ある年の11月1日、銀木犀の木のそばに一人の男性がいるとUGNに連絡が入った。そこに居たのは長い白髪に赤い瞳の、身長2mを優に超える長身の……全裸の男だった。調査によりレネゲイドビーイングであることが判明し、身元を確保される。

植物のように、何に対しても興味や関心を示さず、言われたことを聞き従うだけのアスタロトは、UGNにとってある意味“都合のいい”存在になりつつあった。そんな時、「　　　　」が保護者を名乗り出る。リハビリとして自らの元で管理、感情を引き出すトレーニングを始めた。結果が出た様子は今のところないが、以前よりも「　　　　」の言うことだけは、他より優先して聞くようになったらしい。

アスタロト、という名前は自ら名乗った。コードネームはUGNから名付けられた。

愛想のない、淡々とした口調。ぶっきらぼうだと感じられることも多いが、“他人に興味関心が無い”ためである。コミュニケーションというよりも事実確認の意味合いが強い。
「私はアスタロト。お前は何と言う名だ」（初対面の相手に）
「そうか、ならばその様にする」（監督者に何かこうしてくれと言われた）
「性別がそれに伴った欲求、感情がそれ程重要か？　私には理解出来ん」（性や愛について話された時）

無表情、無関心、無愛想。感情が欠落しているため、他人に対する性的欲求や、何かに対する興奮なども起こらない。故に知らない。それらを感じたことがないからだ。また、触れ合いや交流といったスキンシップも必要としていない。そのためリハビリと称して「　　　　」に様々な処置を施されている……が、改善の兆しは無い。

無関心、無感動、故に無知な男。ある意味では穢れない存在。神聖な動物とされる色合いをしているのはそのせいかもしれない。

勃起や射精は機能的には可能。性的な快楽も味わったことがないため理解していない。童貞処女。