容姿・経歴・その他メモ

異種族と恋をした
蛮族の血が流れている
大切な人に目の前で死なれた
故郷にいられない理由がある

私は生まれたときから母と二人で暮らしてきた。父の顔は知らない。あったことが無いから―――
私の住んでいた村にはたくさんの人たちがいた。人間、エルフ、ドワーフ……人族がみんな手を取り合って、助け合って暮らす開拓村だった。大都市からは遠く離れていたけれど、不便なわけでもなく、つつましく私たちは暮らしていた。
私の見た目は人間である母とはかけ離れていたけれども、そんな私を村の人たちは暖かく受け入れてくれた。
こんな私を好きになってくれて、結婚の約束をした人もいた。私は幸せだった。そう、あの日までは―――

忘れもしない、私が15の誕生日を迎えた日。ヴァンパイアの軍勢が私の村を襲った。
その首謀者は、生まれてから一度も見たことのなかった、私の父だった。
成人した私を迎えに来た。ただそれだけのために、あの男は村を焼いた。私の帰る場所をなくすために。
母はあの男に喰ってかかった。なぜこんなことをしたのか。あの日々は嘘だったのかと。あの男は、全ては子を作るための幻想だと言い放ち、絶望の底に落ちた母を殺した。
そして、あの人までも。

あの男ににらまれたとたん、私は動けなくなってしまった。心は怒りに満ちていたのに。頭は戦えと叫んでいたのに。感情や理性と葉また違う感覚が、私の全身を縛り付けてしまった。
そんな私を逃がすために、あの人は私とあの男の間に立った。一人大ぶりの剣を構えて、あの男と対峙した。
勝ち目がないのはわかっていた。ヴァンパイアを率いるヴァンパイアの王に、人間であるあの人が勝てるわけがない。
必死で逃げてと叫んだ。生きてほしいと願った。でも、そのすべては打ち砕かれた。私の目の前で、あの人は首をもがれてその命の灯を消してしまった。

あの人の命が潰えたその時、一筋の光が私たちを照らした。女神イーヴの加護による光だった。
敬虔なイーヴ信者だったあの人は、死と同時にイーヴの下へと旅立っていった。同時にその光は、あの男にとっては毒でしかなかった。光を嫌い、あの男は帰っていった。すべてを失った私を残したままで。

村は幸い、壊滅することは免れた。でも、村人の私に向ける視線はひどいものだった。
それはそうだ。私には、この村を破壊したあの男の血が流れているのだから。私は故郷を捨てざるを得なかった。
私は自分の生い立ちを、血筋を、運命を呪った。命を断とうともした。
その度に、あの日の光景がよみがえる。そしてあの人はこういうのだ。
―――生きなさい。あなたには、その権利がある―――

だから私は今日を生きる。あの男を倒し、あの人の仇を取るために。
そしてあの人からもらったような生きる希望を、苦しむ人々に与えるために。




私はアルヴのヴァグランツ、クラリスです。困ったことがあれば、どんなことでも相談してください。
できる限りで、力になりますよ。
あ、この子ですか？この子はブラスウィングのプロフェンです。可愛いでしょう？ええ、私が作ったゴーレムです。
いいえ、私は後衛ではありませんよ。強いて言うなら……中衛、ですかね。

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