解説

彼女は憧れた。
街中を自由に駆け回りあらゆる情報を駆使しながら楽しそうに生きる女性を。
そして神父の力をもってその存在へと成る。

見つからないように暗躍を続けた。
特に本人には見つからないように。
ひっそりと裏家業の世界をかき回しながら生活を送った。
本当はこんなはずじゃなかったのに。

ある時、駆け出しの冒険者たちに目が行く。
何の変哲もない冒険者だった。すぐに解散するんじゃないかというレベルで仲が悪そうだった。
それでも彼女は惹きつけられた。それがなぜかも分からない。
ただ、試したくなった。彼らがどこまでできるのか、もしかしたら英雄になるのではないのかと思いながら。

しかし、彼女はやりすぎてしまった。関わってしまったのだ。自分が決して表に出る事の無いはずだった世界に。
そして見つかってしまった。もっとも見つかりたくなかった存在に。