基礎設定

物心着いた時には何もなかった、家も家族もあらゆるものを奪われていた。
何もないからこそ何をする事を躊躇わなかった、盗みを働きゴミを漁り何が何でもと生にしがみついた。
その内成長するにつれ色々な者に目をつけられ喧嘩の日々に明け暮れた、生まれ持っての天賦の才かどんな奴であれ人間ならば無敗、いつしかそちらの道を歩み始め日々を生きる事に。

だが一つ転機が訪れる、噂を耳にしやってきた女が居た、何を感じさせないその雰囲気に不気味さを覚えながらもいつもの様に売られた喧嘩を買う事にしたが完膚なきまでにやられた、しかも指一本で。
屈辱だったが、それ以上に初めての敗北を得て勝ちたいと思う様になった、自分よりも強い者に興味が沸いた、何処からそんな力が出るのか自分もその様な力を手にしたいと願いその結果呼応する様にレネゲイドの力が呼び覚まされオーヴァードに覚醒した、それを見ていた女は一言「使えそうだ」そう言い半ば強制的に着いてくるよう命じ連れて行かれた。
そこで女が率いるFHセルに身を置き、そしてその女直々の手解きを受ける事になった、これが師との出会いである。

数年が経った頃、並のオーヴァード相手ならば一方的に葬れるほどに成長した、だがそれでも師との差はかなり離れていた、月とすっぽんと言う言葉ぐらいには差があったがそれでもめげずに日々スパルタな訓練を受けながら強くなっていた。
だがそんな日々も終わりを告げた、敵なしだと思うほどに強かった師が突然亡くなった、持っていた持病により死んだらしい。
怒りや悲しみは特になかった、どんなに強い人でもそうやって死ぬのかと、呆気なさを感じた。
そこまではまだ納得する物だった
だがそこから所属していたFHの者どもは師の死体を使い脳から記録を抜き取り、師の持つ技術を何の努力も労せずに手に入れようとした、そして宗秀にも無理矢理記憶を移植させられ、どんなに苦労しようと身につく事の出来なかった物を簡単に会得してしまった、身体は違うが故に不完全であるがそれでも追い求めていた物をこうもあっさりと押し付けられる様に手に入れてしまった、そしてそれを善意だと思い込む奴らに吐き気を催した。
慕うものの死を弄ばれ自分の生きる意味を踏み躙った屑どもに絶望し、皆殺しにしそのセルを壊滅させた。

暫くは無気力に流れの者として過ごしていた、挑まれた勝負を買い受け挑戦者を葬り続ける毎日、強者とも呼べる者はもはやおらず、ただ弱者を終わらせるだけの生、それに意味をもてず魂が投げかけていたその時、熱を取り戻す出来事が起きた。

UGNにその存在が目をつけられた事でエージェントが宗秀の下に送られてきた、いつもの様に倒せばいいと考えていたが、予想以上に手強く自分の想定以上の力を持つ奴に苦戦しそして敗北した。
二度目の敗北、その時あの頃の感覚を思い出した、灼熱の様な高揚感をくれた者が目の前にいる、その力の根源を知りたい、そしてリベンジを果たしたいと願った。
その後大人しくUGNに捕まり、自分から協力を志願した、もう一度あの者と闘いたいその為には奴を知りたいとその為ならば何でもしてやると、そう告げ無理矢理納得させその権利を得た。

そして今に至り、強者を求めさらなる高みを目指し再戦を望む日々を送る。

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