キズナ

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藤村 英二（31）

死んだ魚の目をしている表情筋の死んだ警察官。

小中高はこれといった記録はなく実に平凡な日々を過ごしていたが、
幼いころに祖母が言っていた「大事の為に命を使いなさい」という言葉を胸に警察学校に入学した。
警官になってからは相棒のリンと共に職務をこなす。
が、現実は頑固な上司とわがままなリンに板挟みになりブラック労働。
目の下は随分と濃い隈ができた。

警察学校時代にリンに勧められタバコの味は知っているが普段は吸わない。
タバコの銘柄は当時吸ったセブンスターのソフト。
リンが最後に持っていたものを肌身離さず持っている。

娘(知沙)を身篭っていた妻(華蓮)がキセキ使いに狙われているという情報を掴み、上層部の目を盗み自宅へ急行。
乱暴に開いていたドアから恐る恐る顔を覗かせると、
朝に見た日常は見る影もなく真っ赤に染まった惨状が広がっていた。

あんなことができる人間などそういるものか。上層部が隠そうとした事実を追い続けた。
やっとつかんだ真実は途方もない化け物とそれを狩る者、そして親友がその道具になり果てていること。
あいつが殺戮人形？ふざけるな！させるわけにはいかなかった。
リベルの適合はぎりぎりだった。我ながら自身の才能のなさに呆れる。
ただ今回は間に合った。ガラスの先には青ざめた君の顔。
けれど、それに安堵する自分が腹立たしかった。
ペアリングしたのちも度々君に違和感を覚える自分が許せなかった。
なにより俺のすべてを奪い、俺を変えたあの化物を心底殺したかった。

キセキ使いは全て根絶やしだ、あいつらは全員ゴミクズ未満だ
　

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