キズナ

設定・その他メモ

幸運：９１
芸術（ファッション）：６０
運転：３５
芸術（絵画）:７８

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小さい頃から、この世で唯一血が繋がっている兄の久保雅斗と一緒に生きてきた。その日その日を生き抜くことだけで精一杯だったが兄と一緒ならきっとこの先も大丈夫だ。何か大きな壁があっても乗り越えられる。これから先だって、きっと、
辛くもあるが確かな喜びと充足感に満ちている、そんな日常が続くだろう。そう思っていた。
疑うことすらできなかった。
その時は突然に、なんの前触れもなく訪れて、
彼らの日常を無慈悲に、噛み潰していった。



「しっかりしろ！」「待ってろ、今俺が病院に…」
あの叫び声が反響している。
俺は、死んだ。殺されたのだ。
だが、奇跡としか思えないような技術によって今、兄さんの隣で一緒に笑っている。
この顔から、それが消えてしまわないように。
俺は、この奇跡を以て。全てを犠牲にしてでも。
キセキを殺し、兄さんがずっと。
今よりもずっと永く、笑っていられますように。

そんな夢を見ながら、今日もまた、目を開く。
眩しくて綺麗な光が差し込んでくる。
あと何度言えるのかはわからないけど。
しんみりとしたモヤをふり払って口を開ける。
「おはよう。朝だよ、兄さん。」

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