フィラカスは、若い衛兵を率いている衛兵隊の 小隊長です。任務に忠実で、小隊長としての強い責任感を抱いています。また、住人を守るためなら身を投げ出す覚悟を持ち、法律や規則よりも、人情やその時々の必要を重んじる柔軟性もあります。普段は、部下とともに街中を巡回警備しています。

フィラカスが衛兵になって30年以上が経っています。いまでは住人の多くが彼に助けられた経験を持っており、街でもっとも頼りにされている衛兵のひとりとなっています。

そんなフィラカスですが、最近ではそろそろ衛兵を引退すべきかもしれないと悩んでいます。血気盛んな若い衛兵たちはすぐに結果を求めたがり、豊富な経験に裏打ちされた彼の堅実な訓練や部隊の運用方針に対して不満ばかり漏らしています。それに対して、フィラカスが経験談を話すと、むかしの苦労話がはじまったと煙たがられる始末です。さらに、長い勤務実績といくつかの功績によって、上役からは扱いにくいと思われています。自分に対するこれらの感情を、フィラカスは察しており、居心地の悪い思いをしているのです。

フィラカスは、街を知り尽くしており、ほとんどの住人と顔見知りです。また、地下水道にも詳しく、地下水道内や貧民街で暮らすはぐれ者たちにも顔が利きます。

フィラカスと「顔見知り」以上なら、巡回中の彼から声をかけられ、いま街で起こっている事件や危険な場所、怪しい人物などについて警告してもらえます。また、彼が事件の調査をしている場合は協力を要請されるかもしれません。逆に、 PCが問題を抱えている場合は、彼の職務に影響がない範囲で手助けしてもらえるかもしれません。

フィラカスと「友人」以上なら、街中や住人、任務上に知り得た事柄について教えてもらえます。
また、PCから助けを求められた場合は、法律に反しない範囲内で積極的に協力してくれます。

もし「貴重な友人」なら、フィラカスは法律や衛兵隊の規律、上司の命令に背いたとしても、PCを助けてくれます。
彼は、PCから助けを求められなくても、その窮地を察知した場合には積極的に駆けつけてくれます。
GMは、PCが自分ではどうしようもない危機に陥った時、フィラカスを登場させ、その窮地から脱する演出を行ってもかまいません。

ソルジャー技能で行える判定

①応急手当判定[器用度](⇒『I』109頁)
②跳躍判定[敏捷度](⇒『I』121頁)
③登攀判定[敏捷度][筋力](⇒『I』112頁、121頁)
④腕力判定[筋力](⇒『I』122頁)
⑤生死判定[生命力](⇒『I』118頁)
⑥軍事知識判定[知力]
⑦長距離移動判定[生命力]
⑧統率判定[精神力]

⑥軍事知識判定[知力]
所要時間:10秒 (1ラウンド)
解説: 兵士としての規律や軍事に関する知識など、兵士として必要とされるあらゆる分野の知識を活かすための判定です。

⑦長距離移動判定[生命力]
所要時間:1時間
解説:重装備のまま、長距離を一定のペース (約時速4キロ) で歩き続けるための判定です。達成値が高いほど、遠くまで移動することができます。途中に険しい地形(山や森林な ど)があれば、ペナルティ修正を受けます (GM判断)。
判定に失敗した者は、隊から落伍します。落伍者を出さないためには、一番低い達成値の者に合わせて、行軍速度を 落とすこととなります。

⑧統率判定[精神力]
所要時間:10秒 (1ラウンド)
解説:部下に指示や命令を出し、それを迅速に実行させるた めの判定です。訓練された部下へ一般的な指示を出すのに判定の必要はありませんが、突発的な事態や複雑な状況、特に命の危険が予想される場面などでは、相応の達成値が必要です。訓練されていない人々を率いる際も、判定が必要となります。　
統率する人数が多くなれば、それだけ必要とされる達成値 も高くなります。