“殻砕き”エルクラム・エルクルン
プレイヤー:kurorin
「そのツヤツヤの殻をブチ割ってやるです」
- 種族
- グラスランナー
- 年齢
- 15
- 性別
- 男
- 種族特徴
- [マナ不干渉][虫や植物との意思疎通]
- 生まれ
- 密偵
- 信仰
- ランク
- 穢れ
- 技
- 15
- 体
- 0
- 心
- 10
- A
- 11
- B
- 9
- C
- 6
- D
- 10
- E
- 4
- F
- 12
- 成長
- 0
- 成長
- 5
- 成長
- 4
- 成長
- 3
- 成長
- 1
- 成長
- 2
- 器用度
- 26
- 敏捷度
- 29
- 筋力
- 10
- 生命力
- 13
- 知力
- 15
- 精神力
- 24
- 増強
- 増強
- 2
- 増強
- 0
- 増強
- 増強
- 増強
- 器用度
- 4
- 敏捷度
- 5
- 筋力
- 1
- 生命力
- 2
- 知力
- 2
- 精神力
- 4
- 生命抵抗力
- 10
- 精神抵抗力
- 12
- HP
- 37+2=39
- MP
- なし
- 冒険者レベル
- 8
経験点
- 使用
- 23,500
- 残り
- 2,250
- 総計
- 25,750
技能
- フェンサー
- 8
- スカウト
- 7
- アルケミスト
- 1
戦闘特技
- 《かいくぐり》
- 《挑発攻撃Ⅱ》
- 《必殺攻撃Ⅱ》
- 《回避行動Ⅰ》
- 《トレジャーハント》
- 《ファストアクション》
賦術
- 【クリティカルレイ】
判定パッケージ
スカウト技能レベル7 | 技巧 | 11 | |
---|---|---|---|
運動 | 12 | ||
観察 | 9 | ||
アルケミスト技能レベル1 | 知識 | 3 |
- 魔物知識
- 0
- 先制力
- 12
- 制限移動
- 3 m
- 移動力
- 31 m
- 全力移動
- 93 m
言語
会話 | 読文 | |
---|---|---|
交易共通語 | ○ | ○ |
グラスランナー語 | ○ | ○ |
魔動機文明語 | ○ | ○ |
賦術
賦術 基準値 | ダメージ 上昇効果 | 専用 | |||
---|---|---|---|---|---|
アルケミスト技能レベル1 | 賦術 | ― | 3 | ― |
技能・特技 | 必筋 上限 | 命中力 | C値 | 追加D | |
---|---|---|---|---|---|
フェンサー技能レベル8 | 5 | 12 | ― | -1 | 9 |
武器 | 用法 | 必筋 | 命中力 | 威力 | C値 | 追加D | 専用 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フレイル | 1H | 10 | -1=11 | 15 | 10 | 9 | ピックの柄頭と鋼製穀物を鎖で繋げた魔改造連接棍。穀物が邪魔なためピックとしては使用できない。 | |
(改造された)ピック | 2H | 10 | -1=11 | 25 | 10 | 9 | フレイルに魔改造された可哀想なピック。両手持ちで威力が上がる。 | |
ヘビーマレット | 1H | 10 | +1=13 | 15 | 12 | 9 | 改造し重量を増した元ライトメイス。 | |
マレット | 1H投 | 1 | +1=13 | 6 | 12 | 9 | 「何を」とは特定しないが割るのに丁度いい大きさ。 | |
シルバーストーン | 1H投 | 1 | 12 | 1 | 10 | 9 | 卵型。ツヤツヤ。より卵っぽい。銀製。 |
技能・特技 | 必筋 上限 | 回避力 | 防護点 |
---|---|---|---|
フェンサー技能レベル8 | 5 | 13 | ― |
《回避行動Ⅰ》 | ― | 1 | ― |
防具 | 必筋 | 回避力 | 防護点 | 専用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
鎧 | クロースアーマー | 1 | 0 | 2 | ||
盾 | マナタイト加工の〈脆弱〉なバックラー | 4 | 2 | 1 | ✔ | アビス強化(回避+1) 回避判定のみ敏捷+2 魔法ダメージ+1 マナタイト加工(防護点+1、必要筋力+3) |
他 | 多機能ブラックベルト | 1 | ||||
合計: すべて | 16 | 4 |
装飾品 | 専用 | 効果 | |
---|---|---|---|
顔 | ひらめき眼鏡 | 見識判定と探索判定に+1修正。 | |
首 | 幸運のお守り | 戦利品決定の出目に+1。遭遇~撃破まで装備している必要がある。 | |
背中 | ウェポンホルダー | 武器や盾を背中に1つ保持できる。人間用のでかいハーフマントに隠して取り付けてある。「裾直しとか必要ねぇよです」って見栄を張った一品。 | |
右手 | 大きな手袋 | ✔HP | 必要筋力が5超過する武器や盾を装備できる。 |
左手 | 大きな手袋 | ✔HP | 両手セット。エルクラム専用の証として、一部が黒染めされている。 |
腰 | 多機能ブラックベルト | 防護点+1。腰に追加で装飾品を装備できる。 | |
┗ | アルケミーキット | 賦術の行使に必要。 | |
足 | ベルトポーチ | 手のひらに収まる大きさの卵っぽい型の石を最大12個まで詰められる。投げて転がし砕いて割って。イタズラ、誘導、牽制、ストレス発散用にどうぞ。 | |
他 | 疾風の腕輪 | 敏捷+2 |
- 所持金
- 28,483 G
- 預金/借金
- 0 G / 0 G
所持品
"リンギング・ベルの冒険者の紋章"
"マカジャハット王国からの勲章"
"ミラージ共和連邦のギルド「清らかなる乙女亭」の証"
アビスシャード*3
◆冒険用具◆
冒険者セット
(背負い袋 水袋 毛布 たいまつ6本 火口箱 ロープ10m 小型ナイフ)
保存食(32日) 礼服
◆スカウト技能◆
スカウト用ツール くさび(7本)
羽ペン インク 羊皮紙(14枚)
アンロックキー
◆アルケミスト技能◆
アルケミーキット
マテリアルカード
◆消耗品◆
アウェイクポーション*2 ヒーリングポーション ジャックの豆
月光の魔符+1*2
陽光の魔符+2*2 陽光の魔符+1
消魔の守護石1点*5
救命草*0 魔香草*3
◆装備品◆
クロースアーマー バックラー ピック ヘビーマレット
ベルトポーチ(石*5 銀石*7)マレット*3 ウェポンホルダー
大きな手袋 怪力の腕輪 俊足の指輪 幸運のお守り ひらめき眼鏡
多機能ブラックベルト
マテリアルカード
B | A | S | SS | |
---|---|---|---|---|
金 | 30 |
- 名誉点
- 223
- ランク
名誉アイテム
点数 | |
---|---|
冒険者ランク | |
大きな手袋 専用化 | 50 |
脆弱なバックラー 専用化 | 50 |
多機能ブラックベルト 購入 | 20 |
容姿・経歴・その他メモ
◇◆◇経歴◇◆◇
経歴1:卵を温めたことがある。
経歴2:忘れられない恐怖を体験したことがある。
経歴3:臨死体験したことがある。
冒険に出た理由「家族をすべて失ったので」
◇◆◇もっと詳しく◇◆◇
エルの住んでいた村は街道からほど近く、街を目指す隊商や旅人の中継地としてそれなりに栄えていた。
しかし、人が増えるということは、つまり脛に疵を持つ輩も少なからず集まってしまうということでもある。
アルフレイム大陸には多種多様な生態系が構築されている。
蛮族、動物、植物、……もちろん人族もそのひとつだが、中には希少な種族も存在する。
多くの場合、そうした生き物たちの狩猟には制限が課せられるものだ。
しかし、制限は供給を絞り、少ない供給は需要を産む。だからこそ、密猟者が存在するのである。
エルの故郷は、そうした密猟者の多くが利用していた村でもあった。
特に多かったのは『卵』の密猟者だろうか。
成体を捕らえるよりも易く、勝手に逃げ出してしまう心配もない。
孵化させて幼体を売るにせよ、珍味として貴族に大金を吹っ掛けるにせよ、実に〝身〟入りのいい商売だからだ。
そんな密猟者たちを身近に感じながら幼少期を過ごしたエルは、
とても健やかにたくましく、したたかで、そして生意気なクソガキへと成長した。
具体的には、「密猟者の商品をくすねる」ことを〝遊び〟と称し、
奪った密猟品の卵をおやつ代わりにしては、片っ端から焼いて食していたのである。 卵を温めたことがある(加熱)
(おそらくコレがグラスランナーにしては筋力の素養が高い理由。栄養状態が良かったのだろう。ろくなガキじゃあない)
───そして、運命の日。
いつものように密猟者から卵をくすねて帰ってきたエルは、
両手で抱えるほどに大きなその卵が、───びくり、と震えたのを感じて……。
次の瞬間、彼の意識は闇の中へと沈み……。
やがて意識を取り戻したエルが見たのは、惨殺された家族や友人たちの姿だった。
そうして、エルの住んでいた村は地図から名前が消された。
現在では、交易の中継地としての機能だけが残り、多くの旅人たちがそこで暮らしているという。
卵から孵った未知の生物が村を襲ったのか。
それとも、卵の正体が擬態した蛮族であったのか。
はたまた、孵化したソレが上げた産声───自らを呼ぶ声に導かれた親の個体が、村を焼いたのか。
瀕死のショックによって記憶の一部が欠落したエルには、何が起こったのかを知る術はない。
だからこそ彼は、すべての卵を憎んでいる。
あの日、自身の運命を変えた一個の卵の正体を探し出し、己の手で割り砕くために。
まぁ、結局のところ全部自業自得なんだけどね?
可愛い見た目に反して口がべらぼうに悪く、人を食ったような言動が目に余る。
語尾に取って付けたような「です」をつなげて喋るのが特徴だが、これは在りし日の母親から
「アンタは根が素直なくせに口が悪いんだから、まずは丁寧に喋ることから覚えな。形だけでも」と諭されたことに起因する。
……そして、その直後に例の事件で死に別れたため、半ば呪いじみた強迫観念と化している。 まぁ、自業自得なのだが。
◇◆◇内緒話◇◆◇
・仲間について
マルティナ・マルティレーム
マル。マルマル。
姿を消している時にちょっかいをかけられないかと考えているが、暗闇に逃げられると手に負えないので自重を心掛けている。
どうやら結構グルメな様子。丸々と肥えない範囲でどんどん食べたらいいと思う。
オムレツとか。キッシュとか。たまごケーキとか。……一緒にこの世から卵を減らそうぜ、です。
グリルベック
おっちゃん。
固い。とてもお堅い。物理的に。
一度捕まると絶対に逃げられないので、誰かにイタズラするときは彼から離れた位置を心掛けようと思っている。
正直なところ、あの太い腕が羨ましい。
あの筋力があれば、どんなに固ぇ殻もブチ割れるに違いねぇです。
リマ・リマイン
リマぁ。〈雑草喰らい〉
魔導書に関わると目の色が変わるのでちょっと引いている。お前も他人のことは言えんぞ、エル?
イタズラを画策した時、同じようなタイミングで耳が揺れるので、おそらくあっちもイタズラは好きだと思う。
気配りが上手いから、こっちも手助けがしたいと思うです。
……ところで、オレの村を滅ぼしやがった卵の種族に心当たりはねぇか? です。
???
卵を割り砕くためだけに考案された 12歳魂が大暴走した 必殺技がある。
その名も
【 卵殴撃・空殻 】
……まぁ、人前で披露したことは無いのだが。
???は斯く語りき
相棒との別れはいつだって唐突なものだ。
それが相棒と呼ぶにはちと名前負けするようなクズ男であっても同じこと。長く一緒に居れば情も湧くし、愛着だってそれなりに深まるってもんだ。言わば、自分の半身、いやそれ以上を失った……。そんな気分だな。
人族であれば酒と女がオレ様の渇きを癒してくれるだろう。
だが、オレ様にソレはできない。
なぜなら〝オレ様は人族ではない〟からだ。
じゃあお前は何者だ、だとぉ?
蛮族? あんな本能の塊どもと一緒にするな。
動物? オイオイ、待ってくれよ。さらに格落ちしちまったじゃねぇか。
……わからないのか? まぁいいさ。教えてやる。手取り足取り、……いや、手に〝持たせて〟教えてやろう。
オレ様の名前は───。
〝 ウォーハンマー・ピック 〟
そう、エルクラムの小僧が持ってる武器。そいつがオレ様だ。
……何だその反応は。
物に魂が宿ってたらおかしいかよ? その辺の雑草だって喋らねぇだけで生きてんだぜ? ウォーハンマーも同じことよ。
……よろしい。へへっ、お前さん結構話の分かる奴だな。
まぁそんなワケだから少しばかり聴いてけよ。
どうせコレも夢みたいなもんだ。オレ様から聴いたことなんざ朝になったら忘れてらぁ。
……そんじゃ、まずはエルクラムの小僧との出会いからだ。
オレ様は元々、小僧の村に滞在していた密猟者の持ち物だった。
脚が短けぇわ、イビキはうるせぇわでロクなやつじゃあ無かったんだがな。
それでも色んな場所を冒険して、色んな卵を密猟しまくっててよ。ククッ、コレがなかなかいい経験だった。世界を見せてくれるって点では悪くない相棒だったぜ。
……まぁ、6歳かそこらの小僧に出し抜かれるほどの大間抜けだったせいで、オレ様とアイツは別れることになったんだけどな。
御存じの通り、エルクラムの小僧は口も悪ィが手癖も大概だろ?
大イビキかいて寝てたとこを密猟品(それとオレ様!)ごと身包みはがされちまってよ。それ以来、オレ様はエルクラムの小僧に使われてるってワケだ。
そうなると、かれこれ10年近い付き合いになるか。早いもんだ。
まぁ、色々あったぜ? 色々とな。
小僧と一緒に盗み、割り砕いてきた密猟品の卵は、もう10の指じゃあ数えきれねぇ(オレ様に指は無いけどな!)。
もちろん、エルクラムの小僧が〝例の卵〟のせいで家族を皆殺しにされた事件のときも、オレ様は一緒だった。
───ただ、あの事件の真相も、卵の正体も、ココで語ることじゃあない。
そのうち話してやるから待っとけ。そのうち、な。(せ、設定を決めてねぇだけだろとか言うな!)
それはそれとして、だ。
天涯孤独の身となったエルクラムの小僧は、握り慣れたオレ様だけを持って旅に出た。
行く先にアテなんざ無かったがな。それでもまぁ、水の流れが上から下へと続くように、小僧は一つの街へと流れ着いた。
それが交易都市〝トライベルト〟。
エルクラム・エルクルン。オレ様の今の相棒。……その冒険の始まりだったってワケだ。
『迷宮の街』
農家の荷車に密航し、ガタゴト揺られること半日。
ついにオレ様たちは交易都市トライベルトに辿り着いた。
……だが、オレ様たちを待っていたのは歓迎の声なんかじゃあなかった。
逃げ惑う民衆。混ぜこぜに組み替えられていく城壁の内部。
……アレはまさしく迷宮化。久しぶりだが、まぁ何度見ても派手なこと派手なこと。
ギルド職員のアルベルトから話を聞けば、事態を解決する冒険者を募っているときた。
んで、ソレを聞いたエルクラムの小僧は自ら手を挙げた。まぁ、コイツはそういうやつだ。
口も態度も最悪なクソガキだが、性根だけは腐っちゃいねぇからな。いやマジで。
そして、小僧はその場にいた他の冒険者とパーティを組んだ。
エールは命の水。ドワーフのグリルベック。
雑草を喰らう者。タビットのリマ。
消える人見知り。レプラカーンのマルティナ。
……見事に背の低い奴らが集まったなって思ったろ?オレ様もそう思った。でもまぁ、ちっこい割に結構やるんだ、コレが。
そんなこんなで、オレ様たちは寄せ詰めのパーティで迷宮攻略に乗り出した。
結果? わかりきったことを聞くなよ。大成功に決まってんだろ!
街を迷宮に変えた蛮族(名前は確か……後ろハゲのフォルガーだったか?)を倒し、魔剣も回収した。
まぁ、はじめての冒険にしちゃあ悪くなかったんじゃねぇか?
エルクラムの小僧も、一緒に戦ったちっこい奴らに懐いたみてぇだしな。
『炭鉱の魔域』
エルクラムの小僧が冒険者になってからひと月が経った。
狩猟に掃除、迷子の捜索に薬草摘み。細々とした依頼が続いたが結構楽しかったぜ。
同僚のライトメイスも増えて話し相手には退屈しなくなったしな。
マルティナの嬢ちゃんが食料を盗み食いするために偉そうなお貴族サマの家に忍び込んだ時とか、コッソリ後を付けてた小僧と一緒に一部始終を見てたが、もう腹を抱えて笑いたかったくらいだ(オレ様に腹は無いけどな!)。
まぁ、そのお貴族サマから直々に依頼が来たときは何の因果だよ……と思ったが。
依頼の内容は「奈落の魔域(シャロウ・アビス)」と化した炭鉱の調査と事態の解決。
エルクラムの小僧にとっては初めての魔域だ。オレ様もちと心配だった。
だが、現地に行ってみればまだまだ小規模。この程度なら小僧たちでも問題ない。オレ様が昔見たやつはもっと酷かったからな。アレに比べれば天国みてぇなもんだ。
結果はもちろん大成功! ……と、言いてぇところだが、今回は結構危なかった。
エルクラムの小僧が蟻どもに毒の酸を浴びせられちまってなァ……。
小僧はグラスランナーだけあって身のこなしが軽い。だから蛮族どもの攻撃なんざひょいひょいと避けられるし、魔法は端から効きゃしねぇ。だが、毒は別だ。身体の小ささとすばしっこさが災いしてな。毒の巡りが早ぇんだ。
とはいえ、依頼は何とか達成した。
コボルトどもを保護したし、グリルベックのおっさんは『黄金のマトック』を手に入れた。
黄金のマトックは……同じウォーハンマー仲間だが、何かいけ好かねぇな。妙に寡黙で職人気取ってんのが気に喰わん。
まぁ、保護したコボルトどもは気のいい連中だったし、そこだけは悪かねぇ結果だったな。
『旅立ち』
あのバカ、オレ様を地面に投げ捨てやがった……ッ!
……あぁ、すまん。ちと腹立たしいことを思い出しちまってな。
これはトライベルトから少し離れて、隣国まで向かう依頼を受けたときの話だ。
ある日、オレ様たちはトライベルトの領主代理から依頼を受けることになった。領主代理、つまり例の偉そうなお貴族サマ……オリバーからの名指しの依頼だ。わざわざ礼服を着込んで挨拶に伺った甲斐があったな。くくっ、馬子にも何とやらってやつだ。
依頼の内容は、隣国のマカジャハット王国に留学するオリバーの娘、ロリーナの護衛。
この娘がまた小生意気でな。見栄っ張りの偽乳女め。クソガキっぷりはエルクラムの小僧といい勝負かもしれん。
お貴族サマはオレ様たちをマカジャハット王国行の隊商、魔動機術者、神官集団に同行させるつもりのようだった。
当然、それぞれの乗員や護衛の冒険者たちとも一緒になるワケだが……その面子が結構見知ったやつらばかりでな。
いつぞやの薬草採取の納品時に知り合った新米冒険者のバーニー、妙に色っぽい神官の嬢ちゃんマグーナ、そして穢れまくった女冒険者ヴァネッサ。……ざっと挙げるだけでもこんな具合か?
バーニーはお調子者で戦力としてはやや不安だが、悪い奴じゃあない。エルクラムの小僧も「反応が良い」とイタズラ先として気に入っているようだったしな。それに戦力としてならヴァネッサが頭一つ抜けていたから、不安は少なかった。ヴァネッサはナリこそ人間の女だが、頭にはでけぇ角が生え、肌はドス黒く変色していた───お察しの通り、穢れの特徴だ。それだけの修羅場を越えてきた冒険者ってことだな。戦闘ではかなりアテになる。
だが、お前さんだってわかっているだろう? 常識的に考えて、穢れまくった冒険者には滅多に近づくもんじゃあない。
……ただ、エルクラムの小僧はそこの常識がブッ壊れてるからなぁ……。旅の道中、ヴァネッサに懐いちまった。
───まぁ、わからんでもない。
あの薪を二つに割ったような気風の良さ。……否が応でも小僧のお袋さんを思い出しちまう性格だったからな。
道中には色々とアクシデントがあったが、旅程は結構順調に消化していた。
でもな、どんな物事も順調な時にこそ悪いことが降りかかってくるもんだ。もちろん、今回も例外じゃあなかった。
具体的に言えば、街道の亀裂に荷車の足が取られちまって破損。オレ様たち隊商一行は仲良く全員立往生だ。
幸いにも付近に村があったおかげで修理の手筈は整ったが、行程は遅れる一方。
そこでオレ様たちは、滞在している村で依頼を受けることにした。どうやらウルフどもに襲われて食糧難みてぇだったからな。暇つぶしもかねて一石二鳥ってワケだ。
……で、依頼の結果ぁ? あー、ハイハイ。成功だったよ。成功成功。
ゴブリンシャーマンが蛮族のくせに魔動機操ってウルフども虐めてたのが今回の原因だったワケで……。当然、そいつをしばいてハイ解決! なんだけどなぁ……実際そうだったんだけどなぁ……。
今回はグリルベックが魔法の集中狙いされて危なかったし、ゴブリンシャーマンが結構やるヤツでな?
エルクラムの小僧は短期決戦に持ち込もうとライトメイスのやつに武器を持ち替えたんだが……あのバカ、こともあろうにオレ様を投げ捨てやがったんだ……ッ! 地面にだぞ!? それも思いっきりッ! 長年振るってきた相棒に愛着とかねぇのか!? しかも挙句の果てに投げ捨てたオレ様の回収を危うく忘れるとこだったんだぞォ!? 相棒に対する仕打ちか!? コレが!?
ハァ~……(クソデカため息)(オレ様に肺は無いだろって? やかましいわ)。
次こんなことしたらただじゃおかねぇからな、エルクラム?
『屍の村』
馬車の修理は滞りなく進み、村での歓待の宴も終えたオレ様たちは、ついにマカジャハット王国へ向けて出発した。
村から王国までの道程は、一日もあれば余裕をもって到着できるだろうという距離だった。
……だからこそ、エルクラムの小僧たちは少し気を抜いていたのかもしれねぇな。
小僧たちを含む馬車隊一行は、突如として何者かの攻撃にさらされた。
突然のことで対処が遅れて、まさにあっという間だ。エルクラムの小僧たちは意識を失っちまった。
王国方面から一瞬だけ見えた光……あれは、まさか……。なんて、考えを巡らせているような暇も無かったぜ、あの時は。
何しろ馬車隊には蛮族どもの襲撃っていう追撃の手が迫っていたんだからな。しかもエルクラムの小僧は、仲間を含めて全員が気を失い、動ける状態じゃあなかった。ロリーナの馬車や神官どもの馬車は生きていたようだが、散らばって逃げていったのを見るに、戦闘に耐えうるような人員は乗っていなかっただろうよ。
小僧たちに迫る蛮族どもの魔の手。オレ様たちは、まさに絶体絶命の危機に瀕していた。
でもな、そんなオレ様たちを救ってくれた奴がいたんだ。……そう、ヴァネッサだ。アイツはたったひとりで蛮族の集団を相手取りながら、エルクラムの小僧たちにアウェイクポーションを振りかけて回ってくれたんだ。
もちろん、かなりの手傷を負っていた小僧たちが目覚めるには相当な時間を要した。ヴァネッサは致命傷を負いながら、そしてその相棒、アックスのヴォージェ殿もまた半身を砕きながら、オレ様たちを守り抜いた。まったく、頭が下がるよ(頭無いだろって? 残念、柄頭ならオレ様にもあるぞ)。
やがて、意識を取り戻したエルクラムの小僧たちは、「やらなければならないこと」を2つ、突き付けられることになる。
ひとつは、その場を離れること。
まだ蛮族に襲われる危険が残っていやがったし、何より嵐が近づいていた。留まれば命の保証はない。
そしてもうひとつは、───ヴァネッサの死体を焼き払うことだった。
穢れの溜まったヴァネッサの身体は、もうアンデッドになる以外の道は残されていなかったんだ。
葬送の火を背に、エルクラムの小僧たちは村へと引き返した。
まさしく敗走と言い表すに相応しい惨状だっただろうよ。小僧は無言のまま歩いていたっけ。
途中、物言わぬ身体となったバーニーの姿を見つけたが、オレ様たちは何も言えないまま、その場から逃げていった。
村に戻ってきたオレ様たちを迎えたのは、しんとした静寂だった。
村人の姿は何処にもなく、マグーナたち神官組の乗っていたであろう馬車も、村の前に打ち捨てられている始末。
オレ様たちはその状況を疑問に思いながらも、傷ついた身体を癒すために眠りについた。……そして、その夜のことだ。
物音に目を覚ましたオレ様たちが目にしたのは、村のあちこちを徘徊するゾンビの姿だった。
宴のときヴァネッサにべったりだったエルクラムの小僧は素っ頓狂な顔をしてやがったが、そこにいたゾンビは全部、昨日までオレ様たちと酒を飲み交わして笑っていた村人たちだったんだ。……あぁ、そうだな。その通りだ。生き物が死ねば、少なからずアンデッドになる。でもな、たった一日で村人が全滅し、あまつさえその全員がアンデッドになるなんざ、自然に起きるにしちゃあ、あまりにも出来過ぎてる。オレ様の言いたいことはわかるな? ───つまり、手引きしたやつが居るってことだ。
まぁ、それさえわかっちまえば後は早いもんだ。
昼のうちにいくつか情報も集めていたしな。村の異常事態の原因はすぐに判明した。「不死の女王ツァイデス」を信奉するダデとかいう怪しさが渋滞してる神官が色々とやらかしていたみてぇでな。村の墓地ではダデにたぶらかされたガキの霊が悪さしてやがったし、協会の地下にはヘンテコな魔動機で死者を操っていたファントムも居た。しかもこのファントム、あろうことかバーニーの死体をも操って、オレ様たちを殺そうとしてきやがった。死の魔剣を振るうバーニー。皮肉にも生前の願いを果たしたバーニーを相手に、オレ様たちはそれなりに手こずらされたっけな……。
それで、今回の結果か?
そうだな……。小僧たちもあまり「良かった」とは言いたくなかっただろう。色々と、喪うものが多かったしな。
結局、マグーナの姿は見当たらなかったし、ダデっていう奴もとっくに逃げられたあとだった。
それでも、意気消沈なんてしてらんねぇ。
エルクラムの小僧たちにはやんなきゃなんねぇことがあったからだ。そう。一度受けた依頼は最後まで、ってことだ。
通信機でロリーナ生存の報を受けたオレ様たちは、偶然出会った騎士のモニカと共に王国へと向かうことになった。
……ってオイ、エルクラム。卵っぽい形の石を拾うな。石を。急げって話だぞ???
『マカジャハット王国の闇』
王国に辿り着いたオレ様たちは、それぞれに分かれて街を探索した。
ロリーナの通信以外、オレ様たちにはロクな情報が無かったからな。まずは怪しいことが起きてねぇか、知るところから始める必要があったワケだ。幸い、騎士のモニカは協力的だったし、冒険者ギルドも十二分に機能していた。手分けして調べりゃ、すぐに情報は集まった。
モニカからは、街の周辺でアンデッドの発生が頻発していることを聞いた。
それから、村で拾った手紙を解読した結果、マグーナが黒幕の一人として関わっているかもしれねぇ、ってこともわかった。
あとは……夕方頃に小僧が寝入っちまったから、オレ様もこれ以上の聞き込みは伝聞になるが……グラスランナーの詩人(どうやら裏の顔は遺跡ギルドのお偉いさんらしい)に情報を貰ったり、街で頻発する行方不明者の捜査依頼を受けたりもしたそうだ。
そして、夜。
先に休んでいた小僧は、ひとりで下町に遊びに出かけやがった。スケベ小僧め! ……あぁん? ……わかってるって。冗談だよ。小僧は悪もんが潜むなら下町の夜陰だろうと見当をつけて、ひとりで調査に出てきたんだ。何かあっても自分ひとりなら逃げられるだろうと踏んでな。もちろん、娼婦のねーちゃんたちも小僧みてぇなガキに声をかけたりはしねぇから、スムーズに調査は進んだよ。……ちと残念? オレ様も同感だ。
まぁ、それはともかく、読みは大当たりだった。
下町の一角には、奈落の魔域(シャロウ・アビス)の入り口が隠されていたんだ。
翌日、集まってそれまでの断片的な情報をまとめたオレ様たちは、アビスへと向かうことになった。
内部ではごろつきがクダを巻いてやがったが、まぁオレ様たちの敵じゃあない。さっさとブチ転がして色々尋問すると、このアビスが行方不明者の誘拐と運搬に使われたってことを吐いた。
どうやら今回のアビスには二つの入り口があったようでな。遠い砂漠の向こうにある遺跡とつながっているみたいだった。
───おそらく、この遺跡にロリーナがいる。
これまでの通信やごろつきどもからの情報でそう確信したオレ様たちは、アビスを一旦放置して遺跡へと向かった。
遺跡の扉は固く閉ざされてやがった。だが、オレ様たちには関係ねぇよなァ!?
『黄金のマトック』とグリルベックのコンビに扉をブチ破らせて、オレ様たちは堂々と正面から殴り込んだ。
敵の根城に乗り込むときはこの手に限る。……この手しか知らねぇだろ、って? そうとも言う。
そして、鳴り響く警報。まぁ当然だな。
さて、ここで質問だ。……『呼び鈴』を鳴らしたら、普通はどうなる? ───そうだな。
ノックと呼び鈴の後にあるのは、古今東西『お出迎え』って相場が決まってる。ここの遺跡だって例外じゃあなかったさ。
オレ様たちを出迎えたのは『シールンザーレイ』。バカでかい光線砲を3つも積んだとんでもねぇ魔動機だ。
……戦いの結果か? 聞くまでもねぇだろ。
リマの雷撃が炸裂して相手は半壊。エルクラムの小僧が相手を挑発して光線やら砲塔の旋回やらを誘導。消耗した前衛どもをマルティナが補助。隙を突いたグリルベックが痛烈な一撃。
もちろん危ねぇ場面もあったが、小僧どもの敵じゃあ無い。
とまぁそんなワケで、オレ様たちはロリーナと誘拐されていた行方不明者を救出することに成功した。
だが、アビス経由で街に帰還したオレ様たちには、あまり悠長にしていられる時間は無かった。
どうやら遺跡を根城にしていたやつらの本隊は、既にマカジャハット王国に向けて進軍を開始していやがったらしい。
残された時間は二日も無い。
この短時間で、オレ様たちはマグーナ……神官どもがクロだってことを証明し、敵に備える必要があった───。
『ツァイデス糾弾』
とまぁ、そんなワケで、ネ。怒涛の救出劇から一夜が明けて。
身体を休めたエルちゃんたちは、神殿の悪事を暴いて守りの剣を探すために行動を開始したワ。
……ん? アタシが誰って? そしていつものピックはどうしたって?
んもう! ピックちゃんほどじゃあないけど、アタシだって結構エルちゃんとの付き合いは長いのよ?
……わからない? えぇ、そう。アタシは盾……『 バックラー 』オネェさんよ。よろしくネ。
ちなみにピックちゃんは昨晩の間にフレイルに改造されたショックで呆然としてるワ。武器種まで変わっててウケる。
……話がそれたわネ。
結論だけ言えば、神殿で働いてる神官は全員レッサーオーガと入れ替わってたワ。神殿のあちこちにはツァイデスの聖印も転がってたし、人身売買の裏帳簿まであった。
正直なところコレだけでも証拠としては十分なんだけど、やっぱり証人は欲しいわよネ。そして、アタシたちにはアビスに監禁したままのごろつきが居る。……あとはわかるわよネ? 証人を回収するついでにアビスを潰しに行きましょう、ってコト!
そうして乗り込んだ先で、アタシたちは何とダデと神殿騎士の一行に出くわし、戦闘!
まぁ、アタシがついてるんだから負けは無いワ。これで証人どころかダデの身柄までゲットよ! ん~お得!
……その後の戦闘でエルちゃんが挑発に失敗しちゃってリマちゃんが危なかったりしたんだけど……ディアボロカデットをライトニングでディアボロボロにしてたから、意外と大丈夫みたい。エルちゃん、ちょっと、いやかなり気にしてたけど……。
そして翌朝。
昨晩のうちにダデは王城に渡しておいたから、あとはもう詰問タイムよ。女王様の前で全てを詳らかにしてしまいましょう!
結果は……まぁ、聖印やらグリちゃんのディテクト・フェイスによる信仰神の暴露やら、証拠は潤沢なので、ネ?
そんなこんなで神殿の現状を明らかにできたあたしたち。でも、一手遅かったみたい。
既に紛失していた守りの剣。
女王様から直々に内密の依頼を受け、再び街に繰り出したアタシたち!
だけど今回の結果は、非常に苦いものとなってしまったワ。
追い詰めたマグーナと戦ったアタシたちは、彼女に勝ちはしたけれど……守りの剣の移送を許してしまった。
やがて始まる蛮族の侵攻。
北からは魔動機。南からはアンデッド。東には守りの剣を移送するバルバが一機。うんうん。王国、大ピンチって感じネ。
……はてさて、どうなっちゃうのかしらぁん?
『戦争』
そして、蛮族の侵攻が始まった。
どうにか立ち直ったオレ様を携えて、エルクラムの小僧どもは独立部隊として遊撃を開始した。いくら王都とはいえ、5日で食糧難。7日もあれば陥落は免れない。援軍を要請する必要があったってわけだ。
西の海方面に魔動機士長のフォッグ。東の河方面に騎士のモニカをそれぞれ使者として連れていく。
ゾンビからロケットパンチを喰らったり、サローイどもの潜む洞窟の奥で魔動機の命令発信機を停止させたり、東でウンディーネに襲われたり、温泉でおぼれかけたり、妖精からポーションをもらったりと……まぁ、退屈はしなかった。
そうしたらどうだい。妖精どもの証言によりゃ、ウンディーネに撃ち落とされたバルバの荷物、つまり守りの剣は、南の森へ持っていかれたと。
当然、オレ様たちは追いかける。そしてその先で、小僧どもはデュラハンと戦うことになったんだ。
まぁ……コイツは本当に強敵だった。何せ、首無しのライトニングで小僧が消し飛ばされかけたんだからな。さっきもらったポーション無かったら、エルクラムの小僧は間違いなく倒されてただろうぜ。まったく肝が冷えた。
どうにかデュラハンを下したオレ様たち一行は、森を進む。
やがて辿り着いた木のうろの最奥には、サソリどもの親玉、シザースコーピオンが待ち構えていた。その背には妻であろうサソリの死骸。傍らにはレザレクションオルゴールと守りの剣。……これがこの戦争最後の戦いになる。オレ様たちは気を引き締めた。
攻防の末、マルティナのロングバレルが敵を撃ち抜いた。しかし!
敵はオルゴールを起動させ、ハイレブナントスコーピオンとして再び立ち上がった!
だが……オレ様もいい加減そのオルゴールの耳障りな音にはうんざりしていたんでな。オレ様と小僧の全ての力を込めて、敵さんごと叩き割ってやった。このオレ様、ピカクス・フレイルのピック。その全霊の一撃だ。
……この一撃で、ようやく戦争は終わったんだ。
凱旋したオレ様たちは、イェキュラ女王による直々の勲章を授与されることになった。小さな体躯に見合わぬ勇気、か……。相棒が褒められるのは悪い気がしねぇな。オレ様も鼻が高いぜ。……あん? オレ様に鼻はねぇだろって? それを言うなら肝が冷えたときにもツッコミやがれ。ワンテンポ遅い。
そんなこんなで祝いの席。……ククッ、女王の前でかしこまってるより、飲み比べでバカ騒ぎしてるくらいがオレ様たちには丁度いい。
おやすみ。小さな勇者ども。
『探索済み遺跡の生息調査』
あの戦いから一か月。オレ様たちは遊んだ。……それはもう遊び尽くした。
コノママジャダメになると気が付いたマルティナに連れ戻されるまで、エルクラムの小僧も衛兵の詰め所でイタズラを繰り返していた。イタズラが過ぎて門前に吊られたのはご愛敬だな。
んで、さすがに働くかと、依頼板にあった「探索済み遺跡の生息調査」にオレ様たちは乗り出した。
馬車で三日の距離にある遺跡。受付嬢の話によりゃあ一部では水没もしてるらしい。……錆が浮かなきゃいいんだが。
探索を進めるオレ様たち。しかも内部はクリムゾンマーゴットの巣窟だった。熱に強いグリルベックはともかく、潰すたびに熱い体液が飛び散る蛆虫の相手は、エルクラムの小僧にはちとキツイ。とはいえ、進むしかない。
遺跡の奥には、浸水した神殿。リマが壁に穴を開けて水を抜いたが、奥に続く通路はなおも水没したままだった。
誰かが見に行かなきゃならんが……全員の視線が小僧に向く。まぁ、小僧しか居ねぇわな。
エルクラムの小僧はリマの蛙と一緒に奥を見に行った。オレ様は置いてかれたせいで伝聞になるが、どうやら奥には傷ついたユニコーンが居たらしい。ユニコーンが言うには、この遺跡には隠し通路があるそうだ。
指し示されたT字路の壁。……触ってみれば胎動していやがった。なるほど。ユニコーンも気味悪がるわけだ。
久しぶりに出番のあった黄金のマトックで壁をブチ破ったオレ様たちは、通路の奥へと踏み込んだ。
壁の正体はフォッシクルクリサリスの外殻。ドワーフの血の味を覚えたマーゴットを従えたソイツは、複数の触手を操る厄介な相手だった。……まぁ、触手無くなって卵型になった途端、見境を無くしたエルクラムの小僧に叩き壊されたがな。
今回の成果?
少しばかりのお宝と、味覚のピアス。……コレはマルティナの嬢ちゃんが、欲しがってたから、まぁ良い成果かもな。
ユニコーンも脱出したし、帰るとするかぁ。……馬車は帰っちまったから、徒歩しかねぇな。トホホ。
『グリフォンの討伐』
どうにか遺跡から帰ってきた小僧ども一行。
いつもの癖で依頼掲示板を覗けば、相変わらず塩漬けになるまで売れ残った依頼が並んでいた。ま、どれも危険な依頼だ。今のエルクラムの小僧どもならともかく、他の奴らには荷が勝つだろうよ。
さてさて、お次の依頼は……どうやらグリフォンが暴れているらしい。
襲われた商人たちの伝聞では、無差別に襲われているそうだった。見立てとしては卵を産んで気が立っている、ってとこだろうが……あぁ、案の定だ。エルクラムの小僧が目を輝かせ始めた。
馬車を借りたオレ様たちは、グリフォンの目撃場所を目指して出発した。
……そしてその直後、盗賊の3バカどもに襲われたが……まぁ、敵じゃあ無いな。
馬鹿どもから聞き出したグリフォンの巣へとやってきたオレ様たちは、もぬけの殻となった巣に首を傾げた。エルクラムの小僧が気付いたように、そこには卵を3つは産んでいた痕跡があったんだ。
しかし、どういうわけか卵は無い。孵った痕跡も無い以上、持ち去られたと見るべきだろう。……元密猟者の持ち物だったオレ様からすると、そうとしか思えなかった。
そしてオレ様たちは、お決まりのように襲ってきたグリフォンのつがいと戦った。
すばしっこくてなかなか攻撃が当たんねぇ奴らだったが……リマが普通に1体一人で倒し切ったおかげで、何とか倒すことができた。
街に帰れば、捕らえてモニカのところに送り付けたはずの盗賊3バカどもは逃げ出していたらしい。
モニカのやつは減給だそうだ。……エルクラムの小僧がおちょくりたがってウズウズしていやがる。よし、遊びに行こうぜ。
『線路掃除』
この日も、オレ様たちは塩漬け依頼の消化に勤しんでいた。
今回の仕事は線路掃除。ドーテン地方からブルライト地方北部まで伸びている線路上の障害物の撤去、及び近隣の『バルバロス・トレインレイダーズ(蛮族列車強盗団)』の指揮官「デジ」の討伐……だ、そうだ。
とりあえず海路で魔道列車ステーション「モヨ駅」までやって来た小僧ども一行は、そこでトロッコを預かり、トコトコと点検の旅に出ることになった。
……だが、これが本当に波乱万丈な旅路だった。
街に程近い場所でドレイクとトロールに遭遇するわ、サーベルタイガーやプレーンセンチピードに襲われるわ、散々だったよ。
そんで、行程も終わりが見えてきたころだったか。道中に馬車が壊れて立往生してるやつらが居てな? ……まぁ、その通りだ。封鎖されてるはずのところで一般人が居るとか怪しいだろ? もちろん盗賊どもだったよ。たしか旅の始まりから10日も過ぎた頃だったか……。色々あって盗賊どもの痕跡を見つけたオレ様たちは、ようやく線路の〝お掃除〟に漕ぎ付けたってわけだ。
こうしてアジトに潜入した一行は、エルクラムの小僧とマルティナの嬢ちゃんが見張りを暗殺したのちに、デジとかいうやつに喧嘩を吹っ掛けることになった。
……結果? まぁ、うん。
エルクラムの小僧が攻撃の反動で飛び上がり……グリルベックの肩にひらりと戻り……そのまま後衛からリマのファイアボール……マルティナのグレネード……グリルベックの炎身で守られた前衛2人は炎無効……。炎身の複製があまりにも無法すぎた戦いだった……。まぁ……掃除、だからな……。汚物は消毒だって、よく言うもんな……。
そんなこんなで2週間の線路掃除を終えたオレ様たちは、また長い時間をかけて帰ろうとしていた。……んだがなぁ?
『黒魔導士の調査と討伐』メモ
新しい味が欲しいマルの主張で新興国家ミラージ協和連邦へ。バックラーみてぇなオネェ受付マン。ジョセフィーヌ。
森の中で人を捕らえて人体実験をした黒魔導士を見つけ、捕縛または殺害すること。
なお、最後の被害者は10年前に死亡(アンデッド化させられていた)を確認している。
オーガ級外道マジョリーン。手分けして情報収集。タビットだって。罠があるぞ。森に変な木「ナヅキの木」がある。
遺跡ギルドで情報を買う。片足のグッタを訪ねろ。鍛冶場に居るぜ。マジョリーヌは大きなナヅキの木の下に居る。
いざ森へ。デックチェストトラップにもぐもぐされるマルティナ。奥に進んで見つけた。広い地下だね。
蘇生の研究資料。ソードマトン、マジョリーン、謎の蛆虫。よくわかんないけどたぶん卵生なので4回転。
蛆虫、やっぱりドワーフの血の味を覚える。マジョリーン捕縛成功。
帰り。シンカーハウスとプラズマスフィア。全方位からの攻撃は後衛を守れない。
『指差す巨人』メモ
町中のメリアが恐慌状態。街の北西に巨人。何とかしてくれとアンドレの依頼。花びら占いして受けた。
グリルベックは酒場。巨人は西を指さしている。
リマは魔導士ギルド。ダリオン神殿の記述。以前も巨人は出現した。「巨人の指先には常に災いがある」「災いを取り払えば巨人は消える」
マルティナはマギテック協会。ご飯美味しい。
エルクラムは警備兵の詰め所。触れなかった。全長500メートル。豆の蔓が絡み合った姿。指の先には森があった。
森の中。崖。岩壁の洞窟。蛮族の砦。できたてほやほや。今なら攻め込める?
入り口の蛮族は忍殺失敗。ミノタウロスを焼肉に。内部には魔法文明語で書かれた巨大な石碑。
「遺跡の最奥には真なる邪悪が眠る。何人たりとも侵してはならない。」
3000年前、アマランサス王国は大規模な蛮族の軍勢に攻められ滅亡の危機にあった。その兵力差は歴然で、もうすぐ王都は陥落するという瀬戸際まで追い詰めれられた。そこで王は古代から伝わる呪法に手を出した。〇〇を捕らえ、それを蛮族との決戦の切り札とすることにした。〇〇の〇が強力な事は周知の事実だが、"ある物"を食わせ続ければその〇〇は強くなり"この世で最も強力な〇"を得ると言われていた。それを対蛮族戦で用いようと考えたのだ。
中ほどには祭壇があった。ダリオン神殿だ。メリアの老人像。違和感。なぜエルフの神ダリオン神殿でメリア像が?
「真の邪悪、奥にて待ちたり。毒蛇を討ちし勇者に扉は開く。毒蛇の憎しみを捧げよ。」
しかし、それはもう我らの手には追えない存在となってしまった。巨大に成長し、体からは常に毒の瘴気を振りまくようになっていた。その瘴気は人を殺し、草を殺し、大地を腐らせた。その瘴気は単なる毒ではなかった。私によって毒蛇の〇〇〇〇〇〇〇の怨嗟であった。これこそが古代の呪法がもたらす"この世で最も強力な毒"の正体だったのだ。そしてアマランサス王国は私の生み出したその毒によって滅んだ。
さらに奥ではケパラウラウラが火の妖精エインセルを虐めていた。毒苦手。
既に解き放たれている。呪いが蔓延するぞ。急げ。奥には巨大な蛇が封印されていた。怨嗟纏うピュートーン。
毒をまき散らしてくるせいでエルクラムピンチ。
祭壇に牙を捧げると道が開いた。奥の道には庭園がある。メリアゴーストのビーンストーク。
あの野郎勝手に救われていきやがった……。エルクラムは銀の卵石を強く握りしめた。ジャックの豆ゲット。
アンドレに指を刺しながら話してやるかぁ。指刺す小人。
ドワーフ殺人事件の噂。焼きメリアの噂。
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | ガメル | 名誉点 | 成長 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャラクター作成 | 3,0001,200 |
0
|
|
|
| | ||
能力値作成履歴#176735-2 | ||||||||
1 | 2023_07_14 | 迷宮の街 | 1,3502,602 |
24
| 敏捷 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
2 | 2023_07_15 | 炭鉱の魔域 | 1,2902,160 |
| 敏捷 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
3 | 2023_07_22 | CP①『旅立ち』 | 1,390275 |
21
| 筋力 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
4 | 2023_07_23 | CP②『屍の村』 | 1,4402,373 |
20
| 精神 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
5 | 2023_08_05 | CP③『マカジャハット王国の闇』 | 1,5804,988 |
18
| 生命 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
6 | 2023_09_09 | CP④『ツァイデス糾弾』 | 1,8105,200 |
33
| 敏捷 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
7 | 2023_09_24 | CP⑤『戦争』 | 2,0609,065 |
51
| 筋力 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
8 | 2023_09_24 | CP『リトルブレイバーズ』終幕 | 50010,000 |
15
| 生命 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
9 | 2023_11_04 | 探索済み遺跡の生息調査 | 2,3205,605 |
15
| 生命 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
10 | 2023_11_26 | グリフォンの討伐 | 1,6802,755 |
26
| 筋力 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
11 | 2023_11_26 | 線路掃除 | 2,6705,538 |
51
| 敏捷 | みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
12 | 2023_12_02 | 黒魔導士の調査と討伐 | 1,8404,100 |
19
| 知力 | 筋力 みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
13 | 2023_12_24 | 指差す巨人 | 2,0206,400 |
50
| 精神 | 敏捷 みしゃくじ様
| pufferfish様慈恩様
| |
取得総計 | 25,750 | 64,141 | 343 | 15 |
収支履歴
冒険者セット::-100 保存食(1週間分)::-50*8 アウェイクポーション::-100*2 ヒーリングポーション::-100
スカウト用ツール::-100 アンロックキー::-100*2 くさび(10本セット)::-20 シルバーストーン::-1*7
羽ペン::-2 インク::-3 羊皮紙(5枚)::-5*3
クロースアーマー::-15 バックラー::-60 ピック::-60+30 ハーフマント::-35+18 ライトメイス::-120+60 マレット::-20*3 幸運のお守り::-2000 ひらめき眼鏡::-4000 多機能ブラックベルト::-4000
礼服::-100 ベルトポーチ::-15 ウェポンホルダー::-1000 大きな手袋::-8000 ヘビーマレット::-220 フレイル::-240
剛力の指輪::-500+250 怪力の腕輪::-1000+500 俊足の指輪::-500 疾風の腕輪::-1000 月光の魔符+1::-500*2
救命草::-30*6 魔香草::-100*5
アルケミーキット::-200
マテリアルカード
B(金*14)::-20*116
色々
「マカジャハット王国の闇」
宿泊費::-15-3-3-15-3-15
アビス強化::-2000
「探索済み遺跡の生息調査」
1か月の生活費::-1140
マナタイト加工:盾::-5000
「黒魔導士の調査と討伐」
情報量::-50