キズナ

設定・その他メモ

「……守るよ。それが僕の役目なんだから」
「お前死ねよ、おい、死ねって言ってんだろ。なあ、おい！！」

無口かつ表情の起伏に乏しい少年の姿のハウンド。
常に布マスクをしているが、これを外すことは後述のリリースの時以外は激しい拒絶を見せる為、注意が必要。

自身の意思を表現することはほとんどないが、病的なほどに自己犠牲を伴っても他人を守ることに執着しており、それも相まってか、率先して行動するタイプであり、同じ宿舎に居住しているハウンドからも信任を得ている。
しかし、そんな彼の温厚な性質とは裏腹に、彼のケージは透明の強化ガラスで覆われており、常に監視が着けられている。それは、彼が生前から引き継いだ残虐性に由来する。

生前の彼は何不自由ない家庭で過ごしてきた、恵まれた生まれの子供だった。何もかもが担保された生活と日々に退屈を覚えた彼は、いつしか他の子供をなじったり、暴力を振るったり……つまりはいじめを働くようになった。
そしてそれを止めようとした幼馴染の親友と溝が生まれ……その関係は、詳細は省くが彼の命もろとも、最悪の形で終わる形となった。

しかし、今の彼はそんなかつての自分の所業を覚えていない。ただ一つ覚えているのは、「誰かを守ろうとした」誰かの姿。それを反芻するように、彼は誰かを守ることに命を費やしている。そして、マスクを常にしているのは、いつも浮かべている嗜虐的な笑みを、彼自身が何よりも忌んでいるから。
もしリミッターを外すことがあるなら、オーナーは注意せねばならない。かつての親友をその手にかけた、悪魔と呼ばれた子供を再び世に解き放つことに。

――息詰まる　仮面の下で　浮かぶ嗤み　高潔な幻　その背は見えず