容姿・経歴・その他メモ

悪辣な労働環境に嫌気が指し家族総出で逃げ出したダークドワーフの一人娘。労働環境に人一倍うるさい。身長164cm

　少女は一人苦悩する。確かに自分の中では自信作だった。しかし自分はまだ見習い、父の武器と比べればまだまだ幼稚で壊されることは想像に容易かった。
だが…だがこんなにも早く壊されたのか。無惨な姿となった自分の我が子というべき武器を見る。確かに武器はいずれ刃こぼれ潰れ使えなくなるものだ。そして武器というものはそうあるべきなのだ。飾られては意味がない。振ってこそ、使ってこそ、使い手と共にあることこそが肝要なのだと父の教えが頭を巡る。
　我が子の残骸を抱え、殺意を込めて怨敵を見つめる。自然と黒炎が我が子を包み込む。まるで火葬するように、そうしてまた同じ言葉で殴られる。

「モロイ、ブキ、モットガンジョウナブキヲヨコセ」

あぁ、殺そう。少女は去りゆく頭に照準を合わせる。我が子を包んだ黒炎を握りしめた銃にのせ、憎しみを込めて一発　　　

　　　　　　　　　　パァン！

響く破裂音、鍛冶場に朱い朱い柘榴が弾け飛び頬を濡らす。何事かと父が、家族が来る。握るは黒炎帯びる銃、先にあるは物言わぬ肉塊が一つ、娘は全てを諦めた顔をしかすかに笑みを浮かべる。

察した父は一言「逃げよう」そう言うと家族をまとめその日の夜には蛮族の領から逃げ出した。

　自分のせいで居場所が無くなった。どうにか人族の街に住めるようにはなったが元は蛮族側の者。恐れ忌避されるのは自明の理であった。
　それから彼女は笑うようになった。媚びるような自嘲するようなそんな笑みだ。ただ、目だけが蓋を閉めた箱の底のように昏く深い闇を抱えている。

　どうか彼女に幸せを、どうか彼女に希望を、どうか彼女に安寧を。
　これ以上絶望することがないように、これ以上世界に諦めを持たないように。

名前の由来は悪性を意味する『マグナント』腫瘍を意味する『トゥーモア』の合体です。
　どうか彼女が人族に、仲間にとっての悪性腫瘍とならないようお祈りしています。

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