勾百合沙月
プレイヤー:暗翳
- 種別
- ネガイ
-
- 表:
- 究明
- 裏:
- 享楽
- 耐久値
- 11=(+5+6)
- 作戦力
- 6=(+5+1)
ヒトガラ
| 年齢 | 22 | 性別 | 女 |
|---|---|---|---|
| 過去 | 究明1:失踪/大切な人が、わけもわからないままいなくなった | ||
| 4:売り込み/霞ヶ関地下20階の真実に辿り着き接触を図った | |||
| 外見の特徴 | 仄かに暗い | ||
| 持ち家に一人暮らし | |||
| 好きなもの | 秘密の会話、論理的解体、人のにおい、お酒 | ||
| 嫌いなもの | 読み終えた本、強固な信仰を持つ人、縁を切られること、犬 | ||
| 得意なこと | スポーツ、心理誘導、耳かき | ||
| 苦手なこと | つまんない人と会話を続けること、要らなくなったものを処分すること | ||
| 喪失 | なし(ここが現実であるという実感。時折、自分の頭の中と現実の区別が揺らいで混乱することがある。リベルは投与していないので別にナノマシン由来のものではない) | ||
| なし | |||
| 見つける/人の心を解体しその中にある真実を手に入れる | |||
| 所属 | SID横浜支部分析課(研修中) | ||
| おもな武器 | いざという時のためらいのなさ | ||
パートナー:
- プレイヤー
- 年齢
- 性別
- ネガイ(表)
- ネガイ(裏)
- リリースの方法
マーカー
- 位置
- 色
- 相手からの感情1
- 相手からの感情2
- 最初の思い出
キズナ
| 物・人・場所など | 感情・思い出など | ヒビ | ワレ | |
|---|---|---|---|---|
???
| ✔ | ✔ |
キズアト
| 《思勾廻路》 | |||||
| ドラマ | ヒトガラ | タイミング | 対象 | 制限 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|
| 秘密の会話/心理誘導 | 調査 | 単体※ | ドラマ1回 | 属性【■■■】を持つキャラクターをシーンに登場させている時のみ使用可能。対象が[調査判定]を行った直後に使用する。[このキズアトに指定したヒトガラ1つ]をロールプレイすること。その後、あなたは対象がロールしたダイスを1個を選び、その出目を[反転]させる。自身不可。 | |
| 決戦 | タイミング | 対象 | 代償 | 制限 | 解説 |
| 使用不可 | |||||
設定・その他メモ
「キミのことを教えてよ。キミのことが知りたいな。私はキミに興味があるんだ。……キミはどう?私のこと、気になる?」
一人称:私 二人称:キミ、○○くん/サン
自力でSIDに辿り着きながらオーナー志望というわけでもない、SID本部所属の変わり者の事務員です。
最も特徴的な点はキセキ使いや残響体への憎悪を持ち合わせていないことでしょうか。
感情豊かで楽しいことを好む性格であり、それなりに優秀な職員でもあるせいで場違いな印象を受けることがあるかもしれません。
一見警戒心が薄く隙の多い人物に見えますが、経歴を鑑みるにわざとそう振舞っていると考えられます。
もし彼女が「キミに興味がある」などと言ってきた時は用心した方がいいでしょう。彼女の関心がいつまで続くかは彼女にしかわかりませんから。
「私は真実を知りたいんだ。キミの中にある真実を。」
仕事内容
SID本部総務課資料保管室職員。
各部署から上がってくる報告書や捜査資料等を分類し、デジタルとアナログの両面で適切な場所に収める部署。
まだ歴が浅いため機密度の高い情報の閲覧権は少なく、主に調べ物をしている職員の手伝いや持ち出された資料の返却催促など司書みたいなことをしている。
人当たりが良く、人に合わせて規制された情報を覚えて適切に建前を話せるほか、業務に関係ない情報を閲覧しようとする素振りなどもないため、同期の中ではとりあえず手が空いてたら仕事を回されるポジションにいる。
また、室長や総務課の上司の指示を受け、別の部署の雑務の手伝いや指定された出来事の資料用意とそれに関する説明をさせられたりといったこともある。
順当に昇進すればより特定の分野の資料を担当するようになったり、資料室のうちの一つの管理責任者などになる。が、順当に昇進することは端から期待されてはいない様子で……。
資料保管室職員も必要な仕事ではあるものの、より人材が不足している課への異動を人事課は望んでおり、調査員と分析官の研修を受けている。
最近は調査員として派遣されることが増えた。殉職率を気にして好ましく思っていないようだが、成果を出すので総務課の上司からやけに褒められるし頑張っている。
本人が福音汚染に怯えているのを気にしてか、残響体案件の担当が多い。この前上司がご飯奢ってくれて嬉しかった。
裏プロフィール
普通の人なら気づけても断片的にしかわからないであろう彼女の性質の一側面。
柳下さんを筆頭とした察しのいい補助執行官が時間をかけて観察すればこういった傾向がある程度掴めるかと思われます。
黒古課長や綾木課長ほどの人であれば、その気になれば推測ベースにはなれどここに書いてあるようなことは割とすぐ行き着くんじゃないでしょうか。
以下のテキストはたぶん本部の分析官によるものです。確証はないので横浜どころか別の課にすらこの情報は回されていません(彼女の名誉のため)(所詮普通の職員だし)。
解体
「わからないものはこわい。でもね、触れて煽って引き込めば、人の心の形はわかるの。だから、わかるようにしなきゃ。こわくてこわくて仕方がないから。」
恵まれた容姿と声を持つ。そしてコミュニケーション能力と相手の言動を予測する能力に長けている。そして、「自分にとっての相手」と「相手にとっての自分」の象を歪めることで互いの認識を望む方向に誘導できることにも気づいている。
彼女は物事を自分の思い通りに制御しようとするタイプだ。本人が言うにはその目的は「真実を見つけるため」、と。強い執念を持って真実とやらを追い求めているようだ。
彼女の根底にあるのはたぶん、「誰かと分かり合えなかった」とか「大切な人を理解できなかった」みたいなありきたりな過去だ。
それをわかるようになりたくて、人の心に照準を合わせて漁り続けている。彼女にとって他者はある種の読み物──「本」なんだろう。そしてそれを探るうちに真実を覆い隠すヴェールの一つである「キセキ」「バレット」そして「SID」の存在に気づいたと。
もはや執念じゃなくて病気だ。
ここに来たのもきっと、福音とそれを取り巻く組織を知る視座になければ正しく解釈できない情報があるからだろう。その認識は正しい。彼女が間違えているのはもっと別の部分だ。
彼女の精神構造はキセキ使いに似ている。思考プロセスや行動様式、目的のためのアプローチの歪み方。それらを分析課の教本に則って考えるなら「キセキ使いの可能性がある」人物として分類される。そしてSID就職前に縁を切ったという幾人かの知り合いの現在の状態はその証左にも思える。無論、彼女がキセキ使いと何の関与もないことは確定的に明らかだと判断されたからSIDにいるわけだが。
恐らく彼女は、他者を通して「自分自身を救って幸せにしてくれる真実」を探している。
全てはそのための道具──というのは過言か。そこまでストイックではないかもしれない。彼女はキセキ使いや残響体ではなく人間だから。
一言で言うならとてつもないエゴイストで隠れた快楽主義者だ。
そしてその思考パターンや行動様式、目的へのアプローチの歪み方はキセキ使いのそれに近い。
善人ではないけれど能力も伸び代も申し分ないし、SIDへの叛意のようなものもない。十分な利用価値のある人間だ。この程度の危険人物はありふれている。少なくとも、ここにとっては。
「君は私に何がしたい?なんでもいいよ、言ってみて。
…………言いにくいことなら行動で示してくれてもいいよ。むしろ私はそっちの方が嬉しいかな。ほら、こっちおいでよ。」
職務適性
横浜支部にある部署とおよそ同じ課・チームが本部にもあるだろうと仮定しての沙月の適性。
また、人事移動を司る人事課というものがあるものとして扱っているが、課というサイズではなく総務課の一部署(人事係とか?)の可能性もある。
以下の内容は基本的には沙月本人も把握しているが、※付きのものは評価が下方されたり隠された状態で伝えられている。
現職への適性:標準
オーナー適性:低(※1)
ハウンド適性:不詳
補助執行官適性:不明
総務課適性:標準
鑑識課適性:普通
分析課適性:優秀
調査員適性:優秀(※2)
医療スタッフ適性:普通(※3)
研究グループ適性:低
本部の分析課や人事課は、勾百合沙月の「情報を精査・統合し確度の高い複数の仮説を出す能力」や「少ない時間と質問で相手の人物像を掴み望む印象を与える能力」を持つと判断している。
具体的には分析官やある程度裁量権のある調査員、または人に指示を出すポジション全般への適性が見出されている。
現状だと警察組織及び福音・リベル関連への単純な知識量が足りず、また本人の信頼性を測るため、総務課が資料整理室で預かり評価観察中。
分析課が欲しがっており、人事課での評価が終われば正式に勧誘するつもりでいる。その前段階として総務課から時々彼女を借りている。
総務課は信頼性と天秤にかけつつも取り調べや潜入捜査への適性を見出しつつあるので、あまり手放したがってはいない。
基本的にスペックが高く、特別合う位置じゃなくてもある程度パフォーマンスを発揮できそうなので、慎重に扱われている。
※1: 「リベルへの適性」タブ参照
※2: 分析課は沙月が「キセキ使いと直接会話する」事態を避けるべきだと考えている。そのため本人が希望しない限り配属はない。
※3: 人事課は沙月を「不特定多数の人に影響を与えやすい立場に置くこと」を危険視している。同上。
メタ視点情報
現時点でのリベル適性:低(投与後の精神的変容次第で変化しうる)
鍍金との相性:並(今の性格が失われる可能性はあるが、普通にオーナーにはなれそう)
福音適性:卓越(最低でも何かしらの傷号は出るだろう)
肉体強度:普通
機動力:優秀
戦術立案:標準
戦闘判断:優秀
戦闘技術:普通
動体視力:優秀
注意力:標準
環境変化耐性:標準
戦闘への抵抗心:欠落
リベルへの適性
オーナー適性は低い。検査の結果、リベル投与で死ぬことはなさそうだが、その後の精神の変容や副次的な身体的被害を甚大に受ける可能性が高く、ハウンドの起動まで行き着かないと判断されている。リベルが定着するかすら微妙なラインらしい。
もし本人が強く望むのであれば試しに投与するところだが、別に本人はオーナー志望ではないのでリベル投与は無期限延期となっている(運命的に相性のいいハウンドが見つかればペアリングできる可能性は0ではないかもしれないが、それに期待するよりはまだ被験者等になる方が現実的だろう)。
機密情報(分析課):
勾百合沙月のオーナー適性は低い。が、全くの適性なしではない。ただでさえオーナーが足りない今、不安定でも調査力を備えた潜在的オーナー候補生はそれだけで抱えておく価値がある。
しかし、それとは全く別に、特有の懸念もある。
まず、彼女の精神はどこか欠落している。そして、キセキ使いに人生を狂わされていながら「できればオーナーにはなりたくない」などと言っている。
このことから予期される未来は二つ。一つは、「本当にリベルとの相性が悪くて体を壊す」可能性。もう一つは、「リベルが彼女の欠落を埋め過剰に適合する」可能性。前者の場合しばらく療養させるだけだが、後者の場合は扱いが難しくなる。
また、結論を出すにはまだ早いが、彼女の精神は分析課の感覚からするとオーナーというよりキセキ使いに近い特徴が多く見られる。
これは……危険だ。ただでさえキセキ使いへの憎悪も、SIDへの憎悪すら持っていないのにここに辿り着けた類の人間だ。こちらで制御しきれなくなる恐れがある。
一旦は彼女がオーナーになることを望むまで、あるいは分析が進み適性が完全に明らかになるまで、投与は控えるべきだろう。欲を言えば分析課で監視できれば安心なのだが…………
メタ視点:精神構造が「オーナー」に向いていない。キセキ使いや残響体への殺意もないし、オーナーになりたいとも思っていなければハウンドも必要としてない。
可能性の萌芽くらいはあるかもしれないが、どちらかといえばキセキ使いの方が向いてる。ハウンド適性は不明。
補助執行官の仕組みを実感できる形で知ったり、「現場にしかない真実」に関心を持つようになれば適性が変化する可能性はある。
また、これは完全な裏設定だが、リベルを入れてないので顕在化していないだけで既に傷号持ちである可能性もあるかもしれない。たぶんリベルを入れないので明らかになることはないし、入れても顕在化しなければ世界的には存在しないのと同じなのでやっぱ何もないかも。
履歴
事前に決めておく内容
1.SIDに加入した理由と経緯
理由:「真実」を知るため
経緯:
失恋する。別れることなんて考えたこともなかった彼女は、突然の離別にこの世の全てが信じられなくなる。(以降壊れた思考プロセスを辿るようになり倫理観も消える)
何が真実かわからなくなった彼女は、知り合いやサークルメンバーを通して「キッカケがあれば人の心が通じ合う瞬間はある」という知見を得る。
そして、色んな「人の心」を理解していけばいつかあの時の彼の気持ちもわかるかもしれないと思いつく。そうすれば、きっと自分も納得がいき満足ができて幸せになる方法も見つかるはずだと。
そして他者に情けをかける心の余裕がある(ボランティア活動をする)人、自分と似た経験をした(家族や知り合いを事故・事件で失った)人、自分と同じく精神的に追い詰められている人から理解を始めようとする。
そしてその人たちと向き合い、心に踏み入り、時に危険に遭いながらもその本心とそこに隠された真実(彼女が「これは本心から出た言葉に違いない」と感じた言葉や感覚のこと)を集めていく過程で奇妙なことに気づく。
明らかに錯乱した妄言にしか聞こえなかった陰謀論じみた「真実」の中に、心理学的に類例があるわけでもない共通項があったのだ。
「人を喰らう銀の霧」「霧の中の魔法使い」
「凄惨な事件現場に現れる碧眼の少年少女」
「人の皮を被った暗殺兵器とそれを操る指輪を持った改造人間」
「青や銀の血を流す犯罪者」
「銃器と人型兵器を管理する闇の機関」
「世界に幸福な終わりをもたらすテンシ様」
……など。
これらの情報を集めていく中で、元カレの妹や知り合いの子が巻き込まれた事故や父が死んだ職場を知る人からも似た情報が出てくることに気づいた。
自分にはこれまで認識なかった「何か」があるという仮説に行き着く。もしそれを理解できたなら更なる「真実」が見えてくるはずだ。
彼女は自分に足りていないものを「視点の高さ」と解釈し、存在が仮定される「より高い視座」を獲得しなければならないという考えに至る。
この辺りから彼女の「真実探し」は探偵ごっこめいた形に変貌していき、SNSで近くで起きた事件を調べて調査したり、その過程で得たお友達の力を借りたり、時に裏社会との繋がりを持つ人と関わりながら俯瞰で物事を見ることのできる場所を探す。
そうして行き着いたのがSIDとバレットだった。
こうしてSIDには彼女の方から接触(事件現場近くでバレットへ不審に話しかけていたので既にマークはされていたが)する。
面談が行われ、そこで彼女は「真実を知りたい。そのためならなんだってする気でいる。叶えるためには〈視座〉が必要で、ここにはそれがある。」と語る。
いくつかの診断が行われ、自分の知っていることを洗いざらい話した後、SIDで事務員として受け入れてもらうことが決まる。
彼女はそのタイミングで「真実探し」に付き合わせていた殆ど全員と縁を切り、気持ち新たに働き始めることとなる。
2.「佐倉との関係の決着」について
以下が彼女が「佐倉遥斗と会わなければできない、どうしてもやりたいこと」や「佐倉遥斗との再開で期待していること」になる。
そして、下線部が「彼女の思う佐倉遥斗との決着」の形。これが一つでもわかれば、ある種の決着はついたと言えるだろうと思っている。
本人の自認:
あの時とは違って今の自分は恐らく同じような情報深度にある。
なので、改めて「あの時別れを切り出してきた理由」を聞きたい。
彼のことを本当の意味で理解したい。
そして、今自分のことをどう思っているか、あの時は自分のことを本当はどう思っていたのかを確かめたい。
分かり合うことさえできたなら、他に何もいらない。
実際:
上記に加えて「自分の彼を好きな気持ちと今まで辛かった気持ちをわかってほしい」とも思っている。
また、「それなりでいいから同情してほしい」とも思っている。結構辛い思いしてきたつもりでいるので。
できたら危険な実験も仕事もやめてほしいとも思っているが、そこに関して説得されてくれはしないだろうなとも思っている。大人しく言うこと聞いてくれるならそもそもそんなことしてないだろうと。
そして、自分が彼に与えることができるものを提示して、その上でちゃんとフラれたい。
沙月にとっては佐倉遥斗だけが唯一絶対の真実であり、疑う余地のない価値を有したものになる。
彼に関わるためならどんなことだってすると本心で思っている一方で、もう二度と手に入ったかのような錯覚すら得られないと思っている。
ちゃんと絶望したい。いっそこんな世界に価値なんてないと心の底から信じられるようになれたらいいのに。
3.横浜支部への大雑把な印象
ウチの支部。支部があることの意義はわかるが、設立理由もポジションも変わってる、が第一印象。
「三星堕としのオーナー」や「SID随一の分析官」などのカリスマ系リーダーが統率し、独自の研究グループなどを抱える意識高い系の支部だと思っている。
なんか残響体案件とか面倒な仕事とかクセの強い職員を取りたがっている?ようだし、あっちにどんなメリットがあるのかはわからないがそういうの処理してくれる支部があるのは助かるな〜とも。上が言うには解決した事件の詳細はちゃんと本部にも共有されているらしいし。(残響体絡みの案件は空気がピリつくことも多いので持ってってくれて助かる)(調査員的には福音汚染怖すぎだからキセキ使い案件の方がどっちかといえば嫌だけど)
その一方で、詳細な情報が見つからない(まず沙月には閲覧の権限はないだろう)AIや補助執行官制度という謎の技術とシステムには不信感を抱いている。もし三月技研みたいなこと起きたら比じゃないことになると思うんですけど大丈夫そうですか?本当に?みたいに思っている。
中でも擬似ペアリングについては仕組みが分からないのもあって(彼女は技術畑ではないので余計に)強めの忌避感を持っている。こんななのがあったら自分たちみたいなのも戦場に駆り出されるかもしれないし、今はまだわかってないだけの副作用があるのでは、とも(戦場にしかない「真実」に興味はあるが、今は命の危険を侵したがるほど真実に飢えていない。そんなことせずともまだまだ知らないことがいっぱいある)。
4.警備課バレットへの印象
初見:
かわいい子達。どうしてわざわざ残響体狩りを専門ですることを選んだんだろう。不思議だ。キセキ使いの明らかに魔法みたいな狂った現象見るのが嫌とか?
冷静になる:
……この子達がハルくんと一緒に仕事をしたり危険な目に遭わせたりしてるのか。
ハルくんは可愛くて綺麗でコミュ力もあってかっこいいから好きになるのは共感するけど……。私が頑張ってる間この子達が傍にいたのか。(以下ハルくんはどう思ってたのかな的なテキストが無限に続く)
……どうして私がここにいなかったんだろうな。……足りなかったものはいくらでも思いつく。もっと……もっと…………。
【勾百合沙月の年表(単位:歳)】
22歳-シナリオ開始時。
21~22歳-資料整理や情報整理を中心とした仕事を任せられるようになる。また、時折分析官の補佐を任されることも。
20歳-SID本部内で面談後、事務員として受け入れられることが決まる。
20歳-調査員のフリをして仕事中の別のバレットに接触。「バレット。悪いんだけど、部長か、その辺の人に代わりに渡してといてもらえないかな?」と手紙を渡す。
20歳-あるバレットを発見し、生活圏を特定。幾度か接触する。
20歳-休学。SIDとの接触を図る。
20歳-集団暴行の被害者となる。一人に重傷を負わせてしまったものの彼女自身はほとんど無傷のまま交番まで逃げ切る。その後、弁護士の判断でも沙月の暴力行為が正当防衛の範疇と認定される可能性が高かったことや、加害者たちに余罪があったこと、この件について沙月自身は積極的に示談に応じる姿勢を示していたなどの理由で比較的早期に解決する。
19~20歳-心理学系のみオンラインのものをメインに受講し、同系統のサークルを転々とする(読み終えた本はいらないので)。
19歳-父が急性心不全で逝去。葬式は父の意向でこじんまりとしたものになったが、母から「遥斗くんは呼ばないの?」と聞かれる。沙月が適当な嘘で誤魔化したため、佐倉遥斗の元には葬儀の報せが届いていない。
19歳-ストーカー被害に遭う。警察に相談して二週間後に犯人は逮捕。発覚から示談まで一月未満で解決した。
19歳-短期間、塾講や家庭教師のバイトを入れたりボランティア系のサークルに入ったりする。今までやったことなかった方法を使って「他者と向き合い、他者を理解」するためのアプローチを模索していた。
19歳-暴行未遂事件の被害者になる。同じ大学の人と二人きりになったタイミングで触れられることを拒んだところ、無理やり押し倒される。その後、沙月が全力で暴力を振るい、男の肋骨と脛骨を骨折させ鎮圧。自ら通報した。事なきを得る。
19歳-大学1年生後期の科目の履修を全て取り消し、オンデマンド受講が可能な心理学の授業(他学部の授業)だけ取る。
18 or 19歳-壊れた。
○佐倉にフラれる
18歳-彩芽ちゃんとその友達の灯ちゃんが事故で亡くなる。ハルの様子がおかしくなる。何かを……探してる?ようにも見える。ハルには何が見えてるんだろう。私が……支えなきゃ。
18歳-大学生活が始まる。佐倉が勉強に本腰を入れていたのを見て、自分も頑張ろうと勉学に励む。サークルは入らない。佐倉と過ごす時間が阻害されるかもしれないから。
18歳-一人暮らしに。同棲も視野に入れてアクセスのいい広々とした家を購入した。仕送りで生活。
18歳-佐倉と同じ大学に受かる。ただ、医学部は落ちた。第二志望の文学部に(特に希望はなかったので一番倍率が低いと噂で聞いた文学部を第二志望にしていた)。
○幸せな学生生活を過ごす
15歳-父が極端に遅い帰ってくることが多くなる。時折、帰ってこない日もある。
○友人に泣きつかれ、「耳かきしてもらうこと」を条件に大会近辺の短い時期だけバスケ部に入部。予選敗退が常だったチームを県大会優勝まで導く。このとき、逸路のチームを直接下している可能性がある。約束通り県大会を終えるとすぐに部活は抜けた。地区大会には出ていない。
14歳-父が「自分も家に帰ってこない日が増えるかもしれない。それでも大丈夫か?」と聞いてくる。沙月は「(お母さんほどではないだろうし、時々帰って来ない日があるくらい)そんな気にしなくて大丈夫。お仕事頑張ってね。」と返す。
○この辺で告白か?
13歳-父が復職。在宅がメインながら、ちょくちょくヘルプに行くようになる。
○この辺りで彩芽ちゃんや悠縁灯とも仲良くしていたはず。家に招いてお泊まり会などもあったかも。遥斗さんも誘われたことがあるかもしれない。この時家に母はないことが多いので、父がご飯作ったり何か手伝ったりしていたはず。
8歳-母親が本格的に職場復帰していく。
○この辺りで時々佐倉を家に連れてきていたはず。勾百合父のご飯や(抵抗がなければ)手作りのお菓子(出来はふつう)を一緒に食べたり夕方まで遊ぶこともあったかも。
3歳-佐倉遥斗と出会う。彼女視点では「いちばんのおともだち」に。
家庭事情
過去
・母は大きめな大学病院勤務。お金を稼ぐのが好きで長時間労働・連続勤務をしている。体は丈夫。耳かきが上手い。沙月に好かれている。
・父はコンピュータ技術者。非常に優秀かつワーカホリック。具体的に何をしていたかは沙月本人もよく知らない。システム開発とか不具合の対応か何かで頻繁に帰ってこなかった。そこそこ料理が上手い。沙月に好かれていた。
・両親は親戚か何かの縁を通じてお見合い的な形で結婚した。互いに(人として)とても好き。でも、もし相手が浮気してたとしても気にしないレベルでドライ。「隠しきれるなら自分としてはいいけど、相手方に迷惑かけるのは許せないのでやめてね」的な会話をしていたのを沙月は聞いたことがある。
・家庭として、お金には困っていない。沙月はお小遣い(というか報告さえすれば自分の裁量で使っていいことになってるお金)が桁違いに多い。でも特別お金使ってやりたいことがなかったり遠慮などで実際に使うお金は都市部の子としては普通かそれ以下。「遊んでる」部類の高校生と比べたら格段に少なかった。(現在は家庭のお金を「自由に使っていいからね」と言われている。)
・家庭の方針として「子供が欲しがったりしてほしいと言ってきたことはできるだけ叶える」がある。一方で、それを行使しない限りは生活態度や学業への取り組み方・素行などにあまり口を出してこない、どちらかと放任的な傾向があった。
・家庭不和はない。しかし、親は帰ってこないことも多く、自分は家にいるのに両親と顔を合わせないで終わる日も少なくないことをとても寂しく思っていた。
・小学校低学年の時までは両親ともに家にいる時間を多く取っていた。特に、父は中学1年あたりまでほとんど家にいた。でもその辺以降は本格的に復職した。
・両親ともに沙月のことはかなり気にしてくれているし、優しい。物心着いてからは怒ることもほとんどない。それはそれとして仕事人間なので家は空ける。娘に「家にいてよ!」とか言われたら話は変わるが、沙月はそういうことをあんまり言わない子だった。
・両親ともに佐倉のことを認知していた。沙月が付き合ってることを共有してるかは謎。ただ、「将来は佐倉くんと結婚するのかねぇ。そうじゃなかったとしても仲のいい友達なんだし、大切にするんだよ」みたいなことは思っているはず。(心象がいい)
現在
・現在沙月は一人暮らしをしている。
・二十歳周辺までは両親と会ったりしていたが、最近は全く会っていない。電話くらいはしたかも。
・父はK案件(表向きは過労による心不全)で亡くなった。このことは勾百合家の方から佐倉遥斗に伝えられていない。
なんかのテキスト
砂みたく脆くて儚い月のような少女──そんな言葉がかつての彼女には似合っただろう。
どうにもならないような現実に衝突し、無惨にも砕け散った今の彼女は粉々なままに、既に見ることすら叶わなくなった夢の周りを廻り続けている。
その軌道上にあるものを自分ごと挽き潰しながら。
彼女が追い求めるはとうに存在しなくなった〈答え〉。
辿り着くべき場所を失った彼女に降りかかるは福音か、正裁か。
振り返れば背徳を重ねる道は既に開かれていた。
運命の時が来る。
……しかし、利己的でありながら自分を持たない、破綻したネガイを抱える歪みに今更何ができるというのだろう?
キャラコンセプト
勾百合沙月にはおよそ二つの最も根幹となる設定がある。
①キミのことが好き
→彼女は優秀なステータスを備えた人間ではあるが、たとえキミが情けなかったりどうしようもない欠点を抱えていたとしても好きなままでいる。お世話が必要なら喜んでしてあげる。
②愛に飢えている
→「自分が本当に好かれているか、愛されているか」を言葉による承認など何らかの形での実感として得られなければ不安になる。その不安を放置すれば不満にもなる。どうしても許せなくなってきた時に甘い言葉をかけられたらうっかり靡いてしまうほどに「愛」に弱い。
この2点以外の設定は話の都合で無視したり撤去してもいい。以下はその上で肉付けされた設定。
「勾百合沙月」は自分で自分の人生の主導権を握ることはしない。実感を得られるものを何より信じていて、自分以外の誰かが生み出す<流れ>に身を委ねる生き方をする人。
自分の存在を承認し、導いてくれる灯りとなる存在を必要としている。
他者からの承認(=愛)が確かでないと生きられない。
作り手側の視点としては、あの「夏の終わり」に物語エネルギーを全て使い果たせるように設計されている。そのため、「その後」の物語に姿を出せるよう調整をすると必然的に歪みが生まれる。KIZは煌度の高い世界なので、結果的に表層人格が大きく歪んだ。根底は一点を除きそんな変わらないが、その一点が「主人公の喪失」なので、ね……。
勾百合沙月(KIZ)は、「他者」が存在しない人間。(たった一人の特別な存在を除いて。)
自分にとってもっとも「確か」だったものを喪ったことで「すべて(=自分を除いた世界全体)」が信じられなくなった。
欠落した「唯一のもの」を埋めるための答えを求めた。本から知識を得るように、人の心を侵犯して、相手を「理解可能な情報」に変換して自分の内側に取り込んでいた。
心の壁を侵食してその内側にある真実(確かな実感)を食らい永らえる。他人を一方的に利用して自らを承認する。キセキ使いが他者の精神に宿る力を食らうように。
彼女の天敵は強固な信仰を持つ人(≒リベル適合者)。彼女自身に依らないものを拠り所にしている人や、拠り所なんてものがなくても心を強く保てる人の心を開かせることはできない。あちら側から心を開いてくれたとしても、それだけでは彼女は「心が通じあったという実感」を得られない。
ハウンド(オーナーに依存するリベルを入れずとも福音汚染ですら消せない強固な人殻を持つ殺戮人形)は怖い。
物語の終わり
彼女に生来のオーナー適性はないが、佐倉遥斗と関係していればオーナー適性が芽生える可能性がある。
作中世界的には、オーナー適性があるものの、検査で大きめの副作用(ショック死など)が生じる可能性が予見されているため投与を強いられてはいない人物となる。
しかし、もし本人が希望すれば、オーナーは常に足りていないので「本人の意志が最優先」としてでリベル投与がなされる。
「花に青風」以前であれば、リベル投与時特有の「精神的動揺」が大きく現れ、キズナの破壊(≒傷号の発症)が発生する。
このとき、彼女を現世に繋ぎ留める最も重要であると同時に実感が薄れ脆くなったキズナでもある「佐倉遥斗」が砕け、零感を発症するとPLは想定している。
勾百合沙月は「強固な信仰を持つ人」ではないが、精神の大きな欠けをリベルが補う。リベルと過剰適応し優秀なオーナーとなる。
無論、零感である以上新たな心の縁を見つけなくては晶滅してしまう。しかし、心の曖昧になっていた部分を明確に欠損し、それを別の新しい他の何かで代替した彼女はもはやあの時の「勾百合沙月」とは別の存在だろう。
「花に青風」後であれば……強いネガイを保たせていた問題が解決してしまったのでオーナー適性が低下しているかもしれない。無理やり投与したら心身に大きな負荷がかかるものの、オーナー相当にはなれる。ただ、リベル適性はやはり微妙なので、起動できるハウンドが中々見つからないかもしれない。仮に入れても運命的な出会いをするまではオーナー候補生のままだろう。動機と出会いがあればオーナーになることもあるかもしれない。
彼女がSIDに入った頃には佐倉遥斗が死んでいたケース(残響体含む)とかだと汚染領域に身投げしてキセキ使いになる。オーナーにはならない。
オーナーになる可能性があるとしたら佐倉遥斗がキセキ使い/テンシ/ゴスペルバレットになった場合などだろうか。
サッチャン佐倉に甘くない?問題
ビガミ世界に比べKIZ世界では更に甘い。何せちゃんと愛を目に見える形にして、言葉にして、実感させてくれるので。
逆に言えば、ビガミ沙月は「いつも通り」なフリをしているだけで、実際のところはかなり特殊な状態にあった。
つまるところ、KIZ佐倉でたとえるなら「嫌悪」に相当するパラメータ(語としては「不満」が適切だろうか)が5の状態でシナリオが開始されている。
まぁ、ずっと一緒にいた大好きな幼馴染を切って最近話す程度のサッカー部男子に告白されて「もういいし!彼と付き合うし!(仄かな反抗心ありき)」してるくらいなので、ね……。
また、ビガミ世界だと沙月は「縁切りを宣告する側」だったが、KIZ沙月は「縁切りを宣告される側」であった。その上、KIZだと自分に理由があるともあまり思えない、納得しづらい理由だった。
そういった前例から、KIZ沙月は佐倉に対して「自分は振られる側」という認識が刻まれてしまっているので、納得できないことがあっても一旦流してしまう。よく考えても納得がいかなければ話し合うだろうが……基本的にぜんぶ許す。生きて帰ってきてくれさえすればいい。納得の上自分の意志でした選択なのであれば危険なことも目を瞑る。
こいつ危ないな。好きになった相手が善い人でよかったね。もし福音のない世界で佐倉と別れてたらどんな末路が待っていたことやら……。
ハル……かわいいね……
勾百合沙月(ビガミ)と勾百合沙月(KIZ)は同じイデアを分有する別世界の同一人物なので、生来の感性はほとんど全く一緒である。
ビガミ沙月は夕暮れの公園で道に目を向けた時、通りかかった白髪赤目のアニメから出てきたみたいな綺麗な子に一目惚れしちゃっている(この段階で恋愛だったかはともかく)ので、KIZ沙月も同様にアルビノ佐倉のビジュにときめく感性を持っている。
なので最初の衝撃を乗り越えてしまえば今の佐倉遥斗のビジュへの認識は(なんか可愛くなったな……)になる。
佐倉遥斗の甘えたがりな一面に対しては、しばらくは「ハルも寂しかったのかな、なんか嬉しいな」で流すとは思うが、どっかしらのタイミングで「これ恋人に対するやつか?」とは思うかもしれない。
ただ、今の沙月は壊れてる間の影響で「恋人らしさ」自体への執着は薄れている上、恋愛強者らしくかっこいいとこちょくちょく見せてくれれば満たされるので、精々ちょっと文句言うくらいで終わると思われる。
というか極端な話浮気されても本命が自分なら最終的には許しちゃうんじゃなかろうか。(絶対しないだろうけども、そのくらい許容ラインがもうおかしくなってる)(壊れてる部分は時間が経つにつれて修繕されていくとは思われるが……)
欠けた月
世界が信じられなくなった。漠然とした不信感を抱いたとか、そういうことではなくて。
何を信じたらいいのかわからなくなっちゃった。彼って本当に実在してたのかな。私って今、本当にここにいる?家族って本当にずっと前からいたのかな。私が生まれる前から本当に存在してたのかな。学校って何?何のための……何?ぜんぶのものから根拠が抜け落ちちゃったみたいな、そんな感じ。空っぽな世界。カーテンを開けるのがめんどくさい。薄暗くて空虚な部屋。
とはいえ、日々生きていれば何かしらの「実感」が湧くことはあって。根拠とかでなくなんとなく抵抗抜きに信じられることもあった。
例えば、お酒は美味しい。アルコールがもたらす酩酊感は、逆にこれまで自分が世界を認知できてたことが明らかになる感じがした。いや、違うな。そんなのは後付けだ。なんか心地よかった。気持ちいい感じがした。だから、それでいいと思えた。
あとは……人の心とか。繕ってないのがわかる瞬間があった。すぐに変わっちゃうかもしれないけど、それでも触れている今この瞬間のこの気持ちだけはきっと真実なんだって思えた。合理的じゃなくて、情けなくて、みっともないから、素直な感情の発露なんだと思えた。よく考えたら理屈は通ってない気がするけど……でも、信じられた。
そうやって世界の輪郭を確かめているうちに、不自然な歪みがあって……それは彼がいなくなったあの日と似た、理解を拒んでくる感覚があって、それで……。
いつかの記憶
「私にとってキミは唯一無二の存在だし、キミにとっての私も唯一無二の存在でしょ?
私たちの繋がりは一般名詞で表現するのは、勿体ない気がするな。
……ほら、おいで。大丈夫。私はちゃんとここにいるよ。抱きしめてあげる。」
三日後、彼は建物の崩落に巻き込まれて死亡したと報道されていた。いつの間にか知り合いの死が片手で数えられなくなっていた。