容姿・経歴・その他メモ

プロフィール

・147cm　38kg
・オーレルム地方太陽王国マーティアス出身

経歴

・本来とは異なる性別として育てられた
・命を救われたことがある
・師と呼べる人物がいる

冒険に出た理由

・探しているものがある

その他

・歌が得意。玲瓏な声が人気を博しており、特に宴などでよく褒められている。
・料理が好き。お姉ちゃんたちに褒めてもらいたいから頑張っている。
・貴族としての立ち居振る舞いをある程度心得ている。

履歴

　マーティアスの名だたるティダン神官の家に長女として生まれた。しかしながら、先に生まれ死んでしまった長男の代わりとして産み落とされたため、男性として育てられることになった。男性らしく威厳のある言葉遣いをだとか、武骨な格好をだとかと制限が多く、発達につれて可愛い格好をしている周囲の女の子を羨ましく思ったし、自分らしく生きたいと思っていた。
　そんなある日、両親が奴隷商と関りを持っていたことが発覚し逮捕され、すぐに路頭に迷った。ずっと憧れていた自由を、最も不本意な形で手にしてしまった。これからどうしようと彷徨っているうちに、今度は本当に奴隷商に目を付けられ、そのまま攫われてしまった。それからの生活はひどく辛いもので。いっそ死んでしまおうかと何度も思うほどだった。こんな思いをするならば死んでしまった方がまだ楽だ。そう思わせるほど、"味見"と称して労働と性処理を強いられる生活は耐え難かった。
　どれだけの時が経っただろうか。どこかの誰かに買い取られて運ばれている最中に蛮族の襲撃に遭った。買い手は死に、馬車も壊れ、自分だけが見つからずに生き残った。
　馬車を出て周囲を見回せば、そこは一面の砂漠。"死の砂漠"ゼルガだろうか。ああ、此処で死ぬんだ……と、どこか安心したような気持ちでいた。
　せっかくだからそのあたりを歩いてみよう。そう思い立って周囲を彷徨ううち、オアシスにたどり着いた。どうやら人が暮らしているらしく、いくつもの建物が並んで笑い声が聞こえてくる。そういえばどこかで隠されたオアシスの話を聞いたことがあるような。実在していたのか、それとも違う場所なのかと考えていると、不意に後ろから声をかけられた。
「見ない顔だが、どうかしたのか。そんな恰好で」
　振り向けば、そこには歪な角と皮膜の翼を有した蛮族のような女性と、その手を握る人間の少女の姿があった。
　どう答えたものか戸惑っているうちに彼女らの家に上げてもらい、食事を出されて。そっと一口食べてみて、その温かさに自然と涙が零れた。こんなにも温かいものを口にしたのは久方ぶりで、その熱を感じるとともに安心を覚えたのだ。翼をもつ女性は、そんな自分を優しく抱きしめて、「辛かったな」と一言だけ。つい先ほどまで死にたいとさえ思っていたのに、その言葉でそんな思いも掻き消えてしまった。
　以後は、マカブと呼ばれているらしいそのオアシスで、ノイモーント(ノイお姉ちゃん)なる皮膜の翼を有する女性と、マウアー(マウアーお姉ちゃん)という少女の家に置いてもらえることになった。そればかりか、ルーチェ・グリッツェン(煌めく陽だまり)との名前までもらった。ワリムという古老に魔法を教わりながら自分にできることを探して、細々と。漸く、自分が欲していた自由を得たような気がしていた。
　──その先に待ち受ける運命を、ルーチェ・グリッツェンは未だ知らない。

セッション履歴

収支履歴