キズナ

設定・その他メモ

心臓と呼吸器の病気を併発。

「余命はもう1ヶ月もないだろう」
医者から告げられたことは夫には言えなかった。
日々忙しい暮らしを送っている夫。
忙しい中でも、私を気にかけてくれる優しい人。
無愛想で冷徹なんて言われてしまうこともあるけれど、誰よりも温かい心を持っていることを私は知っている。
幼い頃から一緒に育って、ずっと大好きで。私と結婚すれば、お別れの日が普通よりも早くきてしまうこともわかっていたのに、彼を拒まなかったのは……拒めなかったのは、私。
私なんかと一緒にいるせいで、普通の人ならできるデートも、旅行も……夫婦としての幸せもあげられなかった。
最後に一回くらい、私との思い出をあげたかった。
そう思っていたら、「彼」が私の元を訪れた。
私を、動ける元気な体にしてくれるって。
そんな、奇跡みたいなことがあるのかはわからなかったけど、でも、もう死んじゃうなら、どうせなら賭けてみようと思ったの。

それが、こんなことになってしまって。
笑ってくれないのは、私を恨んでいるから……でしょうね。
ずっと一緒だったから、私の知らない2年間があることが不安で不安で仕方がないだなんて私に言う権利はないのに思ってしまう。

もし、彼が笑顔を取り戻すことがあるなら、応援してあげたい。
最後までそばに居させてほしい。
……例え、貴方が隣にあってほしいと願う人が私でなくても、私は貴方を見守り続ける。私は貴方のためにありたい。

元気になったこの身体なら、色々できる事もあるだろうから、生前の私があげられなかった幸せをあげたい。
もちろん、貴方が望んでくれるならではあるのだけれど。

本当は一緒に幸せになりたいけれど、貴方はそれを望んでくれるかしら……？


誕生日：10/27

藤宮学園の温室の管理人さん

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