・｢負けず嫌い｣と評されたことがある
・近所に芸術家が住んでいる
・臨死体験をしたことがある

・失われた家門を取り戻すため

長い間眠っていた気がする。真っ暗な建物から外へと体が動く。
初めて見た物は黒く濁った青空と荒れ果てた大地。
記憶は霞がかかったようで自分がなぜここに居るかは分からない。
それでもはっきりと理解できることがある。
自分が誇り高い“貴族”、“オ族”の血統である“ヤシロ”だということ。
ふと上を見上げる。空は静寂に包まれて、辺りの木々を風が撫でていく。
…思い出す必要も無く分かる。どうやら“オ族”の名は衰退しているようだと。

現在の世に“オ族”の名を知っている者はいるのだろうか。だが…かまわん。我がいればそれでいい。
我が守るべき愚民どもを導いてやる。
どんな苦難にも絶対に屈することはない。この呪われた世界に負けることなど絶対に許さない。
ただただ見ているがいい。ただただ無価値なこの美しい世界に刻み込んでみせよう。

“オ族”の“オヤシロ”の名を。

…それで良いのでしょう。思い出せに我が主。
あなたに教えてもらった“高貴なる者の義務”を我は忘れない。
いつの間にか握った拳に自然と力がこもる。ふと笑みが漏れる。

｢グッグッグ…。我は誇り高き“ヤシロ”の末裔。手始めにこの世界を浄化していくとしよう！｣

どこまでも静寂な中に不適に響く笑い声。高らかに宣言する“オ族”の証。

…声は次第に遠くなり、闇へと溶けていった。…グッグッグ。

“オ族”の誇りのため、“ヤシロ”の家門の復権のため…冒険が始まる。

長い間眠っていた気がする。真っ暗な建物から外へと体が動く。
初めて見た物は黒く濁った青空と荒れ果てた大地。
記憶は霞がかかったようで自分がなぜここに居るかは分からない。
それでもはっきりと理解できることがある。
自分が誇り高い“貴族”、“オ族”の血統である“ヤシロ”だということ。
ふと上を見上げる。空は静寂に包まれて、辺りの木々を風が撫でていく。
…思い出す必要も無く分かる。どうやら“オ族”の名は衰退しているようだと。

現在の世に“オ族”の名を知っている者はいるのだろうか。だが…かまわん。我がいればそれでいい。
我が守るべき愚民どもを導いてやる。
どんな苦難にも絶対に屈することはない。この呪われた世界に負けることなど絶対に許さない。
ただただ見ているがいい。ただただ無価値なこの美しい世界に刻み込んでみせよう。

“オ族”の“オヤシロ”の名を。

…それで良いのでしょう。思い出せに我が主。
あなたに教えてもらった“高貴なる者の義務”を我は忘れない。
いつの間にか握った拳に自然と力がこもる。ふと笑みが漏れる。

｢グッグッグ…。我は誇り高き“ヤシロ”の末裔。手始めにこの世界を浄化していくとしよう！｣

どこまでも静寂な中に不適に響く笑い声。高らかに宣言する“オ族”の証。

…声は次第に遠くなり、闇へと溶けていった。…グッグッグ。

“オ族”の誇りのため、“ヤシロ”の家門の復権のため…冒険が始まる。

今この世界がどのようになっているのか我には分からない。どうやら世界は目まぐるしい変化しているようだ。そんなことが関係あるだろうか？いやない。オヤシロの名を轟かすことなど容易いこと。グッグッグ。手始めにまずはこの町から我が眷属にするのも一考。市民から冒険者を集めていると声をかけられた。我は冒険者では無いのだが。しかし冒険者という言葉には少し心動く者がある。我のオヤシロの血が騒ぐような…。グッグッグ。気の迷いだろうが面白い。我が矜持を見せつけることにしよう。教えられた広場に着くと多くの者が集まっている。そこで、兵士がグループを分けると言い、我を含めた5人で組まされた。冒険者？できること？何を話しているのかよく分からん。分かれば良いのは私がオヤシロであるということ。グッグッグ。仕方あるまい、この愚民どもを我が導いてくれよう。雉が鳴くつんざくような声で周りの様子が変わった。否、変わり落とされた。蛮族どもが攻めてきたのだ。我と組んだ冒険者とやらは必死に市民を守りながら戦っている。弱者を助けることこそ強者の、貴族の義務。健気に弱き者を守ろうとする姿。なかなか骨のありそうな愚民ではないか。グッグッグ。面白い。よかろうこのオルファリル・オ・ヤシロ、冒険者としてこの街を守り抜いてみせよう！

つまらない。冒険者となったのはよいが、冒険者とはなんともいえぬ程度の低さよ。どこもかしこも矜持を待たぬ者ばかりで興ざめだ。しかし…。グッグッグ。見所のある者もいるようだ。リロック、クラース、ミック、レギウス。そして新たに出会った者、アキレス。我らがオ族、オヤシロに連なるにはまだ足りぬが、十分だ。我が導いてやろう…。
我らの活躍を聞きつけて、この国の主から依頼を受けることとなった。ふん、その見極めの良さは褒めてやろう。物腰の柔らかい態度、穏やかな雰囲気の王だ。昔は強大な力を持っていたそうだが…許せんな。力を持つ者は傲慢であるべき、いや傲慢でなけらばならない。それが分からぬ者は、王の器ではないだろう。簡単に頭下げるなと一喝してやったら、レギウスとクラース女子に怒られてしまった。なぜ分からぬか、オヤシロの使命を…。
王からは、自分の祖父である者から指南を受けろと命じられた。逆にその者がオヤシロに呑まれぬよう祈っておくがいい。グッグッグ。その者が居るところまで山を越えいくこととなったが低い。低すぎる。この程度の山を登ることなど無価値だ。しかし、我が眷属たちがやる気ならそれを止めることなどできない。グッグッグ。かわいい奴らよ。
山は順調に登ることができ、小さな村へと辿り着いた。不穏な話を聞いた。どうやら行方不明の男がいるらしい。その男が住んでいた曰く付き物件に泊まることとなった。日誌のような者を見つける｢空の王者に気をつけろ。｣
次の日、村を起つ。しばらく進むと天空より貫くような高い咆哮が聞こえ、群れをなして襲いかかってきた。
こいつらが空の王だと？グッグッグ。笑わせてくれる。どちらが餌になるか、その身で分からせてやろう。

冒険者としての技量を上げるべく、遙か高い山を越え、辿り着いたその場所に。しかしまぁ…当然にして然るべき。オヤシロにとってこの程度の山は遙かな高みと言うには言葉が過ぎる。グッグッグ。
ある男に指南を受けろとここまで来た。が、バルディッシュとやら貴様が我をさらなる高みへと連れて行こうなど笑止千万片腹痛し！さらに、我に炭鉱夫になれとは天地が許そうとこの“オ族”の“ヤシロ”である“オヤシロ”が許せる道理はない。グッグッグ。さぁ、童子よ。少し灸を据えてやらねばなるまい。
…………………………。
グッグッグ。痛いな。なかなか良い度胸だ。我への恐ろしさを必死に堪え立ち向かう姿、その点だけは褒めてやろう。貴様もまた、オヤシロの末端に加えてやるのも面白い。今回はバルディッシュの蛮勇と我の誇り高く腫れあがった、鮮血の頬の寛大さに免じて修行とやらに興じてやろう！
我にとってはぬるい修行が終わり、町へと戻る際、怪しげな男どもがうろついておる。なんとも目障りだ、我が一蹴してやろうとすると、シーザーが草むらに飛び込んでいきこちらに連れてきおったか。ふむ、さすが動きが速い。我に手間をかけさせないとは褒めて使わそう。む？この人間ども魔物を従わせているのか？グッグッグ。戯けが、この世界で何かを従わすことができるのは“オヤシロ”のみ。不運だったな貴様ら。我は今、鬱憤がたまっておる。貴様らは“オヤシロ”のは必要なし…。
こやつらを散らしてやる。たわいもない。どうやらこの近辺で戦争が起こるそうだ。人の争いに興味など無いが、“オヤシロ”の贄は生煮えでは困る。そうだな、もうしばらく、こいつら冒険者と戯れることとしよう。

グッグッグ。グランゼールが悪しき奈落教大教会から攻められてらしい。まったく面白事をしてくれおる…。バルディッシュからハーヴェス王国へと伝言を頼まれた。我を…オヤシロを駒に使うとはまったくやってくれおる。よかろう、その狂言を後悔することがないようヤシロに祈っておくがよい！ハーヴェス王国へ辿り着くと、門番が険しい顔で我達を迎え入れられた。うむ、まったく殊勝な心がけだなぁ。グッグッグ…ご苦労ご苦労。ハーヴェス国王の話によるとハーヴェス王国はグランゼールの負傷兵を受け入れてはいるが、それで手一杯であるという。ふん、それどころか市民が負傷兵の受け入れに対して反乱をおこし、沈めることもままならないだと…？王たる者が情けない！ヤシロはオヤシロ。税を貪る市民共に地に頭を埋めることができる喜びをい教えてやろう。我の寛容さに感謝するとよい。グッグッグ。
町に出向くと、なにやら癪に障る連中がほざいておる。どうやら、こやつらが周りの市民を先導しておるようだ。ボスと呼ばれる大物YouTuber…騒がしい奴だ。まぁ関係ない、かかってこい。奴もオヤシロの眷属に加えてやろう。ようこそ、我らのオヤシロに。
…………………………。
我が愛しき末端と、我が眷属の奮闘により蜘蛛の子を散らしてやったわ。拘束をしていたはずの大物YouTuberは雲を巻くように
逃げ去って行ったわ。あっぱれな者よ。
ハーヴェス国王の命によると次に向う先は、マカジャハット王国・ミラージ共和連邦のどちらかに向かえと言う。また我の旅路に皆が跪くのだろう…グッグッグ。