容姿・経歴・その他メモ

アビスカース。嘆きの
真面目な男性。己の特性を嫌悪しながらも利用している。体を拭くたびに見えるその部位が己の心情を物語っているようで好きではない。人を守ることを生きがいとしている。戦闘は嫌いだが守るためにやっている。力が強くなければ意見は通せないのだから。


彼は罪を犯している。それはアビスボーンとして生まれたこと。体の腹部が暗紫色の皮で覆われているのが彼の常だ。その色のせいで、彼は迫害を受けていた。それは愛してくれた家族も一緒だ。だから彼らはその土地から逃げた。迫害を受けることのないように、迫害をしない街へいくために。逃げた先で彼は腹部を隠した。もう決してバレないように。周りに弱く見られないために鍛え始めもした。彼は、家族と共に平和な日々を過ごしていた。
しかし、ある日家族は一つの持ち物だけを遺してこの世を去った。依頼を受けた先で強大な敵にやられてしまったらしい。残されたマントを縫い合わせてロングマントにし、彼は肌身離さず着用している。

彼は後悔している。その場にいなかったことを。自分のこの皮で家族を守れたのではないかというたらればを考えてしまった。だが、幼かった彼にそれはできる筈がなかった。力が足りなかった。守るべき力が。
そこからは、ずっとその土地で冒険者として過ごしていたが、その活躍が認められたのか百人隊長として抜擢された。今度は、守るんだ。多くの人々を。

彼は固執している。人を守ることを。性格ゆえかもしれないが真面目に、熾烈に目の前の脅威を他のものに行かないように対処していた。しかし、人1人で抱えられる命など少ないもので。目の前で死んでいく人を見るたびに、後悔がちらつく。己の力のなさに。絶望が心を満たしていく。仲間が死んでいく。同じ意思を持っていた仲間が。民が叫び声を上げて死んでいく。守りたいものが。
最後に残ったのは本当に少ない人数で。疼くわけもない皮が疼いた。

彼の体はより固くなっていく。それは憤怒か経験ゆえか。彼の生まれた時からあった皮は頑丈になっていく。より濃く、暗く。彼の深く深くから湧き起こる感情を表すかのように。

彼は、歩みを止めない。止めることを許さない。血を吐いてでもその体で人を守れ。そのために人より丈夫に生まれてきたのだから。家族のように、撤退戦の時のように犠牲を生み出すな。足に枷はない。どこに行くでも遮られないように。倒れても立ち上がれ。その術がお前にはある。死んだとしても、全てを賭せ。そして生きて守れ。


彼の行動は全て守ることに集中している。目の前でもう全てが無くならないように。命の切り捨てが起こらないようにするため。

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