が帰ってくると冒険の話をたくさん聞いた。父の話はいつも希望に満ちていた。仲間と協力し怪物を倒した話。洞窟でお宝をみつけた話。仲間が増えた話。知らない場所の話。小さな村の英雄になった話。そして父は必ず最後にこの話をする。「世界にはたくさんの種族がいて、ひとりひとりに特徴がある。この世界でいちいち人の生まれや種族を気にするやつは、それだけで人生を損している。この広い世界で一番輝くやつは、この世界を知り、この世界を愛したやつだ。大きくなったらオクトもこの世界を見てくるといい、きっとそこにはお前の宝物があるはずだ。」その話を聞くオクトの目はキラキラと輝いていた。

しかし、その輝きは『孤独』に飲み込まれた。父が死んだ。父は殺された。この村に巨大な魔物がやってきた。父は必死に戦った。自分たちを隔離し虐げてきた人々のために。世界を愛するために。父は巨大な魔物を倒した。ボロボロになって風が吹けば倒れてしまいそうなそんな状態になるまで戦った。しかしそんな父の贈られた言葉は感謝ではなかった。化物！悪魔の親！お前がいるから魔物が来た！お前のせいだ！その後父は捕らえられ処刑された。村に魔物を招いた大罪人として。そしてその家族であるオクトも命を狙われた。オクトは立ち向かおうとした。父を殺したものを決して許さない。なぜ父が殺されなければならない。狂っている。この世界は壊れている。オクトが復讐を決めた時、母がオクトの前に立った。そして母は逃げることを提案した。納得できなかった、何かしなければ気が済まなかった。オクトは初めて母と喧嘩をした。このまま逃げることはできない。何がなんでも復讐をして見せる。オクトは村の集落に走った。しかしそこに人々はいなかった。いたのは数匹の巨大な魔物だった。魔物の足元には肉の塊転がっていた。建物には火が周り、赤い水たまりがあちこちにできていた。オクトはどうすれば良いのかわからなかった。魔物に立ち向かえば良いのか、魔物に感謝するべきなのか、今すぐ逃げるべきなのか。オクトの足は動かなかった。移動する気になれなかった。この光景が痛かった。父はなんのために死んだのだろう。背後に巨大な影がかかった。腕を大きく振り上げている。全てを諦めた。自分が生まれなければきっと幸せは続いていたのだろうと。生まれることが間違いなこの世界とお別れができると。突然何かに突き飛ばされた。背後で嫌な音がした。振り返るとそこには爪で体をえぐられた母の姿があった。母は今にも消えそうな声で言った。「あなたは誰よりも輝けるすべてを照らす光放つ人になるわ。」その一言を告げると熱を持たない肉の塊になった、彼はまた『孤独』になった。

この後のことはよく覚えていない。通りがかった冒険者が上がった煙を見て異常を察知し、助けに入ったらしい。無事魔物は討伐された。助かったのはただ一人オクトだけだった。死ぬことは許されなかった。オクトは『孤独』に選ばれた。様々な思いは世界に対する憎しみに変わった。世界を知り世界を愛す。そんなことは必要ない。この世界を正すために、この世界の神になるために。オクトは一歩を踏み出した。



冒険者が身内にいた。
大喧嘩したことがある。
血縁者と死別したことがある。
神になる。

11/26(射手座)

7/魔法収束
9/ダブルキャスト
11/ターゲッティング
13/魔法制御
15/魔晶石の達人

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