蛮族領で生まれた、人間と蛮族のハーフ。母親は蛮族に連れ去られ、そこで奴隷となっていた人間。うなじの辺りに、奴隷としての刺青が入っている。
男だったので、使い捨ての労働力としていつ殺されるかわからない日々を過ごしていた。母親は弱くあまりトルンのことを守れなかったが、それでも愛情は感じていたので母親のことは好きだった。
ある日、母親が子どもを産めなくなり、殺処分されることになった。どうにか邪魔をしたかったが、すぐに取り押さえられ、殺されるのを見ていることしか出来なかった。
その後少し経ってから冒険者パーティが何組も来て、トルンの居た蛮族領は掃討された。その際に冒険者に保護され、ヘッジウィードに移ることとなった。
もう少し早く冒険者達が来ていれば、母親は死なずに済んだかもしれないのに……と逆恨みをしていたこともあったが、結局自分に守る力がなかっただけだということを徐々に受け入れた。
今は同じような境遇の者を生まない為、蛮族を皆殺しに出来るよう草風亭に住み込みながら修行中である。