ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

"主なき地"エッフィーメラ - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

"主なき地"エッフィーメラ

基本取引価格:非売品
知名度
形状
色褪せた本
カテゴリ
製作時期
現在
概要
ドレイク語で記述された書物
効果

概要

 "導きの港"ハーヴェス王国並びに周辺の人族コミュニティとは相容れない種族たちに向けた環境及びその扱いについて解説を行います。
 呼び分けの為、これまでの〈月影の花園亭〉を舞台とした環境を「通常環境」、後述の"主なき地"エッフィーメラ及び"反旗の砦"ハイデントゥームを舞台とした当環境を「蛮族環境」と呼称します。

"主なき地"エッフィーメラ

 エッフィーメラとは、ハーヴェスより北西部に位置する樹海と山岳地帯を指します。直近50年ほど、フェアリーレン・エアオーベルングというドレイク(ブロークン)及び彼女の思想に感化された蛮族たちによって支配されていたのですが、そのフェアリーレンが人族との戦いに敗れたため、支配者が不在となり力の空白地帯になってしまいました。現在は、ラティオー・ノードゥスというドレイク(爵位不明。カウント相当とも、ロード相当とも謂われています)によって支配されていますが、彼は些か苛烈で残虐な性格(おおよそ一般的な蛮族に当てはまる特徴ではありますが)をしており、誇りに欠ける言動から離反されることも多く、統治に苦戦しているようです。

"反旗の砦"ハイデントゥーム

 "異教"を意味する砦、及びその周辺に位置する集落です。住民は主に、ラティオーと訣別し、彼を討たんとする蛮族たちによって構成されています。基本的に、ラティオーを討てさえすればなんでもいいという思想が根付いているため、彼と戦う、或いはその援助をできるのであれば種族や生まれは問われません。ただし、ハーヴェスやマカジャハットといった他国からは危険な蛮族たちの集まりであることに変わりはないため、こことの交流を持つ者が人族社会で受け入れられることはまずないでしょう。

PCの扱いについて

 ドレイク(ナイト)やバジリスク、あるいはディアボロなどといった、人族社会においてまず受け入れられないPCは、上記のハイデントゥームを拠点に冒険をすることになります。ラティオーや彼の率いる軍勢を相手に戦うことがシナリオの基本構造となるでしょう。そのため、PCの作成も、これを前提としたうえでのものになるでしょう。
 もちろん、拠点の特性上受け入れられはするでしょうから、ウィークリングなどをはじめとする人族に近しい価値観を抱きがちな蛮族や、或いは人族のPCを作成してこの環境で冒険をすることは可能ですが、その場合、もはやそのPCたちが人族社会で暮らすことは難しいでしょう。むろん、逆も然りです(よりゲーム的にいえば、環境を棲み分けるための措置であるので、通常環境との行き来ができないということです)。
 以下は、蛮族環境でのみ作成・使用が可能な種族です。

・ドレイク(ナイト)
・バジリスク
・ダークトロール
・ディアボロ
・アルボル

蛮族環境におけるPC作成レギュレーション

 基本的には、通常環境と大きな変更はありません。ただし、以下の点に留意してください。

・このレギュレーションで作成したPCには、「月影の花園亭」「蛮族領エッフィーメラ」とタグ付けを行ってください。
・環境を跨いで規定取引及びフリーマーケットによる取引を行うことはできません。

RPの指針

 蛮族といえば暴力が全てである、といった認識は決して間違ったものではありません。よって、PCとして蛮族を扱う際にも、残虐な行動を厭わない暴力的なRPをしよう、と思うかもしれません。ですが、それは望ましくありません。蛮族社会の中にも、とりわけ活動拠点であるハイデントゥーム付近に於いては特に、人族社会のそれと同じようにある一定の秩序が存在します。そのため、無意味に暴力を振りかざすようなRPは、(もちろん従来のPCについてもいえますが)特に蛮族PCを運用するうえでは好ましくありません。

シナリオ作成における留意点

 主に蛮族をPCとして扱うので、「これまでと逆に人族と敵対すればよいのでは」という考え方が生まれるのは、ごく自然な流れであると言えるでしょう。しかし、『ソード・ワールド2.5』シリーズにおいて人族は基本的に「善き人々」として扱われており、逆に蛮族は「人族にとって不倶戴天の仇」という位置づけです。であるからして、「蛮族vs人族」という構図で、蛮族側をPCとして描いてしまえば、そのシナリオは一方的な蹂躙などによってただただ陰鬱なものとなることが考えられるでしょう。
 よって、蛮族環境においては、シナリオは「蛮族vs蛮族」の構図でなければならないものとします。もちろん、動物や魔動機といったその他の種族や、或いは山賊などといった位置づけで人族との敵対が描かれることは構いませんが、例えば「交易路を行く人族の馬車から物資を強奪する」、「近隣の村を焼き払い力を誇示する」、もしくは「自分たちを討伐しに来た冒険者を返り討ちにする」などといった、人族に対し明確に危害を加えるようなシナリオは推奨されません。

主要なNPC

ラティオー・ノードゥス(ドレイク/男性/年齢不詳)

「俺が次代の蛮王だ。文句のあるヤツはかかって来い」
 エッフィーメラを手中に収め、いずれは人族を相手取って再び〈大破局〉に並ぶ戦争を引き起こそうと目論むドレイクです。その実力や爵位は判然とせず、一説にはカウント相当であるとも、ロード相当であるとも謂われています。
 ドレイクの中でも特に手段を選ばないところがあり、強大な軍勢を率いている一方で、その戦い方を嫌うものも一定数存在します。

フェアリーレン・エアオーベルング(ドレイク・ブロークン/女性/享年111)

「どう生まれたかは問題ではない。何を成すかが肝要だ」
 嘗てエッフィーメラを統治していたドレイク(ブロークン)です。魔剣を持たずに生まれてきましたが、たったそれだけのことで奴隷以下の扱いをされることや、そもそも生まれによって身分や階級が決まってしまう蛮族社会に疑問を抱き、「蛮族は力こそが全てである」という信念のもと、それを証明するために戦い続けていました。その姿勢に賛同する者も多く、一時は小規模ながら軍勢を率いていましたが、とある人族の冒険者との交戦に敗れ、敢えなく志半ばで倒れました。ただし、その遺志を継ごうとする者も少なくなく、今現在エッフィーメラを取り巻く一連の闘争には、もともとフェアリーレンの配下であったというものも少なくないようです。

製作者:ねこねえ