【デルティナ魔克異化術】は、ノトス地方の最南端にある密林に隠れ住む魔神使いが己を魔神化させるために生み出した流派です。
　ナイトメアの忌み子として生まれた始祖デルティナは、幼いころから人族社会において迫害されており、その宿命から逃れるために、ダークナイトとして蛮族社会へと移り住みます。しかし、蛮族の中でも自らの出自を隠すことはできず、最後まで受け入れられることはありませんでした。彼らは彼女を異端として排除し、やがて住む家さえも失います。
　デルティナは自分の居場所を求め、力を求めて苦しんでいました。そんな折、穢れを持たずに圧倒的な力を持つ魔神の存在を知り、魅了されます。魔神の力を手に入れることができれば、かつて自分を追いやった同族や蛮族に復讐できると。彼女はディアボロと呼ばれる蛮族と魔神の混血種から着想を得て、人族と魔神の融合を試み始めました。
　デルティナの悲願は一筋縄ではいかないものでしたが、研究の末、アビスソウルと呼ばれる魔神の魂核を体内に埋め込む技術を完成させ、自身が穢れなく強大な存在になる道を切り開きました。
　彼女は共同開発を行っていた学者にそのすべてを伝え、姿を消しました。そのあとについては文献には残されておらず、復讐に向かったのか、そうでないのかは不明です。
　現在では一部の学者などにこの流派が広まり、蛮族社会発祥でありながら人族の門下生も多く存在します。
　この流派では共鳴紋である〈悪魔の刻印〉を身体に彫り、魔神と一体化することを目標としています。この流派は習得に危険を伴い、魔神の性格に呑まれてしまう人や、肉体を維持できなくなる人も少なくなく、門下生であっても習得している者は稀です。そのため現在でも禁忌の術として隠匿されています。
　危険性の高い手段であっても、ルーンフォークやフィーなどの穢れを持たない種族は後遺症を全く受けず、一部の研究者は魔神と穢れの関係性に何らかの関係があるとみてこの流派に入門することがあるようです。

流派装備

　この流派の秘伝を使うには、魔神を自らを融合するために身体に特殊な刺青を彫る必要があります。また、秘伝《迎合する生命》の習得により、魔神化武器を装備できるようになります。