キズナ

設定・その他メモ

履歴

彼の里は外界とは切り離された伝統重んじる村だった。村人には特殊な血が流れており、その村に住むものたちは皆髪が生まれつき赤に染まっているという特徴を持っていた。そして彼もまたその1人。その証拠として彼の髪は燃えるような赤い色をしている。しかし、同時にその鮮やかな赤い髪は裏社会において高値で取引されており、村を出た村人が裏社会の人間に襲われる事件が多発。それゆえ村から外に出る許可はよほどのことがない限り出されなかった。
幼い彼は好奇心が非常に強く、まだ見ぬ外の世界に憧れていた。書物でしか知らない海という大きな大きな湖の話。ごった返すほどの人が住む都市という場所。彼は、一刻も早く外に出たかった。

その夢は、思いがけない、最悪の形で叶うことになる。
「赤髪狩り」と呼ばれる反社会組織が集落に乗り込んできたのだ。その名の通り彼らは高値で取引される赤い髪を目当てに村人を襲い、闇のルートで販売する。しかしもちろん、集落側も無防備だったわけではない。自警団や逃げ隠れるためのシェルターなど、来る時に備えての用意は十分にあった。だが、今回の敵は訳が違った。

訪れた敵はたった1人。「キセキ使い」が来ていたのだ。

そのキセキ使いは村人の髪を無理やり引き抜き、抵抗するものを「福音汚染」で抹消していった。
一瞬で村は壊滅した。
彼は走って、走って、走り続けた。そして生き延びた。彼1人だけが。
その日見た血を流す村人たちの光景、そして悲鳴だけは、今でも忘れることができない。

キセキ使いの存在を知ってしまった彼は、SIDによって保護され、オーナーとしての適性があることがわかった。
そして現在に至る。

彼はあくまで、キセキ使いを観察し、あわよくば捕まえて解剖したいと考えているだけだ。彼自身も自分のことをそう認識している、が、深層心理として集落のことを恨んでおり胸の内に決して小さくない復讐心を抱いている。

セッション履歴