ラザリィ
（女/15または16歳/リカント大型草食種）

・八百屋の娘であり、希少種として生まれ得た体力を使って、店の手伝いをして過ごす
・性格はのんびりしていて、荷運びをしていない時はその辺の草原か、木箱の上で寝て過ごしている
・両親はリカント通常種
・八百屋の野菜の質は高いが、両親に商売の素質があまりないため、そこまで儲かってはいない
・幼い頃、両親と一緒に荷運びをしていた時、魔物に襲われる
・その際、ラザリィは荷台に積んでいた護身用の小型斧を使って、魔物たちを単独で撃退する
・この話をラザリィ自身が自慢げに言いふらしたため、両親の心配とは裏腹に、「八百屋の娘が魔物を倒した」という噂は瞬く間に広がる
・「そんなに強いなら」と荷台の護衛や畑の魔物を追い払う小さな依頼が八百屋宛に持ち込まれるようになり、ラザリィは魔物退治に出かけるようになる
・報酬は少しのガメルと美味しい草
・ラザリィ自身は戦うのは嫌ではなく、魔物退治で稼いだお金はお店のために両親に渡していた
・両親は娘が危ない目に遭うのを止めようとするも、店が儲かっていない現状、渡されるお金を断るに断りきれない
・加えて、どれだけ戦って傷を負っても何食わぬ顔をして戻り、その傷も瞬く間に自然回復させてしまう娘の姿を見て、「もしかしたら希少種の力は自分たちが想像しているよりも凄いもので、娘は自分たちの近くで店の手伝いをしているよりも、もっと外に出るべき逸材なのでは」と思い始める
・娘が成人し、自立する年齢になるにあたって、両親は魔物退治の延長線上として、冒険者としての生活を送る選択肢もあると勧める
・ラザリィも「それで両親が助かるなら」と、本格的に依頼を受け始めるようになる

・ラザリィはガメル報酬を必要としておらず、見返りとして薬草等の美味しい草を食べられればそれで十分である
・お金を貰うと両親に渡そうとするため、それを自身の装備更新のために使わせるためには、他者からの軽い説得が必要になる

彼女はさらに、
「リカント通常種の両親から生まれたリカント希少種」という、希少種の中でも特異な出生経歴を持つ。
草食種のリカントは、通常種である肉食獣系リカントとは距離を置きたがるとされているが、
こういった生まれのために、ラザリィは通常のリカントに対しても物怖じせずに接することができる。

「ツノが生えたリカントは珍しい？　うん、まあ、そうだよね～」

「私も、私以外の草食リカントに会ったことがないんだ」

彼女は戦闘中に多少の傷を受けた程度では慄くことはなく、その受けた傷も、ひとたび休めばすぐに治ってしまう。
単純な移動に関しても数十km程度なら連続で歩き切ってしまえるほどの体力を持ち、
ラザリィの生まれ持ったフィジカルとタフネスは、誇張無く竜種のそれに比肩する。
彼女の魔物退治が上手くいっていた理由も、ひとえにこのぶっとんだ生命力故である。

「身体を使うことなら、なんでも任せてちょうだいね」

「だいじょうぶ、これくらいなんてことないから～」

この常人離れした『生命力』は、ベッドの上でも発揮される。
過去に一度だけ、宿屋へと誘われ押し倒されたまではいいものの、
精魂尽き果て枕に倒れ伏す男の隣で、まだほかほかに熱い身体のまま嘆いたことがある。

「あ、あれっ……」

「もう終わりなの！？」

地上にいたころに受けていた魔物退治の依頼では、報酬のメインは「おいしい草」であった。
ガメルでの報酬はもちろん支払われたものの、彼女はそのほとんどを両親に渡していた。
彼女は魔物退治を「軽い仕事」だと思っている節があるため、
その対価としては「おいしいごはん」が食べられれば、それで十分なのである。

「ん、まいどあり～」

「このお金で、おとーもおかーも、ちょっとは楽になるといいけどなあ」

お店の荷運びのために飼っていたエメラルドラクーンを、そのままサイレックオードまで連れてきた。
なぜ幻獣が一般八百屋の元で飼われていたのか、その背景は定かではないが、
ライダーギルドに登録してしまえばそんなことはどうでも良くなるだろう。
名前は「たぼ」。騎獣データはこちら。

「よ～しよしよし、たぼは今日もかわいいねえ～」

「ん？　ああ～、『多忙』だから『たぼ』なんだよ」

これは全くの偶然である。
ラザリィが生のままキャベツを食む姿に、食福神は憐れみの目を向けた。
生野菜を丁寧に本格調理しろとまでは言わないが、せめて茹でるなり和えるなり、
もうちょっと文化的な食事を取ってもらおうと、食福神は彼女に啓示を与えた。
手間をかけた上質な料理を食べることによって、健康がより促進される加護を受けたラザリィは、
キャベツの代わりに魔香草を食べるようになった。
という理由はあれど、いつか加護を得るために信心深く礼拝に通う神官からすれば、
ラザリィに訪れたきっかけは、「偶然」あるいは「気まぐれ」の域を出ないだろう。
一応ちゃんと定期的に礼拝はしてくれるので、ミィルズもラザリィに加護を与え続けている。

「みんなは素通りしちゃうんだけどさあ、林の中には食べられる草が結構あるんだよ？」

「すいません、フルーツサラダ大盛りみっつください」

素ＨＰ６７！
［獣変貌(大型草食獣)］ＨＰ＋１０！
【デリシャス・サティスファクション】ＨＰ＋３！
【バーチャルタフネス】（エメラルドラクーン）ＨＰ＋９！
↓
全補正込み最大ＨＰ８９！！

【ブレス】（ＨＰ＋６）と《超頑強》（ＨＰ＋１５）、《タフネス》（ＨＰ＋１５）を会得することで
ＨＰが１２６まで伸びます

初期ビルド（Lv.6）時点で、
【探索指令】【遠隔指示】【魔法指示】【魔法指示回数増加】【特殊能力解放】は運用上必須。
【タンデム】はほぼロールプレイ用。二人でも快適な乗り心地。
【威嚇】の効果は極めて有用なものの、ラザリィ自身の精神Bが低いため取得を見送った。
レベル9までは、【ＨＰ強化（超強化）】【騎獣強化（超強化）】あたりが狙い目（Lv.9までにあと3枠空いている）。

『隊長(リーダー)、対象を見つけました。あそこです』
『皆、その場に低く伏せろ。射手(シューター)』
『既に配置に着いています』
『確認した。術士(セージ)』
『黒色の面、大きな角、斧……すみません、名称を特定するのは難しいです』
『分からないのか？』
『依頼文にあった通り、蛮族の類だとは思います。こちらよりは弱い個体かと。
　ただ……一般的な特徴とは一致しませんが、もしかしたら、獣人(リカント)である可能性も――』
『隊長(リーダー)、現場の様子がおかしいです。奴の周囲に、何体かの魔物が倒れています』
『……』
『対象はこちらを視認したようです。撃ちますか？』
『許可する。だが、初弾は付近の木に外せ』
『了解しました』

＊　＊　＊

『逃走した対象を発見しました。この拠点から7時方向、52m先です』
『分かった。射手(シューター)、観測を切り上げてこちらと合流してくれ。
　奴が大斧使いである以上、こちらを攻撃するにしても遠距離からの不意打ちは無いはずだ。
　まずは現場の調査を優先するぞ。周囲の茂みには常に意識を配るように』