ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

ラケシス - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

ラケシス

プレイヤー:Stella

種族
ナイトメア(エルフ)
年齢
100
性別
種族特徴
[異貌][弱点/水・氷]
生まれ
魔神使い
信仰
“慈愛と復讐の女神”ミリッツァ
ランク
ハイペリオン
穢れ
1
7
12
11
9
8
1
5
7
10
成長
6
成長
2
成長
9
成長
8
成長
3
成長
4
器用度
22
敏捷度
17
筋力
22
生命力
25
知力
21
精神力
25
増強
0
増強
0
増強
2
増強
2
増強
0
増強
0
器用度
3
敏捷度
2
筋力
4
生命力
4
知力
3
精神力
4
生命抵抗
16
精神抵抗
16
HP
63+2=65
MP
55+2=57
冒険者レベル
12

経験点

使用
79,500
残り
440
総計
79,940

技能

フェンサー
12
デーモンルーラー
10
スカウト
7
エンハンサー
3
ウォーリーダー
3
アルケミスト
2

戦闘特技

  • 《魔力撃》
  • 《防具習熟A/非金属鎧》
  • 《武器習熟A/スピア》
  • 《マルチアクション》
  • 《MP軽減/デーモンルーラー》
  • 《防具習熟S/非金属鎧》
  • 《トレジャーハント》
  • 《ファストアクション》

練技

  • 【ビートルスキン】
  • 【キャッツアイ】
  • 【マッスルベアー】

賦術

  • 【パラライズミスト】
  • 【バークメイル】

鼓咆/陣率

  • 【陣率:慮外なる烈撃Ⅰ】
  • 【強靭なる丈陣Ⅰ】
  • 【陣率:衝戟の刪削Ⅰ】

判定パッケージ

スカウト技能レベル7 技巧 10
運動 9
観察 10
アルケミスト技能レベル2 知識 5
ウォーリーダー技能レベル3 先制 5
魔物知識
0
先制力
9
制限移動
3 m
移動力
19 m
全力移動
57 m

言語

会話読文
交易共通語
エルフ語
魔神語
魔法文明語
魔動機文明語

魔法/賦術

魔力行使/賦術
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
デーモンルーラー技能レベル10 召異魔法 13 13 +0
アルケミスト技能レベル2 賦術 5
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
フェンサー技能レベル12 12 15 -1 16
デーモンルーラー技能レベル10 24 13
《武器習熟A/スピア》 1
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
イグニダイト製の"病弱な"アールシェピース[魔] 1H両 17 16 32 9 +1=18 〈小魔の封入具〉、アビス強化(C値-1、生命抵抗判定に-1)、魔法の武器、イグニダイト加工(威力+5)、オーダーメイド(威力+2、必筋+2)
イグニダイト製の"病弱な"アールシェピース[魔] 2H 17 +1=17 37 9 +1=18 〈小魔の封入具〉、アビス強化(C値-1、生命抵抗判定に-1)、魔法の武器、イグニダイト加工(威力+5)、オーダーメイド(威力+2、必筋+2)
ミュラッカ[魔] 2H 17 +1=16 32 10 +1=18 吹雪の魔法ダメージ(MP10、追加5消費で対象を選択できる/形状:貫通/生命抵抗:半減/C⑩/射程:2/威力30+8/水・氷属性)
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
フェンサー技能レベル12 12 14
《防具習熟S/非金属鎧》 3
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
“死に近い”ドラゴンスケイル+1[魔] 12 1 7 アビス強化(必要筋力-2)、魔法の鎧
マナタイト加工の"正直者の"炎嵐の盾 16 1 2 盾徽章付、宣言すれば1ラウンド中回避+1、水・氷属性からのダメージ-2(代わりに手番終了時に1d6の確定ダメージ)。アビス強化(魔法ダメージ-1、)
他1 アイソアーマスク 1
他2 多機能ブラックベルト 1
合計: すべて 17 14
装飾品 専用 効果
スマルティエのヘッドバンド スマルティエ① HP回復効果を受けたときにMP1回復
アイソアーマスク 防護点+1
ラル=ヴェイネの金鎖 ✔HP ラル=ヴェイネ① 「装備部位:その他」を得る
ウェポンホルダー改 武器や盾を二つまで保持できる
スマルティエの銀鈴 ✔MP スマルティエ② 「装備部位:その他」を得る
ラル=ヴェイネの肩掛け ラル=ヴェイネ② 属性に対する防護
背中 スマルティエの風切り布 スマルティエ③(生命力+1) 18ラウンドに一度だけ命中力+2、回避力+2
右手 大きな手袋 必筋+5
左手 大きな手袋
多機能ブラックベルト 防護点+1
アルケミーキット
ラピスラズリのお守り 乱戦エリア内で同じ陣営のキャラクターがエリア内におらず、HPが半分以下なら、回避力、生命抵抗力、精神抵抗力+2(共鳴済)
スマルティエの怪力の腕輪 筋力+2、スマルティエ④(生命力+1)
所持金
2,039 G
預金/借金
G

所持品

【フレーバー】
冒険者セット、着替えセット
羽根ペン、インク、白紙の本、軽い羽ペン
手鏡
保存食(16日分)

【装備品】
ヴェール

【未装備品】
ミュラッカ
カイトシールド(盾徽章付=名誉アイテム)
スマルティエの宗匠の腕輪
スマルティエのロングマント(フード付き)
スマルティエのサークレット
スマルティエのラリエット(名誉アイテム)

【デーモンルーラー関係】
送還供物(10000G分)
亜流鱗×2
人族の血液×2
象の鼻×1
宝石(500G)×1
白い外套×1
魔法文明の本×1
ヒーターシールド×1

【回復関係】
魔香草×1
魔晶石(3点)×20
魔晶石(5点)×10
魔晶石(10点)×10
マナチャージクリスタル(5点)×3
ヒーリングポーション×1
アウェイクポーション×1
アンチマジックポーション×2
スカーレットポーション×2
スピードポーション×1
熱狂の酒×1

【アイテム】
薬師道具セット
スカウト用ツール
白炎玉
陽光の魔符(+1)×1
月光の魔符(+2)×3
ねこの人形(呪い)


【次回の購入品】

マテリアルカード

BASSS
105
名誉点
56
ランク
ハイペリオン

名誉アイテム

点数
冒険者ランク700
スマルティエのラリエット0
多機能ブラックベルト0
カイトシールド(盾徽章)0
炎嵐の盾0
炎嵐の盾(盾徽章)0
ドラゴンスケイル0
ラル=ヴェイネの金鎖0
スマルティエの銀鈴0
"病弱な"アールシェピース[魔]0
軽い羽ペン0

キャラクターについて

容姿・基本的な性格

 肌はナイトメアらしく不自然なほどに白く、エルフらしく耳は長い。目と角は血のような赤。街中では暗いヴェールやフード付きのマントで角を隠している。
 性格はやや無愛想で淡泊。戦うのはとりたてて好きでも嫌いでもないが、強くなることは純粋に喜んでいる。

来歴

 エルフ生まれのナイトメアで、出生時に母親を殺してしまっている(母親は人間)。父親からは激しく疎まれた他、エルフの社会の中では鼻つまみ者として扱われたため、森のどこにも居場所がなく、やがて自分から森を出た。街で浮浪しているところ、危うく花街に売られそうになっているところをミリッツァの神官に保護され、孤児院で育った。
 ナイトメアである自分と同じく、人々から忌避される魔神の存在に興味を抱き、成人した後は孤児院を出て魔術師ギルドに所属。そこで師につき、召異魔法を習得・研究していた(現在は、師匠が独りでふらっと研究の旅に出てしまった)。師匠の名前はアズナディール(『ロードス島伝説』より)。体の各所に火傷などの痕がうすく残っているが、背中から左肩にかけてにあるものが最も目立っていた。そのため、師匠がそこに「召異の刺青」を施し、傷を隠してくれた。

設定

エルフが嫌い

 生い立ちから、エルフのことが嫌い。エルフ相手にはあからさまに無愛想。場合によってはさらに失礼な態度をとる。

ミリッツァ信仰

 ナイトメアであっても女子供であれば手を差し伸べてくれたミリッツァのことは信仰している。そのため自身も、女性や子供を助けるという目的のためなら積極的に行動する。
 一方でエルフの始祖神アステリアをはじめとするエルフ達に人気のある神々のことは、(自分を助けてくれなかったために)敬遠している。

魔神について

 魔神に対しては、公的には全滅を目標として掲げているが、自由奔放な師匠の影響もあり、用心深く接しながらも利用可能性を探っている。
 街の中では基本的に小魔を武器にしまっているが、部屋の中や屋外で冒険中は(すぐに使えるように)外に出していることもある。尤も、小魔は目を離すと危険である上、小魔への攻撃は魔神使いへのダメージになるため、寝るときやトラップがある可能性のある所では武器にしまっている。小魔には心の中で名前をつけているものの、呼ぶことはない。名前はラフィニア。
 そのスタンスから、奈落の盾神イーヴの教団とは少しだけ魔神への態度に齟齬がある。

 追記:最近、小魔は【ドレスアップ・デーモン】でいろんな姿になるのがお気に入りのようだ。

料理下手

 温めるくらいはできる。実は契約している小魔の方が少し得意。それまでは気にしていなかったが、PTを組んだ後にモモやカルディオに比べて料理ができないことに気づいてショックを受ける。そのため「調理道具セット」はカルディオに譲った。
 

旅の目的について

ヴィルマを探す

 「ヴィルマ・リオッサ(人間/女/15歳)を探しだして保護し、一緒にクルツホルムからキングスフォール行きの魔道列車に乗り込むこと。関係は自由。」

 ヴィルマ・リオッサはかつて世話になっていた孤児院の少女。ラケシスは施設を出た後にも時折孤児院を訪れていたが、その際によくかわいがっていた。ここ最近は直接会ってはいなかったが、その後孤児院の院長と会った際に、捜索を頼まれる。どうやら、成人後に街に出たものの、行方不明となったらしい。

魔神の研究

 師匠の書き置きに従って、実地で召異魔法の鍛錬及び魔神の研究に勤しむために冒険者になった。そのため、「奈落の魔域」の探索には積極的。ただし研究目的であり、死んだら元も子もないため、危ない橋は渡りたがらない。

弱点の変更について

 [弱点/水・土] ※エルフと人間の子供であるため

戦力・戦術について

できること

戦闘特技、魔法etc.

宣言特技【魔力撃】
宣言特技【マルチアクション】
常時特技【防具習熟/非金属鎧A】
常時特技【武器習熟/スピアA】
常時特技【MP軽減/デーモンルーラー】

召異魔法
賦術〈パラライズミスト〉
鼓咆〈強靱なる丈陣Ⅰ〉
陣率〈慮外なる烈撃Ⅰ〉

武装

アールシェピース(スピアA) 1H両/2Hの武器 命中が-1なので当たりにくいが威力は高い
ミュラッカ 2H 吹雪の魔法(生命抵抗:半減/C⑩/魔法ダメージ)
炎嵐の盾(盾B) 回避と防護点がそれぞれ+1

基本戦術

・平時は鼓咆で味方の援護(生命抵抗判定、精神抵抗判定に+1)をしつつ【魔力撃(特殊裁定)】(威力・命中上昇、生命力判定-4、精神力判定-4)で攻撃。
・強敵には〈パラライズミスト〉で回避を下げる。【マルチアクション】で〈デモンズアーム〉(3ラウンド、防護点+2・打撃ダメージ+2)を使いつつ攻撃。2ラウンド目からは同じく【マルチアクション】を使い、召異魔法を併用しながら攻撃。

防護点が高い敵には

・〈アストラルバーン〉(衝撃属性)
・〈アヴェンジャー〉(呪い属性)

雑魚敵が多いときには

・魔法が効く敵なら、後方から〈ヴェノムブレス〉(毒属性、対象エリア)もあり
・ミュラッカで魔法攻撃も可能

ちょっと悪巧み

◆〈ダークソウル〉の利用法
・〈ダークソウル〉(呪い属性/射程:2/形状:起点指定/10秒/抵抗:消滅)を使い、倒れた敵を利用して攻撃。
・特に敵の数が多いときに、範囲攻撃を持っている、あるいは魔法を使えるキャラクターに対して使うのが便利。
・他にも、後方の敵に対して銃撃する、ボスに対してデバフをかけるなどの利用方法がある。
・その後、魔神を動かして安全にとどめを刺させる

○より確実に〈ダークソウル〉を成功させるためには
・〈デモンスクリーム〉(精神効果属性/対象:エリア/射程:1/形状:術者/18ラウンド/抵抗:短縮)で生命抵抗・精神抵抗-2。
・ナイトメアが冒険者Lv11になると命中判定と魔法行使判定+1
・陣率〈行使専念Ⅰ〉(コスト:陣気3):魔法行使判定+1(一度だけ)
・宣言特技【カニングキャスト】:戦闘中、二回目に使用する魔法について達成値+2
・妖精魔法〈フェアリーサポート〉(任意の攻囲判定に+2)や操霊魔法〈スペルエンハンス〉(魔力+1)をかけてもらう

◆ヴェノムエスパーダの利用法
①後陣スタート(ゴーレムは前線でもOK、騎獣やセシルはダメ)
②【マルチアクション】、〈ヴェノムエスパーダ〉で移動(「出発点を巻き込まない」を選択、コーレムがいる場合は対象としてエリアを選択、いない場合は敵キャラを選択)、移動先の敵を対象として突貫。その後補助動作で賦術を使い(賦術は移動後でも可能)、通常攻撃。

対ボス

・【マルチアクション】で〈ブラッドミスト〉(主、1ラウンド、対象エリア、命中力-2・回避力-2)や〈デモンスクリーム〉(主、18ラウンド、対象エリア、生命抵抗-2・精神抵抗-2)をかけつつ攻撃
・〈パラライズミスト〉(補助、1ラウンド、対象1体、回避力-1)して【魔力撃】

【変幻自在Ⅰ】を修得したら……ロマン砲

 前線スタート、【ファストアクション】一回目の主動作で自分に〈デモンズアーム〉(3ラウンド、防護点+2・打撃ダメージ+2、MP5)、二回目の主動作で【マルチアクション】を宣言。一回目の行動で〈ブラッドミスト〉(MP4&HP5)、二回目の行動で(【変幻自在Ⅰ】の効果で)【魔力撃(改)】。
補助動作で〈異貌化〉→〈魔神召喚〉→〈イビルコントラクト〉(MP2)、〈リコマンド〉(MP3 ※三ラウンドに一回)、鼓咆〈強靱なる丈陣Ⅰ〉、賦術〈パラライズミスト〉

成長メモ

次の技能値ボーナスまで 

※()内はアイテムによる補正値抜き

器用度 3(3)
敏捷  1(1)
筋力  1(3)
生命力 3(1)
知力  5(5)
精神力 6(6)

装備について

現在の装備

ミュラッカ(スピアA)[魔] 2H 必筋17 命中+1 威力32 C値10 追加D+1
 ※主動作で吹雪(MP10、追加5消費で対象を選択できる/形状:貫通/生命抵抗:半減/C⑩/射程:2/威力30+8/水・氷属性)を起こすことができる

病弱なアールシェピース(スピアA) 1H両/2H 必筋15 命中-1/0 威力25/30 C値9 追加D0
 ※〈小魔の封入具〉
→魔法の武器化(追加D+1、命中力+1)、イグニダイト加工可能
 ……ミュラッカの命中+1と追加Dについては実質「魔法の武器化」(10000G)と同様

ミュラッカを装備する場合

・メリット① 吹雪の魔法によって全体攻撃が可能。
 メリット② 加工抜きで威力が高く、加工すればもっと高くなるし、魔法の武器化する費用がいらない。

・デメリット① 盾を装備できない
 すなわち、回避1/防護1/盾徽章がなくなる。
 専用化(敏捷+2)、マナタイトの追加装甲(防護点+1(5000G))、アビス加工(防護点+1、回避+1)もできなくなる。
  →解決策は大別して二つ。
 ①諦める(最大で回避+2、防護点+3、盾徽章)。
 ②「ウェポンホルダー」を買って、補助動作で装備の入れ替えを可能にする。
  →ただ、装備の入れ替えは主動作の前になるので、防護や回避を棄てていけるときにミュラッカを装備する(逆もしかり)となる。ミュラッカで〈マルチアクション〉してから盾装備、とはできない。しかし、ミュラッカを使いたいかどうかは大体戦闘開始時にわかるので、基本的にアールシェピース&盾を装備しておき(先制を相手にとられたときのため)、必要なら自分の手番時に補助動作で持ち変えれば良い。 

・デメリット② 小魔の封入具を移す必要がある
 これはあくまでもRP的な必要ではある
 →解決策は二つ。
 ①「召異の刺青」をつかう(召異魔法行使判定-1)。
  →「スマルティエの銀鈴」が別のこと(軍師徽章やウェポンホルダー、防寒着など)につかえる。
   軍師徽章については「戦旗章」で武器に追加して対応でも可。ただし、HP半分時の陣気+3はなくなる。
 ②「召異の徽章」(装飾品、部位:任意)をつかう。
  →「スマルティエの銀鈴」や「ラル=ヴェイネの金鎖」、あるいは「ディスプレイサーガジェット」を買って、同じ部位に「召異の徽章」をつけることで対応可能
 ※現在、「銀鈴」は「防寒着」に使用。
  軍師徽章については「戦旗章」で武器に追加して対応することも可能。
   ……現状の装備を一つ外す必要(ピアスとか)

・デメリット③ C値が上がる
 アビス加工はRP的にしづらいが、システム的には可能なので、アビス加工してもいいかもしれない。

・デメリット④ 吹雪使用時の消費MPが大きい
 これについては「ラル=ヴェイネの魔法帯」(部位:首)の発動トリガーにはなる。
 「魔法帯」でHP10回復→「ヘッドバンド」でMP1回復というコンボも可能。

☆上記の要求をすべて叶えたとすると、以下のようになるだろうか。
・「ウェポンホルダー改」(5000G)で装備を入れ替えられるようにする。
・「スマルティエのピアス×2」を外して(生命力-1)、「ラル=ヴェイネの金鎖」(7500G)を装備。
・追加された装備部位に「ウェポンホルダー改」を装備。
・「ミュラッカ」にアビス加工(C値-1、4000G)、戦旗章追加(2000G、30名誉点)、「小魔の封入具」化(200G)
・なお、現状、足装備の「ラピスラズリのお守り」がRP的な意味合い以上の効果を持っていないので、これを外して「ディスプレイサーガジェット」(5000G)を装備し、そこに「ラル=ヴェイネの魔法帯」(25000G)を装備することも考えられる(精神力+1)。
⇒合計48700G

ちなみに、ミュラッカにイグニダイト加工(威力+5)すると10000G。「アールシェピース」は魔法の武器化、イグニダイト加工ともに10000G。

成長の方針について

レベル11のときに何をとるか
①【武器習熟S/スピア】
メリット:単純に強くなる。
 プランA:武器をミスリルスピア(必筋18 威力33/43 7930G)に持ち替える。
  追加の加工:〈小魔の封入具〉化、アビス加工(C値-1)、魔法の武器化(命中力+1、追加D+1)、イグニダイト加工(威力+5)
  費用:〈小魔の封入具〉:200 
     アビス加工   :8000
     魔法の武器化  :20000
     イグニダイト加工:20000
     計       :48200+7930

デメリット:持ち替えが遅くなる

②【変幻自在Ⅰ】
ロマン砲が可能

③【カニングキャストⅠ】や【ダブルキャスト】
【カニングキャスト】 :ひとつの戦闘の中で、同じ魔法を使った場合、達成値+2
【ダブルキャスト】 :本来行使できるレベル、ランクの半分以下の魔法を、魔力-10で使用可能
 ……魔法使い系LV11時の自動習得である【ルーンマスター】(宣言特技二回使用可能、ただしひとつは魔法使い系技能であること)を有効活用できる。

④【魔力強化Ⅱ】
 宣言特技ではないが、達成値が+2されるのは大きい。
 ……【魔力強化Ⅰ】が魔法使い系技能(2系統)レベル6以上だった

次までに考えること

◆今後の展開
・耳の「スマルティエのピアス」を外して、「ラル=ヴェイネの金鎖」(7500G)をつける。それにより、耳に「装備:その他」を得る。
・ピアスは、ヴィルマと別れるときに彼女にあげる。
・スマルティエの説明に「装備部位の異なるもの」とあるので、防寒着と風切り布は競合するため、装備しても意味がない。なので、防寒着はやはりラル=ヴェイネにしてもいい(スマルティエ→ラル=ヴェイネ:250G)。
・あとひとつラル=ヴェイネのアイテムが欲しいが、良いものがない&お金がない状態。
→スマルティエ装備が二つ減り、生命力増強が-2。計7750G。

・耳にアイテムを装着可となるので、
①ウェポンホルダー改 :「ミュラッカ」と「アールシェピース&盾」装備を入れ替えるための策
②召異の徽章 :「ミュラッカ」を「小魔の封入具」にしづらく、かつ「召異の刺青」を使いたくない場合 
③腕輪(敏捷があと1でボーナス+1) :先制値を出すときとかには、割れるので便利かもしれない
④他部位の装備を移動させて、その部位に新しい装飾品(例えば「ラル=ヴェイネの魔法帯」)をつける
あたりの装備を検討。
・「ミュラッカ」を使うなら、「ウェポンホルダー改」か「召異の徽章」あたりは解決しておきたい。
→なので、「ウェポンホルダー改」を購入(5000G)し、部位:耳に装備。

・「炎嵐の盾」(7900G)を購入し、専用化(名誉点20点)&盾徽章の取り付け(1000G)を行う。
 ※現在の「カイトシールド」と通常性能は同じ上、「1d6」のダメージと引き換えに回避+1、水・氷属性ダメージを-2できる。専用化すれば敏捷+2となり、敏捷ボーナスが+1される。
→計8900G。

・「アールシェピース」の「魔法の武器化」(10000G)

⇒総計31650G

●次回以降の検討
・装備部位:足の「ラピスラズリのお守り」を外して、「ディスプレイサーガジェット」(5000G)を購入、装備し、さらに「ラル=ヴェイネの魔法帯」(25000G)を購入、装備。これによって、ラル=ヴェイネ装備3種が達成され、精神力+1。

・「ラル=ヴェイネ」を使うなら、首:「ラル=ヴェイネの魔法帯」(主動作でMP10以上消費したら、HP10回復)、手:「ラル=ヴェイネのマナリング」(ダメージ魔法のダメージ+2)、足:「ラル=ヴェイネのダウンルッカー」(魔力+1、すべての行動判定に-2)あたりが良いが、「ダウンルッカー」のデメリットは前衛には重い。「魔法帯」は「ミュラッカ」とは相性がいい(ただ、主動作でMP10は【MP軽減】なしの〈ブランチ〉くらいなので、効果的に使うなら「ミュラッカ」以外なら【魔法拡大/数】が必要。なら「マナリング」の方がまだ使えそう)。

・装備の加工について
 ①アールシェピース(A、アビス加工1回済(C値-1、生命抵抗判定に-1))
   魔法の武器化(Aランク、10000G、命中+1、追加D+1)
   イグニダイト加工(Aランク、10000G、威力+5)
 ②ブレストアーマー (非金属鎧A)
   魔法の鎧(Aランク、10000G、防護点+1)
   アビス強化(運動判定パッケージ+1)
 ③炎嵐の盾[魔](B、必筋13、1/1、盾徽章付)
   マナタイトの追加装甲(Bランク、5000G、必筋+3、防護点+1)
   アビス強化(回避+1)

☆目標
 ・デーモンルーラーのレベルを上げる(9:アンチマジックバリア、ヴェノムエスパーダ 10:アトロフィー、デモンズフライト 11:ディフィシェンシー、デモンズブレード)
 ・筋力を3上げる →アビス強化も含めれば、アールシェピースが手袋なしに持てる
 ・賦術〈クリティカルレイ〉を覚える
 ・鼓咆〈強靱なる丈陣Ⅱ〉を覚える

購入品

ラル=ヴェイネの金鎖::-7500
防寒着をラル=ヴェイネに::-250
ウェポンホルダー改::-5000
炎嵐の盾::-7900
盾徽章の取り付け::-1000
アールシェピースの魔法の武器化::-10000G

質疑

質問① 魔法の武器化→イグニダイト加工(妖精の武器化)は可能か? →可能!
質問② 魔法の欄にある「専用化」とは何のためにあるのか? →発動体の専用化のこと。
質問③ ミュラッカの魔法攻撃はマルチタスクでどちらに属するか? →どちらでもないと判定。
質問④ ミュラッカの魔法攻撃は「抵抗」および「C値」の項目がないが、「抵抗:必中」であり、クリティカルはしないとして扱うのか? →抵抗:半減、C値10扱い
質問⑤ 特殊戦闘における、「貫通」「突破」の魔法の扱いは?同じエリアやエリア内のキャラを対象にできないが。

冒険の記録(一部ネタバレを含むため閲覧注意)

ラケシスによる記録

魔動列車での一件について

 師匠からの書き置きに従って冒険者として登録して少し経った頃。クルツホルムに向かう孤児院の院長からヴィルマ捜索の依頼を受け、ドーデン地方の“鉄道の国”キングスフォールからコルガナ地方中西部の都市クルツホルムに向かう魔動列車に乗車した。
 初めての魔動列車に内心緊張していたが、だからといって人前で小魔を出すわけにもいかない。魔神使いは珍しいとはいえ、バレれば何を言われるかわかったものではない。黙って座っていることにする。
 
 乗車中、列車が突如停車した。状況を確認するために外に出ると、頭上には揺らめく旭光の帯。どうやら奈落の魔域に侵入してしまったようだ。私の目的のひとつは奈落の魔域の研究でもあるのだけど、一人で立ち向かうのは分が悪い。他にも数人乗り合わせた人が様子を見に来ている。ゴシックな服を着た人間らしき少女と、何故か眼帯をして羽の生えているメリア、それから……男か女かわからないエルフ。そのうち、「壁の守人」を名乗るアレクサンドラ・ペトローヴナ・ザッフカーリナに声をかけられ、クルツホルム鉄道ギルドの鉄道整備局副局長ヤルノ・ユリマキから奈落の魔域を攻略するように依頼された。よりにもよって「壁の番人」にエルフと一緒だなんて……だが、即席のパーティーということで我慢することにしよう。
 
 奈落の魔域の内部はアレクサンドラの記憶を再現するような構造になっていた。奈落の魔域がこのように入り込んだ人族や蛮族の精神性や願望、記憶を再現することがあるというのは、師匠から聞いていたとおりだ。彼女によると、ここはシャルィーキン侯爵とやらの屋敷から王都の外へと続く地下通路らしい。迷宮のような通路を抜けると、襲われていたシャルィーキン公爵令嬢イリーチナを助けるべく、魔神と交戦。これが「魔域の番人」だったようだ。
 この戦闘では能力を隠すことにした。幸い、乗客の一人であった人間の少女セシルは操霊術師であったようで、召異魔術を使わずとも強化は可能だった。モモというメリアも、言動は少々奇抜だが、呪歌を歌える上、妖精を召喚できるようだった。だからあんな羽が生えて……生やす必要があるのか?やはりよくわからない。それとあのエルフ。気に入らないが、銃の腕は良い。

 奈落の番人を倒し、イリーチナを連れて地下通路を抜けると、燃える王都の外に出た。そこで我々は、アレクサンドラが魔法文明時代の終末期に生きた人物であり、すでに故人であること、そして奈落の魔域に囚われていることを知った。奈落の魔域が人の魂を捕らえる、などということがあるのか。彼女の言葉が正しければ、他にも壁の守人たちが囚われている魔域があるはず。これは調査対象として興味をそそられる。「ラピスラズリのお守り」を渡し、彼女は姿を消した。(奈落の核はモモが破壊した。後で知ったが、彼女は鉄道ギルドから奈落の魔域消滅の依頼を受けていたらしい。なぜ鉄道ギルドは彼女に依頼したのか……)。

 奈落の魔域が消滅すると、魔導列車に戻ることができた。ヤルノに報告して、報酬を受け取る。今後もこういうやりとりが続くのだろうか。お世辞にも社交的とは言えない私には、いささか疲れる。パーティーでの戦闘というのもなかなか興味深かったし、クルツホルムについたら仲間を探してみようか。エルフと組むのだけは願い下げだが。

パーティー結成と冒険への出発について

 クルツホルムに到着した後、報酬の分配もあるため四人で食事をすることにした。そこで、モモによってこの四人でのパーティー結成を提案される。カルディオとかいうエルフと一緒なのは嫌なのだが、もしそう言えば、私の過去を話さなければならなかっただろう。それに、ヴィルマを探すにも人手があった方が良いし、私は冒険にも慣れていない。恥ずかしながら、金勘定の管理も苦手だ。結局、モモの勢いに押されたこともあり、パーティー結成を認めることにした。
 実際に酒場でヴィルマのことを探し出すと、なかなか私では上手くいかない。けれど、カルディオやモモは、情報をいともたやすく集めてくる。カルディオについてはまだ常識人っぽい所もあるからわかるが、モモについては何故あんなに情報を集めてこられるのかわからない。あんな性格をしておいて、人の懐に潜り込むのが巧いというか……。セシルも、少なくとも私よりは旅慣れているみたいで、冒険必需品やパーティー資金の管理をしてくれる。そして全員手練れであることは、先の戦闘で確認済みだ。全幅の信頼をおいたわけではないが、同行者としては優秀そうだし、とりあえずヴィルマを見つけるまでは頼りにしてみようか。

 酒場の情報によると、ヴィルマらしき少女が荒野を根城にする邪教団に誘拐されたらしいことがわかった。何でも魔神への生け贄にするとか。愚かな。いや、はた迷惑、と言うべきかしら。無暗に魔神関係で悪事を行うような連中がいるから、師匠や私のように魔神の有効利用の道を探る研究者が肩身の狭い思いをすることになる。……とにもかくにも、ヴィルマを早く救い出さないと。荒野に行くことを目的とし、森林地帯を抜けてパルアケへ行くことを提案すると、全員の了解を得ることができた。ヴィルマが無事だと良いが……それなりに時間も経っている。あるいは、もうすでにヴィルマは……。仮にそうだとしても、私はミリッツァ様の教えに従って復讐を遂げねばならないから、いずれにせよ荒野には行かないといけない。

森林地帯でのこと

 クルツホルムで準備をした後、パルアケに向かって出発した。道中、森林にいるというエルフの学者フィルイックへの保存食の配達を依頼された。エルフか……まぁ、今はパーティーがいるから、直接話さずとも良いだろう。問題は、そのパーティーにエルフがいるということなのだが。
 森林を進んでいるとノマリ族と出会った。薬などを商っている旅の一族だ。実物とは初めて会ったが、ノマリ模様の民族衣装がとても目を引く。彼らから薬を購入していると、酒宴に誘われた。お酒には強くないので遠慮しようと思ったのだが、他のメンバーが参加すると言うので私も参加した。が、あまりにも酒精が強すぎて酔い潰れてしまった。朝起きるとノマリ族はもうおらず、二日酔いの疲労感だけが残っていた。

 森を探していると、古代の遺跡のあるあたりでクエストの対象であるフィルイックに出会えた。依頼されたいた保存食の配達で話は終わりかと思うと、フィルイックから新たな依頼をされてしまった。フィルイックによると、この森林地帯は魔道機文明時代初期に栄え、魔神によって滅ぼされたというトゥリパリンナ皇国の跡地だという。ここにある遺跡は、その名残なのだとか。それで、森林の中の中州は元々トゥリパリンナの聖域であったらしいのだが、そこは今奈落の魔域になっている他、森の主の巣にもなっているらしい。その主というのが、トゥリパリンナ皇国によって対魔神のために作られたという巨大な芋虫状の魔法生物だとのことだ。
 問題は、現在その中州に行くための方法がないということ。そこに行くためには皇宮跡の地下にある転移の魔方陣を使う必要があるが、今は魔力が供給されていないらしい。魔力を供給するための塔が森林の各地にあるらしいが、その一部は既に破壊され、残ったものについても起動していないとのこと。というのも、塔の最上階は妖精達が守っており、皇族の遺品などを持っていないと通してくれないのだそうだ(実際に、このあと塔を調べてみたところ、皇族の後継者であることを示さないなら塔を守るために戦わねばならないと風の妖精に言われた。……まぁ、モモの通訳が間違っていなければの話だが)。そこでフィルイックから、塔を起動して調査を手伝ってくれるように依頼された。

 エルフに協力するのは思う所があるが、依頼は依頼だし、なにより私も奈落の魔域には興味がある。だが、まずは皇族の遺品を手に入れなければならない。それに、森林の主に邪魔をされるのも億劫だ。我々は先に主を退治しておくことにした。
 主を相手にはじめてパーティーとして全力で戦った。絡みつき吸血をしてくる強力な魔法生物を相手に、私も出し惜しみしてはいられない。パーティーの前で初めて魔神を召喚し、召異魔法を使う。彼女らは最初驚いたようだったが、とりあえず戦力になることを示せば、それ以上何も言ってこなかった。私としても、これ以上力を隠したまま戦い続けることはできなかったし、ここでパーティーから外されると仲間を集めるのが面倒だ。だから、受け容れてもらえたのは助かった。これで小魔もある程度自由に出しておける。カルディオの険しい目が少し気がかりだったが。

 強敵を倒して一息つけるかという所で狼の群にも襲われた。主を倒したところで弱っているのを狙われたのだろうか。戦術としては正しいが、生存戦略としては不適切だ。たとえ連戦になろうと我々に敵うはずがない以上、返り討ちに遭うのは必至。案の定、狼の群は蹴散らされた。彼らは我々の前に出てくるべきではなかったわ。

塔の起動

 パルアケに到着してギルドへの報告を済ませ街を物色していると古物商の宣伝が目に入った。「トゥリパリンナ皇族である皇女ナーナレイネリア・トゥリパリンナの使用していた〈大聖樹の盾〉」と銘打って、古びた盾を3000ガメルで売っていた。怪しい。私でなくても怪しいと思うだろうし、3000ガメルは大金だ。いくらナーナレイネリアの変じた樹木が今もパルアケに遺されているほどの有名人とはいっても、今まで売れていなかったのも無理はない。実際、彼女の盾には妖精魔法を強化する力があったらしいが、モモによると盾から魔力は感じられないらしい。それを一目で見抜くあたり、モモのフェアリーテイマーとしての能力は本物なのだろう(下見に行った塔でも、彼女がシルフとの通訳を務めてくれた)。あんな性格なのに。ともあれ、盾の方はモモの交渉の結果、スカディのような上位の妖精の協力があれば魔力を回復させることができるかもしれないと教えてもらった。そちらについては、もう少しかかりそうだ。
 
 風の塔にもう一度登ると、盾を見たシルフ達はパーティーを皇族の後継者と認めてくれた。本物だったんだ……。でも、そのままの勢いで水の塔に登ると、そこには水の妖精ウンディーネがいた。このウンディーネ、ずいぶんと遊び好きな性格みたいで、後継者とかどうでもいいので遊ぼうと言い出した。最初はカードゲームをすることになって、代表としてカルディオが相手を務めたんだけど……最初の一手を読み外すという不運で敗北。あいつ、旅の途中も悪夢を見て一人だけうまく休めなかったり……戦闘以外ではわりとポンコツなのかしら。
 その後、結局戦闘で勝敗を決することに。この戦闘のことは……思い出したくもないというか、思い出せないというか。まず、ウンディーネが水属性の魔法で攻撃してきたから、ナイトメアといってもエルフ生まれの私には天敵だった。こんな時エルフという出自が心底恨めしくなる。でもそれより厄介だったのは、ウィリの「誘いの舞」。魔力撃を放った隙をつかれて私はウィリに行動を操られてしまったらしい。それからのことはあまり覚えていない……のだけど、気づいたら私を操っていたウィリが倒されて、意識が戻った。直後にモモが操られている様子を見て大体自分が何してたのかわかった。屈辱。今度から、厄介な行動をしてくるヤツは真っ先に倒すわ。魔法への抵抗力も高めなきゃ。二度とあんな恥はさらさないと固く誓った。

森林の魔域について

 塔の起動後からクルツホルムまでもいろいろあった。橋を守っていた妖精ドライアードから、鉱山から鉱毒が流れてきているのでなんとかして欲しいという依頼をされたり、満身創痍の状態で再び狼に襲われたり。私もセシルも魔力切れの中で、モモが召喚した風妖精の威力はすさまじかったわね。
 帰還の途上、カルディオが魔神のことを訊いてきた。300年を生きたエルフということだったけど、あまり森を出たことはなく、魔神についてはあまり知らないらしい。しかたがないから、魔神語など、魔神についての知識をいくらか教授した。けど、なんで魔神についてあんなに関心があるのだろう。訊いてくる割に、魔神と契約する気もないみたいだし、ということは何か恨みでもあるのかしら。

 クルツホルムでは魔域攻略のために装備を調えた。奈落の魔域の脅威度を測るアイテム・悪魔の血晶盤を購入する必要があったし、消耗品も補充しないといけない。私も、召喚できる魔神が増えたこともあって新たな召喚供物を買ったり。武器も持ち替えた。サーベルも良いのだけど、どうしても威力が足りないと感じてしまうのは、きっとカルディオの銃撃を見ているせいね。長い分取り回しが難しいけれど、攻撃力を考えて槍にしてみると、意外としっくりくる。ピラーを買ったので、しばらくはこれを使ってみよう。小魔の封入具としての加工も施した。小魔は新しい家に引っ越しを楽しんでいるみたいだったけど。

 再度訪れた森林の皇宮跡から中州へと転移。転移した先の暗くよどんだ森と毒沼の中、巨大な樹木の上に奈落の魔域を示す漆黒の球体があった。トゥリパリンナの聖域だったらしいが、こうなっては酷いもの。
 球体の中に侵入すると、そこはアスィルムラート王国の闘技場だった。またもやアレクサンドラの記憶をもとに構成された迷宮らしい。イリーチナの護衛を選出するための競技会が行われているとのことで、目前には挑戦者の力を試すために配置された「敵」がいた。新調した武器を人間相手に試すとは思わなかったけれど。しかし一番目を引いたのはセシルの新調されたゴーレム。犬の骨格標本みたいな見た目のとおり素早くって、前後から呪歌の聞こえる戦場で、次々と敵を倒していった。
敵を倒し終わると、今度はきらびやかな大広間にいた。どうやらなにかの式典の最中のようだ。いつの間にか隣には赤い巻き毛のメリアが立っていた。彼女は自分をトゥリパリンナ皇国の皇女であるナーナレイネリアであると名乗り、この式典の最中、ナルグ国からの使者に化けた魔神によって母親である女皇が殺害され、混乱に乗じて襲来した魔神達によって亡国の憂き目をみるという。状況から見て、今度はナーナレイネリアの記憶をもとにした迷宮のようだ。外郭部分と中枢部分とで、魔域を構成する要素が異なるのかもしれない。つまり、中枢部分では魔域のもととなった誰かの記憶、外郭部分では新たな侵入者(つまり私たちや、私たちの持つ「遺品」の持ち主である壁の守人)の記憶をもとに魔域が構成される、とか。いや、断定は禁物だ。奈落の魔域については、まだわかっていないことも多い。今後も調査を続けよう。
 ナーナレイネリアが人づてに聞いたという情報を頼りに、魔神の化けた使者を限定する。「サーチデーモン」の魔法を併用して魔神を確定させると、そのまま正体を見破られた魔神とその手下が襲いかかってきた。魔神ダブラブルグ。姿を模倣する魔神だ。魔神は時に狡猾に人を欺き、内部から人族を崩壊させることもある。魔神によって造られた契約の小魔でさえ、邪悪な意思や嗜好を持っているという。だから、決して気を許してはいけない相手でもある。
 モモが先制とばかりに強力な炎の矢で前衛の敵を焼き払い、私がそれに続いて毒の霧をまいて、戦場を混乱に陥れる。カルディオと彼の馬が生き残った手下達にとどめを刺し、残る魔神をセシルのゴーレムが引きつけながら、怒濤の連続攻撃で咬み殺す。この戦闘では、今まで以上にパーティーとして息の合った戦い方ができたように思う。特技が増えるに従って戦法が増え、戦法の組み合わせによって召異魔法や魔神のより広い活用法が見えてくる。師匠に報告できる日が楽しみだ。
 魔神を討伐すると、ナーナレイネリアから感謝の証として妖精の声を聞くことができるようになる眼鏡を進呈された。セシルが受け取ったのだけど……囚われていた後悔を晴らしたということの感謝らしいが、実際に過去が変わったわけではないだろう。彼女たちはそれでも満足なのだろうか。
 その後モモが奈落の核を破壊すると、奈落の魔域は消滅していった。

平原へ

 三度クルツホルムに立ち寄った後、平原を抜けてイーサミエに向かうことになった。パルアケに到着した時に聞いた話では、ヴィルマらしき少女が荒野の方に連れ去られたらしかった。けれど、その荒野の主〈キマイラ〉とかいう化け物については、今の私たちでは情報を集めることができなかった。その魔物の強さが、自分たちを遙かに凌いでいるということだろうか。今すぐにでもヴィルマを探したい気持ちはあるけれど、無謀にも荒野に侵入して自身はおろかパーティー全員を危険にさらすことはできない。一人で行くことも考えたが……私一人ではヴィルマを助けることすらできないし、そうなっては元も子もないだろう。今すべきは、一刻も早く強くなることだ。そこで、一度荒野に背を向けて、鉄道ギルドから依頼を受けたモモの目的である奈落の魔域を攻略しつつ、イーサミエを目指すことにしたのだ。ヴィルマがまだ無事であることを心の底から願う。ミリッツァ様、どうか彼女に加護を。

 平原の主は毒蛇であり、他にも大量の毒蛇がいることがわかっていた。だから、あらかじめ大量の毒消しのポーションを準備していく。備えあれば憂いなし、と言っていたのは師匠だったか。自分はふらりと無計画にどこかに行ったりするくせに。
 平原を進んでいると、程なく軍の野営地に辿り着いた。一晩の宿を借りた後、巡回に行った兵士達が行方不明になったという話を聞き、彼らを連れて帰ってきてくれないかと頼まれた。大人の男性、しかも戦える能力のある人間であれば、自分でなんとかすべきだろうとは思うが……。とりあえず心に留めつつ、平原の奈落の魔域の攻略を優先することにする。その過程で見つけたら、保護してあげてもいい。
 奈落の魔域があると言われている領域に近づくと、そこには朽ちたハルーラ神殿があった。魔神に襲われて逃げていったのだろうか。探索中に神殿跡に潜伏していた強力な魔神たちと戦闘が発生するも、前回の戦術を踏襲することで難なく撃退に成功した。改めて探索してみると、神官たちはイーサミエへと逃亡していったらしい。また、その際に神官達が置いていったとおぼしき聖印を拾った。ハルーラ神に世話になったことはないが、何かの役に立つかもしれないし、あるいは持ち主が見つかれば返してやってもいい。
 一度様子見がてら奈落の魔域を見てみることにしたが、悪魔の血晶盤で測定された脅威度は今のパーティーの手に負えるものではなかったため、慎重を期して一時的に撤退することにした。攻略したがるモモを引きずり、先に主を討伐することにする。なお、移動中にノマリ族と再び出会い、薬品を購入すると再度酒宴に誘われた。が、やはり酒精に負けて酔い潰れた。酒は苦手だ……。
 主の巣に突撃。準備していたこともあって、平原の主を苦もなく退治することができた。続いて毒蛇の群と連戦があるも、やはり大して苦戦することもなく駆逐することに成功した。
 道中にタイガーの巣があった。こちらからどうこうするつもりはなかったのだけど、襲われたから仕方なく退けると、なんと巣の中に行方不明だった兵士達を発見した。どうやらタイガーに襲われて負傷して動けなくなっていたらしい。そのまま彼らを野営地まで護衛してやることになった。護衛中に三度ノマリ族と再会。酒宴に誘われ、今度こそと予め酔い止めを服用して参加したところ、かろうじて酔い潰れずに済んだ。その結果ノマリ族に気に入られ、この平原には古の海賊達がアジトにした地下空洞があり、財宝が残されているということとを教えてもらった。その入り方も一緒に教えてもらったのだけど、どうやら魔道機文明語の合い言葉だったようで、私には理解できなかった。朦朧とする意識の中で、翌日まで音だけ覚えていたのは奇跡のようなものだろう。

平原の魔域攻略

 野営地に兵士達を引き渡した後、再度奈落の魔域の様子を確認しに行くと、脅威度が以前に比べて下がっていた。これならば攻略可能だろうと判断し、奈落の魔域に突入する。
 奈落の魔域に入ると、そこには蛮族と戦う「義勇軍」の隊員にして壁の守人ザイがいた。ザイによると、彼の上官であるスミアの部隊が遺跡の探索から帰還しておらず、その探索のために単身やってきたのだという。ザイと共に進むと、円形の広場にて蛮族に対して劣勢に立たされているスミアと義勇軍の兵士達を発見する。戦う力を持っているとはいえ、危険な状況にあるのは確かだ。彼女らを助けるために飛び込んだザイに続いて、蛮族達と交戦する。モモと私の魔法で前線の蛮族達にダメージを与え、セシルの操るゴーレムやカルディオが雑魚を排除する。奥にいた機械じみた蛮族に対して総力で戦い、これを倒すことに成功した。途中、カルディオのレンタルしている騎馬が死にかけたのが唯一ハラハラしたくらいかしら。ちなみに、小魔のやつ、やけにパーティーのことを気に入っているらしく、馬とも仲良くしていたのか、馬が死ななかったことを一番安堵していたように見えた。これも、魔神の「見せかけ」に過ぎないのだろうか。
 続いて、気がつくと人間の戦士達と魔神達が戦っている雪山のただ中に現れた。そこにいたノマリ族の少女カティア・ロッサは、緑髪のエルフに向かって何かを叫んでいる。エルフの名はキャラウェイというらしい。巷間では英雄と呼ばれた人物ではあるが……その実冷酷無情で英雄の風上にも置けない人物であった。後に調べたところ、カティアはキャラウェイを殺したことで「英雄殺し」という名を付けられたというが、なんのことはない、先に裏切ったのはキャラウェイの方だったのだ。私怨だということはわかっているけれど、やはりエルフなんて信じるべきではないのだ。
 そんな私の所感はともかく、そこで突如大きな雪崩が発生した。かろうじて逃れるも、同じく雪崩から逃げ延びた戦士達に魔神の群れが襲いかかる。私たちもカティアと共に彼らを助けるべく戦い、厳しい状況ではあったが魔神達を撃破することに成功した。すると戦闘後、カティアに感謝され、彼女の遺品である「古ノマリのターバン」をもらった。
 魔域の核が現れ、前回と同じくモモが破壊する。それでカティアも戦士達も消えていく。これが実際に起こったことなのか、今となっては証明することはできないけれど、もし「英雄殺し」の真実であったとしたら、彼女はこれからも誤解されたままということになる。それはあまりにも……いや、だからといって私がどうこうする義理もないし、それこそ余計なお世話かもしれない。例のキャラウェイとかいう屑エルフが英雄扱いされているのは気に食わないが。

海賊の宝探しを終えてイーサミエ到着

 奈落の魔域を攻略し、一応平原での目的は達したが、ちょうどイーサミエへの通り道にあることだし、ノマリ族から聞いた海賊の宝とやらを探しに行くことにした。まぁ大方想像通りだが、モモが一番乗り気だった。ちなみに二番目に乗り気に見えたのは小魔だ。あいつ、最近は私が戦闘後に扉を閉じている間に、ちょろちょろと倒した敵の懐を漁ったり、セシルやゴーレムと一緒に戦利品の確認をしたりしている。だんだんがめつい性格になっていってる気がする。元々お調子者な性格をしていたけれど、これは明らかにパーティーの影響を受けているわね。
 海賊の宝があるという地域を探していると、確かに地下に続く道があった。洞窟の扉は閉じられていたが、私が伝えた合い言葉をセシルが唱えると扉はなんなく開いた。ちなみに「死よ、死よ、汝は永劫の眠りの中に」という意味らしい。海賊達にしてはずいぶんと辛気くさい呪文ね。洞窟を調べていると、突如灯りが消え、スケルトンガーディアンとファントムに襲われた。とはいえ、エルフであるカルディオには暗視の能力があるし、私も短時間であれば魔神の視覚を借りて暗がりでも十分ものを見ることができる。そこまで苦戦することなく蹴散らし、その場に残った財宝を漁る。中にはずいぶん立派な羽根飾りのついた帽子もあった。古い帽子のようだったが、ついでに頂いていくことにしよう。なにせ、死者には財宝も必要なければ、帽子も不要なのだから。正当な受取手や奉納先がないなら、持っていったところで恨まれる筋合いもない。
 さらにイーサミエへの道を進んでいると、廃れた農場を見つけた。蛮族か、あるいは魔神の襲来によって家人は逃げたか死んだかしたのだろう。休めるかもしれないと調べていると、そこも蛮族の住処になっていたようだ。襲ってきたのは空飛ぶ手と剣を持つ人影だったが、冷静に対処すれば怖ろしい相手ではない。蛮族を退けて探索を続けると、どうやらこの廃農場の主だったと思われる家族の一人が書いた日記と、相当額の財産を見つけた。日記の書き手はピエタルという名前らしいが、日記をパラパラとめくってみると彼が海賊の財宝に関心が持っていたことがうかがえた。どこにでもいるような、普通の青年だったようだ。ところが、最後のページをめくってみると、ある日魔神が襲来してきて父母が殺され、自分自身も重傷を負ったということが書いてあった。そして妹のヘリテは、ちょうどイーサミエの友人のところに遊びに行っていたようだ。おそらくこの日記や財産(もはや遺産と言うべきだろうが)がここに残っているということは、その妹はここに戻ってきてはいないのだろう。とはいえ、日記や遺産をそのままにしていくのは忍びない。私たちもイーサミエに向かう途上にあるのだし、先ほどと違ってヘリテにはこれらを受け取る正当な権利があるはず。イーサミエに着いて、もし彼女を見つけることができたなら、返してあげるべきだろう。

イーサミエにて

 イーサミエに着くと、港らしい磯の香りが私たちを出迎えた。しかし、港町にしては人の賑わいというものが足りないような、そんな感じだという。いや、私は生まれも森で、育ちも内陸部なので港町を見たことはない。じゃあ誰が言ったのかというと、小魔がそう言ったのだ。なんでも、かつてこの大陸でいくつかの港町を見たことがあるのだという。それが本当なのかどうか、私にはわからないけれど。
 平原の主の討伐、奈落の魔域攻略について冒険者ギルドに報告に行くと、どうやらイーサミエは北スィーク海で活動する海賊達と、同じく北スィーク海に出没する「メルビズ」という蛮族によって、ボスンハムンへの海路の安全が脅かされているのだという。特に、港湾ギルドが海賊を抑えるために尽力しているらしいが、その一環で海賊達の頭目の証となる帽子を探しているとか。恐らくは私たちが手に入れたあの羽根飾りの帽子だろうと考え、早速港湾ギルドに行くと、案の定あの帽子がそうだったらしい。帽子を引き渡すと、12,000ガメルもの報酬を払ってくれた。立ち寄ったところで手に入れたもので、偶然持ってきていただけだったのだが……得をした気分だ。
 そのままメルビズの討伐も依頼されたが、そのためには船に乗ってボスンハムンへ向かわなくちゃならない。私の目的が荒野にいるであろうヴィルマの救出にある以上、なるべく早く湿地を抜けてリイネスに向かうべきだ。今更数日かかったところで状況が大きく変わるとは思えないが、それでも焦りもあれば、万が一それで手遅れになったら悔やんでも悔やみきれない。とりあえずメルビズ討伐は放置することにした。

 しかし、私はいくらか成長したとはいえ、持っている武器はそこまで強力ではない。戦闘では魔力撃、召異魔法、魔神の使役によってそれなりに立ち回れるが、強力な個体に対しては攻撃を躱されることもあるし、ピラーでは威力もなかなか出ない。武器屋で悩んでいると、店頭に並べられたアールシェピースに目が留まった。長柄の武器なので私の筋力では少し取り扱いにくいのだけど、これなら威力は十分。いざというときには両手で持って攻撃できる。ただ、今の私が取り扱うには少々力が足りない気がした。けれど、これから戦闘も激しくなっていくことを考えれば……。結局、アールシェピースに持ち替えることにして、足りない筋力は大きな手袋で補うことにした。
 次に必要なのは命中力だが、これについては最初からアテがあった。アルケミスト達が使う賦術の中に、相手を短時間痺れさせるというものがある。戦闘中によく狙って使うのでなければ一瞬しか効果がないけれど、一瞬でも足止めできれば十分だ。アルケミーキットとマテリアルカードを購入し、ブラックベルトから吊すかたちで装着する。うん、なかなか良い感じだ。これの良いところは、私一人が恩恵を得るんじゃなくて、仲間全員にとって有利になるということだ。元々命中力の高いカルディオや、魔法によって補助できるセシルのゴーレム達はそうそう外すこともないだろうけれど、それでも腐ることはない。ついでに盾を買い換え、北側になるにつれて寒くなってきたのでフード付きのロングコートも買ってしまった。こんなにお金を手にしたのも使ったのも初めてのような……わりと散財した気もするけれど、必要なものだから!
 
 さて、後やることといえば、酒場でピエタルの妹ヘリテの居所を探すことだ。これはすぐに見つかった。まだイーサミエにいたんだ。彼女はまだ友人のところにいたらしい。私たちが訪ねていって、兄の日記と残された財産を渡すと、涙を流して喜んでいた。いきなり親兄弟を亡くし、帰るところを失って、心細い思いもしていただろうし、若い女性がそう簡単に身を立てられるわけでもない。両親が残した財産は彼女がこれから生きていくための貴重な糧となるだろう。死してなお、彼女の親は彼女を助け、守ったということか。ふと、父のことを思い出して、わずかに苦いような感じがしたが、きっと気のせいだろう。私たちは、彼女に見送られイーサミエを後にした。湿地を抜け、リイネスを目指すために。

湿地侵入

 湿地に足を踏み入れたけれど……足下はびちゃっとしていて歩きづらいことこの上ないし、ブーツの皮もふにゃふにゃになって靴の中にまで水が入ってくるし。おまけに霧が出ていてじめっとしていて、髪や服が濡れて身体に貼りつくのも不快感を倍増させる。ひんやりしているあたりは暗い森の奥を思わせるけれど、あのひっそりとした森の静謐さというか、静かな木々の呼吸がないので、落ち着かないというか……。早く抜けたいところね。こんな時、師匠ほど召異魔法が使えれば、魔神の羽を現出させてせめて足下だけでも快適になるのだけど。小魔が飛べるのが恨めしいわ。
 事前情報にあったように、湿地の主を討伐するべく北上する。しばらく行くと、苔むした遺跡のような場所に出た。湿地の主はロックゴーレムに寄生したグリーンセメタリーとのことだった。警戒しながら探索していると、突然壁が動いたように感じた。よく見ればそれは例の主だったんだけど……その後の戦闘は本当に苦戦した。グリーンセメタリーの〈幻惑の光〉に手こずって、予想以上に時間が掛かってしまった。もう思い出したくもない。その上、ここはグリーンセメタリーの巣でもあるようで、通るたびにグリーンセメタリーと戦わないといけない。とは言っても、不用意に近づきさえしなければ、魔法で一方的に攻撃することができるから、そこまでの脅威ではないのだけれど。やはり面倒なのは変わりない……なんとかならないものだろうか。

湿地の魔域の攻略

 グリーンセメタリーの巣を抜けて、情報にあったとおりに北西に進む。そこには廃村があった。およそ10棟ほどの荒れ果てた家屋。魔神の群に襲われて人が逃げていったのか、あるいは別の原因で人が逃げていったから魔神がそこに巣くうようになったのか。一応、魔神が隠れていたりすると厄介だから、何かないかと探索を行う。そこで、ひなびた村には似つかわしくない黒檀の櫛を発見した。恐らくは逃げる際に村人が落としていったのだろう。大事にされていたようで、落ちていたにもかかわらず傷一つなかった。持ち主がまだ生きているかはわからないが、生きているなら付近の村か街かに逃げているはずだ。もし出会うことができたら、返してあげよう。
 その廃村の外れにある丘の上に、魔域はあった。奈落の魔域に入ると、前回や前々回と同じようにそこは壁の守人の記憶をもとに構成されていたようだった。はじめに見つけたのはあのカティアだった。しかし前回の時に比べて幾分若い姿だ。彼女は私たちに例のキャラウェイとかいうエルフ男を探して欲しいと頼んできた。彼女はキャラウェイに心酔しているようだったが……彼女に伝えるべきなのだろうか。キャラウェイはあなたの思っているような英雄なんかではない、それどころか、キャラウェイはあなたも仲間も裏切る薄汚い男なんだ、と。ただ、何を言おうともここは彼女の記憶の世界であって、実際に過去が変わることはない。アレクサンドラやナーナレイネリアは無念を晴らすことができて、晴れがましい顔をしていたけれど、それにどこまでの意味があるのか。であるならば、ここで彼女に残酷な未来を告げることもまた、意味のないことなのかもしれない。金貸しとカジノと花街を行き来するあの男のせいで、カティアは「英雄殺し」という不名誉な名前を与えられてしまう。もし魔域で再演されるこれが真実だとするならば、彼女についての真相は、私たちだけが知っているということになる。それでいいのだろうか……。
 キャラウェイを見つけ出しカティアに引き渡すと、今度は再び景色が変わった。私たちは湿地を走る魔道列車の中に乗っていた。目の前には、黒髪のレプラカーンの少女が立っている。そして、私たちの背後から男の声がした。男は"凶弾の魔手"ザイ、そして少女の名前は「ゾーヤ」というらしい。ザイの声には緊迫感があった。どうやら、新兵器の大きな爆弾を魔道列車で輸送しているところで、蛮族達の襲撃に遭ったらしい。彼は私たちに協力を求めてきた。返事をする間もなく、車両の前後から蛮族達が現れる。前方をセシルとゴーレム達、それにモモに任せて、私は後方の敵と向かい合う。重装備の蛮族が二体に、隆々とした牛頭の怪物ミノタウロスが一体。カルディオと騎獣の援護を受けつつ、魔神と共に前線で闘う。反対側を守るセシル達側には魔神もいるらしかったが、ゴーレム達が耐えてくれるはずだ。その間に、こちら側を掃討する。こちらが片付く頃には、あちらも魔神ダルグブーリーを残すのみとなっていた。そのダルグブーリーがモモの炎の矢によって燃え尽きると、ザイが感謝とともに愛用のベルトを差し出してきた。これは、彼の最期の戦いに関する記憶だったはず。本来なら彼はここで死に、ゾーヤ少尉と共に爆死したとされている。それが、彼の無念だったということだろうか。現れた魔域の核をモモが破壊すると、ザイと共に魔域は消えていった。

湿地の村

 奈落の魔域を攻略した私たちは、リイネスへと向かうことにした。リイネスを目前にしたあたりで、小さな村があったので、そこで休ませてもらうこととなった。村では湿地の主のことや奈落の魔域のことを聞けたが、どちらも既に撃破済だと言ったら驚かれた。この村には、例の魔域のあった廃村から逃げてきた人もいるようだ。黒檀の櫛の話をしたら、ある人が声を上げ、自分の妻の形見だと言った。彼は泣きながら感謝を告げてきた。命からがら逃げ延びる中で、おいてきてしまったことを心から悔いていたのだろう。彼は私たちに、感謝の印としてグリーンセメタリーの巣を安全に抜けていくための道を教えてくれた。
 村に逗留している間に、村人から一つの依頼を受けた。どうやら、この湿地にはイーサミエ方面へ安全に移動するための地下道があるらしい。その出入り口の一つがこの村の倉庫にあるのだというが、いつの頃からか地下道に魔道機が住み着いてしまい、この道が使えなくなってしまったのだという。そこで私たちに、魔道機を排除して道を通れるようにして欲しいということだった。報酬をくれるとのことだったし私たちとしても移動がしやすくなるのならそれにこしたことはない。依頼を引き受けて、村の地下に潜った。しばらく歩いて行くと、そこには確かに三つの砲塔を持つ魔道機が待ち構えていた。それなりに強敵ではあったけれど、精神を操ってくるような厄介さはない。私たちはシールンザーレィを撃破して、さらに先を探索することにした。
 暗い道を歩いて行くと、徐々に息苦しくなっていくのがわかった。どうやら長い間放置されていたことで、この地下道には有毒なガスが溜まってしまっていたようだ。急いで走って扉まで行き、危険を承知で扉を開ける。慌てて開けようとしたところ、セシルに引き留められ、ゴーレムに開けさせることになった。扉が崩れかかっていたせいでゴーレムがダメージを負ったが、その程度で済んだのは幸運だった。仮にトラップでも仕掛けられていたら……。私ももっと慎重に行動しなければ。
 扉を開けてしまえば、ガスは自然に抜けていくだろう。そうすれば、この地下道も以前のように利用できるようになるに違いない。私たちが通ってきた道を引き返し、村に戻ってそのように伝えると、村人もずいぶん喜んでいた。

荒野を横切って

 荒野についての詳しい情報が聞けたのはリイネスに着いてからだった。やっとヴィルマと、彼女をさらったとおぼしき邪神の教団について居所がわかった。けれど……そこに辿り着くまでには二つの障害があるみたいだった。一つは荒野の主・キマイラ。かつてパルアケで話を聞いたときには正体すらわからなかった化け物。当時の私たちからは文字通り桁違いの存在だった。そしてもう一つは、同じく荒野を縄張りとするコカトリスという魔物。リイネスに住む老冒険者ウルシュマの家を訪ねた際に判明したことだけれど、彼は私たちに、壁の守人アレクサンドラの残した吹雪の魔槍ミュラッカと引き替えに、このコカトリスを退治するように言ってきた。アレクサンドラには特段思い入れがあるわけではないけれど、あの槍の美しさには目を見張るものがあった。しかし、やはりこのコカトリスとかいう魔物についても、情報が何もない。強いのか弱いのかさえ(ウルシュマが交換条件に出すくらいなのだから、きっと強敵であるには違いないだろうけど)、よく解らない。こうして私たちは、この二体の正体不明の化け物を退けて、ヴィルマを助けるために荒野を進むこととなった。
 荒野の敵はたしかに強かった。けれど、私たちもそれなりに強くなってきている。だからなんとかなるかもしれない。そう思い始めていた頃だった。荒野を進んでいると、奇妙な光景を目にすることになった。それはいくつもの石塊が転がった谷間。その石塊をよくよく見てみると、どれも人型のよくできた彫像の破片のようだった。誰がこんなところにこんな彫像を投棄したのだろう、と考えていると、セシルが言うにはこれは全て本物の人間が石化したものだという。どうやら、呪いの中に生きものを石化させる呪いがあるのだという。コカトリスという化け物は、恐らくはそういう呪いをまき散らす危険な魔物らしい。私たちは息を吞んだ。十分な準備のないまま迂闊にコカトリスの縄張りに立ち入ったことを後悔しながら、私たちは急いでここを抜け、一度パルアケまで突っ切って準備をし直すことにした。
 だけど、甘かった。私たちがコカトリスの庭を抜けた先で待ち構えていたのは、獅子と竜と山羊の頭を持つ翼ある獣・キマイラだった。キマイラについての情報を持たない私たちは、酷く苦戦することになった。山羊の頭が発する麻痺の魔法によってカルディオやモモの動きを止められ、セシルのゴーレムや私や魔神の攻撃も効いていないようだった。キマイラの蛇の形をした尾には毒があり、また竜の頭からは絶えず炎のブレスが吹きかけられてくる。セシルとゴーレムがいなかったら、カルディオとモモが麻痺から回復していなかったら……想像もしたくない。なんとか山羊の頭をカルディオが撃ち抜き、他の頭が沈黙したとき、私たちは満身創痍だった。仮に、パルアケまで行って準備を整えてきたとしても、今のまま荒野を進むとすればどこかで誰かが脱落するかもしれない。悔しいが、私は、私たちはもっと強くならないといけない。キマイラとの戦いでボロボロになった獲物を襲う魔物達を撃退しながら、私たちは這々の体で逃げるようにパルアケに辿り着いた。

鉱山での出来事

 パルアケに辿り着いた後、傷と疲労を癒やしながら先のキマイラとの戦いを思い返していた。確かにキマイラは強敵だった。けれど、きっともっとうまく戦えば、あれほどの辛勝にはならなかったはずだ。事前情報が足りなかった。それに、魔法への注意が疎かになっていた。私たちのパーティーは、最初からそれぞれの役割がある程度決まっていた。だから、それがうまく嵌まればとても強いのだけど、どこかが崩されてしまうと戦況は苦しくなる。パーティーのためにできることは何だろう……。キマイラ戦のときも、それ以前のウィリやグリーンセメタリーの時も、やはり魔法や毒、呪いによって連携が上手くとれなくなってしまった事を考えると、それらへの対策が必要だと思った。
 悩んでいた時に見つけたのが、部隊を指揮し、戦場を操るという技術だ。魔法の一種かもしれないが、ある種の人々には声に特殊な力があり、味方を強化して戦況を有利にすることができるのだという。前線で戦う私の場合は、戦況全体を見ながら的確にパーティー全体に指示を出すということは難しいけれど、その代わり相手の魔法や毒攻撃の初動には一番最初に気づくことが出来る。一瞬でも早く注意を呼び掛けられれば、瞬間的にみんなは抵抗力を強められるはずだ。

 鉱山の扉を開けると、暗い坑道に入ることができるようになった。中に入るとそこに奈落の魔域があって、脅威度もあまり高くなかったからそのまま攻略することになった。魔域内部は今までと同じく壁の守人の記憶で構成されていた。今度は、タウトゥミという青年のものだ。彼は姉チェミュエの作成した魔動具を駆って魔神と戦ったらしいが、その姉チェミュエはナイトメアだった。後から知ったことだが、チェミュエはナイトメアであるがゆえに両親から疎まれ、両親からの愛情を得るために対魔神の魔動具開発にのめり込んだのだという。……その気持ちは、分からないでもない。親や社会に愛されるナイトメアは本当に稀少だ。だから、居場所を求めて、自分の有用性をしめそうとして、何かに専心したり過剰に誰かに奉仕しようとする。その末路は、大概が哀しいものだ。私は、師匠に出逢えたけれど、チェミュエは最終的に「テュータル」という魔動機を造り上げ、命を失ったとされる。エルヤビビに残されているという「テュータルの棺」、叶うならひと目見てみたいものね。
 ちなみに、奈落の魔域に巣くった魔神アルガギスは、強力な攻撃と堅い防御が特徴だ。実際に戦ってみて分かったが、その攻撃力は脅威だが、強固な盾役が前線を支え、魔法攻撃やガンでの射撃が出来ればそれほど脅威ではない。魔神の連続攻撃を避け損ねた私は瀕死においやられたが、前線でセシルのゴーレムが耐えている間にカルディオとモモの呼び出した妖精でケリがついた。むしろ、瀕死になった際に、魔神が私のコントロールを離れて暴走しようとした方こそ冷や汗が出た。すんでで行動をキャンセルさせたが、危うく味方を攻撃するところだった。今後はもう少し制御に気を回さないと行けない。

 鉱山の魔域を攻略して山頂に登ると、そこにはくず鉄の生産工場があった。それなりに古い施設のようだったが、周辺を蛮族が占領しており、金属を精製すると同時に鉱毒を川へと流していたようだ。以前、森林のドライアードに依頼されたとおり、蛮族達を蹴散らして施設を徹底的に破壊することで、鉱毒を止める。一度汚染された川がすぐに戻るとは思えないが、とりあえず依頼は果たしたので良しとしよう。

トゥルヒダール到着

 トゥルヒダールは鉱山や製鉄で栄えている街のようだが、なんとここにはダークドワーフがいるらしい。ダークドワーフはイグニダイト加工と呼ばれる特殊な金属加工技術を持っている。加工を依頼するにはダークドワーフと知遇を得る必要がある上、荒野の魔域を攻略する必要があるという。遂に荒野を攻略する時が来たのだと思う。敵は多い。コカトリスに奈落の魔域、そしてヴィルマを攫ったと思しき邪神の教団。一度は実力不足から荒野を攻略することを避けたけれど、今度こそ片をつけよう。
 トゥルヒダールのハルーラ神殿に行くと、ハルーラ神の聖印を探しているという話を聞いた。私たちが平原だったか湿原だったか、破壊されたハルーラ神殿で拾った聖印がそれだったようで、聖印を渡すと「ポーラースタッフ」と呼ばれる杖をくれた。これは壁の守人カティアが愛用した聖なる杖だというが、それほどのものを渡してくれるとは、あの聖印がよほど価値のあるものなのか、それともカティアが軽んじられているのか……。後者でないといいが。
 宿への帰り道、いきなり眼の前に例のドライアードが現れた。どうやら鉱毒の件で御礼に来たらしい。なんとも律儀なことだと思ったが、礼だけでなく「ドライアードの若枝」という杖までくれた。約束を果たしただけだというのに……本当に困っていたんだな。良いことをした、と思っておこう。

邪教殲滅

 トゥルヒダールから魔道列車に乗って一日でパルアケに到着した。あれだけ苦労して踏破した道のりも、一度魔道列車が復旧してしまえば、すぐに往来できるようになる。多少お金は掛かるが、安全かつ迅速に移動できるのはやはりありがたい。そう言えば、私たちパーティーの始まりも、魔道列車に居合わせたという偶然にすぎなかった。それが、こうして目的を同じくし、長い間行動しているというのは不思議なものだ。最初はヴィルマを探すために利用してやろうという気持ちだったけれど……私も彼女たちから影響を受けているというとを否定することはできない。

 準備を整えて、再度パルアケを出立する。荒野にはいくつもの丘陵や谷があって、ところどころ道がトンネルのように入り組んでいたりするらしい。私たちは一路北を目指した。パルアケを出発してすぐ、途上で道に迷ったという冒険者と出会した。どうやら旅の楽師であるらしく、モモと意気投合したのか、私たちについてくるという。断る理由もなし、若い人間の女性をこんな所に放置すれば、ヴィルマと同じように人さらいに遭うかもしれない。戦えるとは言っているが、どこか間が抜けているというか、ふわふわとした雰囲気でそれほど期待できそうにもないし。追記:実際に北上して崖下の暗くて狭い道を通っていると、幻獣の群に襲われたのだが、予想通り戦闘開始と同時に派手にずっこけていた。
 しかし、この荒野は本当に危険が多い。魔獣に魔神、おまけにどうやって生活しているのかわからないが人族の盗賊までわらわらと絶え間なくやってきては襲ってくる。おかげで満足に野営もできず、寝不足になりながらも撃退する羽目になった。なぜだか、盗賊達はお金をおいて逃げていったけれど。何か怖い目にでも遭ったのだろうか。

 荒野の北部、邪教徒たちが根城にしているという遺跡は確かにあった。扉は壊れて開け放しにされていたが、最低限の用心はしてあるようで、罠も仕掛けられていた。狭い道のせいでセシルのゴーレムや騎獣(カルディオはいつの間にか虎のような幻獣をレンタルしていた。以前の爬虫類がかわいかったのに……)はそのままでは通れなかったので、仕方なく解体したり彫像にしたりして連れていくことになった。中は暗く、私たちは足音を殺して慎重に階段を下る。その時、部屋の奥から人の話し声が聞こえてきた。恐らくは邪教徒たちだろう。何を話しているのかまでは聞き取れなかったが、どうやらこちらには気づいていないようだ。神官らしき男が演説をぶっているのを聞いていると、段々腹立たしくなってきた。女子供を攫うというのはミリッツァ様の教えに救われた身としては許しがたいことだが、加えてこいつらは徒に魔神を呼び出そうとしている。どうせそれにしたって、建設的な目的などない、ただ世の中を破壊したいか、力を得たいだけの愚か者どもだろう。魔神達の神である狂神ラーリスは「汝の欲するところを為せ」と説いているというが、こいつらのような無法者のせいで、私や師匠の目指す世界はいつまでたっても訪れないのだ。
 一度そう考え出すと、もう感情を抑えておくことはできなかった。私たちは広間になだれ込んだ。不意打ちを仕掛け、次々に邪教徒どもを討ち果たしていく。雑魚達は問題なく片付けることができたが、最後に残った神官が厄介なヤツだった。神官は敵わないと悟るや、自身の力の大半を使って魔神を召喚したのだ。アザービーストばかりだが、その数実に8体。折悪しく、神官を銃撃するために前線に出ていた私とカルディオは、たちまち魔神達の波に吞まれてしまった。いくら弱い個体とはいえ、8体もいればそれは巨大な力となる。前線で闘うことの多い私は避けきれたが、カルディオは吹き飛ばされてしまい、その場で動かなくなってしまった。カースレベリオンの力を持ってしても防ぎきることはできなかったようで、辛うじて息は合ったらしいが、これ以上攻撃されれば死んでしまうのは目に見えていた。すぐさま魔神達を掃討しなければなかった、それもカルディオを守りながら。私のとれる最善策は、カルディオの援護を魔神に任せ、私自身は一秒でも早く魔神を倒すこと。驚いたことに、小魔もまったく同じことを考えていたらしい。指示を飛ばすのと門が創られるのはほとんど同時で、供物と引き替えに姿を現した魔神に任せ、私はモモの妖精やセシルと共に魔神を駆逐していく。途中、神官が倒れたカルディオに追撃をかけたときには肝が冷えたけれど、辛うじて撃退することができた。最後は妖精が神官を骨まで焼き尽くし、残った邪教徒は自害して果てた。とにもかくにも、これで邪教は壊滅できたし、戦闘後にカルディオも意識を取り戻した。良かった……と思っている。

生け贄達の解放

 邪教徒を殲滅して遺跡の中を探ると、誘拐された人々もみつかった。よくもまぁ、これだけ人を攫ったものだ。その中に、幼いエルフの少女がいた。ミュレーナという少女で、パルアケで捜索依頼が出されていた少女だ。彼女が言うには、ヴィルマはもうここにはいないという。彼女は生け贄として殺されるのではなく、読み書きができたために奴隷商人に売られてしまったのだ、と彼女は言った。そして、奴隷商人達はボスンハムンに向かったらしい。すっかり遅くなってしまったけれど、奴隷商人に売られたというのなら、ヴィルマはまだ生きてはいるはずだ。それに、読み書き能力を買われたというのなら、無碍な扱いもされないだろう。だから、きっと大丈夫なはずだ。待ってて、ヴィルマ。
 遺跡を後にするにあたって、他の人はともかく、幼い少女を放り出すわけにも行かない。ただでさえこの荒野は治安が悪いのだ。トゥルヒダールでの依頼の件もあって、ここの魔域の調査くらいはしておきたかったけれど、こうも随行が増えてしまっては……ましてや小さな女の子を魔域での戦闘に巻き込むわけにはいかない。ミュレーナをカルディオの騎獣に乗せ、私たちは一度パルアケに帰還することにした。
 パルアケへの帰路の途上で、久しぶりにノマリ族と出会した。彼らとの酒盛りも久しぶりのような気がする。今度は誰も潰れることなく、乗り切ることができた。些細なことだが、自分たちの成長を感じる。ノマリ族によれば、荒野のコカトリスの巣には安全に抜けるための道があるらしいが、それは以前私たちが発見したものと同じもののようだった。
 翌日、パルアケ直前で再び例の盗賊団に出会した。が、彼らも二度目ということで、私たちの姿を見るなりお金だけをおいて逃げていった。感心した様子のミュレーナの顔が印象的だった。

荒野の魔域

 パルアケに到着すると、ミュレーナは胸をなで下ろしたようだった。彼女を連れて両親のもとへと赴く。彼女の両親は、(賞金をかけるだけはあって)彼女のことを大事に思っているようで、娘を抱きしめ、しきりに私たちに感謝の言葉を述べていた。彼女が無事で良かったと思う反面、一瞬胸に去来した感情をごまかすことはできない。私がナイトメアでなかったなら、父も私をあんな風に愛してくれただろうか……などと、つまらないことを考えてしまった。

 ミュレーナを送り届けて、返す刀でパルアケを出発する。今度こそは、奈落の魔域を攻略し、そしてコカトリスを退治する。そういう意気込みで同じ道をもう一度北上した。途上、魔物の群と遭遇したり、野営する際に襲撃を受けたりした。やはりこの荒野はかなり危険なのだろう。魔域に辿り着く前にあまり消耗はしたくないのだけれど。
 魔域のある地点に近づくと、そこには暗黒の空間が広がっていた。ちなみに、何度目かの盗賊団に出会った。命だけはと言って差し出してくる金銭ももうたった100Gだけ。おそらく、もうこの辺りで稼ぐことはできていないのだろう。彼らのためにも、足を洗って真っ当に生きればいいのに。

 魔域に侵入すると、そこはかつて見たことのある家の前だった。そう、タウトゥミの家だ。中に入ると豪勢な食事が食卓に並べられている。しかし、そこにはたったひとり、少女がぽつねんと座っているだけ。彼女はタウトゥミの妹のようだ。程なく姿を現したタウトゥミによると、彼は家族の仲を取り持つために食事会を催したのだという。しかし、素直に受けてくれたのは妹だけ。両親も姉も、事情は様々だが集まってくれていない。そこで彼は、私たちに助力を乞うてきた。なんで私が他人の家族の仲を取り持たないといけないのだろう。本気で理解に苦しむけれど、ここは壁の守人の記憶を基にした魔域の内部。気乗りがせずともやらねばならない。執務室に引きこもるタウトゥミの父親の仕事を手伝ったり、衣装室でドレスを待つ母親のために職人を探し出して連れてきたり、挙げ句の果てには行きたくないと駄々をこねる姉チェミュエを無理矢理連れていこうとして魔道機と戦闘になったり……。本当にはた迷惑な家族だ。これにはセシルはおろか小魔でさえあきれ果てていた(カルディオだけは興味深そうに見ていたけれど、あれは絶対わかってないな)。最終的に集まった家族の食事会を盛り上げるためにモモが演奏までさせられて。タウトゥミからは感謝とともに家族写真の入ったロケットペンダントを貰ったけれど、私たちは精神的にどっと疲労してしまったわ。

 感謝の言葉と共にタウトゥミが消えていったあと(もう巻き込まれたくはないものだわ)、私たちの周囲の風景は荒野のそれに変わった。小高い丘の上で、見回してみると遠くに一台の馬車が見えた。それを見て、壁の守人カティアが声をあげた。どうやら、三度彼女の過去に触れてしまったようだ。あの馬車はカティアの家族のものだという。そして、現実では魔神の群に追われたキャラウェイによっておとりに使われ、カティアを除く全員が死んでしまったらしい。命を救われたと勘違いしたカティアは、その後キャラウェイを英雄として尊敬するようになり……と、救われない話だ。カティアの声には悔しさが滲んでいた。彼女は、たとえ現実ではなくとも、あの時の無念を晴らしたいと言った。それでいいなら、私も協力しよう。それもまた、ひとつの復讐だと思うから。
 探してみれば、魔神の群に追われたキャラウェイはすぐに見つかった。ちょうど良い、ヤツを捕まえて、今度はこちらがヤツを囮にしてやろう。だが、現れた魔神を見て、状況が変わった。カルディオの様子がおかしい。魔神を見るなり、目を見開いて固まってしまった。相手は人の姿をしているが……その正体はテラービースト。腐敗と再生を繰り返す、毒の四足獣。魔神は、自ら「暗き底の主」と名乗った。種族の名ではなく個体の名前をはばからずに名乗り、圧倒的な雰囲気を保ったまま人の姿をとることができる。かなり高位の魔神であることは明白だろう。まさかと思ったが、どうやらカルディオが探していた魔神とは彼のことらしい。なるほど、以前聞いたカルディオの仇、村を滅ぼした魔神。知能が高く他の魔神を従えるような個体には関心がないわけではないけれど……。これでは話を聞くことはできなさそうだ。それに、報復は優先されなければならない。この戦いはカルディオのための報復戦だ。
 周りの雑魚はモモの召喚した妖精に任せて、他は首魁を優先的に狙う。前線は一時的にセシルとゴーレムに預けつつ、魔法で援護。さすがは高位の魔神だけあって、その気迫は人族の動きを鈍らせる。でも、魔神使いの弟子である私にはその手は通じない。格が違うとはいえ、テラービーストなら師匠の下で見たことがある。最後にはカルディオの銃弾が暗き底の主を撃ち果たした。無残な叫び声をあげて消え去る魔神の様を、カルディオは晴れやかな顔で見ていた。これで彼の復讐は遂げられた。
 そして、魔神達を下し家族を救ったカティアもまた、最後に無様に這いつくばったキャラウェイの首を掴み、去って行く。彼女の無念も雪がれたのだ。復讐を遂げたあなたたちに、ミリッツァ様の祝福があらんことを。

コカトリス退治
白紙のページ

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 10,000 7,200 80 筋力×4
生命×1
知力×1
2021/06/27 一回目の成長 1,460 精神
1ゾロ×1(50点)
2021/07/11 二回目の成長(パルアケ) 2,560 器用
生命
1ゾロ×1(50点)
2021/07/22 三回目の成長(クルツホルム) 1,560 4,000 器用
1ゾロ×2(100点)
2021/07/22 四回目の成長(クルツホルム) 1,750 筋力
2021/08/07 五回目の成長(イーサミエ) 6,610 15,000 精神
精神
生命
器用
1ゾロ×1(50点)
2021/08/28 六回目の成長(リイネス) 4,940 15,000 筋力
生命
1ゾロ×1(50点)
2021/12/18 七回目の成長(山岳の集落) 3,200 10,000 241 筋力
1ゾロ×2(100点)
2022/01/09 八回目の成長(トゥルヒダール) 7,010 15,000 器用
器用
生命
1ゾロ×3(150点)
2022/01/29 九回目の成長(パルアケ) 3,270 10,000 57 敏捷
2022/02/19 十回目の成長(リイネス) 3,390 15,000 筋力
1ゾロ×1(50点)
2022/03/19 十一回目の成長(ボスンハムン) 2,610 10,000 敏捷
2022/03/19 十二回目の成長(ボスンハムン) 3,120 10,000 生命
2022/04/10 十三回目の成長(ボスンハムン) 7,400 15,000 212 筋力
ピンゾロ×3(150点)
2022/08/06 十四回目の成長(雪森) 5,280 20,000 器用
ピンゾロ×1(50点)
2022/09/24 十五回目の成長(オクスシルダ) 2,600 20,000 知力
2022/09/24 十六回目の成長(エルヤビビ) 2,690 25,000 知力
2022/10/22 十七回目の成長(凍原) 4,310 15,000 166 生命
ピンゾロ×1
2022/11/26 十八回目の成長(オクスシルダ) 3,760 55,000 生命
ピンゾロ×1
2022/12/29 十九回目の成長(オクスシルダ・ラスボス前) 2,420 23,500 精神
ピンゾロ×3
2023/01/07 オクスシルダの英雄
取得総計 79,940 284,700 756 32

収支履歴

パーティー共有資金から::+2000
アイソアーマスク::-2000
サーベル::-190
スマルティエの怪力の腕輪::-900
スマルティエの宗匠の腕輪::-900
ブレストアーマー::-1000
ラウンドシールド::-100
冒険者セット::-100
サークレット::-20
ピアス×2::-16
召異の刺青::-100
〈小魔の封入具〉武器への加工::-200
送還供物(750G分)::-750
動物の毛皮×3::-120
宝石::-300
エビ::-60
保存食(1週間分)::-50
魔香草×3::-300
ヒーリングポーション::-100
着替えセット::-10
羽根ペン::-2
インク::-3
白紙の本::-30
調理道具セット::-50
手鏡(S)::-50
スマルティエのラリエット::-260
アウェイクポーション×3::-300
薬師道具セット::-200
スカウト用ツール::-100
ヴェール::-40
魔晶石(3点)×2::-600
魔晶石(5点)×1::-500

★2021年7月22日
パーティー資金から借金::1000
ピラー::-880
〈小魔の封入具〉武器への加工::-200
ブラックベルト::-3000
宝石×1::-150
タコの足×1::-100
召喚供物::-400

★2021年8月7日

★2021年8月9日
スマルティエのロングマント(フード付き)::-300
ピアスのスマルティエ化::-250
ブラックベルトの多機能化(20名誉点)::-1000
アルケミーキット::-200
大きな手袋::-8000
アールシェピース::-480
〈小魔の封入具〉加工::-200
カイトシールド::-500
パーティー資金への借金返済::-1000
宝石×2::-300
コウモリの羽×2::-120
召喚供物::-200
マテリアルカード(緑A)×5::-1000

★2021年8月28日
宝石×2::-300
折れた角×2::-120
アリクイの舌×2::-200
仮面×2::-120
マテリアルカード(緑A)×5::-1000
召喚供物::-1550
アビス強化::-4000
スマルティエのサークレット::-270

★2021年12月18日
折れた角×1::-60
マテリアルカード(緑A)×9::-1800
召喚供物::-650
マナチャージクリスタル(5点)::-2500
魔晶石(3点)×2::-600

★2022年1月9日
盾徽章::-1000

★2022年1月29日
スマルティエの風切り布::-25000
ラウンドシールド::50
サーベル::95
セービングマント::4000
スマルティエのヘッドバンド::-6000

★2022年2月19日
牙×4::-800
穿山甲の舌×2::-200
上質なつる×2::-120
黒い外套×2::-100
召喚供物(1750G分)::-1750
動物の毛皮×2::40
タコの足×1::50
エビ×3::30
仮面×2::60
折れた角×2::60
ピラー::440

★2022年3月19日
スマルティエの銀鈴::-7500
スマルティエの防寒着::-330
召喚供物(1200G分)::-1200
牙::-200

★2022年4月9日
ラル=ヴェイネの金鎖::-7500
防寒着をラル=ヴェイネに::-250
ウェポンホルダー改::-5000
炎嵐の盾::-7900
盾徽章::-1000
アールシェピースの魔法の武器化::-10000G

★2022年4月10日
召喚供物(1750G分)::-1750
牙::-200
ドラゴンスケイル::-4500
ドラゴンスケイルのアビス強化::-8000
魔晶石(5点)×2::-1000
月光の護符::-500

★2022年9月24日
亜龍鱗::-1400
召喚供物::-3000
炎嵐の盾のマナタイト加工::-5000
炎嵐の盾のアビス強化::-2000
ラル=ヴェイネの防寒具::125
ラル=ヴェイネの肩掛け::-15000
宝石(500G)×2::-1000
大型魚(500G)×2::-1000
送還供物::-2000
温泉代::-50
アールシェピースのイグニダイト加工::-10000
アールシェピースのオーダーメイド(+2)::-2000
魔晶石(10点)::-2000

★2022/11/26
魔晶石(10点分)×7::-14000
魔晶石(5点分)×7::-3500
送還供物(5000G分)::-5000
ドラゴンスケイルの魔法の鎧可::-20000
宝石×2売却::150
アリクイの舌×1売却::50
牙×1売却::100
穿山甲の舌×2売却::100
上質なつる×2売却::60
黒い外套×2売却::50
人族の血液×2::-400
白い外套::-200
マナチャージクリスタル(5点)×2::-5000
スカーレットポーション×2::-2800
アンチマジックポーション×2::-6000
月光の魔符(+2)×3::-4500
マテリアルカード(緑S)×3::-6000
マテリアルカード(緑A)×4::-800
象の鼻::-500
宝石(500G)::-500
送還供物(5000G分)::-5000
スピードポーション::-2000
熱狂の酒::-980
魔晶石(3点)×5::-1500

★2022/12/29
送還供物(1500G分)::-1500
亜龍鱗::-700
魔晶石(10点分)×4::-2000
魔晶石(5点分)×3::-1500
魔晶石(3点)×2::-600
マテリアルカード(緑A)×2::-400
マテリアルカード(緑S)×2::-4000
セシルに渡す::-20300
魔晶石(3点)×10::-3000
軽い羽ペン::-50
魔法文明の本::-340
ヒーターシールド::-1000
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