容姿・経歴・その他メモ

プロフィール

・176cm 64kg
・ドーデン地方フレジア森林国出身

経歴

・両親に愛されて育った
・血縁者と死別したことがある
・同じ夢を何度も見ている

冒険に出た理由

・家族を養うため

履歴

　ドーデン地方に位置する農村のある一家にて、次女として生を受ける。先に生まれていた姉のクラヴェリナはナイトメアで、両親は自身を溺愛し長女には冷たく当たっていた。よくあるといえばよくある、けれど少々歪んだ環境。幼かったライラックはそれに気づかず、姉に懐いて彼女が何処へ行くにもついて回っていた。平然と家族へ暴力を振るう両親が怖かったし、クラヴェリナの方は自分に優しくしてくれたから。
　そんな少々鬱屈した暮らしも十数年続いて、やがて妹が二人できた。家庭環境は変わらないが、優しい姉にかわいい妹たちに囲まれてそれなりに幸せな暮らしだった。ずっと、それが続くものだと思っていた。
　しかしながら、そうはならなかった。
　15歳の頃だった。家に兵隊たちがやってきて、両親を捕縛していった。なんでも、〈アビススナッフ〉なる薬物に手を出していたらしい。同時に、何を思ってかクラヴェリナも姿を消した。あまりに突然のことで、理解が追い付かなかった。けれど、茫然としている暇はなかった。なぜなら、隣には不安そうに自分を見つめている二人の妹がいたのだから。両親も姉もいないいま、私がこの子たちを養っていかなければ。
　それからは街に出て仕事を探す傍ら魔術師に師事し、冒険者となる道を選んだ。幸いにして魔法の才に恵まれていたらしく、腕を上げるのが早かった。
　15年ほど、各地で人を助け、救い、得たもので家族を養い……気が付けば、国の重鎮だったらしい当時の依頼人から「国を支える議員ならないか」と持ち掛けられるほどになった。フレジアの一大事を救えるほどのものを平民のままにしていては沽券にかかわる、と。
　願ってもなかった。国の面子など知ったことではないが、家族のためならばまたとない好機だった。
　それからもやはり冒険者として戦いに身を投じることはやめず、けれど必ず生きて帰る……そんなある日、末っ子のローズを病で亡くしてしまった。このことがきっかけで、どうにも死を忌避するようになった。だからだろうか。もうひとりの妹ダリアが冒険者として依頼を受ける中で連れ帰ってきた、死を望んでやまない人間の子どもを殺せなかった。家族を守るため数えきれないほどの蛮族や盗賊、動植物に魔神たちをその手で殺してきたというのに。ただ「殺して」と懇願するだけの子どもの命を手折れなかった。
　故に、4年ほど子どもを説得した。どうにか生きてはくれまいか、私はあなたに死んでほしくはないのだと、望まぬ生を強いた。死にたい、せめていまの生を捨てたいというその子に、やがてライラックは思いついた。であれば、名と過去を捨てさせることを以て"死"としよう、と。こうして、フィオレ・フラワーガーデンという家族ができた。フィオレはひとまず死ぬことは諦めてくれたようで、自身への感謝を述べて旅立って行った。自分の足で歩くのだ、と。
　フィオレの旅立ちを見送って、漸く余裕を得たような気がした。思えばずっと誰かのために必死で生きてきて、それ以外に目を向ける余裕はなかった。でも、なぜ私はそんなに誰かのために必死なのだろう。
　ふと浮かんだ疑問に、これまでの記憶を辿り。そして行きついたのは、もう声も顔もおぼろげなクラヴェリナだった。
　ああ、そうか。姉は、私たちのために姿を消したのだ。ずっと私たちに優しくしてくれて、気にかけてくれて。だから、犯罪者の子により好奇の視線が向かぬよう、忌み子だからと姿を消したのだ。私は無意識ながら彼女に影響を受けてここまで生きてきたのだと、納得がいった。
　で、あるならば。今こそ、私がクラヴェリナを気にかける時だ。そのように思った。もし姉がいま何かに苦しんでいるならば、手を差し伸べたい。幸せでいるならば、自分も貴女のおかげで幸せだと感謝を述べたい。いずれにせよ、もう一度会わねばならない。
　ライラック・フラワーガーデンは、こうして今一度家族のためその一歩を踏み出すのだった。

セッション履歴

収支履歴