容姿・経歴・その他メモ

「あなたは理によりて導かれたか、理を歪めてここに立つか、どちらなのでしょうね」

経歴

過去に仕えた主がいた／自殺を試みたことがある

冒険に出た理由

？？？になるため ──この情報は秘匿されています

一般技能レベル

家政婦：レベル５

人物

　様々な土地を放浪する、右目に花を咲かせた隻眼のメリアの女性。森羅導師としての高い技量と、蹴り技を主体とした近接格闘術を身につけている。その森羅魔法の腕前とは裏腹に、一般的な森羅導師とは違った思想を持って行動しているようだ。

　人前では常にメイド服を着ているが、今現在誰かに仕えているというわけではなく、過去に仕えていた主を想っての装いなのだという。格闘術はメイド時代に習得したものらしく、森羅魔法は主を亡くした後に会得したものである。

　いつも穏やかな表情で人と接するが、その実内心では何を考えているのかわからないと評される人物。誰に対しても侮ったところのない接し方をし、善意を向けてくる人には善意を、悪意を向けてくる人には悪意をそのまま返すので、彼女の本心を引き出すのは容易ではない。

　森羅導師としてのフェアギスを表現するならば「異端」の一言で済む。その最も特異な点として、彼女にとっての世界の理とは「この世に成立しているすべての理」であり、森羅導師の否定する魔神やアンデッドといった存在に対しても「起こった事象をありのままに受け入れる」ことを良しとする彼女の思想は、正しく異端と称するほかないだろう。彼女の言を借りるならば「歪められた理もまた一つの理なのです。それは時に古い理を超越し新たな理への導となることもありましょう」とのこと。

　フェアギスという女性の特筆すべき点を１つ挙げるならば、その存在感の稀薄さがあるだろう。それは目立たないという意味ではなく「生の気配が薄い」という意味で、である。簡単に言うならば、まるで生きていないようだ、ということだ。ここで明確に断っておく必要があることとして、彼女は「死んでいるようなのではなく、生きていないようだ」ということである。それゆえに彼女は“夢を見る花(ｲﾝﾌｪｸﾄ ﾒﾓﾘｴ)”という二つ名で呼ばれることとなったのだ。
　そして、そんな彼女と相対した者は往々にして、その稀薄な存在感からは想像もつかない異様な圧力を感じることになる。その由縁は、彼女の抱える紛れもない狂気。正常も異常も、摂理も歪みも、清も濁も、何もかもをありのままに受け取るという、凡そ人の精神では及ばぬものを秘めたが故の果てしない狂気が他を圧するのである。

　戦いにおいての彼女は、殊更に冷酷であると云われる。普段の柔和な表情を崩さずに、その行いは無慈悲の一言。ただ、強者との闘いを好むようで、戦闘中は少々生き生きしているように感じられる。

過去

　彼女は自分の過去を他者に話すことはほとんどない。しかし、喪った主のことだけは別である。その主は彼女にとって親代わりでもあり、また当時の彼女の生きる意味でもあった。人間の男性であった主は天寿を全うし、またそれを見守った彼女もまた毒によって自殺を図ったが、その行動を見越していた主の手によって予め毒薬は睡眠薬に入れ替えられており、彼女は主の後を追うことはならなかったのである。目覚めぬ筈の眠りから覚めた彼女に残されたのは、主の書いた１枚の手紙だった。そこには「私に仕えた君は私と共に死んだ。目覚めた君は、私のためでなく自分のための人生を送ってほしい」と綴られており、主の最期の願いを受け取った彼女は、自分の人生を探す旅をすることにしたとのことである。

　その後の足跡は多くの謎に包まれている。曰く独学で森羅魔法を習得したとのことだが、なぜ彼女は森羅導師を志したのか、いったいいつどこでその修業をしたのか。それを知るものは彼女以外にはいないだろう。

　彼女が冒険者として活動を始めた時分、ブルライト地方西部の侵攻を激化させていた仮面の女ダークナイト「“絶対的救済法(ﾊﾟｰﾌｪｸﾄｺﾝｸﾙｰｼﾞｮﾝ)"エリリス」を一騎打ちの末、撃退を果したことでその勇名を馳せる事となった。その戦いは２日間に及ぶ不眠不休の持久戦であり、メリアの種族的な優位を以ってしてもなお決着をつけることのできない死闘だったという。のちに彼女はエリリスのことを「強靭で勇壮な反抗者であった」と評している。

　余談だが、彼女は少なく見積もっても優に１００歳は超えていると思われる。


「では参りましょう。この身に自然の暴威を纏いて、ただあるべきを為すために」

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