〇ラルヴァについて
10分で読めます。長いので暇な時にでも読んでください。読まなくてもいいです

・概要

ラルヴァ。それは望まれずして生まれ、人族から忌み嫌われる種族である。
種族特徴に「暗視」、「吸血の祝福」と「忌むべき血」。「弱体化」を持っている。

・説明

蛮族の中でも極めて珍しいノスフェラトゥの幼体とも言われる存在。それがラルヴァである、
ノスフェラトゥ…ヴァンパイアと呼ばれる種族が人族の女性とが肉体的な交わりを以って生まれる。
ノスフェラトゥについて詳しく知りたい人は知っている人に聞こう！　案外すぐそばにいるはずだ！
さて、そんなラルヴァだが勿論蛮族に分類される。吸血鬼の幼体なんざ人族に分類されるわけがない。

　　しかし、蛮族領で彼らを見かけるのは極めて稀である。

蛮族なのに蛮族領で見かけるのは稀ってどういうこと？と思う人もいるだろう。察しのいい人は既に気付いていると思うが、前述の通り彼らはノスフェラトゥと交じり合った”人族の女性から生まれてくる”。
つまり、蛮族であるにもかかわらず人族領で生まれる可能性が高いというなんとも奇妙な出生の種族なのだ。
ここまで読んでくれたいい人は「吸血鬼の幼体が人族領で生まれたらヤバいんじゃねぇの？」と疑問を持つと思う。
結論から言おう。

　　むっっっっっちゃくちゃヤバい。

ヤバくないわけがない。下手すりゃ見つかった時点で打ち首レベルである。
ノスフェラトゥという存在は魔剣持った竜と邪眼持った蛇がそんじょそこらで暴れまわってるせいで影が薄いが、
実はトップレベルでヤバい種族である。
そんなヤバい種族の幼体なんざ人族の陣営に居たらたまったもんではない。
気になる姿かたちは人のそれだ。実際外見も母体となった母親の種族の姿そのままである。

　　だが、肌は青白く暗闇の中では目が赤く輝く。

おまけに日光に弱く太陽下では動きが鈍る。ここは吸血鬼である父親譲りなのだろう。
また本物とは違い吸血せずとも死にはしないが、本能に根強く刻まれた吸血の衝動は抑えるのに苦労する。
これは収まることを知らず抑制して生きることを選ぶ場合生涯この本能に抗い続けなければならない。
こういったことから正体が露見してしまい、人族社会を追い出され蛮族の中で生きる者も存在する。


彼らの設定については人それぞれだが、一度ここからはりゅーせーさんの解釈を書かせてもらおう。


　　彼らは分類こそ蛮族にされているが、心は紛れもない人族なのだと思う。

結局のところ本能のまま蛮族として生きるなら、正直不便な所はないんだよ。
だって蛮族は力が正義。他所を襲わないと自分は生きていけないんだから。
無理に人族の世界で生きる必要はない。彼らは高い身体能力も持っている。
赤子や子供は蛮族領に出たらあっさり死んでしまうと言われればそれまでである。
だが、ルールブック本文にはこう書いてある。

　　「本能に刻まれた吸血の衝動は強く、生涯これに抗い続けなければなりません。」

蛮族として分類されるラルヴァ達はどうして生涯を抗おうとするんだろうね。
赤子や子供はともかく、大人になれば高い身体能力や魔法の適性という遺伝子のギフトを得る。
本能に任せれば、もっと楽になるはずなんだ。
おそらくだけど、彼らは「人族から生まれ、人族社会の中で育った」ことで、人の心…

　　すなわち、人間性を持ってしまったのではないのかな。

蛮族は群れを組むことがあるけれど、基本的に弱肉強食だ。裏切りも平気であるし、ほとんどの奴が他者を襲い一人で生きていく本能を持っているのがそうだ。社交性がある事例はあれど、持つ奴は少ない。暴力主体のアウトローばかりだ。
でも、人族は誰かと一緒にいなければ生きていけない。
自分がいてもいい場所…”拠り所”が無ければ生きていけないんだ。
だから、彼らは必至で自分の衝動を抑え込む。
でも抑え込むことができたとして。はたしてそれを見た人族は彼らを人と判断するかと言われれば、そうではない。
そこに居たくても、居ることができない。
人族の社会で生きていたくても、そこにいることは許されない。
拠り所を作りたくても、作ることができない。
誰からも受け入れられる事が出来ない、”人間性を持って生まれてきてしまった種族”。

　　それがラルヴァなのだと思う。

彼らは15歳で成人し、肉体が衰えることはない。寿命は300年ほどである。
人間の寿命の約3倍。長い期間、拠り所を作るため、彼らはその衝動に抗い続けなければならないのだ。

　　そんな彼らの結末だが、これもまた惨い最後が待っている。

300年ほど経つと、彼らはようやく死を迎える。

　　しかしその後死体は死蝋化し、約一年後に低い確率でノスフェラトゥとして覚醒し蘇るのである。

そう。”低い確率”で蘇る。

　　ほとんどの場合は覚醒出来ず、レブナント化してしまうのだ。

なんとも酷い話である。救いはないのか。

　　ある。

ノスフェラトゥの生き血にはラルヴァの覚醒を抑制する効果があり、摂取することで死蝋化せず寿命を全うできると考えられているそうだ。
ではノスフェラトゥの生き血を確保出来るのか？

　　ほぼ不可能である。

そもそも、”考えられている”と記載してある時点で実際に試した事例はないのだろう。
ラルヴァ自体稀な存在だし、ノスフェラトゥを生け捕りにすること自体が無理に等しいレベルだ。

　　ラルヴァとして生まれた彼らは、この予想が確証に変わることを祈ることしかできないのである。

〇種族特徴について
5分で読めます。

・『暗視』

他の種族と同じである。

・『吸血の祝福』

格闘武器「牙」を得る。「牙」による攻撃が命中した時、吸血が行える。
吸血する場合、適応ダメージと同じだけ自身のHPが回復する。
HPを回復させる効果は1日1回までで、植物、アンデッド、魔法生物からは吸血できない。

余談だが、実は2.0と2.5では牙の性能が違う。
2.5と威力は変わらないが、なんと2.0の牙はC値が9というとんでもない性能を誇っている。つっよ。

・『忌むべき血』

自らの血をあらかじめ武器に塗っておく事が出来る。誰もが期待し想像した血を武器に塗るという描写である。
しかも血を塗ることによりなんと効果が出る。

　　ズバリ、物理ダメージを上昇させる事が出来るのだ！

…いや強くね？
厳密には「穢れを持つキャラクターに物理ダメージを与えた場合」という状況に限られるが、それでも上昇効果は強い。
命中した時点で「自身のHPを3点減らして物理ダメージを3点上げる」事が出来る。強制効果ではないのでしなくてもよい。
しかもこれは「命中して物理ダメージを与えるタイミングで発動するか決められる」ので、
事前宣言や下手にデメリットを喰らう必要がない。血液は補助動作で塗る事ができ、塗った血液は24時間持続する。
飛び道具の場合、ナイフや矢弾に塗る必要がある。
ちなみに描写的には「血液を暴走させることで相手の肉体にダメージを与える」らしい。
つまり、「塗った血液が相手の傷口にそのまま入ることで、内側からダメージを与える」のだ。
どちゃくそかっこいい能力である。穢れを持つ相手のみに発動するあたり、恨みを体現している能力のようだ。
種族特徴強化ではこの能力に強化が入る。上記は強化済みのデータである。

・『弱体化』

太陽の下にいる限り、命中力・回避力判定に-2のペナルティを受ける。

　　・・・

きっつぅ！！
依頼先が晴れ渡る空の草原だったりしたら詰んでしまう。
なお”太陽の下”と書いてあるので、昼間でも太陽の光さえ浴びなければ普通に動ける。
洞窟や遺跡の中なら支障はないだろう…きっと。