容姿・経歴・その他メモ
「おはようございます……じゃ、なくって。おはよう、父さん、母さん、和美」
「ほら、和美。ケーキを買ってきたから皆で食べましょう?」
「はぁ………昨日片付けた筈の書類の山が何故目の前に…」
「"新しく届いた書類です"?…えぇ、それ位わかってますよ……」
先代支部長から、最近支部長を引き継いだ新米支部長。
高校3年生という若さゆえ、未熟な面が多々ある事を自覚している。
というか、なり立ての為に勝手がわからず未だ不手際が多過ぎる。
真面目かつ素直な性格で、他人を思いやる優しい心を持つ。
その反面あまり融通の利かない堅物な一面もあり、それ故に悩みを多く抱えている。
生真面目かつ不器用な性格をしている為、学校や支部で弄られているとかなんとか。
家事全般はそれなりにこなしていた為か、そこそこ出来るようである。
10歳の時に、石動家に養子として迎え入れられる。
妹の和美とは血は繋がって居なくても、自身の大切な妹として日々を過ごしている。
猫の髪飾りは、17歳の誕生日に妹から貰ったモノ。
それから毎日、ずっとつけ続け大切にしている。
戦闘スタイルは、狙撃による後方からの支援。
計算し、精密射撃を行う事を得意としている。
物心がついた時には孤児院に居た。
ノイマンシンドロームを発症していた為に、周りの子供達よりも理解が早かった事、周りにいたのは自分よりも年下の子達ばかりだった事が重なり、自然と皆の面倒を見ることが当たり前だった。
孤児院の院長が居て、血は繋がっていないけれど弟・妹達が居て。
決して裕福ではないけれども幸せ……
―――では、なかった。
孤児院というのは表向きの体裁を保つための隠れ蓑。
本当は、身寄りのない子供達を集めて、非人道的な実験を行う為の施設だったのだ。
(正体は、FHの実験施設)
"実験体:301"ミレイとして。
レネゲイドを強化し更に活性化させる事で、超演算処理による超長距離射撃が可能かどうかの実験をさせられていた。
常に侵蝕率が高値を記録する過酷な実験を続けていた為に、レネゲイドが暴走しやすくなる。実験の成果も出せず、このままではジャーム化するとの理由から廃棄処分が決定。
廃棄処分されるまであと数日…その時に、今まで行われていた非人道的行為な実験が明るみに出て、研究は全て廃棄される事となった。
廃棄処分待ちだった彼女は、別場所に隔離されていた為、そんな事はつゆ知らず。
ただただ死を待っていたその時、研究所内に誰か残って居ないか確認を行っていた、CN"レクラン"石動 和人に発見される。
殺されずに済む事、もう実験を受けなくて済む事に安堵するも、今後、自分はどうして良いかわからなくなってしまう。
UGNチルドレンになる事を提案されるも、実験の恐怖からその提案を受け入れられず。しかし引き取り手が居るかと言われれば誰も居ない。
途方に暮れていた時、自身を発見してくれた石動和人に、養子にならないかとの提案をされる。
――まだこの人なら、信じられる。
そう思った彼女は、養子になる提案を受け入れたのだった。
(この際に、UGNに所属し活動していく事も了承している)
ミレイと呼ばれていた事から、呼び名はそのままに"美黎"という字を貰う。
妹となる和美が生まれて居る所に、受け入れて貰えるのかという不安はあったけれど。
"家族"というモノを少しずつ学びながら、生活していくのだった。
「―――人は、苦痛には耐えられても、幸福には耐えられない」
とある一人の人間の、醜い嫉妬により起きた、最悪な事件。
それによって、大切なものを全て奪われた。
現実は非常で、時に残酷で。
喪ったものは大きい。
それでも。
父は『…キミには、幸せに生きる権利がある』と、自分の幸せを願ってくれた。
大好きな人からの応援(エール)に、答える為に。
止まったままの時計の針を動かして。
"明日"への道を、ゆっくりと歩いていくのだ。
まずは手始め(?)に支部を改築して、小さなパン屋を始めてみたようだ。
料理はそこまで上手くないが、パン作りだけは技術があるようで。
販売しているパンの種類は少ないが……猫型食パンが大人気のようだ。