ヴァスモネ(人間形態)
- 知能
- 高い
- 知覚
- 魔法
- 反応
- 敵対的
- 穢れ
- 4
- 言語
- 生息地
- 知名度/弱点値
- /
- 弱点
- 先制値
- 移動速度
| 攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ― | ― | ― | ― | ― | ― |
特殊能力
なし
解説
ヴァスモーネは、燃え立つ紅蓮の髪と灼熱の琥珀眼を備えた、美しき女王の姿をした蛮族です。
しかしその肉体は、皮膚も衣も髪すらも、すべてが光の断片と魔力の編束によって保たれた「純エネルギーの塊」であり、その存在自体が、物理法則と生命の権利を超越する圧を周囲に押し付けています。
彼女の輪郭から発される輝きは、温度や音を持たず、世界そのものに「これは正しい」という論理を強制する熱として遍在し、あらゆるものを無言で従わせます。
ヴァスモーネはダハーシュを支配する四柱の上位蛮族の一柱にして、「契約」「支配」「連鎖」を司る存在であり、その起源は魔術文明の終末期、神格炉の暴走から偶発的に生まれた魔法生物に近い蛮族です。
彼女は「燃やすために生まれた」のではなく「契約の違反を定義するために誕生してしまった」異端の理性であり、その言葉はつねに整然とし、冷静で、ひとつの感情も見せずに「同意の支配」という名の正義を提示します。
ヴァスモーネは強制もしなければ誘惑もしません。ただ契約の「機会」を与えるのです。
同意を得た瞬間に、その背から伸びる灼熱の鎖(エナジーリンク)が対象の魂へと接続され、意思や信条を奪うことなく、その行動原理だけを拘束します。
その鎖は絆ではなく「法」であり、契約条文の一語一句が魂の根幹を縛る枷となるのです。
そして一度でも「破棄」が認定されれば、ヴァスモーネの魔力は収束と圧縮を超え、対象ごと約定そのものを焼却処理する「執行」へと移行します。
彼女は怒りを見せません。感情を介さず、処罰と焼却の正当性を「契約の不備」として静かに提示するだけです。
しかし、ヴァスモーネ自身にとって深い侮辱や欺瞞と判断された場合、そのエネルギー構造は制御を離れ、「複数のエネルギー製ドラゴン」へと分裂します。
これらは知性を持たず、かつて交わされたあらゆる契約の残骸を具現化したものであり、ただ「過去に一度でも約定に触れたことがある者」を無差別に焼き払おうと飛翔します。
ヴァスモーネにとって、これは自己犠牲ではなく「法の秩序が崩壊した状態」──すなわち世界のエラーであり、自壊的執行権の発動と等価です。
なぜなら、彼女自身が持つ最終契約条文はただひとつ──「すべての契約が終わったとき、私は消えてよい」という一行にすぎず、それがある限り、ヴァスモーネは自らを焼きながらも、その条文を守り続ける「法そのものの亡霊」なのです。
彼女にとって力とは感情ではなく、秩序の炎であり、支配とは救済ではなく、「選ばせた結果」への確定処理です。
その冷たく明晰な正義こそが、他の上位蛮族たちからも忌避され、恐れられている最大の理由にほかなりません。
なぜなら、彼女は徹底的に──そして絶望的に、「正しい」からです。