かつて、ある名もなき森に一本の樫の木があった。
その木は、長い年月をかけて風の音、鳥のさえずり、雨のリズム、人々の歌声を静かに聞き続けていた。
やがてその木は伐採され、ある職人の手によってヴァイオリンへと生まれ変わる。
そのヴァイオリンは、音楽家たちに愛され、幾度となく舞台に立ち、喜びや悲しみ、祈りや愛を奏で続けた。
そしてある日、演奏中にレネゲイドが共鳴し「音楽を愛する心」と共に1体のレネゲイドビーイングが生まれた。

目覚めた瞬間、彼女は「音楽を奏でたい」という衝動に突き動かされた。
しかし、彼女には身体も言葉もなく、ただ音の記憶と感情だけがあった。

演奏中にレネゲイドビーイングが発生するという事件を聞きつけ、UGNが駆け付け保護する流れへとなった。
当初は歌う事すら禁止するべきという意見が出たものの、保護を担当したUGNエージェントの意向で「名前」と「音楽学校への通学」という選択肢を与えられ、戸惑いながらも少しずつ音楽を通じて人間を知りながら今に至る。

現在はイリーガルとしても活動中。