容姿・経歴・その他メモ

　灰園高校に勤務する常勤教師。担当科目は英語で、星空彼方のクラスを受け持つ。容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、その上コミュニケーション能力も高い人気教師。女子生徒たちと一部の男子生徒たちからは半ばアイドルのように扱われ、校内にはファンクラブも存在する。

　日本有数の巨大企業である倉間財閥の御曹司で、ゆくゆくは総帥を継ぐ嫡男である。しかし、教師になりたいという幼い頃からの夢が捨てきれず、親の反対を押して灰園高校に就職。親族からの反感を買いながらも、高校教師として、生徒たちの名前を必死に覚え、一人一人に真摯に向き合う熱血教師である。





　嘘である。
　灰園高校の教師になった理由は『ごくせん。が面白かったから』である。生徒に対しては真摯に向き合っているように見えて、内面では面白いほどに見下しており、一人一人を羽アリか何かと同列に認識している。

　倉間錬。
　倉間財閥御曹司。
　彼は生まれついての支配階級であり、生まれついての天才。万能。時代の寵児。周囲の有象無象からさながら一国の王子のように持て囃されて育った彼は、度を越して自己中心的な人格をしている。教師になったのも金持ちの道楽。生徒の顔と名前も寝る前に軽く目を通してたら覚えてしまっただけ。
　この世で誰よりも恵まれた環境で育った彼は、この世で誰よりも心が歪んでしまっている。

　根っからの功利主義者で、基本的に人を見る時は生産性で見る。優れた人間は然るべき待遇を与えるし、劣っている人間に無理な仕事は振らない。根本から『使う側』の人間であるため、人材に対する評価は非常に的確で、経営者としては文句のつけようがない敏腕である。しかし、その評価や価値基準に自身は含まれていない。自分を絶対のものとした上で人を用いるので、他人はストラテジーゲームの駒程度にしか考えていない。それゆえに他人からは器が広く、余裕のある好青年のように感じられ、結果的に人を惹きつける。そのため、妹の遠を除けば、親族ですら彼の本性を知るものはいない。

　一方、自身と同じく周囲の人間を隔絶する能力を有しているオーヴァードに対しては、比較的『素』に近い態度で接する。しかしこれは親近感という訳ではなく、『戦力』という一つのパラメータを有するオーヴァードは、戦場こそが適材適所であると考えているからであり、社会人ではなく、秘匿された兵士になら多少は横暴に接しても大丈夫だということを理解しているがゆえである。また、自身はオーヴァードの括りからすらも絶対化している。

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