パグラス島開拓地に存在する「花咲く甘蕉亭」にてマギテック協会の役員としてぶち込まれている。
　……正確に保護兼更生な気もするが……
　現在は借金返済するため報酬全てに-100のデバフと借金の項目がやばい値になっている。

マギテック協会所属の父と狩人の母の元、村外れの遺跡で生まれ育った。
　近くの村に同年代のグラスランナーに感化された影響かレプラカーンにしては……いや人族にしてはかなり勇敢……無謀な性格に育ってしまった。
　人一倍魔導機に触れる機会があった為に、同年代の子達より物知りであり、またハンターとしても優れた才能を見せてつけていた。
　勝気な性格も相まって気づけば子供達のリーダー的存在となっていたらしい。

　父の縁もありマギテック学校にぶち込まれたノマネ、そこに待っていたのは……案外既知の世界だった。なので研究所に引きこもっていた。魔導機を作ってはお家に帰る。そんな日々を送っていた。
　しかし開発したものが不味かった。
地頭がいいわけではなかったが既存の概念を無視してしまったが故に画期的な魔導機を作っていったのだ。
　……それが破滅につながるとも知れず

　何が間違っていたのだろうか、開発した魔導機を父親に見せたこと？先生に見せびらかしたこと？険悪になっていく家族に気づけなかったこと？変な視線を無視し続けたこと？
　どれでもいい、ただ家が燃えて、父親にガンを向けられている。それだけでいい。
　逃げた、逃げた、東へ南へ。逃げ切れた……のだろうか。
　街にたどり着いた、大きな街だ。
　でも生き方もわからない。でも死にたくなかった。幸いイタズラは得意だ……物を盗むことを覚えるのに時間はかからなかった。

　さて所詮素人の盗みである。当然すぐバレる。しかも変に成功してしまった彼女は標的を選ぶことを知らなかった。
　故にやってしまった、手を出しちゃいけないやつに。
　彼の名前はベルンハルト、孤児院を経営する「ガチタン」リルドラケンだ。　
　手を出した瞬間捕まった。首根っこを取り押さえられた。
　そして抵抗することもできず……ああもう死ぬんだぁと諦めて……なぜか美味しいご飯を出された。
　ｵﾅﾍﾞｵｲｼｲ｡

　孤児院に引き取られた彼女はどうにかこうにか恩返しをしようとしていた。
　そして考えた、魔導機しかないと。
ハーヴェスのマギテック協会に入り、魔導機を開発……開発しようとしても無一文。
　試験は1発合格なのはいいがガキである。
(学校行ってもろて……となるが
　しかしそんな彼女は良いこと(悲劇の始まり)を知ったのだ。
　金は借りられる。
普通の人なら疑うその発言、しかし彼女は魔導機と森しかよく分かってなかった。なんなら蛮族すらよくわかってなかった。
　そして彼女は変に才能があった。故に彼女の出した答えは
「借りて開発して、それ売れば返せる。永久機関の完成じゃ！」
さらにそこからギャンブルすら教えられてしまったのだ。
　……闇金って簡単には返せないよね()

……後日ベルンハルトは語った。
「常識を先に叩き込むべきだったわ」と。

　さて彼女の開発した魔導機は昔の文献に語られる魔導機文明後期と同等か超えているかもしれないレベルのものだった。
　マギテック協会としては優秀すぎて扱いづらく、借金もしまくる……正直扱い方に困っていた。
　誰かが言った。
「なら開拓団に参加させましょうよ。最近新しい島も見つかったらしいですし、我々マギテック協会はその地に協会員を派遣できておりません。しかも開拓団には魔導機技術を使用する冒険者が少なくないといいます。
　開拓地なら借金もできませんし、どうでしょうか」
　その一言はすぐに承認となり、借金は一時的にマギテック協会が肩代わりするとして開拓団にぶち込まれたのだ。
　なおこのあと遠い別の国で指名手配(魔導機技術関連)されていることを知る羽目になった。ﾅﾆﾂｸｯﾀﾝﾀﾞﾖｰ