キズナ

設定・その他メモ

だれかの鎧だった　この骨で
だれかの刃だった　この指で
かつて　すべてだったはずの
色褪せた空白の輪郭をなぞる

● 経歴

　とある名家の令嬢に仕えていたメイド。家事だけでなく武芸にも秀でており、令嬢の世話係兼護衛役であった。
　主の命を狙う暗殺者の襲撃を事前に察知して阻止しようとするも、暗殺者が“キセキ使い”だったため為す術なく返り討ちにされ、主を守り切れず死亡。ハウンド化した現在は仕えていた家や主のことは何も覚えておらず、強い自責の念だけが残っている。
　かつて主人を守れなかった後悔は、その記憶をすっかり失ってもなお彼女の心に深く刺さり続けている。彼女の真の願いは、亡き主君に殉じて死ぬことである。

● 特徴

　モノトーンのエプロンドレスを身にまとい、オーナーを“旦那様”と呼び、命じれば(命じられなくても)掃除でも料理でも雑用でもなんでもこなしてくれる絵に描いたような万能メイド。性格はクールで寡黙、あまり感情を表に出さない。
　忠誠心は極めて高いのだが、実のところその忠誠はあくまでも生前の主人に向けられたもの。現在は本来の主を忘却したことで生じた空白を“オーナー”で埋め合わせているに過ぎない。
　リミッターの影響によって、かつて仕えていた洋館の風景を常に幻視している。過去の記憶を失っている彼女には見ず知らずの洋館でしかないのだが、不思議と懐かしさを感じるようだ。
　自身のケージには備え付けのベッド程度しか家具を置いていないが、何もない部屋に幻覚を重ねて視ているため、彼女にとってはそれで十分なのである。

● リリース

　アコレード(騎士叙爵の儀式)の所作に倣って進行する。まず、刀剣等の武器を持って立つオーナーの前にハウンドが跪く。続いてオーナーは手に持った武器の刀身をハウンドの右肩に置く。ハウンドは右手で武器の柄を掴み、そのままオーナーから武器を受け取る。このときオーナーとハウンドの手が重なり合うことでリリースが成立する。
　なお、上記の手順はあくまで儀式的なものに過ぎないため、急を要する場合は単に手を重ねるだけでも問題ない。
　本人曰く、リリースの際には幻覚の中の洋館が銀色の焔に包まれて焼け落ちる様子が視え、その時の感情とは無関係に涙が溢れるという。その理由を彼女は知らない。

● 戦闘

　白兵戦や近接格闘を得意とする。戦闘中の優先順位は第一にオーナーの身を守ること、第二に任務の遂行であり、自身の負傷には全く頓着しない。そのため一歩間違えれば命も危ういような捨て身の行動に出ることもしばしば。
　武器はリリース時にオーナーから受け取ったものを使用するが、未リリースでの戦闘時や武器が失われた場合は常時携行している銀食器で戦う。

Theme song: ノーザンクロス / シェリル・ノーム

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