【経歴表】
「始まりの剣を求めている（いた）」
「同じ夢を何度も見ている」
「物心ついた時には独りだった」

【生まれた環境表】
スラム/貧民街：家すらなく路地裏やゴミ溜めで育った。（中略）生きること自体が戦いだった

【冒険に出た理由表】
「目指すべき場所がある」

スラムで生まれ育った。

周囲には敵しかなく、信じられるのは自分だけだと学ぶのに、時間はかからなかった。
己の境遇が悲惨なものだということがだんだんと分かってくると、世界の全てを憎まずにはいられなくなった。

そんな、荒んだ幼少期からずっと繰り返し見る夢がある。
剣の夢だ。
根拠はない。だがレーナは、その夢に出てくる剣がこの世を作ったとされる「始まりの剣」だと直感した。
夢を見るたび、彼女は剣を罵しった。
自分の不幸はすべてこの世界を創った「始まりの剣」に非がある。そう思うことで憎悪に心削られる日々をやり過ごしてきた。

二次性徴を迎える前後から貧民街の酒場で働くようになった。
おかげで食糧にありつける機会は増え、栄養失調気味だった幼少期に比べれば健康的な身体になった。
そうして、身体が順調に成長していた頃。
酒場の客に（半ば強引に）娼婦にスカウトされる。

酒場の給仕をやる傍らで娼婦としても働きはじめてからは食事に困ることはほとんどなくなり、いくらかは裕福になった。
無論、それはマイナスがゼロに漸近するようなものではあるが。
しかし同時に、人と関わる機会が増えれば増えるほど、目を逸らし続けてきた事実を認識せざるを得なくなる。

——「自分は不幸だ」という事実を。

幼少期絶えず抱いていた「始まりの剣」への憎悪を再び燃やすようになり、レーナは貧民街を出て「始まりの剣」を見つけることを決意する。
その先に何を求めるか——それは考えていなかったが、文句を、自分のこれまでの恨み言の全てを直接ぶつけてやろう——と決めていた。

レーナが召異術師の男を客にとったのは、その矢先のことだった。
男はレーナの裡に眠る渇望、憎悪を看破し、レーナに冒険者の道を勧める。
男はレーナにとって師のような存在だった。召異魔法も、自分がティエンスの魔解種と呼ばれる、希少種だということも、多くの知識を彼から学んだ。
一生消えない〈召異の刺青〉は、「他の男が寄りつかないように」と、その男に刻まれたものだった。

レーナは男と過ごすうちに、人生ではじめて友愛や親愛の情を覚えた。
初めての安息を得ることができた。

だが、それはすべてレーナに植えつけられた〈魔神の種〉がもたらしたものだった。
貧民街に踏み込んだ正規の冒険者の手によって男は討伐され、貧民街に何人かいた男の被害者は——レーナを含め——すべて【リムーブ・カース】による治癒を受けた。
そうしてことの真相を聞かされたレーナは今までになく深い絶望を味わうが……それが逆に、彼女の意志を強固なものとした。

果たして、レーナは冒険者となった。

ちなみに、セルウェイという姓は冒険者を始めるにあたり、勝手に自分で名乗ったもの。
セルウェイは自分に〈魔神の種〉を植えつけた魔神使いの姓。
〈召異の刺青〉が消せない以上、憎き男の存在さえも糧として、自分の一部と認めてこれから先を行きようという、彼女なりの『覚悟』の証である。

街の地下水路を探索。
道中ドブさらいをしばきつつ仲間と共に開かずの間へ向かい、魔神インプを召喚してブラッドリングと戦闘、討伐。
子犬を救出する。
ブラッドリングが倒されるや否やシギルの足下を元気に駆け回り出す子犬を見て呆れる。

レーナの思考

話が通じない貧民は暴力でわからせるしかないと考えている。
貧民街出身の者として貧民に同情する心がないわけではないが、貧民街の生まれだからこそ容赦はしない。
彼らが侮れない相手であること、彼らを侮り見くびることこそが彼らへの侮辱になることをレーナは知っている。

降雪地帯の村でコボルドに畑が荒らされるとの依頼があり、赴く。
防寒着を着ての戦闘、雪上という慣れないフィールドに苦労したらしい。

1戦目で蛮族たちと激戦を繰り広げ、2戦目で人族の魔法戦士に敗北。
気絶で済んだものの、危うく死亡するところだった。
魔神を呼び出したまま戦闘不能になり、気絶してしまったことを悔いている。