素直で快活で気さくでお茶目、やや真面目気味の心配性。
困っていようがいまいが、一人でいる人には行動を共にしようとぐいぐい迫る。
鬱陶しく思われる事も多く、本人も当然だと思っている。やめるつもりは特にない。

繋がりを信じ、断絶を恐れる。
一人で立てない人は放っておけない。それは、かつての自分だから。
一人で立てる人も放っておけない。一人で消えてしまいそうだから。
故に。言葉を尽くし、願いと向き合い、手を伸ばすのだ。

そこそこに恵まれた円満な家庭で育ち、ジャームの起こした事件によりそれを失う。
14歳の時点で無自覚に感染・覚醒していた為、《リザレクト》で一人生き残った。
人里を遠く離れた山奥、恐怖に震え悲嘆に暮れる日々を過ごすこと数年。
いつの間にやら仇のジャームは討たれていた。
一人だと思っていた。違ったのだ。家族を失っても、志を同じくする人はいた。
或いは仇が討たれた事よりも、その事実の方が救いだった。
──私を一人にしないでくれたその人は、相討ちになってしまっていたけれど。

時の止まった少女は立ち上がり、山を降りた。
一人で蹲る人が、一人で死ぬ人が、一人でも少なくなるように。

古き時代のレネゲイドに感染しており、不老体質と他者蘇生能力を持つ。

シンドロームはノイマン。固有症状識別名称：劇症型転落空想。
《インスピレーション》や《天性のひらめき》のように、常に正確な正解を導き出す超常の思考能力──などと言う便利なものでは一切ない。
それは現実の僅かな刺激に多重の仮定を重ね演繹し、幾多の恐るべき未来の像で思考を喰い荒らす、想像力と言う名の｜怪物《ジャバウォック》である。

過剰想像した脅威への対策として日常的に「いざと言う時の備え」を調達しており、その影響で常に金欠。有事の際にはそれを惜しみなく放出し、他者への支援を行う。