容姿・経歴・その他メモ

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少女が居ました。
少女は心優しく、生命を尊び、平和を何より愛し、争いをなくしたいと思っていました。
少女は名も知らぬ人々を助け続け、しかし無償の施しは疑心を呼び、とある貴族を助けた時に、焚刑の煤とされました。
少女の善性は、ついぞ理解される事はありませんでした。

それでも。

少女は願いました。全ての人類を救いたいと。
少女は願いました。せめて可能な限りの人を助けたいと。
少女は願いました。人の“正義”ぐらいは守りたいと。

少女の願いは叶いました。

私は“正義の味方”になりました。

私は願われました。誰か助けて欲しいと。
私は願われました。誰でもいいから力を貸して欲しいと。
私は願われました。都合の良い“正義の味方”であって欲しいと。

私は願いを叶えました。

世界は私に“力(なかみ)”をくれました。

人々は私に“殻(なまえ)”をくれました。

だから私は、私を呼んだ誰かの“正義”の味方をするのです。

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最早名など意味をなさなくなった少女の願いが、人々の共通無意識内の“正義の味方”を形と成したレネゲイドビーイング。
彼女に願いは無い。彼女に望みは無い。彼女の喜びはただ、願ったものの信じるもの、貫きたいと願う意志に味方する事。例えその結果、彼女へ願ったものを殺すとしても。
故に、彼女は“正義の味方”。そこにあるのは善ではなく、そこにあるのは悪でもなく。ただ彼女を呼んだ者の“信念”のみが彼女を動かす。だってそうだろう。正義の味方が戦うのは悪ではなく―――

―――別の正義なのだから。

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