「見える子系アイドル」として活動していた地下アイドル。ただし、その仕事が好きではないらしく、UGNエージェントになると同時に事務所を退所。芸能の世界から抜け、表向きには霊媒師兼除霊師として活動中。なお、出会った霊は連れて行っているらしい。。

　アニムスシンドロームに目覚める以前から、いわゆる霊感というものを持っていた少女。それ故相応の苦労をしたらしく、家庭は霊障で離散し、彼女は一人食い繋ぐために地下アイドルになったとのこと。食っていけるギリギリの収入はあるようだ。
　なお、仕事のハードさとライブを見に来る霊魂どもが起こす霊障騒ぎの苦労に対して収入が低すぎるため、その仕事には不満しかないとのことである。
　これを考慮すれば、彼女がアニムスとハヌマーンのクロスブリードに目覚めたのは、ある意味当然と言えるのだろう。

　「とりあえずやってみようとする気持ちが大事なんすよ！」とは彼女の言。「霊魂どもだって話せば分かる奴も結構いるし、話しても分からないやつだって出来ることは悪戯がいいとこっすから」と言うが、明らかに悪意を持つ相手にも平然と話しかけ、戦闘の経験すらないのに戦い、あまつさえその攻撃を避けようとすらする。これが気持ちの一言で片付くのなら、すべてのオーヴァードはもっと強い意志を持つべきだ。無論、気持ちだけでそんなことが出来るはずも無いが。

　彼女の戦闘スタイルは、霊魂、精霊、他諸々……人の目には映らないモノを声の力で操り、それらを用いて対象の精神に干渉するというものだ。従うかも不明なそれらを従えることができるのは、偏に彼女が今まで積み上げてきたそれらとの信頼関係と、それらに躊躇なく接するだけの硬い意志を持ち合わせているが故だろう。

「だぁって！昼も夜も歌い通しで、霊魂どもまで来やがるんすよ！？誰がこんな仕事続けたいと思うかっての！」
「と言ってもねぇ。詠美ちゃん、仕事ないっしょ？働けるだけ感謝しなくちゃ」
「へへ～ん、言うと思ってたっすよ。アタイが何の考えもなしに言ってると思ったら大間違い！そ～ら！行け、霊魂ども！このふんぞり返ったおっさんに痛い目みせてやれぇ！」
「あのね、そういうの仕事の時だけでいいから……って、え？ひぃ、く、来るな！なんだよお前ら、いつからそこに居た！」
「いつからって、ミーコもアスカもアタイがここに来た頃からずっとここに居るっすよ？あ、でん太のことならさっき扉の前に居たから連れてきただけっすけど！」
「やめろ、来るなぁ！うわぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」

「ってことがありまして、アタイ、UGNでお世話になることにしたんで！仕事の斡旋、頼んだっすよ！」
「何してるの……」
「アハハ！エイミーおもしろ！」

──UGN・T市支部エージェントたちの会話記録