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10 9 6 8 10 8 ★

A4-2：裏切られたことがある
B3-1:告白されたことがある
C5-2：5人以上の兄弟がいる（いた）
旅に出た理由：5-6　他に生き方がなくて

過去

魔導死骸区出身の人間の女性。死骸区ではよくある"気づいたらここにいた、身寄りのない人間"。
みずぼらしい服とネームタグだけを持った状態で死骸区に捨てられており、名前以外何も持っていない人間だった。

しかし魔導機を扱う才能があったようで、街にあふれるクズ魔導機拾いとその修理で数人程度の食い扶持を稼ぐことはできたため、同じ境遇の"兄弟"たちと協力し合いながら小さなコミュニティを作り、ささやかに暮らしていた。
彼女はそのコミュニティのリーダー……というより、母親代わりのような存在だった。
治安の悪い街で身を守るために銃器の扱いを覚えたのもこの頃である。

彼女のコミュニティが大きくなり地区の中でも少しずつ名前が知られるようになるにつれ、"兄弟"たちは自然と「ステラのところの誰々」という意味でファミリーネームとして彼女の名前の「ステラ」を使うようになり、その逆輸入のような形で、彼女のフルネームは「ステラ・ステラ（ステラのところのステラ）」になった。

転機

そんな生活を10数年も続けているうちに、彼女のコミュニティは20人ほどの"兄弟"を抱える大所帯となっていた。
彼女も才気にあふれる美女として成長したため、男性からも引く手あまたであったが、自分の"家族"を支えるために縁談はすべて断り続けていた。

そんな折、修理した魔導機をよく卸しにいく仲介業者のオーナーから言い寄られる。
地区でも力を持ったオーナーであり金も持っていたが……彼女とは親と子ほどに年が離れていた。
いつも通りやんわりと断れれば良かったのだが、日ごろの疲れが祟ったのか……彼女はその誘いを邪険に扱って断ってしまう。それが彼女の運命を置きく分けることになった。

その夜、逆上したオーナーは報復目的で彼女のコミュニティ――増築を繰り返したボロ屋敷――に向けて銃器を発砲。
オーナーは憂さ晴らしと「ちょっと驚かせる」くらいのつもりだったらしいが……増改築を繰り返したため建付けが悪く、且つ基礎もしっかりしていない不安定な屋敷には、軽い発砲でも致命傷を与えるのに十分だった。

彼女の屋敷は"兄弟"のほとんど全員を飲み込み倒壊。唯一生き残ったのは……ステラただ一人だった。

旅立ち

スラムの掟に従い、彼女はオーナーに対し惨たらしい私刑(リンチ)を行い、復讐を果たしたが……オーナーに世話になっていた人物もこの地区には居る。またコミュニティを再建しようとしても、地区の有力者を処刑した自分の立場はこれまでよりずっと悪くなるだろう。
それに、兄弟も屋敷も失った。もう、ここには居られない。居る理由もない。

名前だけしか持っていない女の子だった彼女の手には、やはり名前と――銃器を扱う才能しか残っていなかった。
さしあたって、明日の糊口をしのぐために、彼女は冒険者ギルドの門を叩くのだった。

テラステラ（競走馬）
母ステラリード、兄弟にステラバレットがいる。