容姿・経歴・その他メモ

　かつて従者がいた。

　投獄されたことがある。

　タビットが好き。

　見分を広めるため。

　冤罪で投獄されていたが、アリバイが成立し釈放された。しかし、また疑われたため、身の潔白を証明するために反攻作戦に参　　　加することにした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【シルト投獄事件・詳細】

　ドーデン地方キングスレイ鉄鋼共和国、首都キングスフォールのグランドターミナル駅にて、線路を破壊した容疑で逮捕された。

　「鉄道網で大陸を繋ぎ、交易によってすべてを栄えさせる」を国是とするキングスレイ鉄鋼共和国で、線路を破壊するという行為は大罪である。しかも、首都キングスフォールは最大のハブステーションを持つ交通の要であり、キングスレイにとって最重要な都市でとなれば、死刑に処されても誰も疑問を呈さない程である。

　キングスフォールの南地区は他と比べて治安が悪いが、それでも線路の破壊行為に及ぶものはほとんどいない。しかし、今回は違った。南から首都に伸びる線路の一部が絶たれていたのだ、それもかなりの力で幾度も叩きつけられた痕跡を残して。

　シルトはリルドラケンである。ヘビーメイスとタワーシールドにプレートアーマーを身に着けた状態で、飛行を可能にするほどの筋力を持っている。更に、シルトは目立つ。とても目立つ。リルドラケンの中でも大きく頑強な角に、岩のように重厚な鱗と、力強さを感じさせる翼、鉄板を重ね合わせたように堅牢で、竜の牙のような棘を生やした強靭な尾を持ち合わせている。それに加えて、実用性を失わないながらも華美な装飾が施された鎧と盾、荘厳さを感じさせるメイスを背負っている。

　上記のような威圧感とある種の神聖さを感じさせる容姿で、優雅な所作と敬虔さがあることによってリルドラケンとしては、成人したばかりの年齢でしかないことを感じさせない。ティーセットを持ち歩き、冒険中でも料理を自らで行い野宿をするときはテントを張る、これらの行為によって冒険者や関わった人間の印象に強く残ってしまう。

　冒険者として数年堅実に活動しているにも拘わらず、今回の事件の容疑者として挙がってしまったのは、彼自身の目立ちすぎる部分が大きく関係していることだろう。確かに、事件の時期に南からキングスフォールにやってきたことは事実だ。線路を彼一人で破壊することも出来るし、単独行動が多く、近寄りがたい雰囲気のせいで目撃者も現れなかった。

　勿論、シルトは容疑者として尋問された際に穏便に否定し、出来る限りの証拠を提出した上で全ての場で公正な証言を行った。しかし、彼以外の容疑者がキングスフォール内で見つかることは無かった。どうしようもなくなったシルトが、牢獄で処刑の時を待っていると、キリアンが弁護人として名乗りを上げた。

　そこからは、キリアンがルキに対して聞き込みを行い、ヴィヴィアンの仲裁から真相が判明し、答えから逆走して証拠を探すことによってアリバイが成立、一転し無実が証明された。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【シルト釈放後】
　確かに、彼の無実は証明された。しかし、シルトほど目立つ人物が、一度投獄されたことによる影響は大きく、事件を風聞でしか聞いてないような者たちからは、未だに疑いの目を向けられることがあった。

　そこでシルトは、別の活躍で評判を塗り替えることが出来れば、この汚名を返上することが出来ると考え、神官戦士として順当に名を上げていたことから依頼された、オクスシルダでの魔人反攻作戦に参加することを決意した。

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