ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

武琉(たける) - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

桃太郎の血を引きし鬼(AIが作成した桃太郎)武琉(たける)

プレイヤー:貧弱こんにゃく

俺は武琉(たける)だ、よろしくな!

種族
ドワーフ
年齢
18
性別
種族特徴
[暗視][剣の加護/炎身]
生まれ
戦士
信仰
ランク
穢れ
0
4
11
5
15
3
8
9
5
11
成長
0
成長
0
成長
1
成長
1
成長
0
成長
1
器用度
19
敏捷度
7
筋力
20
生命力
21
知力
10
精神力
17
増強
増強
増強
2
増強
増強
増強
器用度
3
敏捷度
1
筋力
3
生命力
3
知力
1
精神力
2
生命抵抗
6
精神抵抗
5
HP
30
MP
17
冒険者レベル
3

経験点

使用
6,500
残り
500
総計
7,000

技能

ファイター
3
エンハンサー
3
スカウト
1

戦闘特技

  • 《全力攻撃Ⅰ》
  • 《斬り返しⅠ》

練技

  • 【マッスルベアー】
  • 【キャッツアイ】
  • 【ビートルスキン】

判定パッケージ

スカウト技能レベル1 技巧 4
運動 2
観察 2
魔物知識
0
先制力
2
制限移動
3 m
移動力
7 m
全力移動
21 m

言語

会話読文
交易共通語
ドワーフ語
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
ファイター技能レベル3 22 6 6
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
モール 2H 20 +1=7 35 12 6
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
ファイター技能レベル3 22 4
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
チェインメイル 18 -1 6
合計:ファイター/すべての防具 3 6
装飾品 専用 効果
右手 怪力の腕輪
左手 夜桜の花びら 最期に残った、彼女の花
所持金
1,700 G
預金/借金

所持品

怪力の腕輪
モール
チェインメイル
冒険者セット

名誉点
30
ランク

名誉アイテム

点数

容姿・経歴・その他メモ

#1 ((2D6+6)+(1D6)+(2D6)+(2D6)+(1D6)+(2D6+6)) → (5[1,4]+6)+(4[4])+(8[3,5])+(5[4,1])+(1[1])+(4[2,2]+6) → 39
#2 ((2D6+6)+(1D6)+(2D6)+(2D6)+(1D6)+(2D6+6)) → (6[4,2]+6)+(6[6])+(9[5,4])+(10[6,4])+(1[1])+(4[2,2]+6) → 48
#3 ((2D6+6)+(1D6)+(2D6)+(2D6)+(1D6)+(2D6+6)) → (9[6,3]+6)+(3[3])+(8[6,2])+(9[6,3])+(5[5])+(5[1,4]+6) → 51★
[6,2]->(精神力 or 敏捷度) [4,4]->(生命力)


混沌とした世界を生き抜いてきた者だ、面構えが違う


クソ長い履歴を要約すると桃太郎の血を引く鬼(?)である平凡な高校2年生の武琉は手紙と融合したことで鬼として覚醒し、鬼ヶ島と呼ばれる建物に連れ込まれて買物を頼まれた先で時間を操る女性に拉致られ、その後桃太郎として覚醒して重力使いの少女と巨人と戦い黒鬼(赤鬼)と友情を芽生えさせて梨花といい感じになっていたら隕石に衝突して転生して冒険者になりました。

それから月日は流れ、ある日たった一日の恋を経験しましたとさ。

出会って最初に握られ、最期に握り返した左手には今も一枚の桜の花びらが付けられているそうな。それはきっと彼にとっては宝物であると同時に、呪いでもあるのだろう。


ちなみに桃太郎の子孫は桃太郎が生まれた場所である「鬼ヶ島」の宝物庫を開けることができ、その力を受け継いでいるという解釈があり、具体的には剣術や弓術などの武術に優れた者がいるとされているらしい。どういうことなの…



下の履歴は武琉君が誕生した謎の文章です。読まない方がいいと思います。

履歴

ある日空から降って来た桃から男の子が生まれました。その男の子は桃太郎と名付けられ、すくすくと成長していきました。
そして時は流れて現代。
「……ふぁあ」
大きな欠伸をしてベッドの上で目を覚ます一人の少年――いや、青年が居た。彼の名は『武琉(たける)』。高校二年のどこにでもいる高校生だ。そんな彼は今現在、自室のベッドの上に寝転がっていた。
「んー……今日も学校かぁ。面倒くせぇなぁ……ま、仕方ねぇけどさ」
そう言ってのっそりとした動作で起き上がる武琉。それからベッドの縁に腰掛けるようにして桃を齧り、ペットのお婆さんを呼んで犬の散歩に行く準備をする。それがいつも通りの日常だったのだが、この日は違った。
「……?なんだこれ?」
家のポストに入っていた一通の手紙を手に取る武琉。真っ白な封筒には宛名も差出人も書かれていない。不思議に思いながら裏返してみるとそこには鬼ヶ島からの脅迫状が入っていた。(……え?)
一瞬思考停止する武琉だったがすぐに我を取り戻してもう一度表を見る。しかし何度見ても書いてある内容は変わらない。どうやら夢ではないようだ。
「ど、どういうことだ!?なんでこんなものが俺の家に……」
動揺しながら手紙の内容を確認する武琉。どうやら自分は桃太郎の血を引く存在らしい。そして今日の夕方鬼ヶ島に来いと書かれていた。
「冗談じゃない!誰が行くか!」
そう言って手紙を破り捨てようとするが何故か手から離れてくれない。まるで誰かの念でも込められているかのように……
「くそっ!なんなんだこれは!!」
必死になって剥がそうとするがその手紙はどんどん武琉の体と融合していく。すると次第に意識が薄れていき、とうとう気を失ってしまった。
目が覚めるとそこは見覚えのある場所だった。「ここは俺の家か?」
そうだ俺は鬼ヶ島に行く途中で何者かに襲われて……ってことはここはあの世? だがそれにしてはおかしい。なぜなら目の前には俺の愛する梨花ちゃん人形があるからだ。この子を置いて死ぬわけがない。なら一体どこなのかと考えながら周りを見渡すとある物が目に入った。それは鏡だ。そこに写っている姿を見て驚愕する。何故ならそこには自分がいたからだ。それも先程まで戦っていたはずの赤鬼の姿である。
そこで全てを思い出した。俺が本物の鬼だったということを……そして今置かれている状況を理解する。つまり今の自分は鬼になっているということだと。
とりあえず落ち着こうと思い深呼吸をする。スーハースーハーよし落ち着いたぞ!さあこれからどうするか考えようじゃないか。まずはこの姿で家にいるのはまずいよな。ならどこかに身を隠せる場所はないかと辺りを見回すとちょうどいい所にロッカーがあった。その中に入ると外の様子を伺う。
よし誰もいないようだな。では早速外に出るとしよう。扉を開けて外を見るとまだ昼間だった。ということは今は朝方くらいだろうか? とりあえず街に向かって歩いてみる。すると突然後ろから声をかけられた。
「おいそこのお前」
「まずい!この姿ではきっと俺は討伐されてしまう!」そう考えた武琉は全力で逃げ出した。しかし回り込まれてしまった。
「待て貴様!なぜ逃げる!?」
「だって俺の姿を見たら襲ってくるんでしょ?そんなの絶対嫌だよ!!」
「何を言っているんだお前は。そもそも鬼ごときに我ら人間が敵うはずなかろう。それに安心しろ。お前はもう既に我々人類の仲間入りをしているのだ。だから何も恐れることはない。むしろ誇るべきなのだ。人類の新たな力として……」
「えっどういうこと?」
「ふむ。まあいいだろう。ついてこい」
そういうとその人は歩き出した。それについていくと、ある建物に着いた。中には大勢の鬼が所狭しと詰め込まれていた。「ここは一体何ですか?」
「ああここは鬼ヶ島だ。人間どもから身を隠すために作られたものだ。ここでは人間の血肉を食らうことで力を蓄えることができる。またここの住人となったものは仲間として扱われるようになる。いわば家族のような関係だな」
なるほどね。ここで生活すれば安全というわけか。そしてこれからは人間を食べることが生きがいになるのか。なんかヤダなぁ……
「ところで名前はなんていうんですか?」
「名前などない。我々はただの鬼だ。ちなみに私はこの島の王である赤鬼だ」「へーそうなんですか」
あれ?王なのに名前がないとはこれいかに?
「お前、今王なのに名前がないとか思っただろ」「なんで分かったんですか!?まさかあなたも超能力者?」
「馬鹿を言うんじゃない。これはただの勘だ」
「勘かよ!」
「それで話を戻すが、お前の名前は武琉だ。わかったな?」
「はいわかりました……ってちょっと待った!なんで俺だけ名前があるんだよ!?」「そりゃあ桃太郎の子孫だし」
「適当すぎませんかね!?もっとちゃんとした理由はないの!?」
「特に無いな」
「無いんかい!」
はあ、まあいいか。どうせこの姿じゃ本名名乗れないし。でもこの名前嫌いなんだけどな……こいつらと同じ種族になったと思うと少し悲しいぜ……
こうして武琉の新しい人生が始まった。
翌日、武琉は街に来ていた。というのも食料調達のためである。やはり食べ物がなければ生きていけないからね。あとついでに服とか日用品を買いに来たのだ。
「これで買い物は終わりっと。さあて、お次は食料を調達しなきゃなぁ」そう言って武琉は近くのスーパーへと向かう。そして店内に入り籠を手に取ると早速食材選びを始める。
「まずは野菜から選ぼうかな」
そう言うと野菜コーナーへと足を運ぶ。そしてキャベツや人参といったものを選んでいると背後から視線を感じた。振り向くとそこには一人の女性が立っていた。その女性は俺に向かって微笑みかけてきた。だが何故か背筋に悪寒が走った。
「あらこんにちわ。今日は一人なのかしら?」
「え?はいそうですけど……何か用ですか?」
「いえ別に?ただ貴方に興味があって話しかけただけだけれど」
なんだこの人……鬼である俺に気軽に声をかけるなんて……普通じゃないぞ……?
「そ、そうなんですか。あの俺急ぐんで失礼します」
「まあまあそんなこと言わずに。もう少し話しましょうよ」
と言って俺の腕を掴む女性。「ちょっ!離してください!警察呼びますよ!」
「いいじゃない。別に減るもんじゃないんだし」そう言ってぐいっと顔を近づけてくる女性。すると彼女はとんでもない事を口走る。
「私と一緒に暮らしてくれない?」
「はいぃぃいいいいいい!?!?」思わず叫ぶ武琉。というかこの女性誰なんだ!?いきなり一緒に暮らせだと!?意味わからん!!それにこの人の目怖いよぉおお!!!
「ど、どうして俺なんかと暮らす必要があるんですか?他にもたくさん人いるでしょう?」
「う〜ん……なんとなくかしら?」
理由になってねぇぇええ!ダメだこの女性!早く逃げないと!「すみません!俺急いでるんで!また今度!」そう言い残して走り去る。そしてそのまま店を出る。するとそこには先程の女性が立っていた。
「あれれ?おかしいな?確かに撒いたはずなのに……」
「ふふふ。甘いわね。私の能力を使えばこんなこと造作もないわ」そう言って彼女はニヤリと笑う。
「ち、ちなみにどんな能力なんですか?」
「それはね…………『時間を操る』能力よ」
「マジかよ……」
そんなチートみたいな力あるのかよ。勝てるわけねえじゃん。詰んだなこれ。もうどうしようもないのでおとなしく彼女についていった。それからしばらくしてとあるマンションに連れてこられた。どうやらここに住んでいるらしい。中に入るとリビングへと案内された。そこには既に他の住人がいた。彼らはこちらを見ると挨拶をしてきた。
「やあ君が新しい仲間だね。僕は青鬼だよ。よろしく」
「私は黄鬼よ。これからはあなたも仲間入りね」「俺は緑鬼だ。これからよろしくな」
「俺は桃鬼だ。これからは仲間として共に頑張っていこう」
なるほど。皆鬼なんだな。それにしてもまさか桃太郎の子孫だったとは……人生何が起きるかわかんないな……
「それじゃあお腹空いただろうし早速ご飯にしましょうか」そう言って料理を作る赤鬼さん。その手際は見事という他なかった。そして出来上がった料理はとても美味しかった。
「うぅ……涙が出そうだ……こんなにうまい飯を食ったのは初めてだ……ありがとうございます……」
「喜んでくれて嬉しいわ。どんどん食べてちょうだい」
「はい……」それから武琉はたらふく飯を食べて満足した。「ご馳走様でした」そう言うと武琉はソファーに横になる。「ああ食ったぁ……満腹だぁ……幸せだぁ……」
「ふふ、気に入ってくれたようで良かったわ」
「これからもずっとここで暮らしたいなぁ……」そう思ったその瞬間、突如として頭の中に声が響く。
(力が欲しいか?)
「な、なんだ!?一体どこから聞こえているんだ!?」
突然のことに驚く武琉。しかしそんなことを気にする素振りもなく声は続ける。
(我は汝、汝は我なり。我が名は黒鬼……汝の祖先である……」「俺の先祖だって!?どういうことだ?」
すると今度は別の方向から声が聞こえる。「ほう……お前は桃太郎の子孫なのか……ならば今こそ目覚めろ桃太郎!そして我らと共に世界を支配するのだ!!」
「ふざけんじゃねえ!誰がお前らなんかと!」そう叫ぶと武琉の体から光が溢れ出す。そして次の瞬間、武琉の姿は変わっていた。その姿はまさに桃太郎そのものといった感じであった。
「なんだよこれ……まるで変身ヒーローみたいじゃないか……」
呆然と呟く武琉。しかしその隙を逃すまいと、襲いかかってくる怪物達。
「危ない!」
間一で攻撃を躱す武琉。しかし次々と怪物が襲ってくる。
「くそっ!こいつらいつの間に出てきたんだ!?」
「おそらくだが……奴らが操っているんだろう……」
「なに……?」
見ると確かに怪物達は誰かに指示されているかのように動いている。そしてその先には一人の少女がいる。「あいつの仕業なのか……?とにかく今は逃げるしか無いか……」
そう言って少女に背を向けると一目散に逃げだす武琉。その後を必死に追いかける怪物達だったが、やがて諦めたのか見えなくなった。
「助かったのか……?」
そう言って振り返るとそこにいたはずの少女がいないことに気づく。
「しまった!あの子を見失った!」
慌てて探そうとするも見つからない。
「どこに行っちまったんだ?」愛しのリカちゃん人形を探そうとしたその時だった。「見つけたぞ!桃太郎!」背後からの声と同時に何かが飛んでくる。咄嵯の判断で避けるとそれは壁に突き刺さる。それは刀だった。恐る恐る後ろを振り向くとそこには先程の少女がいた。
「お、おまえは!?」
「私は白王。重力を操る者だ」そう名乗る少女は地面から浮いていた。「な、なんなんだよこの世界は!?」
「ここは私が支配する世界だ。そして貴様はその新たなる支配者となるのだ!」
「なにぃ?」すると武琉の体が急に重くなる。
「ぐっ!動けねぇ……」
「ふっふっふ……これで私たちは共に世界の支配者となる。さあ、まずは手始めに人類を滅ぼそうではないか!」「な、何を言っている!そんなことさせるわけないだろう!」
「ふん、口ではどうとでも言えるわ。まあいい。すぐにわかることになる」
そう言って剣を構える少女。「さらばだ。桃太郎の子孫よ」そう言って武琉に向かって突進してくる。
「ちいっ、体が動かない……だがここで諦めるわけには……!」そうして武琉は根性で体を動かし紙一重で突進を避ける。「むっ、避けたか」
「へっ、舐めんなよ」
「なるほど。中々やるようだな」
「当たり前だ。こちとら主人公だからな」
「ふふ、面白い。ならこれはどうだ?」
そう言うと再び突っ込んでくる少女。しかし今度は複数の刀を周囲に浮かばせている。「くらえ!」
そう叫びながら刀を投げつけてくる。それをなんとか捌きつつ攻撃の機会を探る武琉。しかしそこへ更なる追い討ちがかかる。
「な、なんだ!?地震か!?」突然の地響きに驚く武琉。すると次の瞬間、巨大な腕が降ってきた。「うわぁぁっ!?」とっさに避ける武琉。慌てて上空を見るとそこには巨人が立っていた。「あれは……まさか……」
「そう。私が生み出した最強の生物兵器だ」「こいつが……俺達の敵って訳か……」
「その通りだ。さあ、桃太郎の子孫よ!そいつを倒してみせろ!」
そう言い残し、姿を消す少女。「くそっ、こんなやつどうしろって言うんだ!」そうこうしているうちに巨人の拳が迫ってきている。「仕方がない……一か八かやってやるぜ!!」
そう言うと迫り来る拳に対して構えをとる武琉。そして次の瞬間、凄まじい衝撃が辺りを襲った。吹き飛ばされそうになるのを必死に耐える武琉。そしてしばらくした後その拳に向かって攻撃を試みる。しかしびくともしない。それどころか傷一つついていない。「嘘だろ……無敵すぎないかこいつ……」
「無駄だよ。その程度の力でどうにかできる相手ではない」
「くそ……万事休すか……」
絶体絶命のピンチ。果たして武琉はどうなる!?次回に続く!!
「はぁ……はぁ……」
息も絶え絶えになりながらも何とか立ち上がる武琉。「まだ立てるとは驚きだね。だがそれもここまでのようだが」そんなことを言いながらゆっくりと近づいてくる巨人。「ちくしょう……もう終わりなのか……」
絶望に打ちひしがれそうになる武琉。しかしそれでも彼は諦めない。なぜならこの世界には彼の愛する梨花ちゃん人形があるからだ。「俺はまだ死ぬわけにはいかない……!必ず生きて帰ってみせる……!」
そう決意を固めると最後の力を振り絞り攻撃を仕掛ける。しかしやはり通用せず返り討ちにあう。
「ぐあああっ!!」
「ふっ……所詮は人間か……」
倒れ伏す武琉を見て嘲笑する巨人。しかしふと気づく。僅かに自分の拳が傷付いていることに。「ほう……少しは骨のある奴もいたか……」そう呟くと再び拳を構えて向かっていく。そして今度こそトドメを刺そうと振りかぶったその時だった。突如として何者かが現れその一撃を受け止めたのは。
「誰だお前は!?」
「俺は黒鬼、武琉のご先祖だァ!!」そう叫ぶと同時に強烈な蹴りを放つ。「ぐおっ!?」
怯む巨人。さらに続けて追撃を加える。すると巨人の体に次々とヒビが入り始める。「バカな!我が肉体が!?」
やがて限界を迎えたのかバラバラに砕け散る巨人。
「やったぞ!勝ったな武琉!」嬉々として武琉に話しかける黒鬼。「いやちょっと待て!急に現れてなんなんだよお前!?」「ん?ああ悪い。自己紹介がまだだったな。俺の名は赤鬼。炎を操る者だ」そう言ってニヤリと笑うと「さーて、お次はどいつだ?まとめてかかって来な!」と挑発するように叫んだ。
「ほざくな!たかが鬼一人如き、私の敵ではな……」
「ああん?」
白王と名乗った少女が喋っている途中にも関わらず、顔面にパンチを入れる赤鬼。「ぐふぅっ!」
あまりの威力に後方に吹き飛ぶ白王。
「テメーのボスはどこだ?」「誰が教えるものか!くっ……殺せ!」最後まで強がる白王。「はいはい。じゃあ死んどいてね〜」
そう言って指を鳴らすと、地割れが起きてそこに落ちていく白王。「ふん、雑魚が」そう吐き捨てると今度は武琉の方を向いて「大丈夫かい武琉くん」と話しかける。「えっあっ……ああ……さっきはどうもな」「いいってことよ。それより君には聞きたいことがあるんだ」「俺に?」
「そうさ。どうして君はここにいるんだ?」
「それは俺にもわからない。気づいたらここに来ていたんだ」
「ふむ……そうなるとやはりここは君のいた世界とは違う世界ということになるな」
「違う世界…?じゃあここは一体どんな世界なんだ?」
「そうだな……簡単に言えば俺たちの世界と敵対関係にある異世界といったところかな」
「異世界だと!?」
「そうさ。信じられないだろうが本当だ。現に俺はこうしてここに存在しているからね」
「確かに……言われてみるとそうかもな……」
「まあ、詳しい話は帰ってからするとしよう」そう言うと赤鬼は武琉の手を取る。すると次の瞬間、視界が真っ暗になった。そして気がつくとそこは自宅の前だった。
「どうだい、これで信じてくれたかね」「あ、ああ……」
「よし、なら早速家に入ろうじゃないか」「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「どうしたんだ?ここはお前の家で合ってるよな?」「そ、そうだけどさ……いきなり家に上がるのはまずいんじゃないかなって……」
「何を言うんだ。もうここまで来たんだ。さあ、入るぞ」そう言うと有無を言わさず中に入る赤鬼。仕方なく武琉もそれについて行くことにした。
「ただいま〜っと……あいつらはまだ帰ってないみてぇだな」「そのようだな。ところでお前さん、腹が減ってるんじゃないのか?」
「そういえば……」
「やっぱりな。飯を作ってやるから座っててくれ」
「わかった」
言われるがままに席につく武琉。しばらくして料理が出来たので二人で食べ始める。「うんめぇ!!これお前が作ったのか!?」「ああ。口に合ったようで良かったぜ」
「マジで美味いな……こんなもん食ったの久しぶりだよ……」
「そうか……そんなに喜んでくれるとは嬉しいぜ……」
「なぁ、これからもたまに作ってくれないか?」
「おう、任せとき!料理を作るのは好きだからな!」
そうして二人で談笑していると玄関の扉が開く音が聞こえた。「あら、武琉帰ってるじゃない。おかえりなさい」
「母ちゃん、父ちゃん!無事だったんだな!」
「当然よ。私達がそう簡単に死ぬわけないでしょう?」
「それもそうか……」
「それで武琉、そちらの方は?」「ああ、こいつは赤鬼。俺の命の恩人だ」「命の恩人だなんて大袈裟だねぇ」
「いえ、貴方は武琉を救ってくれました。本当にありがとうございます」
「頭を上げて下さい。私は当たり前のことをしたまでです」
「そうですか……武琉、この方に感謝するのよ」「わかってるよ、というかもう感謝してるよ」「それなら良いのよ。そうだわ!せっかくだから今日はここで夕食を食べていきませんか?」
「おお!それは名案ですね!是非ともお願いします!」
「では決まりね!武琉、準備手伝ってちょうだい」「はいよ」
こうして赤鬼を加えた夕飯作りが始まった。そして完成した料理を食べる一同。「うおっ!こりゃうめえ!最高だ!」と赤鬼はとても喜んでいた。
「ごちそうさまでした」「お粗末様。さて、片付けでもするか」
「いや、俺がやるよ。色々世話になったしな」「そうかい?じゃあお言葉に甘えて頼ませてもらうとするかね」
「ああ、任せておいてくれ!」その後、食器の洗い物を終えた後、武琉は赤鬼にあることを尋ねた。「あのさ……もし良ければ……また来てくれるか……?」
「ああ、勿論だ!そんときゃまた一緒に飯作ろうぜ」「ありがとな!じゃあ明日もよろしく頼む!」「おう!」
そう言って二人は固い握手を交わした。
翌日、武琉はいつものように登校していた。そして教室に入るとそこには梨花の姿があった。「おはよう武琉くん」「ああ、おはよう」
挨拶を交わす二人。何気ないいつもの日常だが武琉にはとても幸せなことに思えた。それから少し経った頃、担任の教師が来た。
しかし様子がおかしい。何かに怯えているような感じだ。
「皆、落ち着いて聞いてくれ。今朝、我が校にテロリストが侵入してきた。幸いにも死者はいなかったものの負傷者が数名いる。現在警察が犯人を追っているらしい。なので安全が確保されるまではこの教室から出ないように」先生の話を聞いて一気にざわつく教室。そんな中、武琉は一人考えていた。
(まさか……な……)
そうこうしているうちに授業開始の時間になった。「よし、じゃあ数学の授業を始めるぞ」
そう言うと教壇に立つ教師。その時だった。突如銃声が鳴り響いたのだ。
それと同時に倒れる教師。恐らく死んではいない。悲鳴が飛び交う中から姿を現したのはあの白王だった。「皆さん、こんにちは。私の名は白王。悪の組織ホワイト団のボスです」
そう名乗りを上げると再び発砲する。今度は生徒の一人に命中してしまった。
「ぐっ……」撃たれた生徒が倒れ込む。「大丈夫か!?」駆け寄る武琉。
「ああ……なんとかな……コロコロコミックを腹に隠していなければ即死だった……」「お前はバカなのか!?」
「いや……なんとなくやってみたら上手くいったんだ……」
「なんだそりゃ……まあいい。今はここから逃げるぞ」「わかった」
そう言うと二人で教室から出る。すると廊下には既に大勢の人がいてパニック状態になっていた。「くそっ、このままじゃあいつに追いつかれちまう!」「仕方ない、屋上に行くぞ」そう言うと武琉達は階段をかけ上がった。
「ふぅ……何とか逃げ切れたか……」「ああ、一時はどうなるかと思ったぜ……」
「そうだな……」しばらく沈黙が流れる。そして武琉が口を開いた。「なぁ……お前は何でこんな目に遭ってるんだと思う?」「さあな……だけど一つだけ言えることがある」「何だ?」「お前は悪くねえってことだ」「そうか……」
そう言いながら武琉は梨花の頭を撫でる。「ちょ、ちょっと!いきなり何をするの!?」「悪い、なんか可愛かったもんだからつい」「いや梨花お前どこから湧いてきたんだよ」「いや、普通に最初から居たけど?」「マジかよ……」
「というか私も質問があるんだけど」「ん?なんだ?」「武琉くんってもしかしてロリコン?」「違うわ!!」
「そうよね。武琉くんは年上好きのはずだものね」「な……なんでそう思うんだよ?」「だってあなた、年上の女性によく声かけられるんだもの」そう言いながら鎖を取り出す梨花。「それどっから出てきやがったんだ!?」「さっきの騒ぎに乗じて持ってきたのよ」
「そうか……って納得できるか!そんなもん学校に持ってくんな!」「うるさいわね!いい加減認めなさいよ!」
「認めるも何も俺はそんなんじゃねーって!というかちょっとずつ近づいてくるのやめろって!」「問答無用!」「ぎゃぁぁぁ!」こうして武琉はまたも敗北するのであった。
その後、武琉は保健室で手当を受けていた。「まったくもう、どうして怪我ばっかりするのかしら」「しょうがないだろ……俺には戦うことしかできないからな……そういう運命なんだよ」「貴方はそれで良いかもしれないけれど周りにいる人達は心配してるということを忘れちゃダメよ?貴方はもう少し自分のことも考えるべきだと思うわ」
「ああ、わかってるよ」「なら良いのよ。はい、これで治療完了よ」「サンキュー。じゃあそろそろ帰るわ」「ええ、気をつけて帰りなさい」「ああ、またな」そう言って武琉は帰路に着いた。
家に帰ってきた武琉。すると玄関の前に人影があった。「よう、お疲れさん」そこには赤鬼がいた。「おお、待っていてくれたのか」「ああ、お前と一緒にまた飯が作りたくてな」「そうか、ありがとよ」「じゃあ早速作るとするかね」「おう!」そう言って二人は台所に向かう。
そして料理が完成した後、二人は食事を始めた。「うん、やっぱりうめぇ!最高だ!」「ありがとな!でもお前もなかなかの腕前だぜ!」
二人は会話を弾ませながら食事を終える。その後、片付けを終えた武琉は風呂に入っていた。
(今日は本当に楽しかった。これも全部あいつのおかげだ)そう思いながら湯船に浸かっていると突然扉が開いた。「武琉~入るわよぉ」そこに現れたのは母だった。「はあ!?何やってんだよ母ちゃん!俺まだ入ってるって!」しかし母は聞く耳を持たずそのまま入ってくる。「おい、聞いてんのかよ!おい……おい……おいぃぃぃ!!!」結局この日、武琉は一睡もできなかった。
翌日、武琉と梨花は一緒に登校していた。「昨日のあれ、どういうつもりだよ」「昨日のあれって?」「だからその……一緒に入ったりとか……」「あら、嫌だったかしら?」「別に嫌じゃなかったけどさ……」「じゃあいいじゃない」「いや、よくねえだろ」「全く素直じゃないんだから」そう言いながら武琉の手を握る梨花。「ちょっ……な……何を……」武琉があたふたし出した次の瞬間、武琉は上空1万8000kmの位置にいた。「は?一体どうなってんだ?」混乱する武琉。そして目の前に現れたのは巨大な隕石だった。「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
こうして武琉の人生は終了した。
武琉が目を覚ますとそこは剣と魔法の世界だった。「ここは……どこだ……?」
武琉は木の板の上に乗って広大な川を下っていた。「確か俺はあの時、隕石に……」そこまで考えたところで武琉は全てを思い出した。「ああ、そうか……。俺は死んだのか……」
するとその時、後ろの方から誰かの声が聞こえた。「おーい!そっちは危険だぞ!」振り返るとそこには老人の姿があった。
「えっ?」老人に言われて前を見るとそこには魔物の群れが迫っていた。「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
武琉は必死に逃げようとするも間に合わず魔物達に飲み込まれてしまった。
次に武琉が目覚めたのは見知らぬ部屋だった。「おっ、目が覚めたみたいじゃのう」声の主はさっきの老人だった。どうやら俺はこの老人に命を救われたらしい。「ありがとうございます」「いいんじゃよ。それより腹が減ってるじゃろう?今から飯を作るから少し待っとれ」そう言うと老人はどこかへ行ってしまった。
しばらくして戻ってきた老人は手に皿を持っていた。「ほら、食え」そう言うと武琉に食事を勧めてくるがその皿の上には小さな豆らしいものが乗っているだけだった。「これは?」「わし特製の健康スープじゃ!」「えっ……これを俺が食べるんですか?」「当然じゃ!さあ遠慮せずに食べなさい!」「いや……でも……こんなちっちゃいのじゃとても食べられないですよ……もっと大きくしてくれませんか?」「うるさい!いいから食うんじゃ!!」そう言って老人は武琉の口に強引にスープを突っ込む。次の瞬間、武琉の体が光に包まれた。
光が収まった時には武琉は15歳ほど若返っていた。さらに身長も伸びており顔つきも大人っぽくなっていた。(おお!すげぇ!マジで身体が軽く感じる!)自分の体の変化に大喜びする武琉。だがそんな彼の前に更なる驚きが待っていた。なんとさっきまでの老人が美女になっていたのだ。「な……な……なんで急に若くなってるんだよ!?」「それはワシが作った薬の効果じゃ」
「えっ?あんたが俺を助けた時に使った薬?それがなんで俺の体を若返らせることになるんだよ?」「簡単な話じゃよ。お前さんの体にちょっとした時間遡行作用のある機械を使ったまでのことじゃ」「え?ちょっと待ってくれよ。つまり俺の体は今、時間が巻き戻されてるってことなのか?」「そういうことじゃな」
「えええ!!それって大丈夫なやつなのか?」「安心せい。副作用などはないわい」
「そうか……なら良かった……」万全の状態になった武琉は元老人にお礼を言い家から出ようとする。「世話になったな。じゃあ俺はこれで」「待て!お前さん、行くあてはあるのか?」「いや、特にはないが」「ならここに住めば良いではないか」「いや、でも迷惑になるだろうし」「気にするな。それにもう既にお前さんは一度死んでおる。再び死んでしまうとどんどん穢れが溜まってしまい人の社会では生きていけなくなるぞ」「そうなったらどうなるんだ?やっぱり怪物になってしまうのか?」「いや、怪物にはならずにその場で消滅するだけじゃ」
「消滅……死ぬってことだろ?それって結局は同じじゃないか?」「いや、違うぞ。消滅してしまうと記憶が全て消えてしまい、新しい人生を歩むことになる。そうなってしまってはもう二度と元の自分には戻れないのじゃ……まあ大体嘘じゃが」「嘘かよ!」「まあまあそう怒るでない。しかしお主、見たところ既に鬼になっているのではないか?」「ああ、そうだよ」「やはりそうか。ならばお主には選択肢がある。このまま消えるか、鬼として生きるかだ」「鬼になって生きていくってどういう意味なんだ?」「そのままの意味だ。お主の願いを聞き届けてやろうというわけじゃ」
「願いを叶えてくれるってことか?あんたが言うと胡散臭ぇな……」「失敬な奴じゃのう。まあいい、どの道お主はここで暮らすしかないのじゃからな」
「は?何言ってんだ?俺はこれから旅に出るんだ。いつまでもこんなところにいる訳ねえだろ?」「残念じゃがここから出ることは出来ん。ここは現世と幽世の狭間にある場所……ここから出てしまえばお主の体は瞬く間に霧散してしまうじゃろうて」「マジかよ……」
こうして武琉はしばらくこの老人の元で暮らし始めることになった。そして数年後、武琉は老人との間に子供を作った。「あなた、名前はどうしますの?」「ああ、そういえばまだ決めていなかったな。何かいい名前は無いだろうか?」「女の子だったら梨花っていう名前はどうでしょう?」「梨花…?随分と懐かしい名前だな……」「……覚えててくれてたんだね?武琉君、嬉しいなぁ♪」さっきまで老人だった姿が突然変わり梨花の姿へと変貌していく。「なっ…!?」驚く武琉に対して梨花は語りかける。「私はあなたの妻です。忘れてしまったのですか?」「俺は結婚なんてしていない。そもそもあんたは一体誰なんだ!?」すると彼女は寂しげな表情を浮かべながら答える。「私の名前は……いえ、それはいいでしょう……今度こそは上手くいくと思ったのですが……残念です」彼女がそう言うと辺り一面が白い光に包まれ始める。「武琉くん、今までありがとう。私の分まで幸せに生きてね」そう言い残して彼女は光の粒子となって消滅した。
次に武琉が目を覚ますとそこはベッドの上だった。「あれ?確か俺、さっき隕石に飲み込まれたはずじゃ……」「目が覚めたかのう」そこにはさっきの老人がいた。「あの……俺、どうしてここにいるんですか?」「何を言っておる。ワシが助けてやったんじゃろ?」「いや、でも俺の記憶だとさっき……」「夢でも見てたんじゃないのか?」「そう……なんでしょうか……?」「それより腹が減ってるじゃろ?飯はどうじゃ?これはワシ特製の健康スープなんじゃが」「え?またこれを食べるんですか?」「遠慮するな!ほら食え!」
「ええっ!?ちょっ……待っ……!!」
それから数日後、武琉と彼の妻は無事に子供を授かった。「お前もそろそろ父親になるのだからしっかりせんといかんぞ!」「言われなくても分かってるって……」「そうじゃ、まだこの子の名前を決めとらんかったのう。うーん……名前は……梨花とかどうじゃ?」「おいおい、いくらなんでも安直すぎるだろ」
「むぅ、ではどんな名前がいいと言うのだ?」「そうだな……男なら龍斗、女なら百合亜なんかはどうかな?」「ほう、なかなか良いではないか。よし決めた。お主の息子の名は龍斗、娘は由里亜じゃ!」
「おい武琉お前なに勝手に子供作ってんだよ、神が許しても俺が許さねぇぞ」そう言いながら武琉の下に一人の男が現れる。「誰だよお前!?」「俺か?俺はお前らが神様と呼ぶ存在だ」
「はあ?お前ふざけてんのか?」「ふざけてるのはお前らの方だろ?お前ら人間は自分達の都合で他の生き物を殺しまくりやがって……そんな奴らのためにわざわざこの世界を作る必要がどこにある?」「どういうことだ…?」「つまりだな、この世界を無かったことにするって意味だよ!」男がそう言うと周囲は黒く染まっていきあっという間に武琉は虚空に投げ出される。「待ってくれ!頼む!何でもするからそれだけはやめてくれ!」「ダメだね。まあせいぜい頑張って生き抜いてくれよ。じゃあな」そう言って男は闇の中に消えていった。(ちくしょう……こうなったら……)「梨花さん!」武琉は妻の名前を叫ぶ。(……待てよ?俺はいつの間に梨花と結婚したんだ?どうして梨花はここにいる?)武琉がそう考えていると再び場面が変わる。今度はどこかの部屋の中だ。そこにいたのはかつて自分が倒したはずの敵達だった。彼らは皆一様に黒いオーラを纏っており目は赤く輝いていた。その光景を見た武琉は確信した。ここは自分の精神の世界なのだと。そして自分はもうすぐ消滅するのだと……。(俺の人生こんなんばっかだよ畜生……)「はぁ……ああもう!だったら最期の最期まで足掻き続けてやるよ!この狂った世界で!」そう叫び武琉は敵に突っ込んでいった。
「ふわぁ〜よく寝た……」武琉は目を覚ました。「ん……?ここ何処だ……?」周りを見渡すとそこは真っ白な空間だった。「おお、やっと目覚めたか」そこには先程の老人がいた。「あんたか……ここはどこだ?俺はまた死んだのか?」「いんや、お主はまだ一度しか死んどらん。どうやらお主にはよっぽど執念深い女性が纏わりついとるようじゃのう」「そうなのか?それって一体どういう……」「まあまあ、それは自分で確かめることじゃな。さてと、お主の願いは何じゃ?」「そういえばさっきも同じようなことを訊かれたな……俺の願いは……」
「……そうか、それがお主の願いか」「ああ、そうだ」「ふぅむ。それではお主の願い、叶えるとするかの」そう老人が言うと武琉の周囲に魔法陣が浮かび上がる。そして次の瞬間、魔法陣が強烈な光を放ち始めた。「これで準備は完了じゃ。では武琉よ、達者で暮らせ」そして老人の姿が徐々に薄れていきやがて完全に消滅した。それと同時に武琉の意識もまた暗闇へと落ちていくのであった。
「うっ……」武琉が目を覚ますとそこは清々しいほどの青空の広がる草原の真っただ中だった。「何なんだあの爺さんは……」武琉は自分の身に起きている現象について考えようとするが頭が上手く働かない。「そういや俺、なんでこんなところにいるんだっけ……」その時、背後から声が聞こえてきた。「あなた、大丈夫ですか?」振り返ってみるとそこには美しい少女の姿があった。思わずドキッとしながらも尋ねる。「えっと……すみません。ここはどこでしょうか?」そうすると美少女は「えーっと……ここはファーベルト平原という場所です」「ファーベルト…?聞いたことない場所だな……」「そりゃそうですよ。だってここは異世界なんですから」
「えっ!?」武琉は驚いてしまった。何故なら目の前の少女は今、異世界と言ったからだ。
「まさか……」「はい、そうです。私は女神です」
「マジかよ……」
「ところで貴方、冒険者って職に興味は無いかしら?聞いたことはあるでしょ?」「ああ、知ってるぞ。確か、ダンジョンに潜ったりして報酬を貰ったりする職業だよな?」
「そう、その通りよ!どう?興味はある?」
「んー……そうだな、やってみるか!」
「あら、随分と決断が早いのね」「まあな。前にいた世界でも似たようなことやってたし、俺にはそういうのが向いてるんだと思う」「へぇーそうなんだ!ちなみに、どんなことしてたの?」
「そうだな……例えば、魔王討伐の旅に出たり、ドラゴン退治したり、盗賊団を壊滅させたりとか色々かな?」
「うわぁ……なんか凄いな……でも、危険なこともあるんじゃ……?」「ああ、危険なことばかりだったよ。実際一度死んだからな。まぁあれは理不尽に殺されたって感じだが……」「そっか……じゃあ気を付けないとだね!」
「おうよ!……ところで一つ質問があるんだけどいいか?」「うん、いいよ!」「お前、さっき自分が女神様って言ったよな?ってことはさ、お前って俺が元居たところの世界のことを知っているのか?」「んー詳しくは知らないわね。管轄が違うし」「管轄とかあるんだな……」「そうよ。それに私、これでも一応結構偉い方の女神なんだよ!」「ほう、じゃあそれなりに強いのか?」「まあね!だから安心して!」「分かった。頼りにしてるぞ!」「任せなさい!」こうして武琉は新たな人生を歩むことになった。この世界で生き抜くためにまずは一般知識を学び、腕っぷしの強さから冒険者として活動を始める。毎日危険と隣り合わせでありながらも楽しい日々を過ごしているんだとさ。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 5,500 2,500 30 生命×1
精神×1
1 3.26 咲き誇る君の花 1,500 1,500 筋力
Cafe院 ノクシールヨウコヨザクラ
取得総計 7,000 4,000 30 3

収支履歴

怪力の腕輪::-1000
モール::-440
チェインメイル::-760
冒険者セット::-100

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