東方で生まれ、故郷の流行り病を解決すべく最初は薬学について学んでいた。
才能が有り、見る見るうちにその技術を取り入れ流行り病の特効薬を製作しこの問題を解決すると、その次は知的好奇心からより多くの薬学を学ぶべく、西方へと向かう決意をする。
当時、船舶技術が発達していなかったため大半を大陸を横断する形で渡っており、古くから生きている者からは"大陸渡り"の異名を持つことになる。

西方に到着し、そこでは薬品を提供しつつ傭兵として日銭を稼ぎながら薬学の勉強に励む。
しかし、西方は東方に比べ神の影響が強く、薬学の知識の進展は非常に遅いもので、更に時には批判されることまであった。

長年の研究を経て徐々に知的好奇心も薄れつつあり、そろそろ東方に戻ろうかと考えていたある日の事、当時の雇い主の娘と会うことになる。
非常に病弱でありながらも前向きな彼女に何処か惹かれ、そして当時遠征の多かった両親に代わり面倒を見ている内に、彼女から目が離せなくなる。

病弱な彼女に自身の作れる中でも出来る限りいい品質の薬を処方しつつ、彼女の希望に沿い戦闘の訓練や勉学を教え込んでいる内に、何時しか彼女の心の一部として少女は存在していた。

行年の年月が過ぎたある日の事、自身と両親が遠征において大事件に遭遇し、予定よりも非常に遅れて館に帰ったときのこと。
街は既に火の海となっており、館は灰と化していた。
そして多くの者が殺害、行方不明となっており、僅かに生き残った者も自分が生き残ることに必死で状況を把握できていなかった。

暫くし両親が足場を再び整えた時、ここで契約を打ち切り旅に出ることにする。
目的は当然、少女の探索である。
少女を見つけ、そして願わくば共に過ごすことを提案しようと考えている。
あの子は非常に強い子であることは、技を仕込み、知恵を与えた私には分かっている。

1.Comを発見し、共に暮らす
2.Comがダメだと言うなら、せめて共に旅をする

口数は少なく、丁寧な喋りを意識している。
冷静沈着であり、如何なる状況であっても感情より理論を優先して動く。
ただし、Comが絡めば状況次第ではその限りではない。

誰に対しても優しく、分け隔てなく接するが、心を許している対象は5本の指で事足りるだろう。

高身長で顔立ちが中立的であり、性格も相まって数多の女性を惑わせている。
しかし、女性的特徴は薄く、その点に関してはなんと13歳時点のCom(離れ離れ直前の年)に追い抜かれている。
お風呂場でその事実を目の当たりにし、次の日ちょっとだけComの訓練を厳しくしたのはここだけの話だ。

次に会ったとき、更なる成長をしていないことを祈る彼女だが、残念ながらその願いは虚空の彼方。

最初は目の離せない少女、と言った位置付けであったが、面倒を見ていくにつれ次第に親にも似た気持ちを抱くようになる。
もしかすると、好感を抱いているのかもしれないし、そうでないかもしれない。
少なくとも、彼女が心の一部であることには変わりない。
例えどんな姿になっても、彼女の生涯の傍にあり続けたいとも思っている。

だがもし、Comに何某かのことがあれば...その時は冷静でいられないかもしれない。
もしかすると感情的になり、単身Comの為だけに動き、他の者を危機に晒すかもしれない。

彼女の薬師としての腕前は目を見張るものがある。
Comは彼女の処方する薬のお陰で、今病弱から回復し、冒険を行うことができている。
また、時間と材料さえあれば、如何なる秘薬ですら作って見せる。
ただし、製造方法が分からない場合は、物によっては幾年もの歳月を製作に費やすことだろう。

ただし、非常に苦い。
Com曰く「死ぬほど苦い」らしい。
これは良薬は口に苦し、という言葉を信じる彼女だからこそこの苦さだ。
にしたって苦い、Comが薬が苦手となるのも分かる程だ。