容姿・経歴・その他メモ

人間に買われた種であった彼女は街に入る馬車の中で芽を出した。初めて見たものは少女の輝く瞳であった。

この子はどうやら旅商人の子であるらしかった。「こんなに可愛い子が芽吹くなんて思わなかった！なんて素敵なの！」という声。当時は意味も分からなかったが後々私は買われた存在であることに気づいた。経緯は分からないが、その時私は両親とはもう会えないのだろうという事をなんとなく察した。
しかしそれほど寂しさを感じることはなかった。あの子…いや、姉さんは私にとても良くしてくれたし、私が商品だったことに気づいた後も姉さんの両親は実の子であるかのように暖かく私を迎えてくれた。暮らしにも不自由を感じることはなかった。
そうして十年ほど過ごした。それなりに大きくなった私を迎えたのは唐突な別離だった。まだ若く未熟だった私には辛い出来事であったことは言うまでもない。育ての親であった彼らは、あの事故で二度と言葉を、笑顔を交わすことのできない存在になってしまった。

それからの私は日々を生きるために必死だった。仕事はないかと街を巡る日々を過ごしていた。
そんな日々の中、メリアという種族のことも理解するようになった。己が長命種である事にもそこで気づいた。早すぎたとは言え、あれはいつか来る別れであったのだ。
私は日銭を稼ぐ傍らで旅を続け、記録を残すことにした。広がる風景、通り過ぎる人々、様々なものを描き、それらをまた他の場所で日々の糧にした。記録することでそれらは残り続け、それが人々の中に「在る」ことが大事だと思ったからだ。
冒険記録を描かされたこともあった。彼らはたいそう喜んでいたっけな。

そうしてあれから二十年が経った。私の心にはある思いが浮かんでいた。
「私を世界に遺さなければならない」
しかし寿命の差は残酷で悲哀に満ちている。それは好ましくない。
私は何処に在るとも知れない故郷を探す旅を始めることにした。そのためには身を守る術を学ばねばならない。
幸い私には魔法の才能があったようで、少しの魔法は身につけることが出来た。旅で得た少しの知識もいくらか活かせるだろう。

彼女はギルドの扉を押し開き、未来を繋ぐための一歩を踏み出した。

Lv.2

初期作成時背景

アイラ・ルンベルシアは成人して暫く経った身ではあるが駆け出しの冒険者である。
身長は163cm。
今までの旅で得た見識は新たな旅でも役に立つだろうが、魔法に関してはまだ心許ないと感じている。
彼女は他人を支える事を良しとする。それは二度と大切な物を失う悲しみを生みたくない一心である。
彼女の名はかつて己を見出した人間の付けた名である。真の姓は別にあるが彼女にとっては失われた過去であり、知る由もない。
彼女の頭に咲く花は魔力の込められた籠で覆われており、それは彼女を純なるものに保っている。これは世界に種族の違いによる悲しみを背負う存在を生まないための彼女なりの働きである。

Lv.6

16000点

それなりに冒険に慣れてきた。根無し草を辞め、ギルドに定着するようになってからは冒険しながら割とのんびり過ごしている。長命種としての本能だろうか。
冒険者稼業自体は人々との出会いもあるし楽しい。伴侶が見つかるようならそれも良い。そんな感じで風の赴くままに冒険者を続けている。
冒険に出ていない時はハーヴェスを散策し、街の景観をスケッチしたりしている。たまに故郷の情報収集もしているがあまり芳しくはなさそうである。己が売られた子であったことを思えば、故郷や家族は無事ではないかもなあと感じてはいるが、生まれぐらいは知りたいなあと思っている。
魔法もある程度使えるようになったがまだ完全な制御とまではいかないようだ。
援護は現状最低限であり、少し心細さもあるが、厳しい世界で個人の戦闘能力を優先した結果である。

履歴

会った回数

セッション履歴

収支履歴