容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
C-6-1：守りの剣を手に持ったことがある
B-3-5：年の離れた友人がいる
C-1-4：かつて従者がいた

ドワーフの国の王族に連なるものとして生を受けた。優秀な兄や父に恵まれ、王位継承権は決して高くはなかったが、家族からは愛されて育った。兄や父の背中を見ては「私もあんな風に」と憧れたが、幼少期は身体が弱く、文官になるにも武官になるにも能力が足りなかった。国の重鎮からは出来損ないと呼ばれ、そんな周囲から逃げるため神殿で祈りを捧げるようになった。
一日のほとんどを神殿で過ごすようになってからしばらくして、世話役として1人の従者を預けられた。捨て子として神殿に拾われた人間から生まれた女と見紛うほど綺麗なナイトメアの男だった。最初はお互いぎこちなかったが、ある日従者が零した「あんた、神官とか似合いそうだな」という言葉に救われ、仲良くなった。
従者とは思えない口の悪さを見せる彼と過ごしながらも、他より何倍もの時間をかけて神官として修行をした。ようやく神官として最低限の力を身につけた時には、100歳を迎えようとしていた。従者にも穏やかな命の終わりが訪れ、最期の時。従者は常より穏やかな表情で笑った。

「昔、あんたに神官が似合うって言っただろ。あれ、取り消す。あんたには……どうしようもないくらいお人好しで、護りたいって気持ちが誰よりも強いあんたには、神官騎士が一番似合う。な、俺さ、きっとまたあんたと出会うよ。だから、国の外に出て、俺の事探して。待ってるから」

心の底にしまいこんだ騎士への憧れを見抜かれたことに驚き、そして感謝した。だからこそ、最も親友に近かった従者からの願いに後押しされ、また50年近くの年月を騎士になるための訓練に費やした後、国を出た。
国の外にはあらゆる刺激があった。景色も、食事も、戦いも、人との出会いも。街や村に辿りつけばかつての従者の姿を探したが、そう簡単に見つかるものではなかった。自分の歩みが遅いばかりにまたも置いていかれてしまったかと焦りもしたが、街外れの森で訓練をしていたある日。ついに出会いは成った。見た目も口調も大きく変わってしまっていたが、何故だか自然に「ようやく」と思えたのだ。

「＿＿待たせてしまってすまない。また、共に生きてくれるか」

運命は、まだ終わらない。

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