キズナ

設定・その他メモ

　片桐隆一郎が住んでいたアパートの大家の娘だった。
　隆一郎が滞納していた家賃を何度か取り立てに行ったことがある。

　両親と兄の四人家族。
　父と兄は優しかったが、兄を溺愛していた母は瑞香を疎んでおり、幼少期から「のろま」「ぐず」「お前は何も出来ない」「お兄ちゃんの足手纏い」「お前なんか産まなければ」「お前がいるからお兄ちゃんを困らせる」等と罵詈雑言を浴びて育つ。
　父と兄が居ない場所で繰り広げられるそれを父と兄に相談したこともあったが、心優しい父と兄は母を宥めるに留まり、父と兄の前では良き妻であり良き母であった母は、父と兄に対して度々「あの子のことを思って」と泣き落としにかかり、状況は悪化もしなければ改善もしなかった。

　外面を気にする母であった為に、身の回りのものや食事に困ることはなかった。
　これに関して本人としては「まあ、助かったよね」と思っている。

　小学校の高学年になる頃には母の罵詈雑言を聞き流すようになっており、「うちはこーゆー家だから」と諦めの感情を抱いていたことから、父と兄にも何も言わなくなった。

　高校に進学したことにより「金食い虫」の罵声が追加され、それが面倒だったのでほぼ毎日バイトをしていたが、バイト代は持ち帰れば母に大半を没収されるので、銀行口座を分けて母にばれないように貯金をしていた。
　貯金額が少しずつ増えていくのを眺めるのがこの頃の趣味。

　ある日目標額までバイト代が貯まったので、バイト先に休みをもらい親友の『モモ』とテーマパークに出かけた。
　それが、自分が人として生きる最後の日になるとも知らずに。

＊　＊　＊

　戦闘時に邪魔にならないよう、常に栗色の長髪は二つに分けて結んでいる。
　元はおしゃれが好きだったが、今は戦いやすさを常に重視している。オーナーである隆一郎が白を好むため、コーディネートは白を中心に纏めがち。
　元々運動神経は良い方。

　オーナーである隆一郎のことは「片桐さん」と呼んでいたが、当人の発言により現在は「隆さん」と呼んでいる。
　自分を脅かすことのない、一緒にいて落ち着く人。落ち着く場所。
　彼の役に立ち、彼のようになりたいと密かに思っている。

＊　＊　＊

　好物はいちごのタルトだが、いちごのお菓子は大体好き。少し前に行った水族館で隆さんとお揃いで買ってもらったイルカのぬいぐるみもお気にいり。
　牛乳は昔無理矢理飲まされていたので嫌い。最近は脆い物も嫌いになった。すぐに壊れてしまいそうで怖い。

＊　＊　＊

　瑞香：沈丁花の別名。花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「永遠」
　チャットカラー：eebbcb

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