幼いころから明るく、好奇心で動く性格だったので友人達と遊ぶときはいつも友達を引っ張って色々なところへ行ったり、色々な遊びをしてきた。
少し強引なところがあり、一部から怖がられていた時もあったが、悪意があるわけではないので気が付けばいつも子供達の中心にいた。

子供の時は遊びやすさ重視の恰好をしていたので、男だと勘違いされることが多く、本人も特に訂正することもなかったため、久しぶりに会った友人達からは驚かれることがたまにある。
本人曰くあの時はやんちゃだったなとの事らしい。訂正しなかったのはそんなことよりも遊びたかったから。

彼女が8歳の頃に村から別の街に引っ越すことになった。
両親の仕事が成功したからだった。友人と別れることになって残念だと思っていたが、引っ越してからしばらくそんなことが些細なことと思えるほどの事件が起こる。

蛮族と協力している盗賊団が、街で金品や子供を誘拐する事件が多発する。
そして、彼女の家も彼らのターゲットにされてしまう。
その結果、彼女は盗賊団に捕まり、両親は殺されてしまう。

その時複数の犬の魔物そして、獣人だった。
その時の恐怖により、彼女は今でも犬にまつわる種族が怖い(獣化していなければ大丈夫)。

過去の事があり、彼女は一人で生きなければならなくなった。
そして、両親は自分を庇って死んでしまった。
だから、彼女は自らに誓いを立てた。
「どんな手段を使っても生き残る」と。
そして、吟遊詩人と旅をしたことでもう一つ誓いを立てる。
「人の想いを捨てない」と。
だから、彼女は人を信用しすぎることはなく、けれど人の想いを謡う。

盗賊団に捕まったが、幸運にもすぐにそこから抜け出すことが出来た。
しかし、だからといって助かったわけではない。
引っ越したばかりで知り合いはいないし、故郷に帰ろうにも距離が遠い。
それに、誰かに頼りたくても人を信じられないでいた。
だから、彼女は一人で生き残る為に盗みを働いて生きてきた。

それからしばらくして、彼女は吟遊詩人から盗みを働こうとして捕まってしまう。
何とかして逃げ出そうとしたが、失敗し路地の方へと連れて行かれる。
もうだめだと思ったが、吟遊詩人は彼女に何もしなかった。
吟遊詩人はただ、これは大事なものだからあげられない。
代わりにといって、吟遊詩人は彼女に食料を渡した。

彼女はいぶかしんだが、吟遊詩人が渡した食料を口にしたため彼女もそれを食べた。
食べている間、ジッとこちらを見てきた為、少し気まずくなり彼女は吟遊詩人に楽器の事を聞いた。
そして、演奏をしてもらった。

その詩は彼女の心に響いた。そして、吟遊詩人に憧れた。
それからしばらく吟遊詩人について回り、気が付けば一緒に旅をしていた。

数年後、吟遊詩人は病によって倒れてしまう。
幸い死ぬことはなかったが、旅を続けられず、歌を歌えなくなってしまう。
彼女は吟遊詩人の詩に救われた、だからその詩を途切れさせたくなかった。
だから、代わりに自分が歌うと吟遊詩人に告げる。
それを聞いた吟遊詩人は驚いた顔をしたが、すぐに笑い彼女に楽器をプレゼントした。

それを受け取った彼女は、受け取った想いを紡ぐために、より多くの物語を持ち帰る為に旅に出ることにした。

彼女に付けられた二つ名は「夜鳥の魔女」。
由来は彼女の恰好と歌声によるものだ。
しかし、もう一つ由来がある。
それは、彼女の手癖の悪さだ。幼いころから盗みを働いて生きてきたことによる影響で、吟遊詩人になってからは盗みを働かないようにしていたが、気分が悪くなるとその相手から盗んだり、酒の場でこっそり盗んだりと被害に遭う人が多いからだ。
それでも大きな問題になっていないのは、盗まれたものがすぐ変えるようなものだったり、冒険者ランクが高いというのもあるが、普段の人柄と歌声などで許されているところがある。
それを含めての魔女であり、そう呼ばれるようになったから彼女は魔女っぽい恰好をするようになった。