〇エリート
　　シナリオにおいて入手出来る経験点が3割増える。
　　※この秘伝を習得していた場合、他のあらゆる《経験点》や《成長》に関係する秘伝を習得する事は出来ない。
〇軽器の極意─神指─(ディート・ディ・ディオ)
　　投げナイフを扱う際に指に挟み込んで同時に投げる事が出来る。
　　片手につき同時に投げる事が出来る本数は冒険者レベル/3
　　また、ナイフを投げる際に通常通りの投げ方をした際、命中が+1
　　ナイフを投げる数を増やす度に命中が-1される。
　　投げたナイフの数だけ防護点は適用される。
　　投げたナイフ/2の本数分失う。

ダークドワーフ

ハーヴェス王国第一王子 アレクトス・ハーヴェス

ゴブリンに刺され、邪龍に吹き飛ばされ、臨死体験を味わっている。
お陰でしばらくは、暫く下腹部に大きな傷を残すことになった。
最後に見た、片腕を失う爺さんの死因を作ったのではないかと、どん底かと思った心の底に、更に穴を掘ることになった。

自身の死という結果は、「私は邪魔な存在ではないか」という思いを生み出した。
更に直前の記憶が失われている為、強者を前にすると座り込んでしまう程の過剰な恐怖を覚えてしまう。
もう生き続けるのは辛いのに、どうして生にしがみ付いてしまうのだろう？
何故か水着を着てる変態さんのため？鎧を着こんだ人の足となるため？兎さんの家賃のため？貴族のみんなのお手伝いのため？
彼女が死の間際思い出していたのは、「ベラス！」と叫んで手を伸ばす、幼い自分の従者であった。

死に穢れがたまった影響で、髪の毛の生え際にある角はいよいよ隠せなくなってきた。
脇腹にある痣は化粧品などで誤魔化せないほど大きくなっている。
そして、自信や僅かに残っていた正常な思考が消え去ったためか、自己研磨をやめ屋根上で空を眺めながら新しい呼吸法を考え出す日々を送っている。
ただ、一応何らかの勉強だけは続けているようだ。

2度の負傷の後、死亡した。本来死亡するほどの負傷ではなかったにも拘らず。

穢れの影響で、髪の毛の生え際にある角は帽子ではもう隠せない。
何なら、悪戯に握られるような状態だ。
だから、帽子は捨ててリボンで着飾った。
脇腹にある痣も、化粧品で誤魔化してはいるが大きさが大きさ、余りに不自然だ。
また、黒目に金の輪郭が現れており、蛮族の風貌へ近づいている。

倒れた彼女は手を伸ばす。
自分は役に立っていない、邪魔な存在、そう感じながらも一人は嫌だと薄れる意識に抗う。
しかし、その手の先には誰もいない。
彼女を引っ張ってくれたメリアの子も、その手の先に姿はない。
やがて彼女は、精神が先に生を手放し、後を追うかのように体も体温を失う。
だが彼女は、そんなこと覚えていない。
蘇生された代償は、穢れと数刻の記憶なのだから。
「やだ...**......一人はいや...ユラ...—————————」

仲間たちによって穢れも払われた。
借金も支払われた。
多くの技も知ることが出来た。
そして憎くなりつつあった姿も、また元の姿へと戻ることとなった。

彼女は、お陰でようやく前を向くことができた。
瞳に微かな、光を灯して。
数年ぶりの、涙も流して。
～～～
自己研磨の片手間、歌も覚え空も飛び、更に小動物に化けるようになった。
小動物に紛れ込んで楽しんでいるようだが、終わった時に服をどうしようかと言うのが最近の些細な悩みである。