容姿・経歴・その他メモ

ハーヴェス王国の王立騎士団に仕える騎士の家である、ファーストスピア家の長女として生を受ける。
幼い頃から武勇の才に秀で、男兄弟に混じって武術の訓練を嗜んでいた。

彼女が14歳の時、幸せだった人生に暗い転機が訪れる。
ハーヴェス王が主催する祝宴の場において、父・クラウスがハーヴェス王国の貴族であるスローター伯の怒りを買ってしまったのだ。
スローター伯は当時のハーヴェス王の夫人から特に寵愛を受けていた。
父・クラウスが横領の罪で騎士の身分をはく奪され、拘禁されるのにそう時間はかからなかった。

スローター伯の屋敷に真新しい離れが建った頃、彼女の姿は郊外の村にあった。
凋落した家族の為、彼女は男兄弟と共に村の護衛で生計を立てていた。
護衛の任に危険はつきものである。彼女の男兄弟は蛮族との戦いの中で、一人また一人と命を落としていった。
しかし、彼女だけは違った。持ち前の武勇の才と天賦の幸運で、次々と死線を潜り抜けていった。

彼女が50代に差し掛かろうとした頃、ある出会いが訪れた。
当時、彼女はある村の雇われ自警団長の任についていた。
村の近くに発生した"奈落の魔域"の掃討の折、彼女の率いる自警団は全滅の危機に直面した。
その"奈落の魔域"には、彼女がこれまでに対峙したことが無いほどの強力な魔神が存在していたのだ。
彼女以外の自警団員は皆命を落とし、彼女もまた魔神の死牙の前に生を散らそうとしていた。

彼女は助かった。魔神は死んだ。
自警団が守っていた村には、凱旋する冒険者の姿があった。
歴戦の屈強なファイターに背負われた彼女は、その瞼の裏で魔神がただ一刀の下に斬り伏せられた光景を反芻していた。
これまでの人生を日々を生き延びる為だけに奔走してきた彼女は、その日初めて、人生の中で目指すべき目標を見出した。

彼女―ジョセフィーネは老齢だが、倒し難い老獪なファイターである。
一つ結びに添えられた白いリボンは、ただ生きる為ではなく、冒険者として人々を救うという決意の証だろうか。

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