―――怒りを抱き、全ての魔域を滅すると誓った者

　ケンタウロスの部族の中で、リーダーを務めている父を持ち、三男として産まれた。長男は武力を、次男は知力を携えていた。しかし、ルインに特筆したような才は無かったのだ。故に、部族の中でも優秀な家庭で生まれたにも関わらず、上の兄弟に劣る存在として見られていた。その為、嫌気が刺し、自ら部族を離れる決断をしたのだ。許嫁とも別れた。許嫁には散々な暴言を吐かれた。「でも、君を守れるような力が無いのなら、僕はここを離れるべきだ。」そう告げた。「もう知らない。二度と帰ってこないで」その言葉は僕に深く刺さった。しかし、帰らない理由には十分だと感じた。

　ケンタウロスの部族から離れ、しばらくし、蛮族も受け入れるという冒険者ギルドを見つけ、その冒険者ギルドに所属することになった。最初の冒険で一緒にPTを組んだ者がいた。僕も、その人も互いに言葉は片言で意思疎通をしていた。そんなある日、彼女は突然いなくなっていた。ギルド長に話を聞けば、奈落の魔域に間違って足を踏み入れ、まだ帰ってきていないのだという。発生した奈落の魔域は攻略されていないのにも関わらず、消えたと聞く。彼女に再び会いたい。救いたい。全ての奈落の魔域を破壊しつくし、彼女と再び話したい。その想いが彼の神に届いたのか導きを得ることとなる。彼女と再び話す為に、情報をしっかり手に入れる為に、僕は人族たちの言葉を学び、そして、彼女が待つ魔域を攻略するために、力をつけると決めたのだ。

　エメラルドグリーンの髪と瞳を持ち、青のメッシュが掛かっている。また、背中には部族を象徴する刺青が入っており、それを隠して生きる為に、服を着て隠している。馬の部分は青鹿毛である。